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勉強会の感想

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参加者の皆様、お疲れ様でした。俺も疲れました(笑
出席者の感想のなかに「まだ、こんなレベルの喧嘩をしていたのか!」と驚かれた方もいるでしょう。
実際、あのような低レベルの会話しか、成立しないのです。

漁業が危機的状況にあるというのは、この業界の人間の共通認識でしょう。
しかし、そのことを認められない立場の人もいるわけです。
水産庁OBを呼んできても、「魚は減ってないし、漁業に問題などない」と、主張をするのは明白。
多くの漁業関係者が困っている状況をつくりながら、自分たちだけ優雅な老後を送り、
「日本の漁業に何も問題はない」と言い切られると、俺は頭にくるわけです。
予想通りの展開で、話す方は疲れるし、聞いている方は訳わからんでしょう。

今回の勉強会で浮き彫りになったのは、議論の前提として、現状認識が重要ということ。
現状認識であれば、規制改革のようなものを前面に出さない方が良いでしょう。
「今、資源はどうなっているのか」、ということにフォーカスし、
改革派・反対派などの利害関係を極力排除した上で
気楽に話ができる場所を作ってみたら、どうでしょうか。
水研の評価票担当者でも呼んできて、資源評価の結果と将来展望について話してもらう。
それを元に、黒倉先生、松田さんあたりが、パネルディスカッションでもするような感じ。
今回の勉強会より地味な会になるでしょうが、そういうものを地道に積み重ねていくのが、
水産学会らしい社会貢献になると思います。

おまけ
11月から12月上旬の銚子では3~4日おきに1000~2000トンを水揚げ。中心サイズは1尾200~300グラムで、平均価格は50~60円。大半が冷凍原料向け。(みなと新聞 12月5日)

今年は、北巻も、欧州みたいなバランス良い年齢組成でサバを捕っていると、誰かが言ってなかったか?
そもそも04年、07年年産まれしかいない時点で、安定した年齢組成はあり得ないだろう。

Comments:5

とある学生 08-12-08 (月) 22:11

勉強会、お疲れ様でした。

初めてあのような会に参加させていただきましたが、大変刺激を受けました。
このブログを通じ、先生のことは知っておりましたが、生でお話を聞けて感動しました。

学生なもので、どの団体とどの団体がどう対立していて、どのような利害関係があるのか分かりませんが、単純に考えて、先生のお話していることが最もであると感じました。

いろいろとご苦労がおありと思いますが、日本の水産のため、日本の食を守るため、これからも活動を頑張ってください。
自分もこれから水産に関わる(予定の)人間として、出来る限り頑張りたいと思います。

ある水産関係者 08-12-09 (火) 20:25

-「資源管理」でも白熱議論-、なるタイトルの写真入り記事が水産経済新聞に載ってました。当日、「白熱した議論」が生で聞けなかったのは残念でしたが、微妙に離れた位置を保って仲良く(?)お隣同士に座った勝川さんと岩崎氏を写した写真がとても印象的でした。

 記事では、勝川さんの「改革必要論」は単なる「持論」という扱いで簡単に片付けられ、岩崎氏や牧野氏が主張する「現状容認→IQ・ITQ反対」によって勉強会がまとまったかのような印象を受けました。議事録が無く議論の全容が分からないため、実際の状況がよく分かりませんが、記事だけ読めば司会者が議論を意図的に「IQ・ITQ導入は不適切」とまとめたようにとれます。

 大本営の例の懇談会がIQ・ITQ導入を否定する最大の根拠とした超巨額の行政コストも、その算出根拠を見れば検査対象漁船数3,808隻中、小型イカ釣り漁船が何と3,100隻を占めていました。小型イカ釣りの大部分は19トン船で、小型船の乗船検査が事実上不可能なことくらい、当の大本営も熟知しているはずです。そのように外向きに説明してきたは、何処の何方さんでしたっけ。兼業船もあるため一概には言えませんが、8割以上を占める小型イカ釣り漁船分を除くだけでコストは5分の1以下になり、つまるところ必要コストの80%以上が巧妙な(お得意の)経費水増しだったと言うこと。これではIQ・ITQ導入を否定する根拠作りのため、公の立場の者が国民に対し、堂々と意図的な「詐欺」を働いたのと同じことです。なお、その詐欺行為が何も隻数水増しだけに止まらないことは、これまで指摘してきたとおりです。

 司会者の進め方にも、大本営発表を「錦の御旗」の如く引用し利用するなど、中立的立場にふさわしくない不自然な態度を感じました。おそらく、司会者自身も詐欺行為など疑うこともなく、「大本営発表」を無条件に鵜呑みにした、というのが真相でしょうが、もし記事の通りなら勉強会の司会者の行動として余りにも軽率かつ致命的な失態だったと思います。

 このような無数の「モンスター」を相手に、たった一人で格闘されたと思われる勝川さんの果敢な行動には頭が下がります。ただ今回の某メインゲストを見れば明らかなように、日本の水産界の「天下り制度」を軸とした官民癒着を断ち切らない限り、日本の漁業を蝕んで私腹を肥やす「モンスター」根絶はあり得ないでしょう。

