映画の感想
「かわいいイルカちゃんを殺す悪い奴らと闘う、僕ら正義の保護団体」というシンプルなメッセージ。「悪い奴は明らか、問題も明らか。あとは実力行使でやめさせるだけ」、ということだ。同じドキュメンタリーでも、食べることの意味を問いかけるOur daily bread(邦題:いのちの食べかた )と比較すると、メッセージの質は低い。しかし、わかりやすさという点では、良くできている。
エンターテイメントとしても、一級だ。世界一のビルを上る男とか、ジオラマ作成専門家とか、いろいろな特技を持った人間が協力してミッションを行うストーリーは単純明快でアメリカン。悪者にされた日本人にしてみれば、かなり不愉快な映画であります。この映画によって、日本人のイメージは確実に悪くなりますね。The Coveの内容についてはこちらのサイトが詳しいです。
この映画の価値を決定づけるのは、画像のインパクト。海で大量のイルカを処理すると、湾は文字通り血の海になる。血の海のなかで、もがき苦しみ、息絶えるイルカの画像は、非常に印象的です。さらに、大声で怒鳴り立てながら、すごんでくる日本の漁師が、ヒールとしてツボにはまりすぎ。訳わからん外人が大挙してきて、仕事を邪魔するのだから、短気な漁師が腹をたてるのはわかるんだけど、これでは、「野蛮な日本人」を演じて、映画に協力しているようなものですね。
シンプルかつ、攻撃力のある映画です。見終わった感想としては、「これはやばい」でした。どこが「やばい」かというと、次の二点です。
1)保護団体が、日本の沿岸捕鯨をネタにお金を集める「集金スキーム」を完成させたこと
2)日本の捕鯨推進派は、保護団体の影響力や怖さを軽視して、火に油を注ぎそう
自然保護団体の影響力
保護団体の世界世論にあたえる影響力を、日本人は過小評価をしています。日本のNGO、環境保護団体は脆弱であり、日本国内しか知らない人は、「保護団体なんか、無視しておけば?」と思うのも無理はないでしょう。しかし、海外の保護団体は、資金力・行動力を持ち合わせ、実力で世の中を変えてきた実績がありま す。保護団体の得意技は、一般人の感情に訴えるネガティブキャンペーンです。彼らのネガキャンは強力ですから、保護団体ににらまれると、ネスルや、マクド ナルドのような大企業も、震え上がります。
保護団体の基本的な行動メカニズムは次のようになります。彼らが活動できるか否かは、大衆の感情に訴えかけて、寄付金を集められるかです。寄付金が集まればさらなる抗議行動を行い、更に感情に訴えていく。これが彼らの戦い方です。資金源があるから彼らは戦えるのだし、資金源になるなら彼らは幾らでも叩くのです。保護団体の集金スキームが軌道に乗れば、抗議行動はどんどん過激になっていきます。沿岸捕鯨については、大衆の感情に訴える映像という武器(金づる)を手に入れたことで、集金スキームが完成しました。我慢していれば、過ぎ去っていく一過性の嵐ではないのです。
もう一つ、抑えておくべき点があります。保護団体は、日本人を差別して、日本のみを攻撃しているわけではないです。彼らは、自国の様々な活動も、過激に攻撃してきました。たとえば、自国の動物実験も、激しく攻撃しています。カナダの大学では、環境テロリストの攻撃対象になるということで、動物実験をする建物は、大学の地図に載せていませんでした。15年も前の話です。当時学生だった、私は、恐ろしい人たちがいるものだと驚きました。
我々の感覚からすると、太地のように、わざわざ、見えづらいところで殺しているのを、わざわざ盗撮しにくるのはどうかと思います。でも、そういう理論が通じる相手ではないのです。新薬を開発するための動物実験は、明らかに人類の福祉につながります。実験動物は、実験のために育てられており、実験は大学の研究室のような密室で行われる。それでも、動物の権利を侵害するのは許し難いというのが彼らの理論です。
動物実験の場合、大学側は実験所を隠して、保護団体を排除しようとしたが、うまくいきませんでした。大学内部にも、保護団体のメンバーは大勢いるので、保護団体の情報網から、逃れるのは至難の業です。結局、動物実験については、厳しいガイドラインが整備されることになりました。実験がガイドラインに沿っていない論文は、一切受理されず、業績になりません。「人類の役に立つんだから、何をやっても良い」とは、もはや言えないのです。ガイドラインは、動物実験を行う側の自衛策です。こういった自衛をしないと、保護団体から、いくらでもつけ込まれる。良くも、悪くも、そういう過激な人たち・価値観とも折り合いをつけていかないとならない時代になったと言うことです。
保護団体の攻撃から、どうやって自衛すればよいのか?
