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世界の水産物消費の動向 その3

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世界の水産物の個人消費のトレンド

世界の水産物消費量(年間、一人当たり、Kg)は次のようになる。南米と、アフリカが横ばい、それ以外が増加傾向を示している。最近は、欧州が伸びていることがわかる。

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で、この図に日本をいれてみると、こうなるわけだ。実に非常識な水準ではないだろうか。

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1960年以前の日本の統計は、純食料(可食部のみ)のデータしか手元にない。FAOの統計は供給量ベース(可食部+非食部)なので、そのままでは比較できない。仕方がないので、1961年の純食料:供給量の比である1.61をつかって、1961年以前を引き延ばした。

2005年の世界の水産物消費

最新の統計をつかって、主要な地域の水産物消費量を比較してみよう。日本(2005)は食料需給表から、日本の昔の値は食料需要に関する基礎統計から、それ以外はSOFIA2008より引用。

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経済力と消費量が高い相関関係にあることがわかる。先進工業国が29.3kgの消費に対して、LIFDCs(低所得食料不足国, Low-Income Food-Deficit Countries)は、8.3kgとなっている。LIFDCsのリストはここを参照。先進国の中でも、日本の消費量が群を抜いているのだが、このような大量消費は、高度経済成長期以降である。明治時代の日本の消費量は、今日のLIFDCsよりも少ない6.0kgであった。その前は、もっと低いだろう。日本人はそれほど魚を食べていなかったのである。日本人に魚食文化が存在したのは事実だが、一般的庶民は毎日魚を食べていたわけではなかったのだ。

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