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マサバ資源を破壊する水産行政


12月のサバの乱獲について、情報を整理しよう。サバは、乱獲によって、激減している。90年代以降、94、96、04、07年と、親が少ないわりに卵が多く生き残る当たり年があった。にもかかわらず、乱獲で資源回復の芽をつんで、今日に至っている。

(↓サバの資源量)

Image200911188

当たり年を食いつぶすだけの日本のサバ漁業は、2000年から2003年までは大底を迎えた。その後、幸運にも2004年、2007年と当たり年が発生したので、「サバ資源は回復した!!」といって、獲って、獲って、獲りまくっているわけだ。今年になって、2007年生まれをほぼ獲り尽くしたと思いきや、なんと2009年生まれの0歳魚が順調に獲れている。サバの当たり年が連続するしているのは、おそらく、カツオやブリも、小型のうちに巻き網が獲り尽くしているおかげで、捕食者がいないからだろう。首の皮一枚でつながった状況である。ほっとしたのもつかの間、水産庁が例によって、例のごとく、「サバが増えたから漁獲枠をふやそう」と言い出して、11月20日の資源管理分科会で、サバ類の漁獲枠の増加が承認された。

平成21年漁獲可能量(TAC)の改定及び22年TACの設定等諮問第167 号について

Image1001031

9月以降は、全国的に0歳のジャミサバ主体の漁獲である。資源は全然回復していない。「未成魚主体の水揚げになったから、サバは禁漁にする」というなら話はわかるが、なぜ、漁獲枠を増やすのか理解できない。これを諮問した資源管理分科会の議事録は、未だに公開されていない。どうせ、ほとぼりが冷めた頃に、こっそり出す気だろう。まあ、どういう経緯かは、容易に予想がつく。水産庁が「サバが増えたからTACを期中改訂で増やすよ~」といったら、委員が「賛成、賛成、大賛成、業界も大喜びでござる」とかいって、さくっと決まったのだろう。いつものパターンだ。天下りと御用学者で固めた諮問委員会にまともな議論を期待することはできない。

俺が腹が立つのは、資源回復計画とかいって、未成魚保護を口実に北部巻き網組合に税金をばらまいていることだ。そマサバ太平洋系群回復計画には、次のように書かれている。

4.資源回復のために講じる措置と実施期間
(1)漁獲努力量の削減措置
本計画期間の5年間においては、当初、卓越年級群を中心とした未成魚の保護のため、これらを漁獲対象の一部としている太平洋北部水域(許可区分水域で千葉県野島埼以東)の大中型まき漁業を主対象として資源回復に取組むこととし、さらに
、これら未成魚が成長した段階で産卵親魚としての保護が必要となってくることから、本計画の実施状況や資源の回復状況等を踏まえつつ、対象水域の太平洋中・南部水域への拡大や、大中型まき網漁業以外の漁業についても、関係漁業者との協議を経て、逐次資源回復のための措置を講じていくこととする。なお、大中型まき網漁業による漁獲努力量の削減は、休漁と減船の組合せにより実施する。

卓越年級群を中心とした未成魚の保護のためといって税金をばらまいておきながら、漁期中に漁獲枠を増やしてまで、未成魚の乱獲をアシストしている。言っていることとやっていることがまるで違う。国民に対する背信行為である。

Comments:1

漁師 10-11-25 (木) 12:20

保証もらって休業はある程度意味あるかと

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