欧米の企業・政府は、保護団体に散々叩かれてきたので、保護団体とのつきあい方を知っています。弱みを見せないように、先手を打って、ガイドラインを作ったりするわけです。例えば、マクドナルドでつかう白身魚は、すべてMSCのエコラベル認証漁業のものです。しかし、マクドナルドは、MSCロゴを表にはだしていません。米国の消費者にはMSCは浸透していないので、それほど売り上げには結びつかないのです。では、なぜ、割高のMSC製品を使うかというと、非MSC製品を使うと、「マクドナルドは、乱獲をサポートしている」と保護団体にいじめられるからです。MSC製品のみを使っておくというのは、企業としての自衛策なのです。
保護団体が影響力をもつ国と比べれば、日本はおおらかであり、保護団体に対して無防備でした。イルカの追い込み漁というのは、初めて見たのですが、ビジュ アル的に相当インパクトがありますね。これを映像としてとられてしまった時点で、勝負ありでしょう。わかりやすく言えば、やくざに目をつけられたばかりでなく、弱みまで握られた状態です。
感情的な反応は相手の思うつぼ
捕鯨と反捕鯨は戦争であり、戦争は軍資金がつきたら負けです。捕鯨サイドの兵站は、政府補助金と調査捕鯨の売り上げです。どちらも厳しい状態で、日本鯨類研究所は、鯨肉の在庫の山を眺めながら、爪に火をともして暮らしていたのです。金の切れ目がなんとやらで、「南氷洋から撤退し、沿岸捕鯨で」という方向を探っていました。そのタイミングで、沿岸捕鯨を攻撃して、退路を絶ちに来たわけです。嫌なタイミングで、一番嫌なところをついてきたのは、偶然ではないでしょう。「本当に、保護団体は喧嘩慣れしているなぁ」と感心してしまいます。
一方、日本の捕鯨推進派の行動は、戦略性を欠きます。保護団体を抑えるには、彼らの資金源を抑えること、つまり、大衆の感情を刺激するようなネタを与えないことが重要です。南氷洋のミンククジラは、かわいくないし、身近でもないので、それほど大衆の感情は動きません。これをネタにキャンペーンをしても、大した金は集められない。日本の調査捕鯨に対する保護団体の攻撃は、これまで決め手に欠いたわけです。
しかし、日本の捕鯨陣営は、わざわざ、ホエールウォッチングのシンボルのザトウクジラを調査捕鯨で獲ると宣言して、火に油を注いでしまった。ザトウ捕獲宣言によって、豪州・ニュージーランドでは、保護団体の集金力が大幅にアップして、抗議行動が活発化しました。保護団体は、諸手を挙げて喜んだでしょう。この間の上映抗議だって、やっている人間は映画館の支配人を締め上げて、大満足かもしれませんが、保護団体に「言論の自由もない野蛮な国」と日本を攻撃するための格好のネタを提供しているわけです。感情的な対応をすれば、百戦錬磨の保護団体は、それを逆手にとって攻撃をしてきます。
我々はどう対応すべきか?
