- 2006-08-10 (木) 15:56
- 研究
今回は匿名でもいいですか?のヒトへのレス 第3段
また,このように,マジ話をしてくれるようになるまでに,
漁師に,がっつり,はまっていかないと,とれないデータがあったりするし,
調査するときにも,融通を利かせてくれたりとか・・・
つまり,『飼われている研究者』でなければ得られない情報もあるのです。
特に,沿岸漁業の場合はなおさらですね。
信頼関係が重要と言うことはわかりますよ。
ハタハタ、イカナゴ、京都のズワイ等の資源管理の成功例の背後には、
必ず漁業者の信頼が厚い県の職員が居ます。
逆にそういう人がいないところで、トップダウン管理をしようとしても破綻するでしょう。
水試が果たすべき役割は、とても大きいです。
今のTAC制度を見てればわかるけど、資源管理で一番難しいのは人間の管理です。
ここで失敗しているから、管理が機能しない。
確かにABCの推定にも誤差はありますが、人間の管理の難しさと比べれば影響は小さい。
ほとんどの資源は、毎年ABCで漁獲をしていれば、そんなに酷いことになりません。
でも、人間の管理に失敗しているが故に、
ABCを遙かに上回るTACが設定されて、資源が減り続ける。
漁業者の便宜を図るだけではなく、
漁業者の耳にいたいことも言えるような信頼関係を築いて欲しい。
漁業者は非常に短期的なスパンで物事を考えます。
長期的な利益を損なわないように導くのが、研究者の重要な仕事です。
現実が厳しいときには、漁業者にリスクをしっかりと伝えてほしい。
その点では、徐々に良い方向に向かっていると思います。
TAC対象魚種を漁獲しているヒトたちは・・・私自信,あまり,お付き合いがないので,何ともいえませんが・・・,シンポ等々で彼らの発言を聞く限り,もしかして,ABC自体を信頼していないのではないか?と思ったことがあります。
まき網漁業者は「マイワシの減少の原因は海洋環境」という研究は信じるけれど、
「最近のマイワシの加入率は悪くない」とか、
「ちゃんと親を残せばマイワシ資源は回復する」とか、
「最近のマイワシの減少の責任は漁業にある」とかいう研究は一切信じない。
自分たちに都合の良い研究はちゃっかり利用するけど、
都合が悪い研究は信用しないという、ご都合主義ですね。
身近で見ちゃいました・・・とても虚しい仕事ですよね・・・TAC魚種の話ではありませんけど・・・資源が乏しくなって,漁獲制限が厳しくなって,でも,お金になる魚種って,かなり,人間のエゴがむき出しになりますよぉ・・・怖いのぢゃ・・・
組織として、ABCを決めるプロセスを外圧から守らないといけない。
担当者が科学的にABCを推定できるような環境を整える必要があるんだけど、
実際にやっていることはその逆だからなぁ。
見てて、気の毒です。
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