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やばいです

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水産庁が4月からTAC制度を見直すらしい。良い機会なので、みなと新聞の連載用に「TAC制度の問題点と改善案」をまとめてみたのだが、気がついたら9ページもの大作になっていた。連載記事の目安は1500文字なんだけど・・・

ど う す れ ば い い ん だ ?

TAC制度は問題点が多すぎというより、問題がない場所がない(笑
かろうじて機能しているのはサンマの出荷調整ぐらいじゃない?

 

Comments:5

業界紙速報 08-03-14 (金) 18:44

このことに関連して、ご報告しなければ、早くしなければとあせりつつ、自分のコメントを考えていたら訳が分からなくなって行き詰っていました。まったく速報からはかけ離れていますが、氏がこのようなことを書かれたからには、まずはご報告を。

≪3月11日の水経の二面、「ニュースの周辺」というコラムに、【水産資源の管理計画について 確実な取り組みが必要 広く国民の声を聞く耳を】という署名記事があります。その概要は:≫

農林水産省は先日、「海面漁業生産統計調査 資源回復計画対象魚種の生産動向 平成19年下半期」をまとめた。今回発表されたのは国が作成した資源回復計画対象魚種12計画27魚種(19年が実施期間となる18年10月1日までのもの)のうち8計画18魚種の生産量。4計画4魚種については統計情報がない。
また、資源回復計画対象魚種についてはその多くで「漁獲量や漁獲努力量を適切に管理していく」ため、「水産資源の状態や漁業の状態」を示した資源評価票が示されている。しかしながら、今回の18魚種のうち対象魚種で資源評価票が出されているのは14魚種だ。残りの4魚種については、県などでは動向をつかんでいるが、国では資源評価票を作成できていない。
これら未整備の部分については、早急に予算や人員をこれまで以上に充実させるべきではないか。統計情報の充実および資源評価票の作成で、これまで以上に確実な資源回復に取り組むべきだ。

≪ここまで、括弧等は原文のママです。資源評価票のなんたるかを水産庁の言葉どおりに伝えているものと思います。農林水産省(だけではないと思われますが)の統計情報部署は、昨今の公務員バッシングにより大幅なリストラを蒙っているところであり、ここで水経紙が指摘していることはそうあるべきだと小子も思いますが、まずは実現性に乏しいでしょう。≫

資源評価票ではABCの上限値(limit)と目標値(target)が示されているが、19年は10魚種のうちABCの上限値を超過したもの7魚種、上限値は超過しなかったが目標値を超過したのが1魚種。上限値、目標値とも超過しなかったのは、昨秋は小型魚が多く、いま一つ漁獲がふるわなかったと伝えられる、日本海北部のハタハタ一魚種。
資源回復計画が策定された過去5年、注目される資源回復計画第一号の瀬戸内海サワラをみると、生産量がABC上限値を超過したのが4年、ABC以下に収まったのは1年のみだった。

≪この2パラは圧縮してありますが、事実関係をそのまま伝えており、足し算が合わないのもそのままです。これに続くパラは原文のママお伝えします。≫

水産庁の資源管理推進室では、「ABCを超えたからといって、資源管理が不十分などと誤解してはいけない」旨を説明する。「目合いの拡大、禁漁期間の設定、漁場環境の整備、栽培放流など、漁獲努力量の削減を含む回復への取り組みを進めている」とし、さらに「数量規制が必要な魚種については漁獲上限を決めたTACがある」と話す。また、「単に資源の増大を考えるだけでなく漁業経営を含めて考えるべきだ。ABCを絶対視すべきではない」と論じる。異論はない。

≪水経紙は異論がないようであるが、小子は釈然としないところがあります。≫

それではABCとは何なのか。漁場資源課沿岸資源班によれば、あくまでも「その魚種の資源量に応じた資源回復のシナリオを進める場合の数値」だという。例えば、「資源回復速度を早く設定していた場合には、ABCを超えた漁獲でも、その回復は遅くなると見込まれるが一概に減少、絶滅へ進むものではない」という。そのためABCの超過だけでは資源管理を誤る可能性がある。
現在のABCの精度への不安もあり、また、すべての魚種にTACを設定すべきとも考えない。
しかしながら、あえて「ABCは超えてもよい」という主張が一人歩きするのを危惧したい。
その解決策の一つは、国民に意見を広く求めることではないか。サワラなどについては市場調査などもしているというが公表は不十分だ。また。直接のステークホルダーのみの意見では心もとない。TAC魚種に用意されたパブリックコメントの公募制度が、ABCを示した魚種にはない。水産資源の管理には、これまで以上に国民の意見を聞く耳をもつ方がよいと考える。

