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シドニー魚市場

  • 2008-07-15 (火) 5:30
  • 日記
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木曜日、金曜日と、キャンベラで缶詰勉強会した後、
土曜日にシドニー、日曜日にニュージーランドのオークランドに移動しました。

途中で、シドニーのフィッシュマーケットを視察してきました。
20080713_006.jpg

市場は、シドニーの町中にあります。
競り場もあるのですが、残念ながら日曜日は競りは休みでした。
セリについては、ほぼ同じシステムのものを後日ニュージーランドで見学しましたので、
後ほど詳しく説明します。

 

場内、場外には魚屋やレストランがあり、新鮮な魚介類を楽しむことができます。
20080713_052.jpg

ここに来て、思ったのは、小さい魚が無い。
日本の市場だと、「こんな小さい魚を流通させて恥ずかしくないのかな?」というようなのが少なからずある。
豪州ではそういう魚は一切無かった。
十分なサイズの鮮度の良い魚しか並んでいない。
そして、値段が高い。平均単価は1500円ぐらいだろうか。
俺の手と比較してもらえば、このサワラの切り身がかなり大きいことがわかると思う。
これが1kg約2000円だ。決して、安くはないが、十分にお買い得だと思う。
「この魚が値段なら、食べてみたい」と感じるものが多かった。
論より証拠というか、実際の水揚げをみると、ITQの効果を実感できる。
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鮫も売ってました。普通の白身魚と同じように流通・消費されているようです。
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市場の外には港があり、小さなトロール漁船が停泊中でした。
20080713_065.jpg

漁業者の写真もありました。
マフィアのなんとか一家みたいなかんじだと思ったら、イタリアから移民してきた家族のようです。
イタリア移民が漁業を興したのが、ここの漁業の始まりみたいですね。
20080713_075.jpg

豪州では資源管理をする側の話しか聞けなかった。
実際に管理をされている側の声も聞きたかったのですが、漁業者は見あたりませんでした。
残念。

Comments:6

kato 08-07-15 (火) 8:44

逆に言うと元々サイズ的に大きくならない「小魚」は食べる習慣がないということなのでしょうか?こういうマーケットを見ると、うまい表現ではないですが、とても西洋的な印象を受けます。小魚をザルで山盛りで売る(アジア的な?)魚屋とはちょっと異質の、個人的には少し違和感を感じます。

と言っても小魚を食べる食習慣が無くなっているから生産側も意識変化しないとならないのですが。

tamukai 08-07-17 (木) 4:30

海外の水産市場を見る機会がないので嬉しいです。
サメの価格はおろし身ということもあり結構いいお値段ですね。
白身で小骨がないから調理しやすい食べやすいという理解のされ方でしょうか。
マージンは一体どれくらいなか・・・興味津々です。

海外水産開発 08-07-17 (木) 10:19

NZでは過去30年ほどで海洋生物/水産資源を守るために保護区が次々に設置され、現在では30箇所以上の禁漁保護区(多くは遊びの釣りも禁止)があり、いくつかは漁業者が自主的に保護区作りしたようです。保護区で増えた魚介類が保護区外に出ていくのでロブスターの漁獲も安定しているとの記事を読んだ記憶があります。
17年ほど前に訪れた時のNZは不況で失業も多く、元大手企業の部長さんがタクシー運転手をしているほどでした。人口密度、経済構成
、雇用形態の違いはあるにしても、あれだけの不況の中でも資源保護を進める行政、研究者、漁業者の姿勢にわが国とは大きな違いを感じます。

勝川 08-07-28 (月) 23:41

tamukaiさん
白身の代替としてフライなどにされます。
末端の消費者は、サメ=ゲテモノという印象のようです。
「サメのフィッシュ&チップなんて、冗談でしょ?」
と言われてしまいました。
NZでも、漁獲物のかなりの割合(15%ぐらい?)がサメでしたから、
きっと、知らずに食べているんだと思います。

海外水産開発さん
保護区も重要ですが、保護区以外でも資源が守られています。
国として、資源管理に取り組むことの重要性を痛感しました。
漁業者だけでは、明らかに限界があります。
資源管理をしない上に野放図に補助金をばらまいたら、
どんな漁業だって衰退します。

beachmollusc 08-07-29 (火) 7:43

オーストラリア(QLD)に住んでいたのは昔のことですが、フィッシュアンドチップスの、値段の安いものがサメ、高いのがサワラだったと記憶しています。地元民もそれを認識して食べていました。NSWの街の住民は知らないのでしょうか。

補助金行政ですが、過剰な漁港整備(1漁港あたり漁業者は約80名:集落ごとに沿岸環境を壊してまで建設されている)と漁船の性能強化(エンジン馬力について、表向きと実際の比較チェックをするとびっくりしますよ:漁民から直接裏話を聞いています)で、乱獲体質を強化しましたね。そして自分たちの漁場の資源を枯渇させた後は他所で密漁をするものが増えたようです。プロがやる密漁は恐ろしいことです。それが裏社会とつながって、世紀はじめになってすでに世紀末のようです。

勝川 08-08-01 (金) 13:21

「サメなんて食べない」と言ったのは、ニュージーランド人です。
NSWではどうだかわかりません。

アンタッチャブルな世の中になってしまいましたね。
持続的に食べていけるように資源管理が必要です。
監視取り締まりもちゃんとしないと、
ルールを守った人だけが損をします。
沿岸警備隊や、警察と連携をとって、
密漁を厳しく監視している国も多いです。

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