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ニュージーランド Archive

NZのITQは資源管理として機能していない? その3

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2) Do you have any alternative idea other than ITQ?

There are some specific elements that I think need to be in any system.  These include:

a) A public process for considering the areas that should remain unfished and for avoidance of and protection of these and vulnerable marine ecosystems as per the UN General Assembly resolutions on the impacts of damaging fishing techniques;
b) A presumption of closed to fishing until open after due consideration of ecosystem values and that the opening to fishing should consider fishing impacts and methods, areas, vulnerabilities and sustainability considerations;
c) Management within an ecosystem based framework;
d) Strong institutions and processes for environmental and stock assessment, with commissioning and conduct of research open to public discussion and review and independent of the fishing industry;
e) Minimum stock rules that do not allow stocks to fall below agreed benchmarks.  With our stocks they are often less than 30% of Bmsy, often much less, and it is a battle to get fisheries closed.  Some of our Orange roughy stocks have been allowed to decline to 7% and 3% before there has been closure.
f) Provisions for the protection of bycatch and incidental mortality.
g) Public good science available to interested community groups and support for their involvement in decision making.
h) Some form of clawback or retirement of quota if any quota management system is instituted.

There are many other provisions.

質問2) ITQ以外にどのような管理方法がありますか?

ITQにかぎらず、どのようなシステムにでも次の要素が必要でしょう。

a) 漁業の生態系破壊に関する国連総会決議に則り、大衆参加の下で、傷つきやすい海洋生態系を保全するために、漁業を禁止にする保護区を検討すべきです。
b) 漁業を当面中止して、生態系の価値について熟慮をする。漁獲の影響、方法、漁区、(生態系の)傷つきやすさ、持続性について十分に考慮した上で、漁業を再開する。
c) 生態系ベースの枠組みで管理を行う
d) 環境および資源評価を行う強力な組織、プロセスが必要。漁業から独立した議論・レビューを促すために、大衆への公開を前提に、調査を遂行する。
e) (それ以下だと禁漁になる)最低資源量は、MSY水準の30%と決まっているが、この水準は多くの魚種にとって低すぎる上に、漁業を閉鎖するための交渉に時間がかかります。オレンジラフィーの資源では、漁業閉鎖の前に7%や3%に減少したものもあります。
f) 混獲と水揚げされない漁獲死亡(ゴーストフィッシングとか)に対する規制
g) 科学的な知見を関心をもつコミュニティーグループに公開し、彼らが意志決定に加わることを促進する
h) 漁獲枠による資源管理を行う場合、何らかの形で漁獲枠を回収できるようにするか、漁獲枠利用権に有効期限をもうけておくべきです。

これ以外にも多くの規定が必要でしょう。

NZは、エコ系の人間が大変な力を持っている。Cathさんは、その典型だろう。
彼らが要求するのは、漁業の影響を受けない大規模保護区と、
生態系に対する十分な考慮ができるまで、漁業を一時中断することである。
こういった価値観にたてば、NZのQMSなど不十分にもほどがあるとなるわけだ。
俺的には、既存の漁業を続けながら、生態系への考慮を高めていく方が良いと思う。
これは価値観の違いであり、どちらがより長期的な利益にかなうかをみていくべきだろう。

日本がすでにCathさんのaからhの提言を実行しているなら、Cathさんの言葉を引用し、
今更NZの資源管理から学ぶことなどないといってもよいだろう。
しかし、日本には生態系への配慮はおろか、まともな資源管理制度がないのが実情だ。
NZのQMSでも不満のCathさんに、日本のTAC制度を紹介したら、卒倒しかねない。
水産庁には、Cathさんの言葉を引用し「NZの資源管理は機能していない」と主張する資格はない。

また、Cathさんは、QMSをやめて漁業者任せにすればよいと言う意見の持ち主ではない。
寿命が長く、低水準な資源には、現状よりも厳しい漁獲枠の削減が必要だと考えている。
また、本来は国民の財産である水産物の利用権を漁業者に永続的に与えるのではなく、
短期的なリースによって、レンタル費用を回収し、国民に還元すべきという意見のようだ。
(この件に関してはNZ全体で議論が続いている)

