巻き網の厳しい現場が伺える面白い新聞記事を発見。
http://www.nishinippon.co.jp/news/wordbox/display/5013/
漁協幹部は「魚価安を補うため、一晩当たりの投網回数が5割は増えており、乗組員の体力消耗が激しい」と顔を曇らせる。
販売戦略としては、関サバ、関アジなどの成功に代表されるように、一本釣りによるブランド化で大衆魚を高級魚化する方策もあろう。だが、「巻き網で多獲性の魚種を市場へ安定的に供給する技術、能力を確保しておかなければ、国民に安価で良質な水産タンパクを供給することはできない」と、福岡県水産海洋技術センターの渡辺大輔さん(34)は力説する。
「魚価安→努力量を増やす」は、乱獲スパイラルの典型例だな。
努力量が5割り増しだと、かなりの漁獲率の上昇になるはずだ。
東シナ海のアジ、タチウオ、マダイの資源状態はそれほど悪くないようだが、今後が心配。
「目先の利益のみを追求する漁業を止めない限り、国民に水産タンパクを供給できなくなるのは時間の問題である」と、東大海洋研の勝川俊雄さん(34)は力説したい。
- Newer: マサバ太平洋系群資源回復計画
- Older: 講義をしてきたよ
Comments:3
- 県職員 07-07-12 (木) 13:10
-
確かに典型的な一例ですね。
現在の漁業者は,洗面器に顔をつけて我慢比べをする姿に似ている。過剰な競争をやめ,皆が足並みをそろえて,一斉に努力量を減らさない限り,乱獲スパイラルから逃げ出せないでしょう。
漁獲圧をあげずに,大衆魚でも,鮮度を上げて少しでも高く売る方法に力を入れないといけません。 - 県職員 07-07-17 (火) 13:04
-
鮮度だけでなく,取り始めの年級群を上げることも当然必要ですね。
- 勝川 07-07-24 (火) 13:09
-
漁業で持続的に儲けるには、
量を絞って価値を上げるという方向しか無いのですが、
今の日本では値段が上がると、かえって乱獲が進んでしまいます。
Trackbacks:0
- Trackback URL for this entry
- http://katukawa.com/wp-trackback.php?p=304
- Listed below are links to weblogs that reference
- WordBox: 巻き網漁業 from 勝川俊雄公式サイト