この映画によって、日本人のイメージは確実に悪くなります。これを見て不愉快にならない日本人の方が少ないでしょう。しかし、「人種差別だ!!」と騒いで、日本での上映を禁止すればよいというものではありません。また、「おらが村のローカルのことだから、よそ者は口出しするな」というレベルの問題でもありません。日本の国家イメージに関わってくる国際問題です。貿易で成り立っている日本にとって、国家イメージは極めて重要です。国家イメージという、かけがえのない財産を守るためにも、彼らのメッセージを無視せず、感情的にならずに、戦略的に対応を考える必要があります。
日本が捕鯨を続けたいなら、保護団体に日本を攻撃するための材料を与えるないように、自衛策を講じるべきです。まず、種(個体群)、殺し方、利用方法などのガイドラインを作成し、徹底することも重要です。家畜のとさつ以下の苦痛にしたいところです。ビジュアル的に残酷な捕り方は、辞めた方がよいでしょう。また、反捕鯨のシンボルになり得るかわいいイルカは捕獲の対象から外すことも検討した方が良い。ただ、今からそういう自衛措置を講じても、沿岸捕鯨を守 れるかは微妙ですね。血の海でイルカが虐殺される写真は、それだけのインパクトがあります。
太地のイルカ漁は、9月に行われます。そのときに、保護団体がどのような抗議活動をするのか、それが海外メディアでどのように取り上げられるのか。そのあたりに注目したいと思います。
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Comments:15
- 沿岸漁業の一漁師 10-06-16 (水) 23:17
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>さらに、大声で怒鳴り立てながら、すごんでくる日本の漁師が、ヒールとしてツボにはまりすぎ。訳わからん外人が大挙してきて、仕事を邪魔するのだから、短気な漁師が腹をたてるのはわかるんだけど、これでは、「野蛮な日本人」を演じて、映画に協力しているようなものですね。
アチャー・・・・・・・・・。
- 左翼人権派 10-06-18 (金) 2:20
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事実か否かは知りませんが、あの、すごんできた漁師の人は、立ちションをしていたところ、外国人の女が覗き込んできて、「ちっさーい」と大声ではやし立てたから、怒ったそうです。
そこをカメラにおさめられて、編集、都合のいいところで使用、ということだと読みました。
もしそうなら怒らないほうが難しいかもしれません。まんまと嵌められたというところでしょう。
- 勝川 10-06-18 (金) 3:22
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沿岸漁業の一漁師さん
やっぱり本物の迫力は違いますね。
左翼人権派さん
>もしそうなら怒らないほうが難しいかもしれません。まんまと嵌められたというところでしょう。
とても効果的に画像を使われておりますので、是非映画を見てください。
あと、漁民が怒っているシーンは複数ありますので、
毎回、たちションをのぞかれたとは思えません。太地の人たちはとても気の毒ですね。
保護団体がどういう人たちかよく知らずに、できるだけの対応をしたら、
すべて逆手にとられたというところでしょう。
保護団体は、地域漁村で対応できるような相手ではありません。
日本の問題として、国家戦略をもって対応すべき問題でしょう。 - 沿岸漁業の一漁師 10-06-18 (金) 20:33
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『モザイクかけろw』と言いたくなる方がいますねw。
- 百歩譲って 10-07-21 (水) 17:54
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イルカ猟反対ですけど、百歩譲って言わせてもらえば、殺し方をなんとかしてほしい。
それから、この映画のイルカ解放運動家の人に会いましたが、彼の本当の意図は勝川様がこのコラムで述べられているほど大それた物ではなさそうです。
例えば、日本では毎年、30万頭前後の猫、犬が殺されています。それらは、ほぼすべてが無責任な人間達が放棄したペット達です。それを可哀想だ思い、なんとかしたいと思っている日本人はたくさんいる。このイルカ解放運動家のおじさんの気持ちって、それに近い印象を受けましたね。それに、話を聞いてみると、映画の中には彼が意図した物と違う演出や映像があるとの事。ただ、ウソはないと言っていましたね。
だからジャパンバッシングでもなければ環境保護団体のための資金集めでもないようです。純粋にイルカを助けたいって印象でした。だから、日本でここまでこの映画が批判されているのに、怒ると言うより困惑している様子でした。ちなみに、「The Coveの内容についてはこちらのサイトが詳しいです。」のcosmicnoise氏が「馬鹿なヤングとセンメンタルおっかさんそしてロリータ入道」と酷評しているのは、放棄され殺される犬や猫を救ってあげたいと思っている人たちの事ですかね?だとすればcosmicnoise氏は他の生き物を思いやる気持ちを持つ余裕さえ無い、自分の事しか考えられない人間か?
- 勝川 10-07-21 (水) 23:04
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>殺し方をなんとかしてほしい。
反対が少なくなる方法としては、
具体的にどのようなものがあるでしょうか。>日本では毎年、30万頭前後の猫、犬が殺されています。
これも難しい問題ですね。
野犬の群れを放置しておくわけにもいかないとおもうし。
ペットを許認可性にすることで、抑制は可能でしょうか。>純粋にイルカを助けたいって印象でした。
善意であるがゆえに、妥協点を見いだせない部分はあると思います。
正義の反対は、悪ではなくて、別の名前の正義です。
独善的という意味では、「食べてるから文句を言うな」という日本の捕鯨陣営も同じです。>ジャパンバッシングでもなければ環境保護団体のための資金集めでもないようです。
あそこまであからさまに非難されたら、嫌な気持ちになるのでは?
