- 2009-12-24 (木) 12:22
- 日記
時事ドットコム:築地発「新鮮!魚の情報」【1】大間のマグロ、不況が直撃.
全国から高級水産物が集まる東京・築地市場(中央区)では、大間産を中心とした津軽海峡で取れたクロマグロの入荷が急減。12月1~18日の入荷量は493匹と昨年に比べて4割近く減少した。
大間にくるマグロの群れは、数年前から、激減している。かつては、ソナーなどなくても、一隻の船で一日に数匹のマグロが獲れた。今では最新鋭のソナーを装備した漁船が群れを追いかけ回して、ようやく何本か上げられるぐらいだ。ソナーをはじめとするテクノロジーに惜しみなく投資することで、去年までは漁獲量は横ばいを維持してきたのだが、今年は本当に魚がいないようだ。いくら漁船に投資したって、群れがいなければ、漁にはならない。
http://www.furuno.co.jp/product/special/oma/index.html
産卵場に帰ってきた群れを巻き網が一網打尽にし出した2004年以降、津軽海洋や日本海の一本釣りのクロマグロは目に見えて減少している。産卵場の漁獲に加えて、ヨコワ(稚魚)の漁獲も問題である。実は、日本のクロマグロの大半が、0歳、1歳で漁獲されているのである。こんなもったいない獲り方をしていて、利益が出るはずがない。にもかかわらず、国は一切規制をしようとしない。ヨコワで獲りきってしまうのは、マグロの安定供給の面から見ても、流通業者にとっても、最悪の選択肢である。一本釣り漁業者、仲卸、消費者がどのような不利益を被ろうと関心は無いのだろう。水産庁の巻き網優遇はいつものことだ。税金で運営されている研究機関も小型魚の乱獲をサポートしているように見える。
不漁の要因について水産総合研究センター遠洋水産研究所(静岡市)は、「漁期中で断定はできないが、夏場の水温低下などで回遊経路が変わり、津軽海峡への来遊が減った可能性がある」とみる。
産卵場で根こそぎ巻いてるんだから、大型魚の減少要因として、漁獲を考えるのが自然だろう。にもかかわらず、漁獲の影響をろくに調査もしないで、「気候変動のせいじゃないの?」で終わり。「マグロは北朝鮮に行っているだけだ」と言い張る鳥取水死と良い勝負のお気楽さですね。なんで、漁獲の影響をきちんと調べないのだろうか。しょうがないから、自分で解析しようと思ったら、クロマグロの漁獲統計がどこを探しても見あたらない。政治的にセンシティブだから、非公開とのこと。乱獲漁業のガードは鉄壁なんだが、努力の方向を間違えていると思う。
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Comments:2
- 県職員 09-12-24 (木) 13:47
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TAC魚種でも何でも5年後に資源を回復させなければ担当は左遷,減俸!ぐらいのノルマを課す,あるいは成功したら昇級,ボーナスアップにすれば,必死になるでしょうね。
「色々難しいよね。とにかく現状分析して,そのあとは業界が判断することだね。」で終わるのが我々を含めた公務員の対処法ですね。どうせ何年かすれば転勤したり,担当もかわりますし。 - 勝川 09-12-25 (金) 12:03
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極端な成果主義も、長い目で見てどうかと思います。ただ、「なんかやると面倒そうだから、新しい取り組みは全て反対」というのが多すぎます。ちょっと、今のままでは、出口がみえてきませんね。行政の無作為に対しても、納税者から責任を問われるようになれば、少しはかわるのかな。
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