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生食用のサバを獲るひとと小さいサバを獲るひとは違う?

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業界の一拗ね者さんからのコメント

以前、小生は、生食用のサバを獲るひとと小さいサバを獲るひとは経済的に棲み分けていたのではないかと書き込みしたのですが、古い資料から読み取れるのは、まき網が生食用のサバを獲る漁業を排除してきた構図です。小生は、ノルウェーサバは嫌いで食しませんが、スーパーや外食で出ているサバの惣菜にも食指が動きません。国産のサバをおいしくいただけないのは、まき網ものだから(また、だからこそ魚体が小さいから)と決め込んでいます。大きくしてから獲るなら、まき網はご免蒙りたい。(では、どうやって獲ればいいんでしょう?)

水揚げされた物がどのような割合で利用しているのかを知りたいと思っていたら、
おあつらえ向きの統計が出てきました。

http://www.jfa.maff.go.jp/sigen/masaba.htmの真ん中へんの表です。

2001年漁獲量(千トン)

漁港名 生鮮食用 食用加工 非食用 合計 生鮮率 非食用率
銚子(千葉) 2.3 2.5 53.7 58.5 0.04 0.92
小名浜(福島) 1.6 2.7 10 14.3 0.11 0.70
石巻(宮城) 5.1 5.6 14.7 25.3 0.20 0.58
気仙沼(宮城) 0.5 0.1 0.5 1.2 0.42 0.42
宮古(岩手) 0.1 0.1 0.1 0.3 0.33 0.33
三崎(神奈川) 0.2 0.1 0.1 0.3 0.67 0.33
沼津(静岡) 7.4 9.2 1.8 18.5 0.40 0.10
八戸(青森) 4.2 13.3 0.5 18 0.23 0.03

早速グラフを造ってみます。
水揚げ重量(千トン)はこんな感じ。

image07070204.png

きれいに食用と、非食用の水揚げ港が別れました。
特定の漁港の非食用が突出しています。 
気仙沼、宮古、三崎がこれじゃわからないので、比率だけを見てみます。

image07070205.png
気仙沼、宮古、三崎のように生鮮率が高い港は軒並み壊滅状態です。
これは2001年の統計なので、1996年の卓越年級群をつぶした後の谷間の年です。
現在は2004年の卓越年級群によって、生鮮食向けの魚も数年ぶりに捕れています。
しかし、2005-2007の加入状況が良くないので、
2004年級群を獲り尽くして2001年の状況に逆戻りするのは時間の問題でしょう。

沼津と八戸は食用率が高くいわりにそれなりの漁獲量が維持されている。
これらの港ではどのような漁業が営まれているのか興味深い。
沼津に関しては、産卵回遊群しか漁場に来ないが故に、
未成魚は獲りようがないのかもしれないが、まとまった量が獲れるのは何でだろう?
八戸はいったいどんな漁法をしているのか。興味は尽きない。

資源状態が悪い中で、非食料に未成魚が大量に利用されていた。
現在は、この非食用が二束三文で中国に輸出されているわけだ。
ここを何とかしないことには、マサバ資源は回復しないだろう。

Comments:2

kato 07-07-02 (月) 16:43

オリジナルのデータは流通統計でしょうか。
http://www.tdb.maff.go.jp/toukei/a02smenu?TouID=C005

あまり詳しくないのですが、水揚げ漁港はそれぞれ強み弱み(ほか様々な背景など)を持っているようなので、単純な比較はどうなのでしょうね。

ここではマサバがテーマなので主題が外れますが(小松さんの本にもありましたが)ゴマサバの有効利用についてはどうお考えでしょうか。どうもマサバだけで見ていると片手落ちにならないかな?という気がしてならないのです。

勝川 07-07-05 (木) 16:23

>あまり詳しくないのですが、
>水揚げ漁港はそれぞれ強み弱み(ほか様々な背景など)を持っているようなので、
>単純な比較はどうなのでしょうね。

小サバが銚子に水揚げされると合理的利用になるということはあり得ないです。
どこにあげたって、単価は安いですから。

最初から背景を考えた完璧な比較は無理ですから、
まずは、単純な比較をするのが基本です。
必要とあれば、より細かく見ていけば良いでしょう。
アレが入ってない、コレが入ってないというのではなく、
対案となる比較方法を提示してください。
より合理的な比較方法が見つかれば、そちらを採用します。

>ゴマサバの有効利用についてはどうお考えでしょうか。
>どうもマサバだけで見ていると片手落ちにならないかな?
>という気がしてならないのです。

ゴマサバは経済的に重要ではないし、資源状態がよいので、優先順位は落ちます。
巻き網について論じるなら、ゴマサバよりも
マイワシ、カタクチ、アジの方が経済的に重要です。
また、水産物流通の国際化が進んでいますから、
世界中のサバ資源の動向と、需要の変化も重要です。
これらの要素が無ければ片手オチといわれれば、
まあその通りかもしれませんが、
逆に落ち度のない議論を誰が出来るのでしょうか。

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