少なくとも、私はとてもいやな気持ちになりました。
映画はただで作れるわけではないし、活動を続けるにも資金は必要です。
資金集めができているから、商業的な映画を作れたのです。
このことを非難するつもりはありません。
賛同者から、資金を集めているのはとても偉いことです。
税金を垂れ流している日本の調査捕鯨よりも、健全です。cosmicnoise氏の批判は、ご当人のサイトでお願いします。
このサイトは見ていないと思うので。 - 動物と人間 10-07-29 (木) 21:10
-
クロマグロ問題の時にこちらのサイトを知りそれからちょくちょく覗かせていただいています、クロマグロ問題の報道には私も首を傾げていましたが、こちらのサイトの文章を読んでほぼ納得しました。
漁業について素人が知り得ない情報を得られいつも有難く思っております。ただこのザ・コーヴについての記事にはなるほどと思う事もありますが正直がっかりしてしまうところもあります。
私もザ・コーヴは見ましたが勝川様の記事に抱いた感想は上の「百歩譲って」さんとほぼ一緒です。
確かに太地町にとっては迷惑な面があるしジャパンバッシングと感じられる方も多いのかと思います、またただのプロパガンダだという意見もあります。(そんなことはどうでもいいことだと思いますが)私もこの映画はリックオバリー氏のイルカ解放運動がメインであり、またさらに掘り下げると人類に近い種である哺乳類への慈しみに繋がるのだと思います。
そこを日本人の多くがまた人類の多くが真正面から見つめるつもりがなければ、残念ながらこの問題を芯から解決する事は出来ないと思っております。(相変わらず色々なわき道にそれたナショナリズム合戦の報道で終わりになるのでしょう)勝川様の記事では例えば動物実験問題を取り上げて
>>「人類の役に立つんだから、何をやっても良い」とは、もはや言えないのです。などと申しておりますが、勝川様のこの言動には正直とてもびっくりしております。
なぜなら私にとってはそれは当たり前の感覚だから。
動物実験の全てをなくすべきだとは思いませんが、反対運動が起こるまでにはそんな惨たらしい実験必要ないだろうという実験も多かったのではないでしょうか、その積み重ねによって感受性の強い人間の心がボロボロになってしまったのではないでしょうか?
反対運動しているまた反対の人の中でも、おそらく全ての動物実験を廃止せよ!という人間はかなり少ないと思います。
人類は今まで沢山の動物達を利用して繁栄し、反面その都度動物達に苦痛、苦しみを与えてきました、しかし人類は少しずつ動物が人類に似たような感受性を持っている生き物だと気付き始めています、ならばお互いが嫌な思いをしないよう出来る限り彼らの苦痛を減らしていくのがベターなのではないか?
と考えているのが今もっともポピュラーな動物愛護者の感覚だと思います。
そのような大多数の動物愛護者の存在をまず知ってもらった方がよいかと思いましてコメントさせていただきました。(それが抜けているような文章でしたので)また「百歩譲って」さんがあげたcosmicnoise氏のサイトですが、冷静で深い洞察もありためになる部分もあるのですが、それ以前に人間的にどうなんだ?とつっこんでしまいたくなる言動も多いです。
>>cosmicnoise氏の批判は、ご当人のサイトでお願いします。確かにその通りなんですが、勝川様のサイトでオススメ的に紹介されている以上私としてもつっこみを入れたくなってしまいます。
>>反対が少なくなる方法としては、
具体的にどのようなものがあるでしょうか。まず簡単に表面上だけの解決を望むのは止めた方がいいと思います。
上にもあげたようにまず多くの人間が、感受性のある生命を殺したり苦痛を伴う利用をしている事、そして食するという行為を真正面から見つめる心を持たなければだめでしょう。
痛みや辛さを感じる人もいるだろうし何も感じない人もいると思います。
そして何も感じない人は痛みや辛さを感じる人間がいるという事を知り、またその事に心を開かないといけないでしょう。
この映画ではイルカの事だけですがリックオバリー氏や監督達も真に望むものはそれだと思います。
