24 June 2009
Ministory of Fisheries, Norway
small scale fishermen policy
漁業、社会経済、環境については、40年間同じ目標だが、ウェイトは変わってきた。持続的でなければ、漁業は成り立たない。目的が、より多く獲ることから、長期的な漁獲を増やすことに変わった。TACについて議論はほとんど無い。
ノルウェーは魚種が少ないので、管理をしやすい
14000名の漁業者
船は7000隻
558加工工場
13000人の雇用
昔は、漁業は魅力的ではなかった
大勢が漁業を離れた→離れて何をした?→オイル産業などに転職
漁獲量は一定で、船を減らす→利益がでる。
管理システム
いくつもの異なる手法を併用している→どの漁業をどう管理するかは、誰がどうやって決める?→漁業者の話し合い
漁獲枠、ライセンス
15年間の実験のフィードバックで確立された。マスタープランに従って進んだわけではない。
大きな改革はない。小さな修正を徐々に積み重ねてきた。
もっとも大きな改革は####聞き取れず
ノルウェーの方法を輸出するのは難しいかもしれない。EUの共通漁業政策は大きな改革をしようとしているが、ノルウェーはそのような経験がない。
漁獲枠がICESの勧告を超えることはある?
以前はあったが、現在は、ICESの勧告内になった。
ICESの勧告を守る強制力はない。
2つの要素
precautionary and stability
漁獲圧は控えめにすべき、
blue whitingは漁獲枠が勧告を超えている。→joint managementの失敗、no agreement at all, free fishing going on. 2年以内に、漁獲枠を減らす計画がある。
shrimpはIVQがあるが混獲枠はトロール漁業全体で設定。
メインターゲットにしかIVQはない。それ以外は、テクニカルレギュレーション。
若齢魚が多くなったら、その海域を閉鎖する。
cod haddokは予防的枠の範囲になっている。
cod haddokは魚種別の漁獲枠だけど、それ以外はエコシステムベースのアドバイスを行っている。
海洋生物の保全に対するnew acts , new obligation
monitor and consider impact of bycatch
ノルウェーのトロール
3-4 target
10-14 bycatch
20種で90%ぐらい。
100魚種ぐらいが商業価値を持つ。
変化をとらえるindicator をモニターし、よからぬ兆候があれば、triggerが発動する
混獲物を持って帰らせることが第一歩。
1987年に、バレンツ海のdiscardを持ち帰るようなルールを作った
2003年 19種-75種に増えた。
持って帰れば、養殖の餌に使える。海に捨てるよりもマシな使い方がある。
どうやって、漁業者にそうさせるかが重要。
獲れたものは、全部持って帰る。投棄には厳しい罰則。
持って帰ると利益の80%は没収される。
minimum allowed size以下の魚でも20%の収入は入る。
持って帰るインセンティブが生じる。
FAO unwanted mortalityをへらすためのガイドライン
国際的な関心になりつつある。
最初から、魚はノルウェー社会に属している。
ノルウェー人か、それとも州に属しているかという議論があった。
魚はノルウェー人のもの、漁業の利益は漁業者の私有物
リソース・レントはとらない。
資源維持のためのリソースレントの導入が議論をされたことはあるが、導入には至っていない。
open accessは失敗
IVQの導入
1890年 ロフォーテンで漁業規制
60年代前半から、資源管理が徐々に導入される
科学が進むにつれて、行政・漁業者・大衆に、漁業管理の重要性が理解された。
1970年代にヘリングが崩壊することによって、気運が高まった・
ノルウェーの漁業者は科学的アセスメントを重視する。
科学者が警告をすると、漁業者は、生活を守るために、自ら漁獲制限を求める
漁業者14000人
4000はパートタイム
4000はラージスケール(船が20m以上)
6000はスモールスケール
船は7000隻
4500は、10m以下
small scale (<10m cod) gross income 1mil NOK some are 2mil NOK
沿岸の小型船の売り上げは、1500万円ぐらい。多い人は3000万円。
補助金政策
水揚げ地から、加工工場まで距離がある場合に、輸送を補助する補助金があるぐらい(南北問題か)
liscence
漁業の参加するためのライセンスが必要:年間許可と永続許可がある。
ライセンスには漁獲枠がついてくる。
漁船のライセンスが必要
個々の漁業にはライセンスがある。
ライセンスがない漁業もあり、生活ぐらいはできる。
漁船の大きさは、作る人間の自由。漁獲枠に見合ったサイズになる。
サイズと漁具によって、操業可能海域が決定される。
many different line
非常に複雑な線引きがされている。
conflictを避けるために、必要。
大型トロールは4マイルまでは入れない。
最初は漁具の接触を避けるためであったが、徐々に保全が目的になってきた。
15m以上の船にVMS VMS 10000 – 15000 NOK
排他的な漁業権を行使する以上、ルールに従う義務がある。
産業の生産性が増すと、自立した方が良いので、補助金の要求は無くなった。
補助金は変化へのインセンティブを失わせるので良くない
漁業補助金の問題点については、OECDレポートにある。
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Comments:2
- I. Sakaguchi 09-11-25 (水) 2:40
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ITQに関連する記事、大変興味深く拝見させていただいております。私は地球環境ガバナンスを専門に研究しておりますが、最近漁業資源の保全の問題について興味を持っております。この分野では伝統的には高度回遊性魚類やストラドリング魚種の管理の問題が研究対象とされていましたが、ほとんどの漁業資源が200海里内に存在することを考えると、国内漁業の管理の問題がより重要になると考えております。ただし、国内資源の場合は条約を作って規制する云々の話にはなりませんので、基本的には学習や政策拡散が重要となります。こういったプロセスを分析するのが研究課題となり、ITQの世界的広まりに興味を持っています。国内ではefforts controlとITQの間で政策的議論が繰り広げられているようですが、フェロー諸島の漁業管理(鱈など)は前者の譲渡可能版のように見えます。漁獲能力の増強をコントロールできればこれも有力な選択肢にも見えます。機会がありましたら、こういったシステムの可能性についてのお考えもウエブなどでお聞かせいただければ幸いです。
- 勝川 09-12-01 (火) 4:56
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I. Sakaguchiさん、初めまして。
高度回遊性魚類は、資源としても少ないし、資源も減っているしで、明るい未来はありません。ご指摘のように日本のようにEEZに好漁場をもっている国にとっては、国内漁場の管理の方がよほど重要な課題です。国内資源の管理については、日本では小規模な漁業でいくつか成功例があるだけですが、海外では成功例が数多くあります。個別漁獲枠が必要条件であり、方法論としては確立されたと言っても良いでしょう。学習と政策拡散が課題というのはその通りで、現在、そのことに頭を悩ませています。病名は明らかで、処方箋もかけるのですが、薬をどうやって飲ませるか。悩ましい問題です。アドバイスをいただけるとうれしいです。
effort controlは大規模漁業には無力であることが世界的にわかっています。これについては、近いうちにまとめて書きますね。未だに、effort controlに固執しているのは日本ぐらいであり、その日本でもeffort controlはまるで機能していないのが現状です。水産庁は必死に、大本営発表していますが、回復計画は散々な結果だし、TAEに至っては何もしていないのが現実です。
国内の議論は、正直、おもしろみがないですね。水産庁&御用学者は、海外の漁業をまるで知らないのです。反対派は、揚げ足すらまともにとれないレベルであり、つっこみを入れるのもばかばかしくなります。
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