- 2009-01-01 (木) 0:48
- 日記
去年は、三重大に移ったり、NZ、豪州を訪問したり、
いろいろありました。
漁業改革への関心が高まりつつあり、
今後は具体的な議論に移るステップに着たことを実感しています。
次世代のために、漁業の未来について、考えていくつもりですので、
今年もよろしくお願いします。
- Newer: 米国のラジオでITQが紹介されてるよ
- Older: カツオ不漁に高齢化、負債返済できず漁協解散…三重
Comments:7
- caddis 09-01-04 (日) 1:25
-
私は港湾や漁港の計画や設計に関するコンサルティングを生業にしています.まぁ,出は土木系です.今日,私が本業とする土木系の仕事も,作ろうとする社会資本の必要性や経済効率や,その本来の本当の目的を踏まえて,,,実施しようとされて,,,あがいて,,,るのかな?,,,います.社会資本整備の事業の原資は税金ですから,当然ですね.ですが,こうした社会資本整備に,国民のコントロールがまだ十分に行き届いているとは言えない,というのが実態です.漁村社会の健全な存続を目指しているつもりで仕事にあたってきましたが,その一方で水産業の閉塞と先細りは明白なのにもかかわらず,社会資本整備分野では,その根本に立ち入ることができないために,歯がゆく思っていました.昨年に勝川さんのBlogを見つけて依頼,自分もアクションを起さなくてはと強く感じている次第です.
公共事業に税金を投入することに異論はなく,むしろ積極的に期待しています.しかし,それが適正に,効果的に使われるべきで,国民に対するくだらない誤魔化しと,一部の旧態の組織の利権と体制維持に費やされるようなことが横行するとしたら,看過できません.
ちなみに私は,淡水のFly FishingやSaltwaterのLure も生涯の趣味としています.子供の頃,たくさんいた魚が,40年たったいま,川でも海でもすっかり少なくなってしまいました.子供を釣に連れて行くときには,必ずなにか釣れる作戦をしっかり立てないと,だめになってしまいました.今や,資源が少なくなっていない魚種は,これまで全く漁獲対象になってこなかったものだけでしょう.Fun fishermenに対しても資源維持と利用のためのコスト負担を課すべき時期と考えています.
返す刀ですが,海の魚がどうして日本では漁師や漁組のものなのでしょうか.漁業者の甘えも是正するべきと考えています.領海内の水産資源が沿岸国家のものであるとして,それを利用する者に課すべき義務・負担についても議論するべきと思います.どんどん拡大解釈して,海はひとつなのだから,水産資源はすべてUNの管理下で利用調整・管理すべき,,,なんてなるのは嫌だけど.
最後になりましたが,勝川さんにおかれましては,“”おお,なんと,これほどの活動を公に続けられたものだぁ“”と,感服しております.今年のご活躍も期待しております. - 陸でも海でも、大は小を飲み込む 09-01-06 (火) 12:31
-
あけましておめでとうございます。今年は、漁業ならびに水産学に、さらなる関心が高まる年だと思います(いや、そうあってほしい、そうあるべきだ!)。減る可能性の高い漁業資源(再生可能な資源)ならびにこれを獲るために必要な化石燃料(再生不可能な資源)、これを食べる増えるであろう世界の人口。これらは枯渇へと向かうマイナスの要素ですが、漁業管理・利用に関する知識は、間違いなく増大しているはずです。これをうまく活用して、いかに漁業資源を定常状態に持ち込むのかが、当然の課題となってくるのでしょう。そのための社会的枠組みの構築や、主体者となる者の責任の範囲などのデザイン設計で、勝川先生には、これまで以上に重い旗を振って欲しいと思います。期待してます。
- 春 09-01-06 (火) 16:03
-
先生はじめまして、あけましておめでとうございます。漁業に興味を持って以来先生のブログには本当にいつも色々学ばさせてもらって感謝しています。
先生のおっしゃられた北海道スケトウダラの日本海北部系群と太平洋系群の話はとても興味深く、特に北部系群の興亡は最初から最後までの一連が記録されているので興味は尽きません。
