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とりあえず、ぼったくり価格を提示してみました

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どうやら、ある水産関係者さんのコメントがビンゴのようです。

水産庁は「IQ・ITQには金がかかるから困難だ」と大声で宣伝している。
これは、IQやITQ導入へのハードルを高くするとともに、
自らの消極的な姿勢を業界にアピールするという効果がある。
さらに、IQ、ITQの導入が回避できない場合も、
懇談会のお墨付きの元、法外な予算を要求できる。
どっちに転んでもおいしい状況を作るために、
法外な必要経費を計上したうえで、
「金がかかる、金がかかる」と騒いでいるのだろう。

しかし、他国では10分の1以下のコストで、
しかも、全て漁業者の自己負担で、個別漁獲枠制度を実現できている。
日本だけが、国民全体の負担で440億円もかかるというのは、
自らの非経済性を晒しているとは思わないのだろうか。

また、「日本の漁業者は遵法意識が高いから、公的機関の取り締まりは不要」と、
常々主張してきたのに、ITQを導入するとなると、いきなり、漁業者は泥棒扱いで、
全船監視が必要というのも、あまりにお粗末だ。

しかし、どんな法外な値段をつけたところで、
天下り&反対派をそろえたお抱え懇談会でつっこみが入るはずがない。
一般人は、計算の内訳なんて見ないだろうから、
440億円という数字を一人歩きさせることが出来る。
攻撃と防御を兼ねた、実に良い手だ。
こういうところだけは、本当に頭が働くものだと、感心する。

Comments:2

ある水産関係者 08-11-26 (水) 21:50

「ぼったくり価格」じゃなくて「やらず、ぼったくり価格」と言った方が良いでしょう。
 操業全体をモニターするならともかく、漁獲量の管理のための検査官なら、勝川さんの指摘通り乗船させる必要性は低いと考えます。漁業者が正直かつ迅速に漁獲量を報告・集計するシステムさえ構築すれば、洋上はおろか陸上検査も大々的に実施する必要などなく、そのようなシステムは、ちょっと頭を働かせれば簡単に作れます。要は、やる気がないだけです。

 一方、幾ら有益なシステムでも、大本営にとって美味しいシステムでなければ決して日の目を見ることもなく、闇に葬られるのが関の山です。現に、数百隻から数千隻(現在約600隻)の日本漁船が長きに亘って実行してきたロシア水域でのIQ管理については、マダラ・スケトウダラなどの資源回復や効果的な管理手法など学ぶべき点が多いにも拘わらず、大本営は一切言及しません。IQ管理は当然ロシア漁船も対象であり、ギドロストロイ社を始め、ロシア極東における漁業の復興・発展には目覚ましいものがあるにも拘わらず、です。きっとIQ管理の身近な成功例が目障りなのか、単純に気がついていないか、後者の可能性が高いのも情けないですが・・・。

 大本営が考えたシステムで十分IQ管理が機能するかと言えば、残念(当然)ながら答えは「NO」です。297億円(乗船オブ分)の積算を見ても、元々人件費しか関心がなかった様子で、これでは約4000人のド素人を適当にかき集め、船上において超イイ加減な検査を行ってオシマイとしか思えません。適当に仕事をすれば、自分達は楽だし漁業者にも都合が良く、陸上検査も基本的には大差ないレベルだと思います。要は、自らの「資源管理をやってるふり」を熱心に誇張しつつ宣伝し、お金だけはしっかり頂戴しようという魂胆で、正に、腐りきった役人根性丸出しの発想です。
 本来、乗船オブには、生物学・法律・航海・漁業その他の知識のほか、過酷な環境下で働くための十分な体力、精神力、それに高いモラルが求められます。”まとも”に仕事をさせるつもりなら、外国や国際機関と同様、オブザーバーに資格制度を設け、一定の教育プログラムの履修や研修等を義務づけるべきです。

 懇談会の中で大本営K氏が大本営の本音に迫る注目すべき発言をしています。それは、「(IQ方式を採用する場合)漁獲量を迅速かつ正確に測るため多数の管理要員が要る」というくだりです。「漁獲量を迅速かつ正確に測る」必要があるのは、IQ方式だけでしたっけ? 言うまでもなく、その必要性はオリンピック方式でも同じことです。裏返せば、大本営が現行のオリンピック方式では「漁獲量を迅速かつ正確に測る」必要性を感じておらず、資源管理がズサンであっても問題なしとする実態を責任者自らが認めたことになります。
 IQ方式もオリンピック方式も、管理に必要な情報の根っこが漁業者にあるわけですから、IQ方式で検査官を雇って漁業者を監視する必要があるのなら、現在のオリンピック方式でも同じ事をやっていないと辻褄が合いません。

 もう1点、今回、大本営がIQ・ITQ制度に対し、「小泉容疑者」も仰天しそうな醜態を晒した背景には、前回参考人として見事な活躍を遂げた小松氏との確執、もっとはっきり言えば大本営幹部の醜い嫉妬心が作用しているように見えます。もし小松氏以外の平凡な人物が同じような説明をしていたら、基本路線は変わらなくても、もう少しソフトランディングに向かったことでしょう。何れにしても行政がエモーショナルに歪められ(個人的感情が介入し)、税金の使途を始め公益が害されている実態は、今時の後進国でも珍しく、「サル山」の猿の世界とあまり変わらない気がします。ただ個人的には、大本営がもっと嫉妬に狂って自ら大きな墓穴を掘ってくれた方が、長い目で見てお国のためになると思いますが・・・。

勝川 08-12-06 (土) 1:23

小松さんなんて、大本営にしたら一番呼びたくないだろうに、
なんで、わざわざ談話会に呼ぶことになったのか、
その経緯に興味があります。

今回IQは国ではやらないという方針を明確に出したのは、重要ですね。
組織防衛を考えたら、あり得ない選択だと思うけど・・・
「資源管理みたいに、面倒くさいことは、やりません。
われわれは、補助金を配るだけです」なんて、通用すると思っているんですかね。
こちらとしてはIQを推進するポーズだけして、実はぜんぜんやらないという、
「やるやる詐欺」が一番いやだったんだけど、
「俺たちはやりません」と明言してくれて助かりました。
霞ヶ関でも、一流と呼ばれるところは、実にしたたかですが、
水産庁は長期的な庁益より、目先の個人の感情なんですかね。
ま、勝手に自滅をすればよいと思います。

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