俺個人としては、Cathさんの意見には賛成しかねる部分も多い。
しかし、彼のような人物は必要だ。
Cathさんのような勢力が、業界と綱引きをすることで、NZの漁業はよりよい方向に向かうだろう。
出来レースのぐだぐだ検討会で、権力者が予め決めたコースを進むより、よほど良い。
NZ漁業と日本漁業の根本的な違いはここだろう。

Cathさんの主張については、次の文献をよむとよくわかるだろう。

Wallace, Cath and Barry Weeber. (2005) The devil and the deep sea – economics, institutions and incentives: the theory and the New Zealand quota management experience in the deep sea. Shotton, Ross ed (2005) Deep Sea 2003 : Conference on the Governance and Management of Deep-sea Fisheries, Part 1: Conference Reports, Queenstown, New Zealand, 1-5 December 2003.  FAO Fisheries Proceedings. No 3/1. Rome, FOA.2005. 718p. ISBN 92-5-105402-9, 511-543

http://www.fao.org/docrep/009/a0210e/a0210e0s.htm

NZの資源管理のことを知らない人間を集めて、
NZの資源管理の悪い点だけを意図的に集めた資料をくばり、
「だから、ITQをやめましょう」という結論を導く。
こんな茶番を税金を使ってやっているのだから、あきれてしまう。

NZのITQは資源管理として機能していない? その2

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1b)  and give fishermen the right to catch as many fish as they want?

No, that would be a disaster.  But our system where too often the catch limits simply follow the decline of fish stocks, rather than controlling it, is just not adequate.  Further, our system gives no incentive for fishers to find less damaging ways of fishing.

From an economic point of view, the problem remains for long lived, low productivity species that the rate of growth of the biomass and its value continues to be less than the interest rate or available return from mining the resource and investing the proceeds in other industries.  This is a discount rate v net rate of increase in the capital value of the resource problem.

A problem with the NZ system is that the industry now has so much clout, so many unrecovered resource rents, that they bully officials, use money and other techniques to pressure politicians ( and possibly others) and so the setting of catch limits is influenced heavily their way.

1b) 漁業者に自由に魚を捕る権利を与えるべきでしょうか?

絶対に反対です。破滅が待っているでしょう。しかし、NZの漁獲枠は、資源の減少に追従して減少する場合が多く、資源をコントロールしているとはいえず、現状では不十分です。さらに、NZの資源管理システムは、漁業者が環境への負荷の少ない漁法を開発する動機付けがありません。

経済的な観点から言うと、寿命が長く、生産力が低い種、すなわち、バイオマスの増加率が割引率よりも低い種では問題があります。魚を獲れるだけ獲って、その利益を他の産業に投資した方が、経済的になるでしょう。これは、割引率と資源の固定資本の成長率の問題です。

業界の発言力が資源使用料が大きくなったため、金やその他の方法で政治家(おそらくそれ以外も)に圧力を与えています。業界の意向によって漁獲枠が大きく影響されるというのがNZの資源管理システムの問題です。

NZはサブプライムまで経済成長率が7%程度あったので、割引率を考慮する必要はあるでしょうね。オレンジラフィーのような深海性の種では特に問題だと思われます。

“unrecovered resource rents”の訳はすこし迷いました。NZでは資源利用代金(resource rent)のことをCost Recovery(資源回復コスト)という名目で徴収している。Cathさんは、資源が回復していないことから、unrecovered resource rents (全然回復しない利用料)と揶揄したものと考えました。

日本語訳はオマケです。丁寧に訳している暇などないので、あしからず。
英語がわかる人は原文を読んで下さい。
訳について問題があればコメント欄で指摘してください。

NZのITQは資源管理として機能していない? その1

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ITQをやりたくない水産庁は、NZの資源管理の悪い点だけを抜き出したレポートをつくり、
資源管理をやらない口実の一つとして利用した。
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このPDFの8ページ

ノルウェー、NZ、アイスランドは、資源管理の成功例として取り上げられることが多く、
完璧ではないが、他よりは、うまくいっているというのが一般的な認識であり、
どこからも相手にされていない日本のTAC制度よりは100倍マシだろう。