匿名甘えヒト 08-12-10 (水) 1:32

現状はなかなか変えられないっすょ。

沿岸でさえ、話を聴いてもらえるようになるために、足繁く通わないとならないんだもん。。。

「誰のために?」
と思うことだってありますぜ。
「たまに浜に来て、偉そうに言うな!」なんて言われた日にゃぁ・・・ね♪

言い続けることが必要ですね。

私は沖合とは無関係なので、本件に関しては楽しく傍聴させていただきました・・・が、、、
ただし、氏や大学の専門家の言は、注目してます。
『私の浜』に応用できないかなぁ、と、いつも、目を光らせてます。

現実を直視することが最も大切なのに・・・なぁ。。。

とある関係者 08-12-11 (木) 22:03

勉強会を聞きました。

岩崎氏の講演は大変感情的で、会場の多くの人の評価も低いものだったと思います。
残念だったのは、これに対する先生の反論も感情的になってしまったことです。
ダメダメな主張に対して冷静に反論されていれば、ダメさがもっと浮き立ってさらによかったと思います。
あれでは、同じレベルの人と思われてしまい先生にとって損です。

また、小松先生に言及した方へのコメントに関してですが、小松先生は6日にも会場から改革側として参戦され質問等も受けていましたので、言及は妥当ではないかと思います。

議論を聞いていて感じたのは、先生の御提言は理論的でわかりやすいのですが、どうも具体的イメージがわきにくいのです。
海外の事例だけではなく、これを国内の地域でどこかをモデルとしてシミュレーションし、そこの漁業がどうかわるのか、所得はどれだけ増えるのかを定量的に示していただければ実感がさらに湧きます。

また、それを漁業者に実際にお話していただく機会をもっと作って下さい。
マスコミや行政(規制改革会議も含めて)に訴えるだけでは、現場はなかなか動きません。
逆に、現場が動き出せば社会は変わります。
どなたたかが言っていましたが、全漁連が反対すれば法は通らないのです。
でも、現場の漁業者がメリットを感じ、大きな声となれば政治は無視は出来ません。
ぜひ分かりやすい例を作って漁業者を洗脳してください。

その前提として確認しておきたいのは、先生は漁業2.0の担い手として誰を考えているかです。
私は、先生は現在漁業をしている人とその後継者に担っていただきたいと考えているのではないかと思っています。
そうであるなら、上記のように今漁業を担っている者をどんどん揺さぶってください。結構道は近いかもしれません。
ただ、これは規制改革会議の新規参入論とは相容れないところもあるのではないかと思います。

そうではなく、漁村社会への新規参入者を主な担い手として考えているなら、現在の漁業者への啓蒙は何の役にも立ちません。
マスコミなどでさんざんあおっていただければいいのでしょう。
そしてその結果として改革がなったなら、それは現在の漁村社会を破壊し多くの者の職を奪うことになります。
それでも日本国全体と見ればその方が得であるからそうしたほうがよい、という主張も当然ありですし、規制改革会議を通じて何かを企んでいる人たちの考えなのかなと穿っております。(ただ、小松先生はその人達とは違うとも感じています。)

以上、雑感と質問でした。

勝川 08-12-18 (木) 7:09

とある学生さん

私が学生の時分は、こういう会はありえませんでした。
問題意識を持つ人間の発言が、
社会的に意味を持つような時代になりつつあります。
ここ数年で、だいぶん変わりましたね。
後に続く若い人たちが自由に議論をできるように、
今後も言うべきことは言い続けます。

やるべきことは多いけれど、苦労とは思いません。
なにより、やりがいがありますから。
もちろん、裏でこそこそと足を引っ張る人間はいますが、ごく一部です。
どうせ、陰口に毛が生えた程度のことしかできないので、
かまわなければ良いだけの話です。

ある水産関係者さん

まあ、水経では、そういうまとめ方になるでしょうね。
「漁業には問題はないから何もしなくて良い」では、
漁業関係者からそっぽを向かれるだけでしょう。
今後も、順調に部数を落としていただきたいと思います。
パネラーと司会者がどのようにまとめたとしても、
会場の人間が納得するかは別問題です。

>検査対象漁船数3,808隻中、小型イカ釣り漁船が何と3,100隻を占めていました
これは、大問題ですね。
ITQをやらないという懇談会の結論について、メディアからの取材もきておりますので、
情報として提供したいと思います。
この根拠となった資料を教えていただけないでしょうか。

匿名甘えヒトさん

やっぱり現場は大変でしょうね。

>言い続けることが必要ですね。
これは実感しますね。
体を張って言い続けて、初めて、「あいつの話を聴いてみようかな」となる。
安全なところから、評論家をしていても、誰も聴いてくれません。

>私は沖合とは無関係なので、本件に関しては楽しく傍聴させていただきました
沖取りに枠を設けて、沿岸の取り分を確保しようというのだから、
沿岸だって関係ありますよ。

とある関係者さんへの返答はこちら。
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2008/12/post_431.html

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