CCSBTのStock Assessment GroupのレポートのP51-53に不正漁獲量の推定に関する記述がある。
マグロの輸入にはしっかりとした記録が残っている。
産地偽装はあるかも知れないが、少なくとも国外から来たマグロの量は正確にわかる。
市場で流通したミナミマグロの量から輸入量を引けば、日本が漁獲したミナミマグロの量がわかる。
日本が報告した漁獲量と市場統計から推定された流通量には大きな開きがある(下図a)。
マグロは漁獲されてから、市場に流通するまでに時間遅れがある。
その時間遅れを補正したのが図bになる。
流通量から逆算された漁獲量と報告された漁獲量の差から、不正漁獲量を推定できる。
これらがすべて延縄(Long Line)由来だと仮定すると、不正込みの延縄漁獲量は次のようになる。
いくつかのシナリオがあるが、いずれも大幅な不正漁獲となっている。
一時的に減少した漁獲量が90年以降上昇したという結果は全てのシナリオに共通する。
ミナミマグロの資源解析は、日本の延縄のデータを利用して行われていたので、
今後はこの補正されたデータをもとに解析を全部やり直しになるだろう。
ミナミマグロの産卵親魚量の変遷
これはどう見ても減らしすぎだろう。
資源を持続的に有効利用するためには、親魚の回復を最優先すべきだと思う。
親魚量は50万トンぐらいは欲しい。
この資源はちゃんと保護する必要があることは間違いない。
マグロの乱獲許しません
平成17年度漁業白書のトピックス・・・
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- ミナミマグロの不正漁獲量の推定値 from 勝川俊雄公式サイト