NZのことを「資源管理としては機能していない」と言い切る根拠は何なのかと質問したところ、
「CathさんというNZ人がそういってたよ」という回答を得た。

こういう時は本人に聞くのがてっとり早くて、確実なので、
水産庁のレポートを英訳したものを送りつけて、いろいろと質問をしてみました。

Cathさんは、環境への意識が高い人のようで、「今のNZのやり方では生ぬるい。
もっと環境のことも考えて、しっかりと規制をすべきである」という意見のようです。

本人の了解をいただいたので、私の質問(太字)とそれに対するCathさんの回答を公開します。

1a) Do you think NZ government should stop QMS.
It needs significant design, and there are some strong lessons on what not to do from the New Zealand experience. 
Provision of “property rights” has strengthened the say of fishing companies in the public debate and has diminished the standing of public interest voices.  As larger fishing companies have gobbled up the smaller operators, we now have a few hugely powerful and wealthy fishing companies that provide a lot of money to political parties to get their way and use their financial and hence legal might to oppose any Ministers who try to institute controls over the catch limits or other sustainability measures.  The politics of control have become much harder now that the private property rights are well specified but the public entitlements to sustainability remain less well specified.
One vital element is to carefully specify the rights of the community to a healthy environment, to provide incentives to consider the impacts of fishing, to internalise the externalities and to strengthen the say of communities over the decision making processes for setting catches and other sustainability measures.  An ecosystem based management regime and recognition of the non-harvest values of fish in the ecosystem is required.


質問1a)NZ政府はQMSを止めるべきだと思いますか?

やり方を大幅に変える必要はあるでしょう。また、反面教師として学ぶべき点も多いです。

ITQによって所有権を与えたことで、公的な議論での漁業会社の発言力が強まり、一般人の声が弱まっています。より大きな漁業会社が、小さな経営体を統合し、いくつかの巨大な漁業会社が誕生しました。彼らは大量の資金を支持政党に与えています。財力、すなわち政治力を行使して、漁獲枠や他の持続的な手法をコントロールしようとする大臣に反対してきました。漁獲枠の所有権が確立されたことによって、政治的な介入は難しくなりました。その一方で、公共の持続性に対する権利は、未だに確立されていません。

健全な環境への、コミュニティー(一般国民)の権利をきめ細かく定め、現在は考慮されていない外部負荷をしっかりと考慮し、漁獲枠の決定などの持続性に関わる意志決定へのコミュニティーの発言力を強化すべきです。生態系ベースの管理システムの確立と、取り残した魚の価値の認識が必要でしょう。

まだまだ続く

日本に帰ってきました

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ネルソンのホテルはネットにつなげなくて、結局、尻切れトンボになってしまった。

帰ってきたら、すぐ授業だったり、シーフードショーで講演だったりで、
えらく忙しいです。

ウェリントン その2

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今日の新聞では、食品価格の値上がりが特集されていました。
政府は価格調整などは一切しない方針みたいです。
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Fish Serve

午前中は、FISH SERVEを訪問した。
FISH SERVEは、漁業ライセンスの管理、漁獲枠の管理、
漁獲報告の収集などを行っている。
ITQを導入している国には、ノルウェーのFisheries Direktori、豪州のAFMAのように
資源管理を行う独立の機関がある。
漁船の登録、モニタリング、漁獲量の集計などの手続きが煩雑になるので、
漁業に近い実働部隊が必要になるのだろう。
FISH SERVEのユニークな点は、政府組織ではなく民間企業だと言うことだろう。
もともとは、漁業省の一部であったが、現在は完全に独立した企業になっており、
予算は業界が全て出しているとのことであった。

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政府を小さくするために、事務手続きを行う部署を外に出すことにした。
もともと漁業省の該当部門にいた人間は、
1999年にdata.comという一般企業の社員になった。
FISH SERVEがビジネスとして成り立たなかった場合に、
社員が路頭に迷わないための措置だという
2年後の2001年に新しい資源管理制度が導入されるのにあわせて、。
FISH SERVEが組織として独立し、DATA.COMから分離された。
DATA.COMに残った社員はいなかったという。

FISH SERVEになってから、経営の自由度が増した。
また、金を払う人間と常に接することで、コスト感覚が磨かれた。
収益を高めるためにコスト削減を進めているが、
サービスの質は向上している。

この経験を生かすために、コンサルタント業も開始した。
公務員と一般企業の両者視点をもっているので、
両者を結ぶような仕事を得意としているようである。

公務員からサラリーマンになった感想を聞いてみたら、
「企業だから倒産の危険性があるし、安定性は前よりもない。
でも、新しいことにどんどんチャレンジできてやりがいがある。
FISH SERVEに移って、本当に良かったよ」とのことでした。
日本でも、こういうキャリアパスがあると良いかもしれないね。