自分は日本の漁業のFishery Population Dynamic や、漁師のfishing effortと魚のspatial patternのモデリングをphDでは専攻したいと思っているのですが、この様なスケトウダラ群のデータや、マイワシ、マサバ等のデータは一般の学生でも水産庁に要請すれば、船のGPS(緯度経度)、漁の時期、産卵数のデータ等提供してくれるのでしょうか。それとも、それぞれの魚の研究している大学等に問い合わせるのがいいのでしょうか。
後、自分は海外の大学にいるのですが、日本の大学でないと、こういう研究はしにくいのでしょうか。
ご意見頂けるととても有り難いです。 - 海外水産開発 09-01-06 (火) 16:53
-
あけましておめでとうございます。これまで勝川さんが行われてきた、研究成果を社会へ還元するご努力には敬服します。応援しています。
昨年 三重県、愛知県の漁協組合幹部の方と話す機会があったのですが、資源管理の知識、実践力と真剣さに圧倒されました。資源研究者の方がたじろぐほどでした。さすがに資源管理成功例のある地域だけのことはあります。
しかし、魚価低迷とマーケット縮小には苦しんでおられました。
三重大学の地の利を生かした研究も期待しております。 - 元漁業者 09-01-13 (火) 14:17
-
現在は漁業とは無関係なのですがコメントさせていただきます。海外水産開発さんのコメントに「漁協組合幹部の方と話す機会があったのですが、資源管理の知識、実践力と真剣さに圧倒されました。資源研究者の方がたじろぐほどでした」とコメントされておりますが、どこの漁業組合の幹部でも大小はあるものの資源管理について熱く語られていると思います。しかし、それは想いや理想を語っておられることが多いと思います。実際に私が見てきた資源管理は、漁船検査後、法律に違反するデカイエンジンを搭載して、網を細かくし、漁具を大きくして毎日オリンピック競技を行っているものです。そして漁場が荒れてしまうと、他方へ足を伸ばし、さらに漁獲圧力を高めるものでした。それで漁場が駄目になると最終的には他の漁協や他船のせいにしてしまう始末。自らを直そうとしないで他の責任になすりつけてしまうので、いつまでも良くはならないと思います。簡単に言えば巧妙な資源保護ゴッコが行なわれているケースもあるということです。補助金や助成金を受け取る為の資源保護という言葉ではないでしょうか?本当に資源管理の実践力があるならば、漁船を小型化するなりエンジンを小型化するなり網目を粗くするなりが大切だと思います。あと、漁獲量をきめなければならないことはもちろんのですが、漁獲量を決めてしまうと、早くとって早く帰ろうとする競走が始まります。この他船との競走に勝つ為にエンジンが大きくなったり、網が細かくなったりとするケースもありますので、競走も止めさせないとだめです。それと統計情報の古さにはまいります。2年もの前の統計を元に資源保護に取り組んでも、その2年間に想像を超える乱獲や資源の自然低下がすすんでいるからです。参考にはならないかもしれませんが、今後のお役に立てればっと思いました。今後のご活躍を期待します。
- ある水産関係者 09-01-15 (木) 20:03
-
資源管理と海面利用の観点から考えさせられる記事がありました↓↓↓。
(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/140771.html?_nva=25)漁業者(ここでは沿岸漁業)の資源管理に対する意識も、地域によって程度の格差が大きいと思います。
一度地獄を見た後に再建に成功した地域や、ホタテやウニなど栽培漁業に熱心に取り組む地域は概して意識が高い一方、漁業者が高齢化し経済的にも困窮している地域は「資源管理など二の次」というのが現実ではないでしょうか。もちろん、十把一絡げに全体的傾向として「・・・だ」と表現するのは簡単であり読み手に分かりやすく聞こえますが、的確に評価するのは困難でしょう。特に、日本のように「玉石混合」状態にある場合、一言で表現するのは危険と考えます。さて新聞記事ですが、密漁が悪いことは明白で、それに対する取締りを熱心に実施した海保もGJです。漁業者が密漁者を通報するのも尤もですが、問題は資源をピーク時の2割に落ち込ませるなど漁業を苦況に追い込んだ本当の原因は「何なんだ」と言うことです。記事では、あたかも密漁が資源を激減させ、かつ、漁業者の生活を苦しめているのはそれによる水揚げ減や燃油高騰のせい、と読めます。果たして、「然り」でしょうか?
