日本版エコラベルが値上げをしたという噂をキャッチした。
まえは、「電車賃程度」という話だったのが、なんと100万円程度になるらしい。
もちろん、審査費用が100万でも、それだけ厳密な審査をするというなら問題はない。
しかし、厳密な審査で日本独自のエコラベルが運用されるとは、とうてい思えない。
エコラベルの本来の目的は「持続的な漁業を勝ち組にする」という差別化である。
護送船団の染みついた日本漁業界で、エコラベル本来の差別化の運用は難しいだろう。
申請者には基本的にシールを配るとしても、日本版エコラベルに100万円の価値は無い。
魚を輸出するなら、MSCが要求される時代になりつつある。
輸出を前提とした漁業なら、数百万の申請費用を負担しても、MSCをとることの経済的な見返りはある。
MSC認証を獲れる漁業はMSCを獲れば良いだけの話だし、
MSC認証をとれない漁業も認証するとなれば、MEL(J)自体が無視されるだけだ。
日本版エコラベルがMSCの代替として、国際的に認められる可能性は極めて低い。
輸出に関しては、日本独自のエコラベルは評価の対象外だろう。
一方、日本国内はどうかというと、消費者はそもそも持続性に関心がないので、
シールを張っても、経済的な見返りは無きに等しい。
輸出をするならMSCが必要であり、日本独自のエコラベルはMSCの代替にはならない。
また、輸出をしないなら認証自体が不要なのだから、
日本独自のエコラベルなど、そもそも必要ないと思う。
それでも「シール代1万円」とかなら洒落になるが、100万円はちょっと信じがたい。
本当に値上げをするのだろうか?
俺的にはガソリン代よりこっちが気になって仕方がないです。
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