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シーフード サミット Archive

シーフードサミット その2 建設的な議論のためのガイドライン

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欧米では、MSCの成功が大きな追い風になり、水産企業と環境NGOの間に、協力関係が生まれつつあります。といっても、数十年前までは、完全に水と油の関係であり、今でもしこりは残っています。「環境とビジネスの両立が重要」と言うことは、シーフードサミット参加者の共通認識ですが、軸足が環境にある環境NGOと、軸足がビジネスにある漁業会社の価値観は一枚岩ではありません(だからこそ、対話が重要!)。
シーフードサミット主催者は、水産企業と環境NGOが、価値観の違いを乗り越えて、建設的な議論を行うために「対話のガイドライン」を策定しています。ガイドラインは、大きなパネルに表示され、すべての会場の目につくところに展示されていました。良い内容だと思ったので、写真に撮ってきました。

対話のガイドライン

  • 「相手」ではなく、「問題」に対して厳しい態度で望むこと
  • 非難するのではなく、解決策を探ること
  • 発言権を独占しない
  • 一度に一人ずつ発言しましょう
  • 同意できないとしても、お互いの価値観を尊重しましょう
  • セッション中は携帯電話を鳴らさないこと
  • 話すときは自己紹介
  • はっきりと、部屋全体に話しかけてください
  • コメントと質問は、簡潔で平易な表現で

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シーフードサミット その1

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MSCのエコラベルの普及に代表されるように、環境NGOと漁業会社が共同で持続的漁業を推進するという動きが欧米諸国を中心に浸透しつつあります。

水産業界と環境NGOが共同で、シーフードサミットという会合を、毎年、開催しています。シーフードサミットは、水産業界と保全コミュニティーの代表が一堂に会して、水産市場を環境的・社会的・経済的に持続的にするための議論を行う場だそうです。10回目となる2011年は、カナダのバンクーバーで開催されました。

http://www.seafoodchoices.com/seafoodsummit.php

太平洋クロマグロの資源と漁業に関する話をしてほしいという依頼があり、今回、シーフードサミットに初めて出席しました。会場について驚いたのは、規模の大きさです。参加者は700人。欧州、北米、南米など、世界中から集まってきた人々が、熱い議論を繰り広げました。日本では、持続的な水産物のシンポジウムなどは細々と開かれているのですが、まるで規模が違います。

議題は多岐にわたります。ほんの一例を挙げると、

  • 持続的な魚食を普及させるために、シェフや鮮魚店が果たすべき役割
  • 海洋の酸性化
  • フェアトレード
  • トレーサビリティー
  • サーモンの養殖の環境負荷
  • 水産物の持続性に対して政府が果たすべき役割
  • 持続的な漁業への投資
  • IUU漁業への対応
  • 大西洋クロマグロのブラックマーケット

会場には、アジア系の人間はほとんどいませんでした。中国人を少し見かけたぐらいで、日本人は私だけでした。運営サイドも、そのことは認識しており、今後、広がっていく中国市場に持続的なシーフードという概念をいかに根付かせるかを、中国の加工業者、輸出業者、中国と取引がある業者があつまってパネルディスカッションもありました。次回のシーフードサミットは、2012年の9月に香港で開催されます。

漁業を持続的にしていくという共通の目的のもので、業界とNGOが建設的な関係を築いているのは、すばらしいと思った。日本では、環境NGOは漁業の敵だと思われていて、業界も行政も、警戒しているけど、持続性という目的は共通なのだから、協力できることも多いと思います。

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from 18 Mar. 2009

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