彼は目の前で愛すべき存在が殺されるのを見ても撮影を続けています。
ただ単純に目の前のイルカだけ救いたいだけなら真っ先に止めに入るでしょう。多くの人間が動物の命を頂く事に真正面からぶつかって葛藤した上で、その答えが猟を続けるとなったのであるならば、反対者の多くは猟に反対しないのではないかと思います。
なのでこの映画がそれを見つめるいい機会になればよいのですが・・・
残念ながら表に出ているのはそういう感想ではないようですね(そういう部分が目立ってしまっているだけだとは思いますが)
でもこの映画を見て純粋に動物と人間の関係を見つめ直すいい機会になる人もいるのではないかと思いますし、またそういう方向にもっていかないといけないと思っております。漁業についての情報発信これからも楽しみにしております、がんばってください。
- 勝川 10-08-10 (火) 15:18
-
動物と人間さん
>私もこの映画はリックオバリー氏のイルカ解放運動がメインであり、
>またさらに掘り下げると人類に近い種である哺乳類への慈しみに
>繋がるのだと思います。人類の一員である漁師が、外圧によって、
自らの生業を奪われる悲しみについては、どう思われますか?自分の正しさを疑わない人間が、
正義の名の下に、手加減せずに攻撃をするので、
問題解決からどんどん遠ざかっているという面はあるとおもいます。>また「百歩譲って」さんがあげたcosmicnoise氏のサイトですが、
>冷静で深い洞察もありためになる部分もあるのですが、
>それ以前に人間的にどうなんだ?とつっこんでしまいたくなる言動も多いです。
>確かにその通りなんですが、勝川様のサイトでオススメ的に紹介されている
>以上私としてもつっこみを入れたくなってしまいます。cosmicnoise氏のサイトは、映画の内容が詳しく記述されていたので、
「こちらのサイトが詳しいです」と紹介しただけです。
内容について全て責任を持ちますとは書いていません。
なぜ、私にツッコミをいれたくなるのか、正直とてもびっくりしております。なぜなら、他人のサイトに100%同意ができるはずがないし、
有益な部分だけ情報として読み取ればよい、というのが、
私にとっては当たり前の感覚だから。繰り返しになりますが、文句があるなら、本人に言ってください。
- 動物と人間 10-08-12 (木) 19:43
-
お忙しい中レス頂きまして恐縮です。
>>なぜ、私にツッコミをいれたくなるのか、正直とてもびっくりしております。
私の拙い文章で誤解をさせてしまったようです!
申し訳ないです。
これは勝川様に対してのものではありません。
リンクを貼ったサイトを良く読んで責任を持って下さいとの意味合は全くありませんでした。
過去のコメント等から察して、勝川様のサイトは信頼して見ている方も多くいらっしゃると思たので、私個人的に「うーん?」と思ってしまったサイトを良いと紹介されてたので勝手に他者への影響を心配してしまったようです(今では小さく余計な心配だったと思っています)。
>>人類の一員である漁師が、外圧によって、
自らの生業を奪われる悲しみについては、どう思われますか?何の理解、話し合いも無しに奪われてしまったら勿論それは良くない事だと思います。
また真の解決?となるとそうではないと思います。>>手加減せずに攻撃をするので、
問題解決からどんどん遠ざかっているという面はあるとおもいます。確かにあると思います。
配慮と手加減、また思慮深く自問自答(何故イルカだけ?などの整合性をどう考えるか)をすべきだと思います。
勢いで作ってしまった感がありますが配信されてしまったものは仕方ないので、これからは監督、スタッフはこの映画に批判的な人の意見に耳を傾け頭の中をもう一度整理すべきだと思います。誰にとっても胃の痛くなる話ですが良い方向に向かって欲しいです。
- 百歩譲って 10-08-24 (火) 16:55
-
ご無沙汰致しました。百歩譲ってです。
勝川さまの 10-08-10 (火) 15:18 の投稿の中の
>人類の一員である漁師が、外圧によって、
>自らの生業を奪われる悲しみについては、どう思われますか?
