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日本漁業の衰退は、米国の陰謀ではないです

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元漁師さんのコメントへの返答です。

最近思うのですが、「日本の漁業が盛り上がっては困る勢力」もいるのではないでしょうか。漁業にかぎらず、日本が自給率を上げてもらっては困る勢力です。アメリカの穀物メジャーはホワイトハウスに人脈を送り込んで国家戦略として日本に対して自給率を下げさせるような政策をしてきたように見えます。
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このような勢力がアメリカ政府を通じて日本政府→水産庁や農水省など 食糧関連 にそうとは気づかないように圧力をかけてがんじがらめにされてきた結果が今の現状なのではと思うこのごろです。その国家の食糧やエネルギーの根っこをつかんでしまえばその国は食糧輸入国へ転落するしかなくなります。水産庁の役人さんたちも今の待遇に満足して、自分の国を操られていることに気がついていないのでしょうね。

私の見方は違います。

日本の農業・漁業政策は、長期的見て生産力を下げるようなことばかりやっています。それを変えるような努力も内部ではありましたが、うまくいかないようですね。ご指摘のようにがんじがらめなのだとおもいます。現在の国益に反する水産政策を決定しているのは、米国ではなく、国内の団体です。

農水分野で日米摩擦がしばしば起こります。農水省がしばしば米国の利益と衝突するのは、農水省の役人に気骨があるからというより、国内に米国よりも怖い団体がいて、そっちの方を向いて仕事をしているということですね。この前の東大のシンポジウムで、水産庁OBの佐竹氏が「全漁連が反対したら、我々は、なにもできない」という、旨の発言をしました。これが水産庁の本音でしょう。

漁業者が減ったら困る団体が、自らの政治力を駆使して、公的資金で生産に寄与しない赤字の漁業者を維持しようとしている。公的資金をつかうための方便として、自給率が減った減ったと危機感を煽って、国民が踊らされるという構図ですね。

漁業も農業と同じような構造になっていますので、次の本を読んでいただけると、腑に落ちる部分も多いと思います。構図としては同じですが、漁業の補助金は農業と比べると、桁違いに少ないので、漁業の方が自立の道は近いでしょう。

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Comments:6

元漁師 09-04-20 (月) 23:43

実をいうと、もし日本漁業の衰退の根本原因がアメリカうんぬんなのであれば、これはもうある意味むこう30年くらいはお手上げ状態だなあと思っていました。そこで勝川さんはどうお考えなのかをお聞きしたかったのです。

>漁業の補助金は農業と比べると、桁違いに少ないので、漁業の方が自立の道は近いでしょう。

これをお聞きしてちょっと希望がもててきました。
お勧めの「農協の大罪」、早速読んでみます。ありがとうございます。

勝川 09-04-21 (火) 3:57

血のにじむような経営努力を続けても、漁業経営は目に見えて悪化する一方です。「努力しても結果的にだれもプラスにならない漁業は、一体、なんなのか」と真剣に考えなくてはならない。その上で、事態を変えるために、必要な改善を加えていく必要があります。

ただ、一般の漁業者には、漁業政策が間違えていることはわかっても、その全貌は見えないでしょう。私自身も漁業の改革に関わってから、ようやく理解できたことが多いです。不合理なシステムを変化させる必要性を訴えると、特定の組織およびその代弁者から、「机上の空論」だとか、「外国かぶれ」だとか、情緒的に攻撃されます。それを繰り返しているうちに、何を言うと、どこから石が飛んでくるかは、だいたいわかってきました。不合理なシステムを、どの組織が必要としているかが特定できれば、その組織がなぜそのシステムを必要とするのかは、自ずと見えてきます。

私の理解では、漁業衰退の仕組みは、それほど難しいものではないです。みんなが、自分の目先の既得権を守ろうとして、全体の利益が失われているという、非常にありがちな構図です。

現在の漁業政策を牛耳っている組織にしても、漁業を悪くしようとしているわけではありません。ただ、目先の損徳にこだわる余り、物事を大局的に見る視点が欠けていますね。今のままでは、どうにもならないことぐらい、わかりそうなものですが、腰が重いですね。漁業政策を決定しているトライアングルは、そう長くは持たないでしょう。ただ、漁業もすでに限界に達しているので、このままでは共倒れしかねません。早いとこ、方向転換してもらいたいものです。

沿岸漁業の一漁師 09-04-29 (水) 7:42

>漁業者が減ったら困る団体が、自らの政治力を駆使して、公的資金で生産に寄与しない赤字の漁業者を維持しようとしている。

ここ数年は組合員の資格審査をしていますが。合併反対の漁協を中心に厳正に対処していますね。
それまではなぜか定数割れの漁協が存在していたりといった具合ですね。これはネットでも拾えますw。
自治体サイドも安易な直売や『素朴』を売りにしたマスクをしない加工事業、『飲食業もどき』の推奨で如何に残すかで汲々としていますがw。

勝川 09-05-01 (金) 11:13

組合の合併は、あまりいい話を聞きませんね。
漁業者のためというよりは、上を守るために下を整理したような印象です。
全ての浜に金融機関が必要だとは思いませんが、浜に必要な機能もあったはずでしょう。

地方の産業が生き残ることは重要ですが、産業としての競争力をつけた上で、残って欲しいものです。加工も厳しいですから、安易な商売では難しいでしょうね。

沿岸漁業の一漁師 09-05-01 (金) 19:57

>組合の合併は、あまりいい話を聞きませんね。

『解散しなくてすむ』というだけで衰退している漁協を中心に合併していますからね・・・・・・・・・・・・。
経営的にはマイナスの数字の足し算状態であってマイナスの数字同士の掛け算にはなりませんよね。
反発する漁協は正常な経営をしている漁協か補償金事案が多く、『内規最強!!!』(内規・ムラの掟>>∞>>法律・憲法の概念)で好き放題やってる『名ばかり漁師』が多い漁協ですよねw。

>加工も厳しいですから、安易な商売では難しいでしょうね。

全うな手段では無理という状況ですよね。
加工は年寄の暇潰しでやるか、外国人研修生や不良外人を雇うかですかね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

勝川 09-05-07 (木) 11:20

「漁業」か、「その他」にドル箱を持っているところは、合併したくないですよね。

>『内規最強!!!』
については、取り合えずは、ノーコメントで(笑

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