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その他 Archive

引っ越しました

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このブログを設置しているレンタルサーバを引っ越しました。と言っても、ドメインの移管もしたので、アドレスも変わっていないし、外観もそのままですが・・・

去年の夏に、こんな事件がありました。

「ロリポップ」のWordPressサイト改ざん被害、原因はパーミッション設定不備
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1308/30/news127.html

実は、このサイトはレンタルサーバ「ロリポップ」でWordPressを使っていたので、ビンゴの環境でした。

レンタルサーバというのは、誰が住んでいるかわからないマンションのようなものと考えてください。マンションの入り口にカギがあり、さらに個々の家にもカギがあるわけです。ロリポップの場合は、マンション入り口のカギはかかっていたけど、個々の家のカギはちゃんとかかっていなかった。悪意を持った人間が、内部に侵入し、1万件近いブログが書き換えられてしまったのです。

俺が引っ越ししようと思った理由は多々あるのだけど、

まず、発表が遅かった。ロリポップのサーバがクラックされているって、ツイッター経由でこのサイトで知ったわけです。ロリポップからメールがきたのは29日の夕方ですよ。

その内容も意味不明。「サーバはクラックされていないから、パスワードの強度を高めろ」と言われたんだけど、何千ものサイトが一気にブルートフォース(パスワード総当たり)でやられるとは考えづらい。最初の突破口はブルートフォースかもしれないけど、すでに入られているのだから、パスワードの変更が根本的な問題解決にならないことは素人でも想像できる。案の定、その後の調査で、「簡単インストールの仕様とサーバー側の設定不備が改ざんの主な要因」と判明。

その後にのけぞったのは、不正操作の原因。簡単インストールサービスをつかってブログを設置した場合、データベースのパスワードが記録されているファイルのパーミッションが444だったのです。つまり、厳重に守るべきファイルが、同じマンションの住人なら、誰でも覗ける設定になっていたわけ。

安さに惹かれて、ロリポップを使っていたのだけど、「さすがにこれは危なすぎる」と言うことで、引っ越しました。

政策的に国内産業を潰すには、どうしたら良いだろうか?

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産業振興については、いろいろな場所で議論されているので、別の視点から考えてみよう。政策的に国内産業を潰すには、どうするのが確実だろうか?

米国の禁酒法のように、流通自体を違法にするのは下策だろう。需要があるのに供給を止めるのは政治的に難しい。禁酒法だって結果として失敗した。

より確実な方法としては、供給サイドを腐らせてしまうことだ。本来なら、市場から退出すべき人たちに既得権を与えて、本業がいくらダメでも、居座れるようにする。競争力がマイナスな人たちを守るために、参入障壁を高くして、まともな経営体が入れないようにする。既得権益と参入障壁でガチガチにしておけば、その業界は競争力を失う。自立できなくなった業界は、既得権益と参入障壁を維持するために政治団体化して、まともな人材は寄りつかなくなる。

ここまでやれば、国内産業はみるみるうちに衰退していくだろう。しかし、この段階で安心してはいけない。国内産業が競争力を失えば、輸入品が入ってくる。輸入品には、2つのリスクがある。第一のリスクは、せっかく育てた政治団体がつぶれてしまうことだ。既得権団体が消滅したら、参入障壁が維持できずに、再び健全な国内産業が育ってしまうかもしれない。第二のリスクは、消費習慣が残ることだ。消費者がそれを望む限り、まっとうな産業が復活する可能性は消えない。これらのリスクを避けるには、国内産業保護という名目で、輸入品が入りづらい状況をつくらないといけない。輸入関税を高くしたり、公的資金で「国産品消費」を促進するキャンペーンを徹底する必要がある。

競争が無く、政治力だけで生き残っている産業は、割高な粗悪品しか生産できない。結果として、消費者は代替品に流れていくだろう。その結果が「消費者の~離れ」だ。この状態が長く続き、消費者が完全に離れてしまえば、その業界に復活の目は無くなるだろう。

注) 別に特定の産業について書いているわけでは無く、あくまで、一般論です。一般論として読んでくださいね。

「ユーザーアカウント制御の設定を確認してください」を表示させない方法

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「ユーザーアカウント制御の設定を確認してください」を表示させない方法.