と言う部分なんですけど、私としては「The Coveをみて、考えよう」のほうで
大は小をのみ込む さんの10-06-21 (月) 8:51の投稿
>日本はイルカ漁さらには捕鯨もやめてしまったほうがスッキリするんじゃないでしょうか。少なくと
>も、消費者は困らない。供給者には転職支援をしっかりやればいい。その財源は、御用学者や役人の
>研究費や、IWCの工作費用を充当すればいいじゃないですか。炭鉱を閉鎖したときの社会混乱より
>も、はるかにインパクトは小さいでしょう。これ以上、「文化だ、産業だ、白人云々だ」と騒ぎ立て
>て、御用学者や役人に屁理屈をこねさせても、時間・資源・税金の無駄。彼らの肥やしになるだけ
>で、漁師だって結局は迷惑するでしょう。
と言う意見に賛成なんですけどね。こちらと合わせて勝川様はどうお考えでしょうか?それから勝川様はクジラを食べても良いと思うとおっしゃっていますが、私のような人間にとて、クジラやイルカは、殺して食るべきでない生き物です。人それぞれ、国によっても、その辺の感覚は違うのでしょうが、世界中、ほとんどの人が野生のライオンや象は食べるべきでないと思っていると思います。
中国でさえ、犬や猫を食べてはいけないという法律が3月に施行されましたよね。私にとってクジラもイルカもライオンも猫も犬も同列に食べてはいけない動物と思います。最近思うことは、クジラやイルカが海に生まれたと言うことが彼らの最大の不幸なのではと思っています。人間にとって陸上哺乳動物は海の哺乳動物より身近だし、理解しやすい。クジラは、海と言う人間の生活圏ではない場所に住んでいるから、あまり身近でないし、親しみも理解も薄い。極端な話、未だにイルカやクジラは魚だと思っている人も、私の周りにはいるのですから。だから、イルカが大量に殺されても、一地方の漁業の一つに過ぎないと思われても仕方ない部分がありますよね。
勝川様のような方に言うまでの無いことですが、私たち生き物は全て海から生まれて、その中で陸上で暮らす生き物が生まれました。クジラの先祖は現在のカバのような生き物だったそうですね。そして約6500万年前に彼らにとって陸上より食料が多く、安全で平和な海に帰ったと言われています。そして6500万年後の現在、彼らにとって海は危険な住処となってしまった。
なんだか、クジラやイルカと言う野生動物が哀れに思えて仕方が無いのです。最初にも申し上げましたが、私にとってクジラやイルカは食料資源ではない。でも捕鯨問題は、私のような考えの人々と彼らを食料資源としてしか考えない人々の間の問題なので、妥協点と言うか、出口を見つけるのはやはりすごく難しい。だから、「映画を作って世界に暴露しちゃえ」ってことになっちゃったのではないですかね?
長文にて失礼致しました。
- 百歩譲って 10-08-24 (火) 17:24
-
追伸
マグロの話題の方で読んだのですが、「捕鯨をたてに、マグロ漁を守ってきた」というのには、ちょっとショックでした。結局、年間1000近い南氷洋のクジラたちは、日本人の食べるマグロの犠牲になっていると言うことですか?悲しい。
どうりで、クジラ肉の在庫を何千トンも抱えているのに、平気な顔でいられるわけですね。
政権が変わっても、捕鯨推進の方針は変わらず、鯨研に至っては事業仕分けにも引っかからない訳が分かりました。官僚恐ろし!!
ある雑誌で読んだのですが、科学的には、モナコの主張が正しく、それが否決された以上、黒マグロの資源の枯渇は免れないそうですね。
マグロが捕れなくなったら、調査捕鯨も終わりで、日本は捕鯨から撤退ですね?もし、日本のマグロの供給が養殖でまかなえるようになった場合も、調査捕鯨も終了で、日本は捕鯨から撤退ですか?
