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流通・消費 Archive

今度はラジオですよ~

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○番組    ラジオあさいちばん(NHKラジオ第1放送)5時~8時30分
○コーナー  ニュースアップ(当番組のメインコーナー)
○放送日時 12月7日(金) 朝7時20分頃からおよそ8分間
○聞き手   木村知義キャスター
○編集    インタビューを約7分に編集して放送

ついにラジオですよ。ラジオは初です。
プレゼンは、視覚情報があるから楽だけど、
ラジオは声だけだから、難しそう。 
しかも7分と言えば、それなりの長さですよ、姉さん。
ということで、ちょっとドキドキしたのだが、無事に収録が終わりました。

収録はNHKのスタジオまで行ってきました。
自転車で15分なので、楽でよいですな。
少し早く着いたので、NHKの側のカフェでちょっと一息。
カプチーノを頼んだら、えらく時間がかかるので、何か思えばラスカルでした。
こういうサービスは嬉しいですね。
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はるばる来ましたNHK。
中にはいるのは初めてだったりする。
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テレビは長時間録画してほんの一部を使うので、
ラジオもそうかと思いきや収録時間は短かったです。
10分ぐらいだったでしょうか。
とちった部分、空白の部分を抜かせば殆ど全部が放送されそうです。
個人的には、日本独自のエコラベルを痛烈にDISる前に終わってしまって残念でした。

木村知義キャスターと収録後の一コマです。
インタビューを受ける場合、聞き手によって話し易さが違うのですが、
木村さんは抜群に話しやすかったです。人柄と経験のなせる技でしょうか。
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月曜日にいきなり電話がかかってきて、
MSCと日本の水産の現状について教えて欲しいと言うから、
ブログに書いているようなことを話したのです。
そうしたら、この話題をラジオで話してくれということになりました。
あの電話は、俺がラジオに使えそうかのチェックも兼ねてたんだろうな。

ラジオの日程は凄くタイトです。
月曜日に「放送予定が金曜だから、収録は水曜か木曜でどうでしょう」と依頼されました。
いつもこんなにタイトなスケジュールなんですか?と聞くと、
これは例外的にゆとりがある方で、
前日に収録をするのが普通で、当日生と言うことも良くあるそうです。

質問リストが来たのが、昨日の夜で、
あまりいい加減なことも話せないので、昨晩は遅くまで調べ物でした。
MSCについては、伊沢あらたさんがWWFに着任した当時に話を聞いたきりで、
その後の進展をフォローしていなかったのです。
日本にいるとMSCは対岸の話というような感じだけれど、
欧米ではかなり広まっているようですね。
「世界の水産物の7%がMSC認証を受けている」という話です。
つい最近、MSC認証製品が1000件に達しました。
最初の500件の認証には7年かかったが、
そのあとわずか9ヶ月で倍の1000件に達したというのも驚きですね。
エコラベルは、世界的には大きな動きになっているようです。
ラジオのために調べ物をしたおかげで、いろいろと勉強になりました。
今回調べ物をした内容も近いうちにアップしたいが、OMの話もまだだし、
ノルウェーの話もまだだしで、もう、ぐちゃぐちゃですね。

日本独自のエコラベルだって!?

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http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200710240003a.nwc

 水産資源の保護や環境保全に配慮して漁獲したことを認証する日本独自の「海のエコラベル」が動き出す。漁業関連団体などで構成する大日本水産会が12月にも、「マリン・エコラベル(MEL)・ジャパン」を立ち上げ、来年初めから国内の水産物を対象とした認証を始めるもの。

本家の英国MSCは費用がべらぼうにかかる。
それが、「営利目的」と批判され、敬遠される一因になっている。
しかし、ユニリーバがMSCでビジネスをしようと思うなら、
金を積まれたからといっていい加減な漁業にMSC認定はできないので、
悪いことばかりではない。

一方、日本のエコラベルは交通費程度で取得できるらしい。
まあ、たしかに安いに越したことはないけど、
浜までいけばそれで資源が持続的に利用されているかどうかわかるわけではない。
過去のデータをもとに資源の持続性を検証するのは、専門的な知識が必要な作業である。
持続性を検証するには、時間もコストもかかるのである。
そういう作業を一切、抜きにして
審査員「資源管理やってる?」
漁業者「うちは、ちゃんとやってるよ」
審査員「じゃあ、OK! このシールを貼っておいてね」

というようなことをやるのだろうか?

