日本のサメ漁は、どうして非難されているの?

今回のサメキャンペーンでは、いろいろな論点がごちゃ混ぜになっている。気仙沼のサメ漁に対する非難も、人によって言っていることが、だいぶん違う。いったい、何が問題視されているかを整理してみよう。

1)種・生態系の持続性に関する問題

  • ヨシキリザメは準絶滅危惧種→絶滅のおそれ
  • 高次捕食者は海洋生態系で重要な役割→獲るべきではない

2)倫理的な問題

  • ヒレだけ獲って体を捨てるのはよくない
    • 生きたままヒレを獲られて、もがき苦しむサメが気の毒
    • もったいない
  • サメのようなすばらしい生物を殺すなんて、可哀想!!

サメ漁非難の根拠は、資源・生態系の持続性に対する問題と、倫理的な問題の2つに分類できる。自然保護キャンペーンは、持続性と倫理の問題を並べて広げてくる場合が多いのだけど、論点をきちっと分けた上で、議論をしないといけない。

持続性について

持続性を無視して、絶滅するまで獲って良いという人は、ほとんどいないでしょう。で、ヨシキリザメは増えているのか減っているのかというと、ほとんどデータがないのでわからない。少ないデータで資源評価をしようという試みはいくつかあったけど、本種に関しては、あんまり減っていないという結果しか出ていない。「サメを狙って獲っているわけはないのに、漁獲量は1万トン程度で安定しているから、資源的には問題ないんじゃないの?」というのが、日本の意見。

それに対して、「ヨシキリザメは準絶滅危惧種じゃないか」というのが、キャンペーン推進派の意見。減っているという情報が無い(逆に言うと大丈夫という情報も無い)のだから、情報不足(DD)が妥当だと思うんだけど、なぜか准絶滅危惧種(NT)に指定されている。IUCNという団体がレッドリストを管理しているのですが、ウミガメやサメについては、保全を最優先に考えて、情報が無くても厳しい基準を当てはめるのがトレンドみたい。

減っているという状況証拠すらないのに、準絶滅危惧種に指定するIUCNが怪しからんとは思う。その一方で、毎年1万トンも漁獲していながら、ろくな漁獲統計も取ってこなかった日本が無責任なのも事実。大型のサメの資源の問題は、かなり昔から指摘されているわけで、もう少し、真摯な対応をしておくべきだった。漁獲データをきちんとあつめて公開する。資源評価をちゃんとやる。資源減少のサインが出たら、すぐに漁獲にブレーキをかけられる体制を整えておく。そういうことをきちっとやっていれば、こんな風に非難をされていないだろう。

種としての減少とはべつに、生態系の攪乱という問題がある。「海洋での高次捕食者は生態系の維持に重要な役割を果たしているから、慎重に保護すべき」と言う論調だ。ちょうど、「魚を食べる邪魔なクジラは駆除してしまえ」という日本の主張とは正反対なのがおもしろい。

これに関しては、何とも言えない。高次捕食者を取り除くとどうなるかというのは、可能性の問題でしか議論できない。海洋生態系の理解は断片的だから、「ある種を取り除いたら、生態系はこう変わる」なんて、誰にもわからない。海洋生態系をモデルで予測できるというようなことを言う人間がいたら、そいつは嘘つきだと思って間違いない。情報が無いから、「大型のサメを取り除いたら、海洋生態系が不安定になる」という仮説は、誰も証明できないし、誰も否定できない、Unknowableな仮説なのだ。

倫理的問題

ヒレだけ獲って体を捨てることに対して、非常に強い反対意見が存在する。ヒレだけお持ち帰りをやっていると、国際的な非難を浴びるのは間違いない。水産庁はサメのヒレだけでなく、体も持って帰るように通達を出しているけど、必ずしも守られていないようだ。ルールを徹底した上で、「日本はヒレだけ獲って体は捨てていません」と外に向かって宣言すること。そうすることで、「生きたままヒレを切るのは残酷だ」という主張は退けられる。日本では、サメの身の消費もあるから、体を捨てる必要はない。EUも含めて、獲ってしまったものは、商業価値が無くても、持って帰る方向で議論が進んでいるから、日本はサメに限らず、他の魚種でも対応を考えておく必要がある。

昨夜のおつまみは「サメたれ」でした。日本酒に合うヨ!

サメは素晴らしい生き物だから、殺してはいけないという人もいるけど、割合としてはそれほど多くないだろう。現時点で、大衆の支持は得られていないという印象だ。持続性に問題が無いようにしっかり管理をした上で、苦痛を与えないような方法で全身を利用していて、なおかつ、サメの利用に文句を付ける人は(現段階では)少数派だろう。倫理的な問題とは切り離した上で、「絶滅が心配」と、「もったいない」という、2点について、しっかりと対応をすることで、キャンペーンの進行を食い止めることができるだろう。逆に、これまで通り持続性を無視し続ければ、「サメを獲ること自体が怪しからん」という世論が高まり、クジラのようになってしまう可能性もある。

今回のサメ漁非難の中にもいろんな要素がある。「サメがかわいそうだから殺したらいけない」という感情論については、価値観を共有するのは難しいかもしれないけど、それ以外については、出来る範囲で誠意を持って対応し、それを対外的に示すことが重要だろう。

