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高木委員会、本提言がでました

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http://www.nikkeicho.or.jp/Chosa/new_report/takagifish070731_top.html

提言1.科学的根拠の尊重による環境と資源の保護および持続的利用を徹底し、かつ、国家戦略の中心に位置づけ、これに基づく水産の内政・外交を展開せよ。
提言2.水産業の再生・自立のための構造改革をスピード感をもって直ちに実行せよ。
提言3.水産業の構造改革のため、水産予算の大胆かつ弾力的な組替えを断行せよ。
提言4.生産から最終消費までの一貫した協働的・相互補完的な流通構造(トータルサプライチェーン)を構築せよ。

わが国水産業は生産、加工、消費などあらゆる面の指標からみて悪循環(負のスパイラル)に陥っており、その背景には、水産資源が枯渇状態にあること、そしてこのことが漁業の衰退と過剰漁獲を招き、さらには漁業の衰退に拍車をかけている実態があるとの認識に至った。

かかる認識を踏まえわが国の国益・国民の利益を守るため、
       (1)水産資源の枯渇を防ぎ、資源を復活させること
       (2)漁業者、地域社会を豊かにすること
       (3)安全・安心な水産物を日本国民に持続的に提供すること
を最大の眼目として以下を提言している。

この前文は、良くまとまっていると思います。
中身については、しっかり読んだ上で、コメントをしたいです。

Comments:3

川名 秀典 07-08-02 (木) 0:13

初めまして
「クローズアップ現代」を拝見しました。
「高木委員会、本提言」内容も拝見しました。
8月10日 PM 10:40です。
まずは、「本提言」の内容を考えるにあたって、「日本国・日本の漁業者・日本国民」の地球規模、または、世界規模で置かれている環境では、「クローズアップ現代」の比較対照になったノルウェーの漁業法や行政指導や行政規制が好ましいと思います。
日本もこの方法を暫くは積極的に取り入れるべきだと思います。
ただ、近隣諸国(中国・韓国・ロシア・東南アジア諸国)にも政治的な協調を促し、(難しいとは思いますが)極東諸国としてのレベルでこれを実行すべきだと思います。
自分は、共産主義や社会主義とは思っていませんが、アメリカが民主主義として行ってきた政策も同調できずにいます。
市場原理に基づき 乱獲してきた付けが、現環境を創り上げていると思います。
地球は、ひとつです。
他に未だ 人類が逃げられる場所は無いのだとしたらこの一つの地球上で、生産から消費を完全完結せねばなりません。
卵を守り育成し、成魚を消費すると言うシステムを極東諸国レベルで構築することが、「本提言」の(1)(2)(3)に対する答えだと 自分は思います。
日本の漁業者には、収入の減少があるとは思います。政府は、これを擁護し援助する姿勢があれば、漁業者も困窮することが無いと思います。
日本の漁業は、ノルウェーの漁業に対して地球規模の環境に措いて、考え方が遅れていると思います。やはり、市場原理に感化され、麻痺し、環境を忘れているのです。

海産物だけにあらず、地下資源(エネルギー)問題にもいえる事で、地球の中で全てを完全完結させる事が、これからの人類の課題だと思います。

自分は、49歳です。
神奈川県横須賀市に住んでいます。
何かお役に立てればいいなぁと思って投稿させて頂きました。
         敬具

ある水産関係者 07-08-04 (土) 0:33

高木委員会の提言、興味深く読みました。4つの提言内容は、それなりに「その通り!」と頷くものばかりですが、何故か私の頭の中にはストンと入ってきませんでした。周りの人の感触を聞いても、結構、しらけた印象を持った方々が多いようでした。辛口のコメントに聞こえるかも知れませんが、その理由を整理してみました。こんな意見もある程度に読んでいただければ幸いです。

 ① 言ってることと、やろうとすることとの間に矛盾を感じる(看板と中味が違う)。例えば、「資源の保護、持続的利用」を柱に据えておきながら、そのために避けて通れない重要課題、即ち、「漁業者のリストラ(漁獲努力量の絶対量の削減)」は正面から議論しようとせず(サブタイトルレベルの位置づけで直接的な言及を避けている)、相変わらず補助金ばらまき型の施策を要求している(例:制度改革を伴わない「漁船漁業構造改革計画」)。
 ② 提言と現状とのギャップが余りにも大き過ぎるにも拘わらず、提言の実現に向けた具体的トランスファー方策に全く触れていない。このため、提言に現実性が感じられない。
 ③ 水産業の再建が政府だけで成し得ないにもかかわらず、問題解決を全て政府や国民(税金)に求めようとしている。また、漁業者の責任についてはストレートな言及を避けている。
 ④ 「提言」と言う性格であるにも拘わらず、文章がきつい命令調で書かれている。また、提言の(補足)説明が、特定の個人の思い込みやこだわりをもって記述されている感が歪めない。このため、真に伝えたい事項が的確に読者に伝わらず、提言の効果を減じている。

要するに、今回の提言は、現在の日本の漁業(水産業)を疲弊させた原因の本質には直接斬り込もうとせず、尤もらしい話でお茶を濁しておいて、自ら(経済界)の利益(漁業権、補助金??)だけはしっかり確保しようとするスケベ根性が見え隠れするのだ。何かプラスになる施策を実行しようとすれば、それによって当然マイナスの現象も発生するが、今回の提言がもたらす結果として、マイナス面は一切言及されず、良いことずくめの薔薇色の結果しか示されていない。まるで共産主義が実現した結果、訪れるであろう地上の楽園のように・・・・。
その根底にあるのは、そう、今回の提言が最も違和感を与えた点でもある、問題の解決を漁業者、漁業関係者で成し遂げようとするのではなく、全てを国民(税金)や政府に責任を押し付けて丸投げしようとする他力本願の姿勢が透けて見える。まあ、政府に対する提言だから、と言ってしまえばそれまでだが、自分達のことは棚に上げて、他人を批判するだけでは、問題解決につながる筈がない。

勝川 07-08-06 (月) 17:35

川名秀典さん

コメントをありがとうございます。
資源管理をすれば、漁業は儲かるということを、
今後も繰り返し主張していこうと思います。

>ただ、近隣諸国(中国・韓国・ロシア・東南アジア諸国)にも
>政治的な協調を促し、(難しいとは思いますが)
>極東諸国としてのレベルでこれを実行すべきだと思います。

国際資源管理はとてもハードルが高いです。
まずは、自国で占有している資源の管理からだと思います。
中国、韓国は難しいと思いますが、ロシアはやり方次第ですね。
ノルウェーは多くの資源をロシアと共同管理しています。
軋轢はあるようですが、全体としてそれなりに上手くいっているようです。

ある水産関係者さん

相変わらず、手厳しいですね。
「様々な限界がある」、「特定の視点に偏っている」というのは、
その通りだと思います。
だからといって、意味がないとは思いません。

日本の水産業界の最大の問題は、
「具体的に何が問題で、どうすればよいのか」を議論しないことです。
何か意見が出ると、みなで揚げ足をとってつぶしてきた。
その結果、身動きがとれずに、衰退しているわけです。

そこに不完全でも、変化のための提言が出てきたのは歓迎できるし、
これをスタート地点にして、議論を深めていきたいと思います。
私も、「漁船漁業構造改革計画」や「参入の自由化」には反対ですが、
賛同できない面も含めて、議論をするネタにするつもりです。

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