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ドイツの研究所が、「福島原発から、海に入った放射性物質は、短い期間で、検出できないレベルに希釈される」と考察


4/2追記 このドイツの研究機関の分析は、放射性物質の漏洩が短期小規模で終わるという日本政府の初期の発表に基づいています。現在は状況が大きく変わったことを留意した上で、読んでください。

興味深い記事が中国のサイトに掲載されました。

「ドイツの漁業環境の放射能汚染観測を担当しているチューネン研究所はこのほど、日本の福島第一原発から漏洩した放射能は魚類などの海洋生物に長期的な汚染をもたらさないと発表しました」
http://japanese.cri.cn/881/2011/03/20/162s172309.htm<

元の記事はこちらだということをツイッターで教えてもらいました。

Japan: Zur möglichen Kontamination von Fischen und Meerwasserpflanzen
Google翻訳で、ドイツ語を英語に直したものを、私が日本語に翻訳したのが下の文章です。(2011 3/21 17:39 update)

ここ数時間、福島の原発から、大きな変化は伝わってきません。危機的な状況をコントロールしようと、努力が続けられています。現場を指揮する組織(東電)からは、これまでに放出された放射性物質の種類や量に関する情報が提供されていません。
IAEAはそのため、官庁が計測した (behördlich gemessen) 日本の放射性物質に関する情報を照会しました。それらのデータが利用可能になるまでは、一般論としては、引き続き揮発性の放射性物質が放出されることが考えられます。放射性物質としては、放射性核種を含むセシウム134(半減期2年)とセシウム137(30年の半減期)、およびヨウ素131(半減期8日)が含まれます。
消費者にとっては長寿命のセシウム同位体が問題で、ヨウ素131は数週間で検出できなくなります。
チェルノブイリ事故後25年にわたる北海とバルト海の魚の放射能データを、当研究所(the Johann Heinrich von Thünen Institute)の研究員が解析したところ、北海のような灌流の激しい海では、放射性物質は比較的素早く希釈されることがわかりました。たとえば、チェルノブイリ事故があった1986年以降、北海では、海水からも、魚からも、セシウム137の濃度が急激に薄まりました。事故の翌年には、チェルノブイリ由来のセシウムは検出不可能になりました。北海の魚と海水に現在残っているセシウム-137は、1950年代、1960年代の核兵器実験に由来する潜在的な汚染(background contamination)によるものです。ドイツの海水の計測は、連邦海事水路庁(BSH)が行っています。
これらの情報と、今まで得られた太平洋の情報を総合すると、福島の汚染された冷却水や大気から、海洋に入った放射性物質は、非常に短い期間で、検出できないレベルに希釈されると予想できます。
当研究所の科学者は、日本の状況を監視して、新しいイベントに対して、迅速に対応することができるように、万全の備えをしています。

以上です。

三瓶愼一先生(慶應義塾大学,ドイツ語学)に添削していただきました。ありがとうございます。初期の私の和訳は、この記事の下につけてありますが、やや不正確な点がありました。

中国のニュースサイトは、「日本が発表したデータに基づき」と書いていますが、これは誤りです。正しくは「現状ではデータがないので、IAEA経由で日本のデータが公開されるのを待っている」ようです。

海洋中の放射性物質は、急速に希釈されて、すぐに検出できなくなるという内容は、非常に勇気づけられるものです。また、半減期が長いセシウムの生態濃縮が気になっていたのですが、魚の中からも、すぐに検出できなくなったというのは朗報です。