- 勝川 10-09-01 (水) 5:25
-
>それから勝川様はクジラを食べても良いと思うとおっしゃっていますが、
>私のような人間にとて、クジラやイルカは、殺して食るべきでない生き物です。価値観の問題ですね。
私は、始めて、海で野生の鯨を見たとき、
「銛でつきたい!!」と思ったような、野蛮人です。
根っこの部分で、理解し合うのは難しいでしょうね。>人それぞれ、国によっても、その辺の感覚は違うのでしょうが、世界中、
>ほとんどの人が野生のライオンや象は食べるべきでないと思っていると思います。捕鯨は、特に欧米からの日本のイメージにとって、
極めて大きなマイナスです。
世界中から顰蹙を買いながら、続ける価値があるかは、
議論の余地がありますね。>政権が変わっても、捕鯨推進の方針は変わらず、
>鯨研に至っては事業仕分けにも引っかからない訳が分かりました。共産党から自民党まで捕鯨賛成ですからね。
国内世論が高まらない限り、何処が政権を執っても同じでしょう。 - 鯨の恨みと人間の心無さ 11-05-14 (土) 21:45
-
人間て、本当にだらしない心の持ち主らですね。特に心を内向きに閉ざしている、ある島国の一部の人々は。。。イルカショーやらイルカウッチングとかで子供らに親しくさせておいて、犯罪者みたいに町ぐるみでカメラや人目を避けながら、その親しく天真爛漫に近づくイルカを無残で野蛮に殺している。。そして、いつもの台詞は「何故イルカだけ??牛や馬や鳥は?」という言い逃れだけ。「じゃ、頭脳や力の弱い人間はどう?頭脳や力が強い人間が弱い人間を共食いしてもその言い分は通るんじゃない?」と言いたくなりますな。なぜ、そこまでして鯨を食べようとするかな・・・。世界中から「野蛮人!」という指差しをうけながら。。。私は鯨やイルカは殺さないで欲しいですね。もうちょっと、国際的に融和する心と親しみ包む愛を見せて欲しいですね。
- 鯨の恨みと人間の心無さ 11-05-16 (月) 11:42
-
上のコメントにもう少し説明を加えるとすれば、
牛や豚や鳥は世界の共有財産でも無いし、持ち主が明らかである。そして海の魚類も捕って食べてもよいと世界の人々が認めている。
しかし、鯨やイルカはその所有権が日本人だけに特定されて無い。
要するに、世界の人々の共有財産である海の資源の中で、魚類は捕って食べてよいということを、各国の人々が決められたルールの中で互いに認めているけど、イルカは人間を見たら素早く逃げる魚と違って、それは人間を見かけても逃げるところか、わざわざ好奇心を持って近寄って遊ぼうとする頭脳を持っているし、鯨もイルカに劣らない頭脳を持っているは勿論のこと、その数もかなり減っているので、その共有の持ち主らの大多数がその哺乳類は残酷に殺したり大量に捕獲して食料にしたりしないで欲しいと言っているんだから、そういう相手の言い分にも協調してやるべきだと思います。
なにしろ、そんなもの食べなくても生きていける日本国民でしょう?それが文化とか漁民の生計とかいい訳をしているけど、間違った文化は治すべきだし職業の問題はいつも時代と一緒に衰退する業もあるしそのたび、当事者達は別の職業に移って生きている。これからは日本国民も旧遺産に染まってエゴを張る光景よりは、もっと綺麗でよい処を世界中の人々に発信して欲しいですね。
それが長い目で見れば将来の日本人の評判と利益に繋がるんじゃないでしょうか? - V 11-05-17 (火) 22:09
-
勝川様
放射能の海洋汚染の分析記事、いつも参考にさせていただいています。鯨・海豚漁について。
自分自身は給食、そして時々は家庭の食卓に、鯨の肉は割と親しみをもって食べてきた世代です。子供の頃は、豚肉や牛肉よりも鯨の方が好きでしたし、今でもたまに鯨専門店に行ったりします。
けれども、そうした40代の世代よりも下の世代にとっては、鯨を一度も食したことのない人たちが大勢いるようなのですね。そして、そうした十代、二十代、三十代の若い世代か、「鯨食は日本の文化だ!」と騒いでいるようなのです。いわゆるネット保守ですね。
しかしこうなってしまうとこれは果たしてもはや「日本の文化」でしょうか。
九州を襲った家畜の口蹄疫による殺処分、今回の福島原発汚染で殺処分される家畜、胸が痛みますが、でも一方我々は、日々業者に屠殺してもらって牛や豚を食べているわけですよね。しかも、「霜降り和牛」とか言って、刺し入った柔らかい肉を作るために、牛達を病気にしてまで。そしてそれをありがたがって食べる。むしろそちらの方が今現在の「日本の文化」でしょう。
我々日本人にとって、鯨や海豚の肉が日々の蛋白源として欠くべからざるものであるならば、断固外圧に屈してはならない、と感じます。しかし、現状我々は鯨の肉ではなく、牛の霜降り肉を食べて喜ぶ国民なのですよ。だとしたら、「日本の文化だ」と声高に叫ぶ連中は、醜悪にしか感じません。
鯨や海豚については、他の海洋資源とのバランスにおいて、過剰に保護することはどうなんだろう、という観点から論じるほうが筋だという気がします。自分の好きなイワシやサバが、魚食の海獣たちに根こそぎ食われてしまうとしたら、やはりそれは嫌だなあ。と思いますし。イワシ漁の猟師さんたちもかわいそうでしょう。
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