VistaのUACがうざすぎる。1年ぐらい使ってきたけど、「UACがあって助かったー」という場面は一度もないので、無効化をした。すると、タスクトレイに「UACが無効です」という警告が常に表示されて、実にうっとうしい。その警告を消すにはレジストリーをいじればよいという話です。

これで罰ゲームみたいな機能から解放されます。

Vistaの不要な機能を削っていくと、どんどんXPに近づいていくんだが・・・

これはすごい

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世界漁業は成長産業 その2

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世界の漁業生産が、過去最高水準で安定的に推移しているのは、各種統計から明らかである。ただ、漁獲量の統計のみでは、世界の漁業の現状を把握するのは難しいだろう。近年の世界漁業の発展は、量よりも質の向上によるところが大きい。

漁業を取り巻く状況が近年大きく変わってきた。50年前の水産物は、地産地消が基本であった。漁獲物は、比較的短期間のうちに、水揚げ地周辺で消費されてきた。冷凍技術と輸送技術の発達により、水産物が世界中を移動する時代になった。

世界の水産物の貿易量と金額を次の図に示した。漁業生産が頭打ちになった90年代以降も、水産物の貿易は順調に増加していることから、地産地消から、地産他消へのシフトが進んでいることがわかる。水産物の貿易の重量はコンスタントに増加しているが、値段はそれ以上に増加している。

Image2009081009

重量ベースで見ても、金額ベースで見ても、水産物の貿易は伸びているが、特に金額ベースでの伸びが著しい。これは輸出単価の上昇を意味する。水産物の輸出平均単価を図にすると次のようになる。

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長期的な上昇傾向にあることがわかる。近年、日本国内では魚の値段が低迷しているが、世界市場では2000年以降、急速に単価が上がっているのだ。90年代以前であれば、日本の価格の低下は、そのまま世界市場の価格の低下につながったが、現在はそうではない。日本が買わなくても、世界の魚の値段は上がっているのである。水産物国際市場は、急激な日本離れが進んでいるのだ。

世界漁業は成長産業 その1

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「東京湾漁業は高度成長期以降の旺盛な湾域開発によって漁場環境は変貌し、湾内漁業は経済優位な産業に駆逐され衰退の一途を辿っている。加えて、漁業自身 の抱える問題-乱獲、魚価の低迷、魚病の発生等-も大きいが、資源の管理・環境保全(生態系サービス)を念頭に置いた漁業は今や高収益の成長産業であるこ とが明らかになってきている。」と記したところ、「高収益の成長産業であることが明らかになってきている」という具体的事例を示せ、という指摘を受けてい るところです。事例収集、解析等についてご教授くださると幸いです。

世界の漁獲統計をみれば、成長しているのがすぐにわかります。世界の漁獲量は90年代以降、極めて安定的に推移しています。その間に、世界の水産物の価格は急増しているので、産業規模として拡張傾向にあるのは明白です。SOFIAあたりを見ていただければ、一目瞭然です。高収益というのは、経費も含めた統計が必要になるので、示すのが難しいですね。ノルウェーはそういう統計を出していますが、NZは国としての統計はありません。一部の上場企業の業績をみれば利益は確実に上がっています。

世界の漁獲量のトレンドはこんな感じです。
Image2009081006
(FAO FishStatより引用)
逆V字で50年前に逆戻りの日本漁業とは異なり、世界の漁業生産は右肩上がりで増加している。

主要な漁業国の1977年と2007年の漁獲量を比較するとこんな感じになる。
Image2009081007
漁獲量を大幅に減らしているのは日本のみ。ノルウェーも漁獲量は減少しているが、日本とは全く異なる理由である。日本は世界の漁場から閉め出され、国内の資源も乱獲で減少し、捕る魚が無くなっている。それに対して、ノルウェーのEEZの資源は、1977年から、倍ぐらいに回復している。魚はたくさんいるが、厳しい管理によって、漁獲量を増やしていないのである。1977年には赤字であった漁業を改革し、高利益体質へと変貌している。ノルウェーの漁獲量の減少は、漁獲量を追求する漁業から、漁獲物の質と安定性を追求する漁業へと改革をした結果なのだ。魚を獲り尽くして、自滅をしている日本とは対照的である。

主要漁業国の過去50年以上の漁獲量のトレンドはこんな感じになる。
Image2009081008

中国、インドネシア、米国、チリ、は右肩上がりもしくは、高め安定傾向。ペルーは主力のアンチョビの変動に大きく左右される不安定な産業構造ながら、健闘している。そして、ノルウェーは高価格戦略で、順調に利益を伸ばしている。ここでも、日本のように漁獲量が減少している国は他に見あたらない。