生物濃縮については、コメント欄をご覧ください。


修正前の文章

ここ数時間、福島の原発から、大きな変化は伝わってきません。危機的な状況をなんとかコントロールしようと、必死の努力が続けられています。現場を指揮する組織は、「これまでに放出された放射性物質の種類や量に関する情報はない」とのべています。
IAEAが日本で計測したデータを公開することが望まれていますが、それらのデータが利用可能になるまで、一般論として、放射性物質の放出の影響を考察してみます。放射性物質としては、放射性核種を含むセシウム134(半減期2年)とセシウム137(30年の半減期)、およびヨウ素131(半減期8日)が含まれます。
ヨウ素131が数週間で活性を失うのに対して、セシウムは長寿命です。
チェルノブイリの事故後25年の、北海とバルト海の放射能モニタリングデータを当研究所(the Johann Heinrich von Thünen Institute)の研究員が分析したところ、北海のような灌流の激しい海では、放射性物質は比較的素早く希釈されることがわかりました。たとえば、チェルノブイリ事故があった1986年以降、北海では、海水からも、魚からも、セシウム137の濃度が急激に薄まりました。事故の翌年には、チェルノブイリ由来のセシウムは検出不可能になりました。北海の魚と海水に現在残っているセシウム-137は、1950年代、1960年代の核兵器実験に由来する潜在的な汚染(background contamination)によるものです。ドイツの海水の計測は、連邦海事水路庁(BSH)が行っています。
これらの情報と、今まで得られた太平洋の情報を総合すると、福島の汚染された冷却水や大気から、海洋に入った放射性物質は、非常に短い期間で、検出できないレベルに希釈されると予想できます。
当研究所の科学者は、日本の状況を監視して、新しいイベントに対して、迅速に対応することができるように、万全の備えをしています。

Comments:11

三瓶愼一 11-03-21 (月) 14:34

 ドイツ語の専門家として,ドイツ語原文をチェックいたしました。

 「危機的な状況をなんとかコントロールしようと、必死の努力が続けられています。」の「「なんとか」と「必死の」は原文にはありません。読み込みすぎになります。

 また「IAEAは、公式に計測された、日本の放射性物質に関する情報を公開するように要求されています。それらのデータが利用可能になるまで、一般論として、放射性物質の放出の影響を考察してみます。」のくだりは,正しくは「IAEAはそのため、公式に計測された、日本の放射性物質に関する情報を照会しました。それらのデータが利用可能になるまでは、一般論としては、引き続き揮発性の放射性物質が放出されることが考えられます。」となります。

 生物濃縮の可能性に関しては触れられていませんが,どのようにお考えになりますか。

 三瓶愼一(慶應義塾大学,ドイツ語学)

三瓶愼一 11-03-21 (月) 14:44

 ごめんなさい,補足です。

 「IAEAはそのため、公式に計測された、日本の放射性物質に関する情報を・・・」ですが,(東電が出さないから「そのため,官庁が計測した (behördlich gemessen) 日本の放射性物質に関する情報を照会した。」ということです。

Tetsuo_Kataoka 11-03-21 (月) 17:00

このような有益な情報が、風評被害を防いでくれるといいですね。

katukawa 11-03-21 (月) 17:55

三瓶愼一様

初めまして、添削していただき、どうもありがとうございます。
機械翻訳を挟んでの和訳だったので、guessで対応した部分もあったので、助かりました。ネットの底力ですね。

>生物濃縮の可能性に関しては触れられていませんが,どのようにお考えになりますか。

生物濃縮に関する私見をのべます。

生態濃縮については、それほど重要ではないと考えています。水銀やある種の農薬は、魚の脂に選択的に取り込まれます。一方、放射性物質は、そうでない物質よりも若干残りやすい傾向があるものの、それほど大きな差がありません。生態濃縮が問題になっている化合物と比較すると、放射性物質の濃縮されやすさは格段に低いのです。
また、福島原発周辺の海域は海流が非常に強い。海水とともに、あっというまにアリューシャンの方向に抜けていきます。そのプロセスで放射性物質の濃度は検出できないレベルまで、希釈されることが予想されます。
食物連鎖を通じて放射性物質が濃縮される速度よりも、海の中で拡散して希釈されていく速度の方が段違いに早いと思われます。
そもそも、太平洋では300回以上の核実験が過去に行われてきました。そこで発生した放射性物質の総量と比較すれば、現在の事故の放射量は微量だと思われます。放射性物質が高濃度のまま局所的に貯まることが無ければ、大きな影響は無いと考えます。
事故が収まったら、海水や魚などの大規模な調査が行われるでしょう。最終的な判断は、その結果を見てからということになりますが、現段階では、私はそれほど悲観していません。

