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2009-11-13
水産庁によれば、ブリは管理できているから、漁獲枠はいらないそうです
- 2009-11-13 (金)
- 日記
ブリに関しては何の規制もない。完全な早い者勝ちだ。近年、巻き網の漁獲が増えているのだが、これは資源が増えたわけではない。ソナーが導入されて、群れで泳ぐ魚への漁獲効率がグッと上がった。マグロ、ブリ、鰹への巻き網の漁獲効率は、以前とは比べものにならない。ブリ漁業は、漁業生産を減少させながら、消費者にも迷惑を与えている。乱獲のツケは未来の世代が背負うことになる。
ブリのような資源を無管理のままにしておくのは、日本人にとって大きな損失である。水産庁は、俺が何を言っても、四の五の言うだけでなにもしない。TAC魚種を増やすように、規制改革会議の二次答申に盛り込まれたのだが、それに対する水産庁の回答はこれ。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_yuusiki/pdf/siryo_04.pdf
対象魚種拡大の考え方
・①具体的な追加魚種については、採捕・消費量が多く、国民生活上又は漁業上重要な資源として、カタクチイワシ、ホッケ、ブリ類、マダラが浮かび上がるが、②これらの魚種については、TACの決定に足る科学的知見が十分といえない状況にあり、③さらに、従来からの漁業法等に基づく投入量規制や技術的規制、資源回復計画等の措置を講じており、資源状況の悪化もみられないことからも、現時点で、TAC管理を追加する必要性は低いと考えられる。なお、今後も、こうした観点からTAC対象魚種の追加について検討する必要がある。
論点を個別に整理しよう。
① 国による管理が必要な広域重要魚種というと、普通に考えれば、ホッケ、ブリ、マダラなどが思い当たるわけである。この件については、ここに書いたとおりである。
http://katukawa.com/2008/01/post_273.html
②「科学的知見が不十分とのことだからできましぇーん」ということらしいが、だったら、情報を集めろよ。2500億円も漁港建設に使っているのだが、その0.1%の予算をつければ、ブリの情報など十分に集まるはずだ。仕事をしないでおいて、前提条件がそろってないと開き直るのが、水産庁クオリティー。
③ 「従来からの漁業法等に基づく投入量規制や技術的規制、資源回復計画等の措置を講じており、資源状況の悪化もみられないことからも、現時点で、TAC管理を追加する必要性は低い」というのは、読んでいて吹き出してしまったよ。何も知らないのか、口から出任せの嘘つきなのか。どちらにせよ、こういうことを言う人間は信用できない。
まき網のブリの漁獲は、全くの無秩序状態であり、乱獲によって、潜在的な利益が大きく損なわれている。ブリ漁業の現状を見れば、従来からの漁業調整や資源回復計画が全く機能していないのは明白だ。読者の皆さんは、現在のブリ漁業がきちんと管理をされていて漁獲枠を設定する必要がないと思いますか?
水産庁が出した最終結論はこれ
しかしながら、これら魚種について実際に制度の対象とするかどうかについては、当該資源の管理上、TAC制度が最適かどうか、また、当該資源を漁獲する漁業種類にいかなる影響が及ぶのか等について総合的に検討の上、判断を行うべきではないか。
「総合的に検討の上、判断を行うべきではないか」というのはその通り。で、総合的な検討とやらはいつやるんだよ。TAC制度が始まって10年以上が立つのに、未だに何の検討もしていないじゃないか。「総合的に検討の上、判断を行うべきではないか」などとのたまうのは、行政官の怠慢以外の何物でもない。
ブリは、多くの異なる漁業が利用しているので、禁漁日や努力量規制など出来るはずがない。全体の線引きがないと、「獲れるうちに獲っておこう」と言うことに必ずなる。個別漁獲枠によって、それぞれの漁業の間で線引きをした上で、おのおのの漁業に応じた禁漁日や漁具の規制を自主的にやればよいのである。TACが適切かどうかなんて議論の余地もない。TACが無いこと自体が国として非常識なんだよ。
漁獲に占める成魚が2%なんて、明らかな乱獲状態。ブリに関しては、現行の漁業調整が機能していないので、公的機関による規制が必要なことは自明だろう。検討するまでもない。ブリの回遊は都道府県の規模では収まらないので、国が責任をもって管理をする必要がある。にもかかわらず、水産庁の管理課は何の対策も練っていない。それどころか、管理をしろという要求に対して、「検討が必要ではないか」と開き直って、何もしない。水産庁の無作為勢力が駄々をこねているうちに、漁業は衰退を続けているわけだ。また、この報告書から1年以上が経過するのだが、検討作業は何もしていない。やらない理由をあれこれ並べるだけで、やるべきことを一つもやらない。日本漁業の衰退における無作為行政の責任はきわめて重い。
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