Home > 研究 > 今必要なことは、リスク管理の普及だろう

今必要なことは、リスク管理の普及だろう

  • 2006-08-18 (金) 17:28
  • 研究
[`evernote` not found]

水産の現場にいる人で、資源学をちゃんと勉強したのはほんの一握りだから、
すでに働いている人が勉強できるような機会は必要だと思う。
ABCの計算自体はそれほど難しいことをやっているわけではない。
基本的な部分は、かけ算と引き算で全てが説明できる。

でも、それだけでは全く不十分。
計算の概要と同じぐらい重要なことは、計算した値の精度。
その昔、北海道でVPAの精度がメロメロだった事例を紹介したけど、
VPAだけじゃなくて、至る所に不確実なパラメータがある。
最終的なABCの精度を理解した上で、その使い方を考える必要がある。
数理モデルの限界についても、ちゃんと伝えないといけない。
「不確実性とどうつきあうか」というビジョンがまるでない中で不確実性の説明をしても、
「資源評価が不確実?だったら、管理なんて辞めようよ」という発想しか出てこない。

不確実性の話をすると、管理がやりづらくなる。
「間違えるのは構わないけど、曖昧なのは困る」という感じ。
実際には、正確な資源状態なんて、わかるはずがないのだから、
本当は逆を目指さないといけない。
曖昧な情報をつかって、間違い(乱獲)を回避する必要がある。
このことを、水産関係者は上から下まで、全然わかってない。

不確実性な情報で、リスクを管理するという概念を浸透させる必要があるだろう。

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://katukawa.com/wp-trackback.php?p=56
Listed below are links to weblogs that reference
今必要なことは、リスク管理の普及だろう from 勝川俊雄公式サイト

Home > 研究 > 今必要なことは、リスク管理の普及だろう

Search
Feeds
Meta
Twitter
アクセス
  • オンライン: 3
  • 今日: 581(ユニーク: 228)
  • 昨日: 1040
  • トータル: 9368461

from 18 Mar. 2009

Return to page top