カキの殻むきナイフは「違法」

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業務用ナイフの規制は、必要ですかね?
規制をするのは、目に見える弊害が出てからでも良いと思うんだけど・・・

三重県内のカキ養殖業者が殻をむくのに使うナイフの違法性が問われている問題で、同県警は2日、県内の2社が販売している複数のカキナイフが違法に当たると判断し、廃棄や刃先の改良などを指示した。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009070302000152.html

おもしろい資料を見つけたよ

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http://www.fish-jfrca.jp/01/pdf/pamphlet/038.pdf

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昭和55年(1980)は今の倍以上、サバをとっていたけど、大部分が食用だったんだね。サバは、煮て良し、焼いて良し、しめて良しの万能大衆魚だから、大きくしてから獲ればいくらでも食べられるのに・・・

昔、出来ていたことが、何で出来ないんだろうね。

ノルウェーに行ってきたよん

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漁業省、漁業庁、組合、輸出業者、ミール工場など、いろいろなところを見学し、昨日、帰ってきました。1週間ほどの短い滞在でしたが、今回も盛りだくさんで、勉強になったYO。近日中に滞在記でも書きたいところだが、なんか時間が無いっぽいな。まあ、期待せずに待っててください。

でもって、今日は東大の工学部で授業でした。時差ぼけ&体調不良で、後半に少し息切れをしたけれど、無事に終わって良かった。いつも思うんだけど、水産と無関係の人間に話をするのは難しいね。講演などで、俺の話を聴くために集まった人間なら、それなりに話を聞いてくれるんだが、工学部の授業だと漁業に興味も関心もない学生が多くいる。そういう学生にも聞ける話をするには、特に導入部が重要になる。そのことは、わかっているのだが、実践はまだまだ不十分だ。次は、三重大で情報科学基礎の授業だが、これも重要。漁業の改革も、授業も、チャレンジの連続ですよ。

蟹工船の未来

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蟹工船は、企業による労働者の搾取を描いた小説である。すでに著作権が切れているので、青空文庫で読むことができる。大学の生協でも平積みになっていたので、かなり売れているのだろう。蟹工船は、劣悪な条件で酷使される蟹工船の漁業者が、ロシア人の入れ知恵でサボ(ストライキ)を断行する、という話だ。テンポの良い独特な文体で、労働者から搾取する企業・国家権力を風刺している。さくっと読めるので、まだ読んでいない人は、是非。

戦後の日本の沿岸漁業は、小林多喜二の理想を具現化したようなものだ。排他的漁業権を持つ漁業者組合が、沿岸の絶対的な支配権を持っている。水産系の大企業は、過剰な漁業者を抱える沿岸ではなく、外海へと広がっていった。結果として、日本沿岸から企業的漁業は姿を消して、今日に至っている。

沿岸からは企業を排除した。漁業者は海に出ないでストをしている。小林が、今の沿岸漁業を見たら、「これぞ、理想の社会」と泣いて喜ぶかもしれない。では、労働者は豊かになったのかというと、そうではない。漁業者は再生産も出来ずに減少しているし、養殖業者は原価割れのただ働きだ。企業を排除して、個人営業のみになれば、みんなが幸せになるわけではない。そのことは、日本の沿岸漁業の歴史が証明している。

漁業が地域の基幹産業として機能するには次の2つの条件が必要である。

条件1)漁業で安定的な収益を得る
条件2)利益が関係者・地域にきちんと還元される

蟹工船の場合、漁業の利益は労働者に還元されなかった。資本家の搾取によって、条件2が満たされていなかったのである。このような不平等は許されるものではない。リスクを負っている労働者に、きちんとした対価が支払われるべきだ。一方、企業を排除した日本の沿岸漁業からは、経営の合理性が失われてしまった。互いに競争関係にある個人が、過剰競争によって、有限な再生資源を食いつぶす、「共有地の悲劇」の見本のような状態になっている。こちらは条件1が満たされていないのである。そもそも利益がなければ、搾取されようがない。逆に、漁業者の方が、「俺たちが魚を獲らないと困るだろ」と声高に主張して、補助金をゲットしている。

資本家の搾取が諸悪の根源であり、企業をなくせば問題が解決するわけではない。個人は善で、企業は悪というような、単純な二元論を脱却し、条件1と条件2を両立できるような漁業の形態を、企業・個人を問わずに模索していく必要がある。企業であれば条件2をどのように確保するか、個人であれば条件1をどのように確保するかが、課題だろう。

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from 18 Mar. 2009

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