百害あって一利なしの小サバ輸出事業を、国として全面的に拡大していくようだ。
輸出拡大は地域経済の回復など我が国の将来に大きなプラス効果をもたらすものであることから、17 年に政府は、農林水産物・食品の輸出額を「5年で倍増」することを目標に定めました。(水産白書)
最近、水産分野では急激に伸びている小サバに期待が高まっているようです。
最低でも5年で倍、あわよくばそれ以上に増やしたいと思っていることでしょう。
現状ですら、サバ漁業全体の利益やサバ資源の持続性を犠牲にして成り立っている
小サバの輸出を倍にするとどうなるのかを試算してみよう。
0歳の漁獲率を35%から70%に挙げると次のようになる。
漁獲組成は0歳が突出し、1歳以降は激減する。
漁業利益はこんな感じで激減します。
漁業全体の利益は、現在の42%まで低下するでしょう。
産卵親魚量も同様に46%の水準に減少します。
ちなみに%SPRは5.1%です。
%SPR一桁台とは、漁業大国の面目躍如ですね(^^
小サバ倍増計画の効果
小サバの輸出に関与する業者の利益は倍になる。
その代償としてサバ漁業全体の利益は半分以下(42%)に減少する。
また、今でさえ少ない親魚量も現在の46%の水準に低下する。
どこをどうひっくり返しても、
小サバの輸出が日本漁業のためになるとは思えない。
0歳魚の輸出促進とかいってる段階で、常軌を逸していると思うのだが、
ひょっとして、それはギャグで言っているのか? (AA略)
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Comments:2
- 県職員 07-06-26 (火) 8:45
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日本の水産業はまず漁業者ありき。資源は二の次です。地方自治体も多分に漏れずそうですね。
小鯖の輸出なんかを言い出す人の言い分はきっとこうでしょう「獲れる物を,高く買ってくれるところに売って何が悪い。」
小さな魚を獲らないでおこうという理屈はどこからも出てこないでしょう。
ギャグであることを心より祈ります。 - 勝川 07-06-28 (木) 11:29
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>小鯖の輸出なんかを言い出す人の言い分はきっとこうでしょう
>「獲れる物を,高く買ってくれるところに売って何が悪い。」
まさにその通りです。
個人の短期的な利益を追求するだけで、
全体の長期的利益という視点が欠落しています。
個々の漁業者が自らの利益を追求するのは理解できますが、
役所もそれでは水産業は廃れる一方です。
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