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余りまくっているサバの漁獲枠を、またまた増枠

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青が漁獲枠、赤が漁獲実績です。サバの漁獲枠は7月1日から、翌年の6月30日までを、1年として設定されます。2009年7月に設定された当初の漁獲枠は466千トンでした。これが、8月に535千トンに増枠されます。10月には2007年生まれ(500gぐらい)を獲り尽くした。2008年生まれはもともと少ない。しょうがないから、生まれたばかりの0歳漁(120gぐらいだよ)に手をつけた。0歳魚は値段が安くて、養殖のえさか、アフリカ輸出ぐらいしか需要が無い。値段の安さを量でカバーするために、獲って獲って獲りまくったわけだ。そして11月20日に2回目の増枠で548千トンに。
詳しい経緯はこの辺をみてね。http://katukawa.com/category/study/species/mackerel/page/10

3月から、ついに0歳魚も捕れなくなってしまったのです。あーあ、またやっちまったよと思ったら、5月に入って、580万トンまで増枠。

このタイミングで、まだ増やすのかよ。 😯


業界は、何でこんな状況で増枠を要求するかというとだな。


今は、0歳の小サバ(ジャミ)しか捕れない

0歳の小サバは単価が安い

だからたくさん獲らないといけない

だから、枠を増やしておいてね

ということでしょう。万が一、獲れて獲れてしょうがないような事態になっても大丈夫なように、予め枠を増やしているのでしょう。一般の人には信じられないと思うけど、日本の漁業政策は、本当にこのレベルなんだってば。

ちなみに、昨シーズンはこんな感じ。最初にどかっと増やす作戦でした

水産庁は「漁獲枠をABC(生物学的管理基準)まで下げましたっ!」と、自慢しているけど、お手盛り審議会を使って事後的に漁獲枠をいくらでも増やせるのだから、ぶっちゃけ意味がないです。現在も、日本のTAC制度は、漁業者の乱獲を邪魔しないように、細心の注意を持って、運用されております。水産庁の設定する漁獲枠は、資源を守るどころか、漁業者の乱獲の権利を保障しているようなもの。こういう漁業に「資源回復計画」とかいって、税金をばらまいて、乱獲資金を与えているのだから、つける薬がない。

もうやめて! とっくにマサバのライフはゼロよ!




Comments:12

県職員 10-06-01 (火) 13:14

みんなで取り組めば,今獲らなくても,来年に獲れるということを真剣に説明し,説得して回らないといけませんね。それが,行政の責務だと思います。

勝川 10-06-02 (水) 15:44

みんな、頭では解っているんだろうけど・・・
しっかりと漁獲枠を入れた上で、それをどう守らせていくかでしょうね。

県職員 10-06-03 (木) 12:22

親を残せ,子を獲るな,獲りすぎるな,本当に当たり前の話だと思うのですが,意外にわかっていないような気がします。あるいは,海は広いし,自分たち(=漁業者)の存在なんて自然界にはたいした影響を及ぼしていないという錯覚に陥ってしまうのではないでしょうか。
海洋環境変動がどのステージの生残率に影響を及ぼすのか,成長乱獲とは,加入乱獲とは,予防的措置とは,
私の周辺にいる水産技術屋さんですら用語の意味を知らない人がたくさんいます。

一漁業者 10-06-04 (金) 14:44

漁業に携わっているものです。資源保護の立場から言うと正論でしょう。
しかし、それは一方的な意見です。
漁業者の立場としては、実感として資源が少なくなっているのはわかっています。
だけど今獲らなきゃ食えないんですよ。日々の糧を獲っているんです。

例え獲って入るものが養殖用の”えさ”にしかならないと思っていてもです。

漁業者は不器用なんです。陸に上がれば”河童”と同じなんです。
どのように生活すればいいんですか?

沿岸漁業の一漁師 10-06-07 (月) 7:36

野放図に獲りすぎるから減少している。相場も鑑みずに。
それだけのことですよ。

日々の努力や試行錯誤が必要じゃないでしょうか?
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び。

ま~~~、かといって、努力しているからといって評価されるもんじゃないですし、投資環境の保全も図られるわけじゃ無しw。
基本、結果の平等を推進する社会なんでかえって厄介w。