≪先だって、小子は、水産庁の「我が国周辺水域の漁業資源評価」という冊子にABCは『その資源について、現状の生物的、非生物的環境条件のもとで持続的に達成できる最大の漁獲量(最大持続生産量)を目指そうとする場合に生物学的に最も推奨できる漁獲量』と定義してあることを紹介しました。その冊子には、『ABC算定のための基本規則』という項目があり4~5頁割いてあり、ABC算出にあたっては資源状態で場合分けをすることになっています。ABCは絶対視されるべきものではないし、まして精度をとやかく言う筋のものではないのは明らかです。しかしながら、国際海洋法条約を批准したことにより、制度的に長期的に持続可能な最大生産量を実現することが必要で、概念的にはMSYを達成するためにABCを定めているものと理解しています。我が国は国内漁業者を守るためにそのような制度には参加しない、という選択も可能であったはずで、そうであれば国としてABCを決める必要もなく、漁業者の経営だけを注視する政策を推し進めることもできたでしょう。それにしても、ABCに関してはこんなに説明があるのに、TACこそ曖昧模糊としています。漁業経営を考慮する、といっても具体的に何を考慮するのか説明もしないで、ABCは定義が曖昧だの、精度に不安があるだの難癖を付けているだけに見えます。TACを定めることによってなにを実現できたのか、事前でも事後にでも評価したものはあるのでしょうか?≫

サンマの出荷調整はTAC制度とは区別しましょうよう。

県職員 08-03-15 (土) 12:24

TAC制度はスタート時の動機が不純でしたから(少なくとも我々の組織内ではそのように言われてました),一度ご破算にして根本から考え直すくらいでないと,少々見直しした程度では,ではつぎはぎだらけで上手く行かないのでしょうね。

匿名甘えヒト 08-03-17 (月) 0:40

>「単に資源の増大を考えるだけでなく漁業経営を含めて考えるべきだ。ABCを絶対視すべきではない」と論じる。異論はない。

何を言いたいんだろぅ・・・
何をあせっているんだろう・・・

現場でデータを集めている者の努力は無駄と言いたいんだろうか・・・
そのデータ等を基にして解析している者の努力は無駄だと言いたいんだろうか・・・

まさか、その同じ口で、「IWCでは科学的主張が受け入れられない」なんて言うんじゃねーだろぅなぁ。。。

漁家経営の安定と消費者の利益とは結びついていると思うんだけど・・・それには、資源の適切な利用が必須であって、そのための目安でしょ、ABC・・・確かに、完全無欠のモノではないんだろうけど、完璧じゃなけりゃ、守らなくても良いのなら、法治国家は成立しないですな・・・。 
ABCを無盲目的に無視して良いとする理屈・・・科学的に立証してもらいたいものです。

業界紙速報 08-03-18 (火) 18:46

3月17日の水経第二面のコラム、「ニュースの周辺」は【消えゆく公的統計データ ほしい「数字」への執着心 これでよいのか日本の“統計力”】という署名記事でした。あいだにスケコやカズノコの挿話があり非常にためになりますが、可能な方は原文をご覧いただくとして、小子の独断で圧縮すると:

このところ、政府統計がどんどん消えていく。あるいは手薄になっていくと感じるのは当方だけではあるまい。
読者には直截(さい)的な影響はないと思われるかもしれぬ。しかし、日々統計に接し、それを基に供給量や消費量を分析する当方にとっては、深刻そのものだ。
月々発表される在庫情報にしても、これまで全国に先駆けて発表されてきた東京と大阪の速報発表がこの1月から消えた。農林水産省だけでなく、総務省の家計調査も、今年から農林漁家を除く統計が姿を消した。
個的なデータは、それだけでも大きな指標となる。逆に欠陥のある統計資料が世界中を独り歩きすることだってある。統計の負の部分、あるいは恐ろしさの一端だ。
単に数字だけ眺めているのはつまらない。それを加工し分析し噛み砕き、命を与えてこそ数字も生きてくる。統計とはそういうものではないのか?各省への予算の削減が「統計力」低下の一因だとすれば、このままでは水産王国たる日本のプライドも一緒に損なわれていくのではないかと心配だ。
統計に対する需要がないのだと考えるなら、それは間違いだ。当方に対する読者からの問い合わせはなくならないし、不透明な時代だからこそ必要性が増しているはず。ついでに苦言すれば、だいたい官庁文学たるタイトルに魅力がない。民間企業が迷うことなくホームページに入り込み、しかるべきデータを容易に入手できる態勢づくりも肝要なのではないか。
かつて、農林水産省の若い職員が、とある統計について問い合わせると、その手応えに喜々として対応してくれたことを思い出す。数字を通してもっと官と民のコミュニケーションがあってもよさそうな気がするが、もっと数字に対する執着心がほしい。

