- 2008-07-28 (月) 22:59
- 日記
http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/mainichi-2008072900m106/1.htm
省エネに取り組む漁業者に対し、漁船用などの燃料価格の上昇分について、国が実質的に直接補てんすることが柱。
政府内では、燃料代の上昇分への直接補てんには慎重な声も多かった。
しかし、漁業者に加えて与野党からの要求も強まったため、漁業の省エネ推進の支援などの対策を抱き合わせることで、
最終的に実質的な直接補てんを認めた。
額もすごいけど、内容はもっとすごい。
「燃料使用量を10%以上削減」なんて、
現在の漁業の壊滅的な生産性の低さからすると、誤差みたいなモノです。
EUの補助金は、長期的な漁業の構造改善のための費用ですが、
日本の補助金は、非持続的な現在の漁業を維持するためのばらまきであって、
全くの捨て銭といえるでしょう。
日本には魚がいないんだから、休漁をして資源回復をした方が
長期的な食糧供給にはプラスです。
木が無いのに、木こりを増やしても、しょうがないだろうに。
ニュージーランドは、古いカナダの漁船を使って利益を出している。
燃費がよいからではなく、資源管理によって、魚を高水準に保ちつつ、
市場価値が高い大きな魚のみを捕っているからだ。
日本のように、未成魚から根こそぎ獲るような漁業で利益を出している国など無い。
燃費が10%良くなっても、今のままでは経営は成り立たない。
このまま、ずるずると補助金付けにして、産業を駄目にするだけだろう。
今回の燃油高騰をきっかけに、世界の漁業はより持続的な方向に変わろうとしている。
税金で非持続的な漁業を維持しようとしているような馬鹿な国は、日本と韓国ぐらいだろう。
納税者がこれで納得するとは思えないのだが、
政府は漁業と心中するつもりなのだろうか?
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- 業界紙速報 08-07-29 (火) 18:17
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燃油高騰水産業緊急対策について
水産庁HPによると、その内容は、
1 省燃油実証事業の創設
2 省エネ機器等導入の支援
3 省エネ操業の支援
4 休漁・減船等支援対策
5 国際漁業対策
6 流通の多様化等を通じた手取りの確保而して、その全体像は、
省燃油実証事業 上記1 80億円
休漁・減船等支援 上記4、5 65億円
無利子融資(省エネ) 上記2、3 200億円
水産物の買取 上記6 400億円燃油高騰分を直接補てんするのは上記1の80億円であって、新聞報道の745億円とはかけ離れた数字です。まあ、直接補てんすることに変わりはないようですが。
ところで、上記6に養殖餌料流通促進事業というものに278億円もの予算がついています。これは「漁業者団体が国産魚を養殖餌料として直接取引を行う場合に、国産魚の買取代金金利、保管経費、加工経費を助成する事業を新たに実施する。」というものです。国産魚を養殖餌料として直接取引すれば、濡れ手に粟で現金がもらえると読んでしまいます。ジャミを餌料として売りさばくのにも使える補助金?何故、これが燃油高騰緊急対策だというのでしょうか?
新聞報道もどうかと思うけど、「燃油高騰分直接補てん」の文言の後ろでこんなことがまかり通るのでしょうか、本当にこんなことして大丈夫なんでしょうか、酷い話です。
- 勝川 08-08-02 (土) 0:08
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水産物の買い取りなんて、論外だろう。
これで「国産魚」が安く安定供給できると、国民をだませると思ったのかね。
店に並ぶ国産魚は安くなるかもしれないが、
非効率な産業のツケを国民が税金として負担している。
有無を言わさずに、知らないうちに。
また、すでに獲りすぎなんだから、これ以上獲らしても
安定供給の観点からは害でしかない。さすがに、ここまで酷ければ、国民も気づくだろう。
水産庁にも、内閣官房にも、電話が山のようにキタらしい。
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