Home > Archives > 2007-02-26
2007-02-26
3月の講演のお知らせ
- 2007-02-26 (月)
- お知らせ
3月は講演が3つあります。
都合がつく方は是非、生勝川をお楽しみください。
発表 その1
所内プロ研・シーズ研成果報告会およびミニシンポジウム
日時:2007年3月8日(木)9:00-17:30
場所:中央水研1階ビデオライブラリー室プログラム
所内プロ研・シーズ研成果報告会
09:00-10:00 岡村 寛(遠洋水研)ベイズ法を使った水産資源の評価
10:00-10:45 米崎史郎(遠洋水研)オットセイの食性と摂餌戦略ミニシンポジウム 水産資源評価・管理の課題と展望
(講演時間45分,質疑応答15分)
1. 統計モデルと水産資源評価 (座長:岡村 寛)
11:00-12:00 市野川桃子(NMFSコンサルタント)Rと水産資源学
12:00-13:00 昼食
13:00-14:00 北門利英(海洋大)遺伝の統計モデル2. 国内外の資源評価・管理の問題(座長:北門利英)
14:00-15:00 大関芳沖(中央水研)魚種交替の機構解明と予測
15:00-15:10 トイレ休憩
15:10-16:10 平松一彦(東大海洋研)ミナミマグロの資源評価と資源管理(混乱の歴史)
16:10-17:10 勝川俊雄(東大海洋研)水産資源研究の長期展望3. 総合討論 17:10-17:30(座長:岡村 寛)
水産資源学を今後発展させていくための長期戦略について話すことにする。
内輪っぽい会なので、学会発表などでは話せないようなつっこんだ話をしよう。
このブログにはかけないようなきわどい話もでるかもしれない。
今考えている内容はこんな感じ。
- ヌル不要論:水産資源学は必要か?
- 戦術と戦略
- パラダイス鎖国の限界
- 実戦フルコンタクト水産資源学
- 予告編:次にブログネタになるのはこの資源だ!
- 新聞取材の裏話
発表その2
「IMPACTシンポジウム-海洋の大規模利用に対する包括的環境影響評価の試み-」
http://www.fluidlab.naoe.t.u-tokyo.ac.jp/~buchi/IMPACT/index.html
□ 開催日: 2007年3月20日(火)
□ 場 所: 東京大学本郷キャンパス 山上会館14:00~14:50 基調講演2
「順応的管理と水産資源管理への応用」
発表その3
日本水産学会 平成18年度水産学奨励賞 受賞講演
「水産生物資源の順応的管理に関する研究」
3月30日(金) 13:00~14:20
東京海洋大学品川キャンパス
その2とその3は、順応的管理の話なので、重なる部分が多いので、準備はまとめてしよう。
どちらも水産資源学以外の人がターゲットなので、話かたに工夫が必要になる。
順応的管理の可能性と限界について、簡潔にまとめたい。
受賞講演って、80分もあるのかと驚いたけど、
1会場で二人ということで一人の持ち時間はその半分らしい。
- Comments: 2
- Trackbacks: 0
もしも、管理をしていたら・・・
マイワシを適切に管理していたら、今頃どうなっていたかをシミュレーションしてみよう。
ここでは例として、2004年の親魚量が1993年の水準と等しくなるような漁獲率で
資源を利用した場合を検証する。
1980年代以前の平均的な選択性で、
2004年のSSBが1993年の水準と等しくなるような漁獲圧を計算した。
|
年齢 |
漁獲死亡係数 |
漁獲率 |
ちなみに、この漁獲死亡係数は、1980年代以前の水準よりも高い。
別に禁漁のような厳しいことをしなくても、親魚量の維持は楽勝だったのだ。
では、この年齢別漁獲率で漁獲をしていたら親魚量と漁獲量はどうなったかを計算してみよう。
管理シナリオとして、1993年から漁獲規制を行った場合と、
1999年から漁獲規制を行った場合の2通りを考えた。
1993年から資源管理を開始した場合、
1996年の加入の成功によってSSBは1997年以降一時的に増加し、
その後元の水準(568千トン)まで戻る。
2004年の推定SSBは51千トンであり、管理をした場合の11分の1に相当する。
1999年から管理を開始した場合には、2004年のSSBは200千トンとなり、
現状の4倍の親魚量が確保できてたことになる。
それぞれの管理シナリオでの漁獲量を計算すると次の図のようになる。
93年から管理をした場合
漁獲量が現実を下回ったのは、管理開始初年度の1993年のみであった。
790千トン→558千トンへと、漁獲量を232千トン減少させれば、
資源の生産力と漁獲量のバランスを整えることが出来たのだ。
それ以降は、加入の経年変動で多少ふらつきつつも安定した漁獲量を確保できる。
資源管理をしていた場合、1993年から2004までの漁獲量の合計は、6044千トン。
一方、現実の漁獲量は2900千トンとなっている。
初年度に232千トン我慢していれば、その後の12年間にその10倍以上の見返りが会ったわけだ。
また、赤線のような管理をしていれば、今後も35万トン程度の漁獲量が安定して期待できたはずであり、
この差はさらに広がるだろう。
資源管理反対派は、何かというと安定供給を持ち出すのだが、
現状(黒線)と資源管理をした場合(赤線)のどちらが安定供給できるかは明らかだろう。
すでに乱獲状態にある現状の漁獲量を維持することは不可能なのだ。
より激しく乱獲をすることで一時的に漁獲量の減少率を減らすことができるかもしれないが、
その結果として将来の漁獲量の減少を加速させてしまう。
本当に安定供給をしようと思うなら、
出来るだけ早く資源の生産力に見合った水準まで漁獲量を下げるべきである。
99年から管理をした場合
管理開始してから2004年までの漁獲量は112千トンのプラスとなった。
2004年の親魚量は199千トンで現状の約4倍になる。
今後も、現在の4倍程度の漁獲量が今後も期待できることになる。
現在は資源の生産力が高いので、たった6年であっても、かなりの管理効果が得られるのだ。
逆に言うと、ここ6年の間に資源状態は更に悪化しているのだ。
結論
親魚量を維持しながら漁業を続けていくことは充分に可能であった。
しかし、過剰漁獲によって、資源は現在も激減中である。
とくに問題なのは、低年齢への漁獲圧が強まっていることだろう。
このシミュレーションでは、80年代以前の高齢魚主体の選択制を用いたが、
これが管理効果の改善に非常に大きく寄与している。
幸いなことに、現在でもマイワシの生産力は低下していないので、
今からでも適切な管理を行えば、持続的に利用していく事は可能だろう。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
Home > Archives > 2007-02-26