Tetsuo_Kataokaさん
すでに、いろいろと問題になっているようです。
特に海外は過敏に反応していますね。
皆さんが安心して食べられるように、しっかりした調査をして、情報をどんどん出していく必要があるでしょう。

三瓶愼一 11-03-22 (火) 0:48

勝川俊雄さま

 ご丁寧な説明を有難うございました。海洋での希釈化についてはよくわかりました。太平洋岸で水揚げされる海産物については大きな心配は必要ないと言えそうですね。

 私がもう1つ危惧している問題があります。風向しだいでは内陸部で降水があり,ホットスポットが生じて拡散,希釈の難しい内水面が汚染された場合だと思うのですが,湖沼,河川等の汚染の影響はどの程度の深刻さになるでしょう。水源地帯の汚染が生じれば,簡易水道などへのダメージは大きいでしょうが,そこに棲息する淡水生物による生態濃縮の危険も考えておくのが妥当でしょうか。もちろん雨水に含まれる放射性物質の量との関係があるとは思いますが。

kubtak 11-03-22 (火) 9:13

1986年時点の北海の汚染とはどのようなものだったのでしょう?http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/07/Chornobyl_radiation_map.jpg
これを見ると、セシウム137によるチェルノブイリから1400kmほど東方に位置する北海(デンマークと英国の間)までの影響は限定的だったのではないかと想像します。参考にして良いものか?
同様の希釈が発生源に面した福島沿岸でも起こるのでしょうか。太平洋の希釈が大きい事は想像できるのですが。

katukawa 11-03-22 (火) 9:59

三瓶愼一さん

陸上については、情報が無く、専門外なのでわかりません。チェルノブイリでも地面に固定されたから、やっかいなようです。閉鎖系のほうが被害は長期化すると思われます。

kubtakさん
初期値が違うという指摘はその通りと思います。ただ、海洋中で希釈が素早く行われた点と、生物濃縮がみられなかった点は、朗報かと。福島沿岸の流れは世界的に見てもきわめて早いので、希釈がおこるのは確実でしょう。生物濃縮についてはあまり知見がありません。今後のモニタリングに注視する必要があります。

kubtak 11-03-22 (火) 16:00

上記コメントに「東方」としたのは「西方」の間違いだったので訂正します。
それで福島から西 1,400kmが何処なのかと地図を見てみたのですが、朝鮮半島を越えた黄海上に当たりました。九州よりも西です。つまり、引用のドイツ論文は福島で起きた事故の影響が黄海上でどのように観測されたかを示したものと読み替える事ができます。。福島沿岸での希釈・生物濃縮を検討する資料としては条件が違いすぎるのではないかと感じました。

坂本英樹 11-03-22 (火) 18:49

ブログで紹介させていただきました。有用な情報ありがとうございます。
中日新聞で関連記事があったのでご紹介します。 ”魚介類摂取「心配無用」 生物濃縮、海藻より遅く”
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2011032202000169.html

三瓶愼一 11-03-23 (水) 13:09

勝川俊雄さま

 長文失礼いたします。

 内水面についてはご専門でないとのこと,了解いたしました。ぜひ水産資源の問題全般に関して,各分野のご専門の方のご意見を伺えるように,学会等で働きかけて下されば心強いものです。

 勝川さんが引用されたJohann Heinrich von Thünen-Institutは,2011年3月22日付で報道発表「日本の原子炉事故:海洋生態系に与える影響(Reaktorunglück in Japan: Folgen für das Ökosystem Meer)」(http://www.vti.bund.de/no_cache/de/startseite/presse/pressemitteilungen-informationsseite/Pressemitteilung/reaktorunglueck-in-japan-folgen-fuer-das-oekosystem-meer.html)を出し,以下のように述べています(全訳します)。