一般の国民感覚では、「何で漁業者だけが海の資源(魚介類)を独占的に利用できるの?」と疑問を持つ人が多いと思います。その問いかけに「漁師さんが日本の水産資源を一生懸命管理して守り、それによって国民に貴重な動物性タンパク質を供給してくれるから」と説明すると、「そうなんだ」と納得してしまう人も多いのが現実でしょう。漁業がボランタリーベースならその説明も筋が通りますが、実際には漁業も立派な(純粋な)経済活動であり、かつ、国民の血税がふんだんに(平均水準以上に)投入されています。つまり国民は実態を正確に知らないまま(知らされないまま)、漁業者や行政サイドに対し善意に満ちた肯定的イメージを形成しているのが実情だと思います。
昨年末の世界的な金融危機をきっかけに、日本社会も派遣社員のみならず正社員の生首が切られるのも当たり前と言った厳しい風潮の世の中になりました。漁業権という既得権の上に胡座をかき、合法的(?)な乱獲を何時までも続けることが許される時代ではありません。そのようなシステムにぶら下がって私利私欲を貪っている大本営やその天下りなどのゴキブリ退治も必要です。そのためには、まずは世の中に本当の漁業の実態を洗いざらし周知し、漁業に対する偏ったイメージをぶち壊す必要があります。全ての事実をさらけ出した上で、漁業制度を如何なる内容にするか、身内の関係者で固めた大本営のインチキ審議会(懇談会?)ではなく、真の第三者的機関の中で議論すべきでしょう。
漁業を破壊したり自壊させるのではなく、漁業を「嘘偽りのない」かたぎの産業として発展させるために、今年も勝川さんにはもっともっと活躍していただきたいものです。ゆくゆくはこの新聞記事を読んだ読者が「ホッキを密漁した者を取り締まるのも大切だけど、おおもとの資源を破壊した側もちゃんと処罰しないとおかしいだろ!」と普通に抗議する世の中になって欲しいものです。 - 勝川 09-02-03 (火) 0:08
-
caddisさん、はじめまして。
土木に限らず、水産政策全般が、既得権団体の利害調整の結果であり、国民なんて、端から相手にされていないように思います。国民どころか、漁民すら・・・という場面も多々あります。
グランドデザインの欠如は、大きな問題です。漁業はこうあるべき、海岸線の利用はこうあるべきという議論すらない。声が大きな団体のエゴが通り、無理が通れば道理が引っ込むということになります。
公開を前提に、漁業はどうあるべきかという議論をすることが何より大切だと考えます。そのためのきっかけをつくることが、私がこのブログを運営している狙いです。水産庁や全漁連はいい顔をしませんが、別に彼らの許可がなければ、漁業について論じてはならないわけではありません。水産土木も重要なテーマだと思いますので、いろいろ教えてください。陸でも海でも、大は小を飲み込むさん、こんにちは。
漁業への関心は、高まっております。
それは、もう、高まりまくりと言っても良いでしょう。
方向性と持続性をどうやって与えていくかが、重要なテーマです。
今年も忙しくなりそうですよ(ニヤリ春さん、初めまして
スケトウダラの会議は、毎年がドラマでしたね。
研究者の意識は、ドラマチックに変わったとおもいます。
行政は、何も変わっていませんが・・・・
ブロック会議は公開ですので、機会があったら参加してみてください。海外水産開発さん
先日は、わざわざ、お立ち寄りいただきありがとうございます。
愛知の組合には知り合いはいませんが、
資源管理で成果を出している組合には、意識が高いリーダーがいるみたいですね。
京都のズワイガニも、立派な組合長でした。
ただ、こういう組合長はどこにでもいるわけではありません。
実績のある組合を動きやすくサポートするのも重要ですが、
そうでない大多数の組合をどうするか。頭が痛い問題です。元漁業者さん
貴重な情報をありがとうございます。
現場の声だけにリアリティーがありますね。
ご指摘の通り、資源管理に関しては、ポーズだけというのが大半でしょう。
本気で取り組んでいる愛知の事例は、少数派でしょうね。
浜によって事情は異なるとは思いますが、
「自分の浜ではこうだった」というのを
今後も教えていただけるとありがたいです。ある水産関係者さん
>特に、日本のように「玉石混合」状態にある場合、
>一言で表現するのは危険と考えます。
資源管理の現状は、0%でも100%でもないのですが、
細かいセクションに分かれていて、情報公開は皆無に等しいので、
全体像がみえないですね。
大本営のようにいくつかの成功事例があるから、
それでよいと開き直るのは論外ですが、
全部が駄目というわけでもない。漁協の経営もピンキリです。
終わっているところを守るために、全ての財務状況を隠して、
護送船団で乗り切ろうとしていますが、もう限界でしょう。
共倒れになると、まっとうな漁業者が気の毒です。
必要なことは、情報を整理して、公開することです。
Trackbacks:0
- Trackback URL for this entry
- http://katukawa.com/wp-trackback.php?p=684
- Listed below are links to weblogs that reference
- あけましておめでとうございます from 勝川俊雄公式サイト