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これって、どうよ?

  • 2008-07-04 (金) 8:23
  • 日記
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どうやら、某役所でも人事異動があるらしい。
しばらく静観しようと思ってたけど、そうも行かない感じになってきたな。

資源管理ができない言い訳を並べて、何とかなる局面じゃないんだけど・・・

Comments:3

業界紙速報 08-07-08 (火) 18:15

8日付、複数の業界紙に、2日に規制改革会議が発表した中間とりまとめに対するJF全漁連の見解が掲載されています。氏が指摘したとおり、規制改革会議が漁協の監査について公認会計士監査の導入を最重要課題としていることに対し、「昨年整理された議論を無視しており遺憾」としています。でも、規制改革会議HP(下記アドレス)の平成20年7月2日付中間とりまとめ、農林水産業・地域の(別紙)をみると、≪水産庁の意見に対する≫当(規制改革)会議の見解は全て「修正には応じられない」となっており、特に、漁協監査のところを読んでみても、規制改革会議の見解はまっとうな正論と思いますけれども、「弱肉強食一辺倒の規制改革会議の姿勢に対しては引き続き毅然と対応していく」ということです。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html

勝川 08-07-08 (火) 18:30

この過剰なまでの反対が、すべてを物語っていると思います。

業界紙速報 08-07-11 (金) 17:19

TAC制度等の検討に係る有識者懇談会

第2回の資料と第1回の議事録が水産庁HPにアップされております。新聞記事よりは現物をみたほうがいいですから、量が多いですけれども皆さん御覧になってください。

第2回の(資料1)TAC制度の現状と課題(PDF)は、このブログの読者には既視感があるのではないでしょうか、なんか氏が説明してきた道筋を歩んでいるような錯覚?に陥りますねえ。P9にABCとTACの関係というグラフがあります。(小子は、サンマのはTACじゃないと思うけどなあ。)サンマとスルメイカ以外は、ほぼ全てTAC>ABCとなっています。なんとか言う市井の自称科学者というひとが、TACがABCより大きくたってなんにも困ることない、なんていってたけど、漁獲量はABC近辺に張り付いているではないですか。あの方はTACなんて必要ない、と仰っていたんでしたっけ?サンマ、スルメ、ズワイの他はABCあたりの漁獲であっても、ABCと漁獲量の推移を見ると資源管理がうまくいっているようには見えませんけどね(ただの個人的感想です)。
しかし、明らかに異常なのはサバ類であり、資源管理途上のH17にABCより過大なTACを超過する漁獲をしていることが一目瞭然、それでもABCは増加しているではないか、と強弁する自称科学者がいて、資源よりも漁業経営への配慮?からそのまま漁労活動を続けているんでしょうねえ(今月に入ってジャミを獲り尽くすような操業をしているらしい)。とてもわかりやすい資料でうれしくなります。

議事録も頑張って読んでみましょう。業界紙で書いているのとは随分論調が違う気がします。小子が一番気になるのは、「ある資源を漁船がとりまして、それを港に持ってきて市場に揚げて、それを運搬する人、売る人、加工する人にそれぞれ所得を与えて、最終的に国民の口に入るということで初めて資源という意味がある」、これは水産業のかたちですから当たり前のことですが、これに続けて「資源を増やすということは、極端に言えば漁業がなくなれば資源は幾らでも増える」なんておっしゃる、これは酷い飛躍ではないでしょうか?幾らでも増える、とは絶句です。このような飛躍の上でいえば、「資源が少なくても高ければ結構もうかるわけで、漁業はやっていける」でしょう。次に発言している馬場委員も「魚価が非常に安い」ことが問題なんだ、と強調しておられるのと符合していますが、この理論を推し進めると、「資源量とストレートに漁獲努力量と論じても余り意味のない議論」なんだ、となってしまうわけです。漁業者がいなければ漁業は成り立たないんだから、ということでしょうけど、資源がなければ漁業者がいてもなんにもできないだろうになあ。
驚きの議事録、すばらしい公開情報です。

ついでと言ってはなんですが、10、11日と「市場原理主義」は有効か?に鹿児島大学の佐野雅昭氏が寄稿しておられます。養殖業における規制緩和と参入自由化ということで論考しておられるのですが、第2次答申に対して敵意ムキダシの議論を吹っかけているばかりで興味が湧きません。去る7月2日には、規制改革会議が中間とりまとめを発表しており、既に再反論が必要な内容に過ぎないのではないかと思います。11日コラムの最後のパラグラフは「現在の沿岸漁業において何が問題なのかを冷静かつ客観的に整理した上で、対策をとることが重要である。」という文章で始まります。ならば、昨年末の第2次答申にある『問題意識』に対して見解を述べられたらいかがでしょうか?
小子は、第2次答申P109「我が国水産業は、海洋環境の悪化や水産資源の減少、水産物価格の低迷、資源状態の悪化と乱獲(過剰漁獲)のくり返しなどにより、その産業のぜい弱化が止まらず、生産、加工、流通、販売、消費などの指標から見て悪循環(負のスパイラル)に陥っているのが現状である。」で始まり、漁獲量と漁業就業者数の減少についての記述が続いているその内容を憂慮しております。施策についてはわからないところもあるので全面的に賛成するものではありませんが、「市場原理…」に寄稿しておられる先生方がおっしゃるように、現状を変えないでこれらの困難に立ち向かうのは非常に難しいと思います。そして、先生方がおっしゃる、困難の本質を分析しなければ、という時間、そのような悠長な時間は残されていないと感じております。

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