 「日本の福島原発事故の状況はさらに今後も危機的なレベルで推移するものと見られる一方で,環境調査における放射性物質の初の測定値が発表された。」

 「初の」というのはどうかと思いますが,続けて
「海洋環境の領域では,現在,海水中における境界値を超える値について報道が行われている。日本の官庁による公的な測定値はまだ存在しない。日本からの日本の報道発表では,原発施設前100メートルの海域で,ヨウ素131が日本の基準値の126倍,セシウム134とセシウム137が境界値のそれぞれ25倍および16.5倍検出されたという。あいにく境界値の値と種類が公表されていないので,当研究所の研究員が食料品の境界値を基に検討してみると,日本ではヨウ素131については2000Bq/kg,放射性セシウムについては500Bq/kgとなる。
 水中では汚染の拡散が速いため,太平洋では魚類に重大な汚染が生じることはないとの見方を変えていない。」

 この後が気になるのですが,
「この根拠となるのが,定期的にセラフィールド核燃料再処理工場周辺においてモニタリングを行っている英国の研究者のデータである。そこでは1965年から85年にかけて,毎年莫大な量の放射性セシウムが排水とともにアイリッシュ海に放出された。最高値としては1970年代中頃で5000テラベクレル/年(1テラベクレル=1兆ベクレル)が計測された。放出されたセシウムのこの大きな値に対し,アイリッシュ海の魚類に対する影響は極めて小さいと見られる。2008年の最新のデータでは,アイルランド海産のタラ(Kabeljau)の汚染は最大値で10Bq/kgであった。これは,バルト海のタラ(Ostseedorsch)の汚染の最大値と一致するが,その汚染は相変わらずチェルノブイリ原発事故の影響によるものである(チェルノブイリ原発事故により汚染された食料品の境界値はEUにおいては600Bq/kgである)。」

 そして結論として,
 「太平洋に関しては,当研究所の研究員は,魚類におけるセシウムの値は
アイリッシュ海とバルト海の値を明らかに下回るだろうと考えている。現在,原子炉付近の海水中で測定されている値は高いが,当研究所では,原子炉付近の魚類にわずかな汚染があり得るものの,例えばベーリング海におけるアラスカのサケマス漁場や太平洋のその他の場所で事実上汚染は生じないものと考えている。」

としています。

 しかしながら,セラフィールドに関しては常々疑問を持っていたので,いろいろ調べてみると,次のようなことがわかりました(要約引用です)。

  1970年代の大規模な垂れ流し状態から200年代初頭まで,放射性物質の放出レベルは激減。国内外からの強い批判の結果,イギリス政府は放出量を制限せざるを得なくなり,アルファ放射体(その主な核種はプルトニウム239,240とアメリシウム241)については,1974年の169兆ベクレルをピークに,1999年には0.13兆ベクレルと,年間放出量は1/1000以下へと減少した,とのこと。

 ところが魚介類中のプルトニウム濃度は数分の1程度から10~20分の1のレベルにまでしか下がっていないし,上昇しているケースさえあるといいます。タマキビガイでは、プルトニウム239,240の濃度は1978年から1999年で約1/9に,ロブスターでは約1/19,貝類,甲殻類および海藻では,減少の度合いは数分の1程度から1/20程度にとどまっているとのこと。同じ期間に放出量が1/1000以下に減少したのに,汚染の減少は極めて緩慢ということになります。タラについては逆に,1976年に対して1999年では約10倍も濃度が高くなり,カレイも同じように横這い状態,との報告があります。
(http://www.jca.apc.org/mihama/News/news63/news63irish.htm より要約)