SeaFIC

さて、午後はSeafood Industry Council(SeaFIC)におじゃまをして、
ゼネラルマネージャーのAlastair Macfarlane氏から、話を伺ってきました。

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Sea FICは、業界の利益のために、政府によって作られた団体で、
沿岸漁業、沖合漁業、養殖に関わる組合だそうです。
いわゆる全漁連に相当する組織なのでしょう。

ITQに対する漁業者の意識を質問してみました。
昔は漁業者よって、ITQに対する意見の相違があった。
しかし、今は小規模漁業から、大会社まで産業全体で、強くサポートしている。
早獲り競争では、だめだということです。

あと、漁獲枠を既得権として認めることで、漁獲枠が資産および収入補償になるので、
銀行から資金の調達が容易になったことが良い効果を及ぼしたそうです。

組合として、燃油価格高騰の補填を政府に求めるかを質問したら、笑われました。
「補助金がもらえるなら、誰だってもらいたいけど、そんな補助金はあり得ない」らしいです。
それどころか、来年の1月から、燃油に二酸化炭素排出税が課されるそうです。
「このタイミングで燃油に税金なんて、正気かよ?」と思いきや、
こっちの漁業者は魚の値段が上がっているからあまり困っていなさそう。
SANFORDも業績が良くて株価を上げているらしいし・・・

ニュージーランドで、ITQが導入できた理由を、当時の時代背景から詳しく説明してくれました。
あと、どの漁業でも、漁獲枠の値段は、ACEで売る場合の約10倍になるとか、
いろいろおもしろい話がありました。今日も勉強になった。
Macfarlane氏のインタビューも録画したけれど、編集してアップするのはいつになることやら。

オーストラリア、ニュージーランドで、いろんな立場の漁業関係者に会いましたが、
皆、ITQのことを高く評価していました。
また、タクシーの運転手も含めて、漁業は儲かっているかどうかを聞き込みしましたが、
「漁業者は儲けている。漁業は良い仕事だよ」というのが共通認識でした。
今回の訪問で、自分が進んできた道が間違えていなかったことを実感したよ。

ニュージーランドのセリのビデオ

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ニュージーランドのセリの様子を伝えるべく、動画を作ってみた。
動画を見る人は↓をクリックしてください。

ウェリントン滞在記 その1

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宅間さんとのミーティングの後、オークランドからウェリントンへ移動。
荷物が飛行機に乗り遅れたみたいで、夜中にホテルに届くという事故があった。
まあ、出てきて何よりですな。

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でもって、今日はオーストラリアの漁業省でミーティング。
朝から晩まで缶詰でした。
ニュージーランド人は早口で、英語について行くのが大変。
昼ご飯を食べた後に、集中力がとぎれがちだった。
漁獲枠管理の技術的な部分や、立法的なことも含めていろいろと話を聞けた。

NZで漁業改革を担当した人の話が実に興味深かった。
ITQに対する漁業者の拒否反応は強くて、
トマトを投げられたり、チーズを投げられたりで、大変だったらしい。
「最初の10年は大変だけど、漁業は確実に良くなるから、がんばれ」と激励をされた。

いろいろな国を回っていると、ITQと一口で言っても、運用が全然違うことに気がつく。
漁獲枠システムを見ると、ピュアなITQはNZとアイスランド。
既存の漁業がら徐々に移行させていったのが豪州。
漁業者の既得権を維持しながら、部分的に移行したのがノルウェー。
それぞれ国の事情と、制度を照らし合わせると、なかなか興味深いです。
やはり、現地にいって話を聞くのは重要ですね。

夕方、町をタクシーで一回り。展望台からの見晴らしです。
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夜は、小規模漁業を営んでいる漁業者とディナー。気さくでとても楽しい人でした。
彼によると、政府の方針には、いろいろと問題が有るようです。
たとえば、新しいルールが2週間前にいきなり公表されたりと、
やり方が強引すぎるということです。確かに、納得がいく話で有りますな。

「俺たち漁業者は大学教授というだけで、聞く耳を持たない。
さらに東京から来たなんて言ったら、そこで終わりだよ」とのこと。
こちらから、「じゃあ、どうすればよいと思う?」と質問をすると、
「漁業者サイドに、理解者を作ることだね」と言われました。
うーむ、確かにその通りですね。