先日、資源評価のことを書いていた同じコラムで、やはり統計情報の充実を訴えていました。どちらも署名記事なのでわかりますが、違うひとが書いたものなのです。資源管理するためには、データは重要です、よね。お役所としてはいつだったかの首相に倣って、定量分析よりは定性分析、多言を弄さず一言で、ということでしょうか。

勝川 08-04-02 (水) 23:36

業界紙速報さん

新聞や記事によって、スタンスがいろいろでおもしろいですね。
まあ、それだけ多くの記事が出ているということでしょう。
ABCやTACが注目されるなんて、少し前には考えられないことであり、
世の中の流れとして、資源管理への関心の高まりを感じます。

世間の関心が高まる中で形だけの見直しは、
命取りになるということがわかっているのか心配です。
「ABCは当てにならないから無視してOK」みたいな、
言い訳をすればそれだけ自分たちの信用が失われるのに。

>TACを定めることによってなにを実現できたのか、
>事前でも事後にでも評価したものはあるのでしょうか?

使いもしないABCの事後評価よりも前に、TACの事後評価をすべきです。
水軒センターの人に、TACの事後評価をするように言ったことがあるのですが、
「大本営の許可が下りるはずがないから、そんなことはとてもできない」
という話でした。

スケトウダラ日本海系群に関しては、ここ数年のABCは常に過大評価でした。
そのABCを大幅に超えているTACに関しては、評価する以前の話です。

県職員さん

TAC制度はスタート時の動機が不純でしたから(少なくとも我々の組織内ではそのように言われてました),一度ご破算にして根本から考え直すくらいでないと,少々見直しした程度では,ではつぎはぎだらけで上手く行かないのでしょうね。

TAC制度はそもそもやる気がなかったというのは、公然の秘密ですね。
漁業者も自分たちも資源管理なんてやりたくないから、
管理ごっこで良いだろうという判断であったと思われますが、
税金を使っておきながら、資源管理ごっこで許されるはずがない。
「漁業者さえ丸め込めば、それでOK」という大本営の発想が、
時代にそぐわなくなったということですね。

TAC制度の見直しがどうなるか、非常に気がかりです。
水産基本計画は見直しといいつつ何も変わりませんでした。
TAC制度の見直し作業に関しても出てくるのはABCに対する非難だけ。
はげたメッキを塗り直して、資源管理ごっこを続けるつもりではないかと、
危惧しているわけです。
そこで、今回の港新聞の連載では、内角ぎりぎりに投げてみたところ、
いろいろと反響がありました。
なにはともあれ、今後の推移を見守りたいと思います。

匿名甘えヒトさん

>何を言いたいんだろぅ・・・
>何をあせっているんだろう・・・

漁業がこんな状態だから、もっと、焦らないとダメでしょう。
偉い人ほど危機感が無くて、いやになります。

>現場でデータを集めている者の努力は無駄と言いたいんだろうか・・・
>そのデータ等を基にして解析している者の努力は無駄だと言いたいんだろうか・・・

逆ですよ、逆。
研究者は、自分たちの施策の有効性を示すための道具とみていた。
まさか、研究者から、自分たちの政策が批判されるなんて、
大本営にしたら寝耳に水であったわけです。
正直、どうして良いかわからなくて、焦っているのだと思います。

業界紙速報さん

某研究施設で、50年代からの貴重なデータを
「邪魔だから」という理由で廃棄していたらしいです。
データ収集の経費は全部税金でしょう。
こういうことをやっていたら、予算を削られてもしょうがないですよ。

税金でデータをとる以上、それを社会に還元する義務があるはずです。
プロトコルを定めた上で、一定期間をおいて公開するというような
ルールが必要だと思います。
流通におけるサプライチェーンのような考えでもって、
データを集めるところから、公開するところまでの
合理化・効率化を図って欲しい物です。

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