 アイルランド周辺海域の魚介類・海草、海水、海底堆積物中の放射能濃度,を1982年以降継続的に測定しているアイルランド放射線防護研究所(RPII:Radiological Protection Institute of Ireland)の『アイルランド海洋環境の放射能モニタリング』によれば,セラフィールド核燃料再処理工場から約200km離れたアイルランドでも,汚染のレベルは大幅には減少しないことが確認されたとしています。
 アイルランドでの継続的なモニタリングが開始された1982年から2000年までの間に,セラフィールド再処理工場から海洋へ放出されたセシウム137の量は2000兆ベクレル(Bq)から6.9兆ベクレルへと約1/300に減少しているといいます。しかしその一方で,魚介類・海草中のセシウム137濃度の減少の度合いは,約1/30~1/40程度でしかないとのことです(例えば,アイルランド東海岸(Clogherhead)で採取されたタラにおけるセシウム137濃度は,1982年の62.7Bq/kgから1999年の1.78Bq/kgと,その減少度合いは約1/35)。またRPIIは報告書の中で「1990年代半ばから相対的に安定している」と述べ,セシウム137濃度の低下は鈍化,あるいは定常状態(平衡状態)に近づいているといいます。放出量の減少割合に照応しない生物中の汚染レベルの減少の鈍化,横ばい状態は,セラフィールド周辺海域で見られた現象とまったく同じだという報告があります。
(http://www.jca.apc.org/mihama/News/news65/news65cesium.htmから要約)

 上に要約引用したのは2000年代初頭の記事ではありますが,海中に放出された放射性物質は海流で希釈されても相当長期にわたって消滅しないことは事実でしょう。海中の土壌や生物に放射能が蓄積されて放射線を出し続けるということは,門外漢が見ても,半減期を考えれば,至って自然な推論であるように思います。
 そうすると,Johann Heinrich von Thünen-Institutの発表は,信憑性の点で問題なしとしないのではないか。

 日本の海産物や近海漁業にどのような影響を与える可能性があるか,ぜひご専門の立場からご意見を伺いたく思います。

 政府や,メディアの「専門家」は単に安心を訴えるだけで,必ずしも正確な情報を提供していない以上,安全側に傾斜した的確な情報を国民は求めているであろうと考えています。

 どうぞよろしくお願いいたします。

katukawa 11-03-23 (水) 14:18

三瓶愼一様

こちらも、重要な情報ですので、多くの方の目に触れるように、ブログに転載させてください。

セラフィールド工場の汚染についてですが、プルトニウム239の半減期は2万年以上ですから、放出を止めても、これまで放出されたプルトニウムは存在し続けます。希釈とは、単に薄めるだけですから、今後も放射性物質は存在し続けます。

希釈が重要な点は、放射性物質を無くすことではなく、高濃度の排水を速やかに薄めてくれる点にあります。健康被害の恐れのある濃度から、健康被害の心配のない濃度まで、速やかに薄めてくれるので、大規模な被害はないというロジックです。また、すでに放射性物質が広範囲に薄く広がった後は、希釈による密度減少効果は弱まります。アイルランド近海はすでに広く、薄く、希釈済みの放射性物質が存在するのではないでしょうか。すでにバックグランドの汚染がある場合には、新たな排出を減らしても、環境の汚染はそれほど減少しないと思われます。

そういう状況でも、魚介類・海草中のセシウム137濃度が、20年足らずで、約1/30~1/40に減少したというのは、朗報です。生物濃縮で選択的に生物に取り込まれるなら、こういう早さでは減らないでしょう。海洋生態系では、生物濃縮が起こりづらいというIAEAのレポートに、納得しました。

「海中の土壌や生物に放射能が蓄積されて放射線を出し続ける」というより、いったん土壌に取り込まれた放射性物質が徐々にリリースされることによって、放射性物質の汚染が長期化することが、懸念されます。海の底質汚染がどの程度のエリアになるかは、現時点ではわかりません。福島周辺の汚染域がどの程度の広がりを持つかは、今後の調査結果を待つ必要があるでしょう。汚染がアリューシャンまで行かないというドイツの研究機関の見解は、リーズナブルだと思います。

内水面の影響については、IAEAのレポートをご覧下さい。
http://katukawa.com/?p=4136
閉鎖系では、汚染の長期化が危惧されます。また、長期的な流出もあるようです。河川と、河口付近は、長期的なモニタリングが必要になりそうです。

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