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87.9%の漁業者が水産資源の減少を実感

  • 2011-07-05 (火) 15:41
  • 研究
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農林水産省/意識・意向調査というのがあるということを初めて知った。持続的利用に関する意識調査というのが平成23年5月19日に公表されたのだけど、興味深い内容だ。88%の漁業者が資源は減少していると答えているのだ。増加しているは0.6%。

浜の漁師に聞けば「魚は減った」という答えが返ってくるのだけど、水産庁は資源の減少を認めるような情報は極力出してこなかった。今回、このような調査をやったのは、とても意外だった。まあ、中の人も方向転換を図りつつあると言うことかな。

 

Comments:3

Tetsuo_Kataoka 11-07-06 (水) 9:57

漁業者モニターだけでなく、消費者モニターにも資源に関する設問をしたことは評価できますね。

ただし、行政がアンケートをするには、その裏の意図があると思ったほうがいいです。行政の常套手段とも

設問及び選択肢を意図的に作成する→世論を意図に沿った結果にある程度誘導できる→予算獲得につなげる。
これに限らず、世の中のどのようなアンケート調査でも、少なからず実施者側の期待する結果を出そうとする意図が入りますが、これは避けられない現実なんでしょうね。

でも、その水産庁の意図が「漁業者の自主的管理だけでなく消費者の支持も得た法的資源管理の強化」とか「漁業者など生産者側が一部でもいいから売るまでに取り組む6次産業化の推進」へつなげるものだとしたら、大歓迎ですね。

学生 12-01-19 (木) 13:32

現在、学部の卒業研究で日本の漁業政策について調べているものです。以前、勝川さんが調査されていたスケトウダラ日本海北部系群についてご質問させてください。

質問
1)本系群の市場供給曲線はS字に歪んでいるのでしょうか?
2)水産資源一般について、このようなS字の歪みがある場合について考えられる有効な対策は何だと思われますか?

 スケトウダラの漁獲量を、過去30年分の価格、燃料費(A重油価格)、資源量を基に市場供給曲線を推計してみたところ、価格の係数が負、燃料費が正になりました。つまり、燃料費が上がる、あるいはスケトウダラの価格が下がると、その損失を補うために漁獲を増やすという結果が出ました。これは、いわゆる<資源の先取り競争>という構造的要因に伴うものであり、結果として供給曲線は一部右肩下がりのS字になっているのではないかと考えています。
 なお、S字の歪みに関してはBarkinによる以下の資料をもっています。http://www.mitpressjournals.org/doi/abs/10.1162/152638001750336578

以上、よろしくお願いいたします。

katukawa 12-02-03 (金) 8:04

漁獲にもっとも大きな影響を与えるのはコストではなく来遊量と漁場形成。
日本の漁師は基本的に価格やコストに関係なく獲れるだけ獲ります。

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