県職員 10-06-07 (月) 14:12

資源保護の立場から言うと正論でしょう。
しかし、それは一方的な意見です。

→一漁業者様
魚がいなくなれば漁業者はもちろん食べていけません。
利益=漁獲量×単価-経費ですよね。
利益を上げるために海の上でできることを全てやっているのでしょうか。大企業トヨタです乾いたぞうきんすら絞るといわれるコスト削減をしています。
販売流通に関しても多くの産業で血がにじむような努力をしています。
漁業者が不器用?!本当にそうでしょうか?色々な漁場や,海の状況を知り尽くし,適切な漁場に行って,適切な漁法で魚を獲る高度な能力を持つ皆様ではありませんか。
陸の上で他の仕事をしたらいいとは思いませんが,自分たちが獲っている魚を少しでも高く売ってもらうための努力はまだまだできると思います。
その一方で,生産者側の都合ばかり押しつけたりしていないでしょうか。消費者ニーズや,流通業界の事情も理解して,売れる商品作り(加工品を作れと言っているわけではありません。マーケットニーズがあるサイズの魚を獲るということも含まれています)ということももっと取り組めると思います。
一人で駄目ならグループを作って,安定供給できるようにする。みんなで鮮度を上げる努力をする。販売担当者を決めて営業をする。漁協で話し合って販売担当者を作ってもらう。国や県の事業を活用する。
で,一番基本になるのはやっぱり資源’管理’をするとこです。
資源’保護’ではありません。管理をして,持続的かつ効率的に水産資源を利用することしかないと思います。
魚がいなくなれば,漁業者の皆さんだけでなく,それに携わっている業界の方も皆影響を受けます。

国や都道府県の職員もうまく使ってください。一緒になって考えてくれるはずです。
長々とえらそうに書きました。
日々の操業頑張ってください。

勝川 10-06-18 (金) 3:09

一漁業者さん

>漁業者は不器用なんです。陸に上がれば”河童”と同じなんです。
>どのように生活すればいいんですか?

発想が逆ですね。
資源が安定なら、漁師の生活も安定します。
陸に上がりたくないのなら、できるだけ早く、
今の獲れる魚を捕れるだけ持って帰る漁業を改めるべきです。

なぜ魚がいないのは、誰の責任ですか?
恨むなら、まともな規制をしなかった水産庁と、
規制に反対した人間を恨んでください。

県職員さん

持続的な水準まで漁獲を減らすのは当然ですが、
その傷みをどのように和らげるかは重要な課題ですね。
国と地方が連携して取り組むべき課題です。

Mack 10-06-30 (水) 22:32

ジャミサバ輸出先=アフリカは間違いです。このところアフリカ向けの輸出はエジプト以外ではたいした数量は出てません。80-150g程度のものは大半は東南アジアの缶詰(Jitneyという小さい縦長の缶)原料として輸出されている他に、インドネシアでは蒸したあと乾燥させて流通させるものに使われています。

勝川 10-07-21 (水) 22:39

Mackさん

情報をありがとうございます。いずれにせよ、単価は極めて安そうですね。
勘弁して欲しいものです。

匿名甘えヒト 10-08-14 (土) 0:29

一漁業者さんの言うことは分かる気がします。

「飢饉の時に目の前にある、来年のための種籾」
食べてしまったら来年は米が作れないけど、今食べないと・・・

ココのブログに来て意見をカキコするくらいですから、
意識を持っている方だと思います。
「あなたががんばれ」「グループを作って」「漁協で」
すべて正論ですが、やっぱ、難しいでしょ、実際。
個人で国や県のお役人様と云々するってのもねぇ。。。

意識はあるけど行動に移せない漁業者を見つけたとき、
・・・しかも、まわりがイマイチ同調していないとき・・・
どんなバックアップがとれるんだろう???

宿題ですね。

勝川 10-08-16 (月) 14:34

>「あなたががんばれ」「グループを作って」「漁協で」
>すべて正論ですが、やっぱ、難しいでしょ、実際。
>個人で国や県のお役人様と云々するってのもねぇ。。。
過剰な漁獲努力量でもって、乱獲が横行しています。
個人が獲りひかえてもなんともなりません。
漁協単位で取り組めるのは、定住性の小規模資源のみ。
国が個別枠で漁獲規制をしないと、どうにもなりません。

個人で出来ることは、情報公開でしょうね。
魚がどうしようもなく減っていて、漁業が成り立たなくなっているという現実を
日本の消費者・納税者に伝えることです。

漁業管理に向けた世論を喚起していけば、
国も動かざるを得なくなると思います。

沿岸漁業の一漁師 10-08-18 (水) 13:35

>「あなたががんばれ」

自腹切って成功させたら『みんなの物』w

>「グループを作って」

『皆様社長』でまとまらないんだよなw。

>「漁協で」

公共機関に準じた漁協もありますが、コンプライアンスもクソも無い漁協もあるんだよねw。

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