ITQ制度について、どう思うかを聞いてみました。
「NZ政府の運用がひどいだけで、ITQ自体はとても良いシステムだよ。
ただ、NZのITQシステムをそのまま日本に持って行くは無理だろう。
目的を明確にした上で、日本漁業の特色にあったITQ制度を
模索していく必要がある」とのこと。
なんだかんだ言って、ITQに対しては好意的でした。まあ、それもわかる話です。
車も立派だし、家は高級住宅地だしで、彼も儲けているんだろう。
漁業というのは、ちゃんとした制度の下で、ちゃんとやれば確実に儲かる。
日本は、###が###で、##だから、###だけど・・・・

原油補助金はあるかどうかを聞いたら、「政府が金をくれるなんてあり得ない」とのこと。
NZの漁業者にとって、政府はひたすら金を奪っていく存在のようです。
NZでも衛星をつかって漁船をモニターするシステム(VMS)が導入されたんだけど、
「俺たちの金でシステムを開発しておいて、さらに、それを売りつけるんだぜ」と怒ってました。
ITQによって、漁業が儲かるようになったから、ITQには賛成だけど、
儲けの一部を管理費用として徴収するから、漁業省は嫌いみたい。

漁業省は、漁業者との相互理解を重視しているという話だったと思うけど、
漁業者からみると、まだまだ努力が足りないようです。

オークランド滞在記

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ニュージーランド最大の都市オークランドにやってまいりました。
ホテルに着くと、こちらの水産大手であるSANFORDの社長 エリックさんが、
ディナーに招待してくれました。

着いた先は、焼鳥屋。
社長さんとディナーと言うから、スーツを着ていったのですが、そんな必要は有りませんでした。
実に気さくな方でした。
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魚市場のサイトhttp://www.afm.co.nz/

次の日は朝の5時半集合でセリを見に行きました。
セリは全て電子化されています。この画面を見ながら、値段を入力します。
魚種毎に設定された最大金額から、徐々に値段が下がっていき、
最大金額を入れた人が競り落とします。
最低金額まで達すると、UNSOLDとなって、終了します。
この最低価格は輸出価格と等しくなっているそうです。
輸出価格以上の値段がつくなら市場に流すし、そうでなければ輸出すると言うことです。
実に合理的だと思いました。
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これがセリ人の机にある操作パネルです。これで値段を入力します。
インターネットからも、オークションに参加できるそうです。
スーパーマーケットの水産物担当者は品物の下見をした上で、
事務所からインターネットで入札したりするそうです。
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魚はプラスチックケースにシャーベットアイスとともに入れられています。
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この市場はSANFORDが経営しているそうです。手数料は落札金額の10%です。
もし魚が売れなくても、輸出をするので、確実に利益が出る仕組みになっています。
値段がつくまで価格を下げる日本の商売とは根本的に違います。

セリを見た後、事務所で話を聞きました。
エリックさんのインタビューも撮影しましたので、いずれアップします。
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手に持っているのが、情報開示優秀企業のトロフィーです。
2007,2008年と連続で、もっとも情報開示が進んだ企業として表彰されているそうです。
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市場では、有名レストランのシェフを招いて、料理教室を開いています。
魚の消費をのばすための地道な努力も怠りません。
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ここの魚市場にも、消費者向けの小売店があります。
真ん中に注目してください。なんと、サンマです。
Kg700円ぐらいでしょうか。それなりの値段がついています。
このサンマは、韓国やロシアが日本の200海里外で獲ったサンマだそうです。
日本のサンマ業界は、日本の市場以外は見ていません。
生産調整をしていますが、国内の相場は崩れたままで利益は全然出ていないのです。
そのいっぽうで、他国は200海里外でとって、輸出をしている。おかしいとは思いませんか?
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俺は、納得いかんですよ。
サンマは資源が良い。もっと獲れる。しかし、国内での需要は限定的である。
なぜ、どんどん輸出をしないのか理解に苦しむ。
その一方で、枯渇したマサバを0歳から根こそぎ巻いて、
中国にたたき売ってるんだから開いた口が塞がらない。
こんな馬鹿なことばかりしていて、利益なんて出るわけ無いだろ。

で、午後はマルハNZ法人の宅間さんから、いろいろとおもしろい話を伺いました。
海外の視点も大切ですね。実に、勉強になりました。

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