TACとABCの乖離を批判し続けて、ずいぶんと経った。漁獲枠(TAC)が持続的な水準(ABC)を超えているというのは、資源管理の原理原則からして、あり得ない。日本では、TACをABCより下げましょうという、当たり前のことを主張するのも大変なのだ。その当たり前なことを公的に主張し続けた研究者は俺ぐらいだろう。結果として、いろんなところで矢面に立つことになった。また、小松さんは、その当たり前のことを主張した唯一の行政官だったのだが、結局は水産庁を出ることになった。
ABCを超過するTACを巡る戦いの歴史を少し振り返ってみた。
それにしても、ずいぶんと、大勢の人間と戦ってきたもんだ。実際は、これだけじゃないんだけどね。歴史を振り返ればわかるように、主戦場は、マイワシとマサバ。この二つの資源のTACがABCまで、下がったというのは誠にめでたいことでございます。ABCは無視して構わないと主張してきた人間は涙目だろう。多勢に無勢ではあったが、結局は、筋が通った方が勝ったわけだ。世の中、まだまだ捨てたもんじゃないね。今日まで、戦ってこれたのも、陰から応援してくれる皆様のおかげであります。いつも、いろいろな情報を提供していただきありがとうございます。あと、流れ弾が当たってしまった人は、ごめん。
ABCを超えるTACが社会問題に発展したことから、水産庁も、がんばってABCまでTACを下げたのだろう。組織防衛の観点から、妥当な判断だと思う。水面下でかなり調整をしたはずだが、その努力は長い目で見て、必ず報われる。
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Comments:10
- 沿岸漁業の一漁師 09-04-29 (水) 6:49
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非常に参考になります。長い年月がかかっているのですね・・・・・・・・・・・・・。
あとは『地方自治による自主性』を逆手に取る地方自治体と漁協の問題の解決ですかねw。
『漁師が決定事項に説明を求めること、疑問を呈することはケシカラン』そうでwwwwww。
ミャンマー軍政や北朝鮮と変わらないですw。 - 勝川 09-05-01 (金) 11:09
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やはり、積み重ねですね。
3年前は、TACがABCまで下がると思っていた研究者はいないと思います。>『漁師が決定事項に説明を求めること、疑問を呈することはケシカラン』
これは驚きです。説明責任って言葉は、地方にはないんですかね? - 元漁師 09-04-29 (水) 13:15
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いやいや勝川さんこそグッジョブです!
影ながら応援してます!がんばれパパ! - 勝川 09-05-01 (金) 11:15
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いやぁ。どうもどうもです。
たまに、水産庁を褒めるネタがあると嬉しいです。 - 県職員 09-05-01 (金) 17:30
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「漁師が決定事項に説明を求めること、疑問を呈することはケシカラン」
???????
我が県では余りにも漁業者に意見を聴きすぎるあまり,道理が通らなくなってしまいました。
関係はないのですが,つい先日某魚種の資源回復計画の会議に出ました。
資源の回復が目的なのですから行政担当者も,小手先の漁業調整的な交渉手法ばかりにとらわれず,もっと資源学を勉強すべきだと痛感しました。
資源あっての漁業者ですし。 - 勝川 09-05-07 (木) 11:04
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このあたりは、立場によって、意見が違いそうですね。
コミュニケーションがうまくいっていないと思います。
行政と漁業者、さらには、漁業者間の意思の疎通は難しそうですね。資源回復計画は、資源回復を口実に、
今まで通りの補助金行政をしているように見えます。
回復計画の予算の大部分は、ある特定の計画に流れていると聞いたけど、
本当かなぁ。知っている人いたら、こっそり教えてください。 - 沿岸漁業の一漁師 09-05-03 (日) 14:55
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ヒントとしましては『 ま た ○ ○ か 』と言われる地域ですw。
>これは驚きです。説明責任って言葉は、地方にはないんですかね?
資源保護の事案ではないですが。
ないんじゃないでしょうか?『地方自治』ということですかねw。 - 沿岸漁業の一漁師 09-05-07 (木) 17:27
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>コミュニケーションがうまくいっていないと思います。
良いにつけ、悪いにつけ、どういったポジションの漁業者を対象にするかで納得する人、しない人が出ますからね。
全員、納得というのは無理でしょうけど。>行政と漁業者、さらには、漁業者間の意思の疎通は難しそうですね。
漁業者の中でも本気で漁業で飯を食っている人間と漁業への投資に対しては節約第一でただただ政治工作に長けている人間とではずれが生じますしね。後者の方がどう見たって業界にとってはプラスにならないことでもはい左様で御座いますと従っていれば温い飯を食えますw。
>回復計画の予算の大部分は、ある特定の計画に流れていると聞いたけど、
うちの地区では目に付く限りですと覆砂事業に力を入れていますね。濁りが出るから如何なものかと思いますがw。
マリコンや資材屋さんに金が回りますしねw。 - 勝川 09-05-13 (水) 11:59
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日本では、研究者と漁業者のコミュニケーションも断絶していますね。
アイスランドは、経験ある漁労長を研究船に乗せて調査漁業を行っています。
調査の質と、漁業者への信頼を同時に高めようという狙いです。
こういう取り組みが日本でも必要だと思います。 - 沿岸漁業の一漁師 09-05-13 (水) 17:43
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>日本では、研究者と漁業者のコミュニケーションも断絶していますね。
漁業者は自治体の研究者と申しますか技官職とのたま~にですが接することがありますね。
技官の方々は自治体の水産業への取り組み意欲で大きな差が出てきますね。