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文科省の福島沖(30km)の海洋調査の結果がでました

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文科省の福島沖の海水の調査結果が出ました。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/24/1304149_0324.pdf

調査は、沖合30kmの8定点で行われ、それぞれ次のような値が出ています。

ヨウ素-131

今回計測された放射性ヨウ素-131は、24.9-76.8Bq/Lでした。国の排水の安全基準値40Bq/Lより高い値が3点で観測されました。東京の金町浄水場のヨウ素が210Bq/kgですから、半分以下の水準です。東電が計測した排水口付近の値は、5066Bq/Lですから、二桁ほど薄まっています。また、ヨウ素-131は半減期が8日と短いので、この程度の濃度で推移するならば、大規模、長期的な汚染の心配はなさそうです。

セシウム-137

福島沖30kmの8定点のセシウムは11.2-24.1Bq/Lでした。国の安全基準(90Bq/L)を大きく下回っています。こちらも東電が計測した排水口付近の値(1484Bq/L)よりも二桁ほど値が小さくなっています。半減期が30年と長いセシウム137の値が基準値以下に希釈されていることは、朗報と言えるでしょう。

今回の調査結果は、ドイツのチューネン研究所の「福島から、海洋に入った放射性物質は、短い期間で検出できないレベルに希釈される」という予想に合致します。沖合に流出する放射性物質の濃度が、現在の水準にとどまれば、外洋に長期的な汚染をもたらすことはなさそうです。1回の調査で、判断を下すのは早計ですから、今後の経過を注意深く見守りたいとおもいます。

Comments:2

tmg 11-03-25 (金) 19:52

はじめまして!政府?が計測してた30キロ沖の放射性物質の汚染、非常に気になってました!
結果とともにわかりやすい解説、ありがとうございます!!

一つ質問なのですが、友人が千葉の海でサーフィンしています。健康に問題はないのでしょうか?希釈されてますが、直接飲んでしまったり、海水にどっぷり浸かってしまうのは大丈夫なのでしょうか?
こんな時期ですのでまだ入らないとは思いますが、心配です。

もしお時間ありましたら、見解を聞かせていただきたいです。
よろしくお願いします。

ネコ 11-03-31 (木) 1:42

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11033005-j.html
東電が海水のモニタリングの状況をリリースしています(3/30で第10報)。
状況は刻一刻と変わっています。
3/29には南放水口付近で10万Bq/L(ヨウ素)を越えてますね。24日の200倍です。単純に比例はしないでしょうが、沖合でもやはり増えているのでは。白鳳丸の次の発表が怖くなります。半減期8日といっても、事態が収束するまで安心できませんし、その肝腎の収束の見通しがまったく立たないようでは・・
放水口付近でこれだけ高い値ということは、水蒸気や飛散粒子経由のみではないと思えます。やはり排水そのものが相当汚染されているのではないでしょうか。放水口から出ているのは、一応フィルターを通した二次冷却水のはずですが、施設内のクリティカルな状況を見ると、二次冷却水も高濃度に汚染されていて不思議はない気がします。二次冷却水の配管系はトレンチを通っていないのか、別のトレンチがあるのか、そこの浸水の状況はどうかなど、疑問も多いですし。少なくとも、それは海とつながっているはずですが。
いずれにしろ、トレンチの溜まり水の水位は一部でマンホール下10センチまで迫っているということですし、その場しのぎの玉突き作戦とやらもタンク一つの移し替えだけで3日以上かかったりで、冷却のため継続中の放水に加え、このうえ雨でも降ったら海や土壌・地下水への流出は不可避と思えます。タービン建屋からトレンチへの浸水もどういうルートかはっきりしませんが、地震・津波・水素爆発のトリプルダメージで敷地のコンクリートなど構造物自体に亀裂等が入り、そこから漏水している疑いも捨てきれないのでは。
作業を困難にしている瓦礫に付着した放射性物質については、飛沫飛散防止のため水溶性樹脂を撒布するという対策も発表されていますが、これも雨が降れば他の汚染水に付加され、結局海に流されてしまわないかと懸念しています。

あと、日経の記事がこちらにあります。
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9C81E2E2E3E2E2E2E68DE1E2E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C93819481E1E2E2E2968DE1E2E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
この記事では、Csの生体濃縮は魚で100倍とのIAEAの試算を紹介しています。RISTの46倍という値とは若干違いますし、甲殻類や頭足類はこちらの方が少なくなってますね。
被災した気仙沼などはサメ漁(フカヒレ)で有名ですし、三陸沿岸は小型鯨類の突きん棒漁もありますが、直接の水産資源でない海鳥類や鰭脚類など高次捕食者、脆弱な深海生態系に与える影響が非常に気がかりです。なにしろ東電も保安院も「飲んでも大丈夫」などと人体の影響ばかりを口にするものだから、ますます心配になります・・
「海と共に生きる、海を大切にする国」というイメージを内外に売り込みながら、一方では温排水養殖はじめ水産行政も含めた原子力との親和性の高さがこの国の特徴でした。が、この二つはやはりミスマッチな取り合わせだったといわざるを得ないのでは。もっとも、必要性と安全性を唱えるばかりで、リスクマネジメントが実は相当疎かだったという実態が露呈した点は、現行の水産資源管理と通じるものがある・・などというといいすぎになってしまうでしょうか。
ともかく、自分たちの健康に「直ちに」害がなければ、海の自然を放射能まみれにしようがかまわない「無責任な国」という拭いがたい印象を世界に与えないよう、海洋生態系への影響についてしっかり監視・検証してもらいたいものです。現時点でも既に海への影響という点でフクシマがチェルノブイリの上をいってしまったのは否めないのですから。

http://www.dwd.de/
ついでにこちらはドイツ気象庁のサイト。わかりやすくて怖くなる図です・・・
化学物質は大気や海洋で単純に、均等に拡散するもんじゃないですから、ね・・

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