「国内のほとんどの漁業者が、環境に配慮した漁業に取り組んでおり、
地道な取り組みを広く消費者にアピールするのが狙い」というのは笑うところかな?
じゃあ、なんで日本沿岸には魚がこんなにいないのよ?
形式的な、実効性に乏しい自己満足的な取り組みしかやっていないからだ。
非持続的に利用されてる日本のほとんどの魚にシールが貼れるようである。
これじゃあ、何の意味もない。
たとえば、今話題のスケトウダラ日本海だって、
沿岸漁業者は自主的な取り組みを積極的にやっていたよ。
かなり模範的な部類にはいるので、ここだってシールを貼れるわけだ。
資源を崩壊させるような漁業でも、楽々認定されるようなものは、エコラベルではない。

消費者が知りたいことは、
「資源管理の取り組みをなにかしらやっているか」ではなく、「持続的に利用されているか」である。
日本のエコラベルは、前者で資格認定をしておいて、
あたかも後者のようなイメージを植え付けるのであれば、消費者を欺くものである。
俺には、消費者に正しい情報を与えると言うより、
消費者をだまして魚を高く買わせようとしているようにみえる。

エコラベルを作ろうという方向性は良いと思うが、
現状では基本的な方向性が間違えていると思う。
どんな漁業が認定されるのかワクワクしながら待つことにしよう。

サイエンス・ゼロ雑感

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サイエンス・ゼロは、見ましたか?
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なかなか良い仕上がりでしたね。
見損ねた方は、是非、再放送をご覧ください。

大きく3つの話題がありました。
1)マサバの乱獲
2)エコラベル
3)海洋環境を調べることから、魚の保護につなげようという研究

マサバに関しては、クロ現と重なる部分も多かったですね。
俺の画像も使い回しだし(笑
新たに撮った神奈川水試の調査風景はグッドでした。
一般の人にも調査の現場の雰囲気が伝わったのではないでしょうか。
そこで、マサバの年級群が単純化しているという話から、
ノルウェー→俺とつないで、最後にスタジオの渡邊先生という流れ。

俺の登場は一瞬でしたね。まさに、チラッとでただけ。
「ちゃんと獲り残せば、回復するという期待はある。」
「大切なことは、充分な親を確保すること」
という2点は俺が言いたいポイントであり、
良い部分を抜粋してもらったと思う。

渡邊良朗先生が、番組のわかりやすさに大きく貢献していた。
渡邊先生のコメントは、説得力があるんだよね。
テレビにむかって、「うんうん」とうなずいてしまったよ。
メッセージは明確だし、立ち位置もぶれないし、
一般の視聴者にもわかりやすかったと思います。
スタジオは渡邊先生と聞いたときに、グッドな人選だと思ったのだが、
予想を上回るグッドコメンテーターぶりでした。
マサバ漁業の危機的状況がお茶の間に伝わったことでしょう。

エコラベルについても良かった。
MSCは認証費用がバカ高いので、営利目的などという批判もあるが、
世界的には着々と進みつつある。
それだけ需要があるということだろう。
さて、日本初のMSC申請ということで、京都府のズワイガニが紹介された。
京都のズワイガニは個人的に応援している漁業です。
俺が修士の学生の時に、松宮先生のところに、京都の水試の人が会いに来た。
「とにかく資源管理の効果を評価して欲しい。厳しい結果が出ても構わない。
必要なデータは出来るだけ集める。」と言う話だった。
俺は「まじめに資源管理をしようという人が日本にもいるんだ」と感銘を受けたのだ。
その流れで書かれた論文がこれ。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003144786/
松宮先生が亡くなられてから、接点はとぎれてしまったが、
陰ながら、京都府の取り組みは応援をしています。
番組でも、資源管理の取り組みが詳しく紹介されていて嬉しかったです。
こういう漁業こそ紹介すべきだと、前々から思っていました。
目の付け所が良いですね。

最後の海洋環境に関するプロジェクトは、ちと微妙かな。
こういったプロジェクトが、魚の保護につながるかは疑問です。
海洋環境によって、魚の生産力は変わるけれど、現在の乱獲はそれ以前の問題。
未成熟のうちに獲り尽くすような漁業は、
どのような環境条件であっても正当化されません。
そういう明らかな不合理漁獲を放置したまま、
海洋環境と資源変動の関係に多額の予算をつかっても、
「資源減少は地球温暖化が原因である」というアリバイ作りにしかならない。
海洋環境と資源変動の研究例はすでに山ほどあるけれど、
実際の資源管理には殆ど使われていないという現実がある。
本気で海洋環境の情報を資源管理に役立てようと思ったら、
現在までに得られた情報をどうやってつかうかを考えるのが先でしょう。

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from 18 Mar. 2009

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