- 2008-08-05 (火) 23:18
- 研究
				    亀和商店というのは、築地の仲卸で、
				    日本におけるMSC認証製品の販売の草分け的存在だ。
				    和田社長とは、今回初めてお会いしたのだが、
				    みなと新聞の連載を読んでくださっているとのこと。
				    俺のことは前から、亀和水産のことは知っていたのだが、
				    社長がこんなに若い人だとは思わなかった。
				
				    和田社長がMSCの販売に取り組む切っ掛けは、アラスカでの経験らしい。
				    1959年にアラスカが州となる以前は、乱獲で資源は危機的状況。
				    このままでは漁業が壊滅するとの危機感から、
				    独自の水産資源管理をするために、州として独立した。
				    こういう歴史的経緯が有るだけに、アラスカの資源管理は米国でも独自であり、
				    たとえば個別漁獲枠もいち早く導入している。
				
				    アラスカのサーモンも厳しい規制のもとで操業が行われている。
				    漁獲量が限られていれば、獲った魚をいかに高く売るかが重要になる。
				    和田社長が見学をした漁船では、
				    獲ってすぐ、頭を落として、腹を開いて、毛細血管までしっかり血抜きをし、
				    2時間以内に船上冷凍しているとのこと。
				    品質は抜群だが、入れ食いでも1日250本の生産が限度。
				    完全に、量ではなく質で勝負する漁業だ。
				    こういう経営スタイルは、資源管理がしっかりしていて初めて可能になる。
				    社長は、このサーモンに惚れ込んで、日本に輸入することにした。
				    「こんなに良い魚を扱えないのは魚屋としてみっともない」とのこと。
				    魚に惚れると、採算度外視になってしまって儲からないと笑うが、
				    穏やかな外見の内に秘めた、熱い水産魂を感じることができた。
				    流通、消費者も含めて、漁業全体を変えていくためには、
				    こういう人と連携をする必要があると確信した。
				
とりあえず、近いうちに築地に見学に行かねば。
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- 亀和商店の和田社長の話を聞いてきた from 勝川俊雄公式サイト