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日本のサメ漁は、どうして非難されているの? への12件のフィードバック

  1. 田向 のコメント:

    気仙沼のサメ種類別漁獲高はずっと統計が取られていたはずです。資源管理の方法は、おおがかりな調査船を用意するまでもなくおっしゃるように漁獲高を水揚げ港で把握すればある程度分かります。鰭以外の部分が産業になっている気仙沼のサメについてはそうしてきたと思います。産業化されれば数字は明らかになります。総合利用するという取り組みが産業に結び付く。気仙沼と遠洋水産研究所が当地サメについて行ってきた行動は正当に評価されるべきです。今回のガーディアンの報道は感情的で非理論的な主張だと私は考えています。報道とその元になっている、もとGPのカメラマンアレックス・フォフォードの記事は、フカヒレのヨシキリと内臓処理しているネズミザメの映像をミックスさせて意図的にイメージを膨らませている。明らかにおかしい報道や意見に対して批判することは大事です。

  2. katukawa のコメント:

    漁獲枠も何もない中で、漁獲量を記録しているだけで、
    管理をしているとは言えないのでは?

    >産業化されれば数字は明らかになります。

    というのは、甘いと思います。
    だれもチェックをしていない漁獲報告は、信用できません。
    現に、水揚げ報告の倍のミナミマグロが、日本国内を流通していたわけで・・・
    市場流通量と国の統計が乖離しているのも良くある話。
    「産業化している漁業の数字はしっかり記録して、全て明らかにする」という
    方向に転換していく必要があるのだけど、
    現状を考えると、そう簡単にはいかないでしょうね。

    >総合利用するという取り組みが産業に結び付く。

    これは、日本の強みですから、もっと前面に出すべき。
    むしろ、打って出るぐらいの勢いでよいと思います。

    >気仙沼と遠洋水産研究所が当地サメについて
    >行ってきた行動は正当に評価されるべきです。

    まとまった成果を公開するだけでなく、それを根拠にして、
    メディア経由で反論しなければ、評価の対象にはなりません。
    そういう意味では、保護団体は非常にスマートで、良い仕事をします。

    >今回のガーディアンの報道は感情的で
    >非理論的な主張だと私は考えています。
    >明らかにおかしい報道や意見に対して批判することは大事です。

    非論理的な主張でも、反論をしなければ既成事実になります。
    感情論は社会を変える大きな力を持ちうるものです。
    素早く、英語で、持続的利用を軸に、
    データを使って科学的な反論をするのが望ましいのですが、

    でも、誰が?

    このサイト以外には、国内向けの解説すら存在しないのが日本の現状です。
    水産学会の会員は3000人もいるのに!

  3. 田向 のコメント:

    >漁獲枠も何もない中で、漁獲量を記録しているだけで、
    >管理をしているとは言えないのでは?

    データが無いことには管理できないと思います。管理の第一歩として漁獲データを持っているというのは良いことではないでしょうか。その数字にさほど大きな変動がないとしたら管理対象にはならないと思いますがいかがですか。

    >市場流通量と国の統計が乖離しているのも良くある話。

    市場流通量のほうが確かということですね。
    気仙沼に水揚げされたヨシキリザメは入札を行っております。チェック機能は働いている。

    >メディア経由で反論しなければ、評価の対象にはなりません。
    >そういう意味では、保護団体は非常にスマートで、良い仕事をします。

    >非論理的な主張でも、反論をしなければ既成事実になります。
    >感情論は社会を変える大きな力を持ちうるものです。

    ここもメディアのひとつと私は感じますので意見を述べています
    私は一介の魚屋サメ屋にすぎませんけれど。

    • katukawa のコメント:

      田向様

      >データが無いことには管理できないと思います。
      >その数字にさほど大きな変動がないとしたら
      >管理対象にはならないと思いますがいかがですか。

      「漁獲量に変化がなければ、何もしなくて良い」という理屈は、
      日本以外では通用しません。海外の人が聞いたら、のけぞりますよ。
      減ってから、慌てて、準備を始めても間に合いません。
      変化が無くても、枠を付けておくのは常識です。

      データに関しても、データの多くは非公開だし、
      データが正しいかどうかを関係者以外は確認できない
      という問題があります。

      >>市場流通量と国の統計が乖離しているのも良くある話。

      >市場流通量のほうが確かということですね。
      >気仙沼に水揚げされたヨシキリザメは入札を行っております。チェック機能は働いている。

      数字がずれているのが、チェック機能が働いていない証拠でしょう。

      ノルウェーの場合、漁獲、水揚げ、販売のすべてで、
      伝票が発生し、整合性を公的機関がチェックします。
      魚の量にズレがあった場合は、検査官が倉庫まで確認に行きます。
      正しくチェック機能が働いていれば、
      国の統計と、組合の記録が大きくい違うと言うことには成りません。

      透明性と整合性を高めていく必要があると思います。

      >>メディア経由で反論しなければ、評価の対象にはなりません。

      >ここもメディアのひとつと私は感じますので意見を述べています
      >私は一介の魚屋サメ屋にすぎませんけれど。

      メディアと認めていただけるのは光栄ですが、
      このブログのコメント欄の影響力など無いに等しいです。

      保護団体のメディア戦略に対抗するには、
      英語で、外国メディアに対して、プレスリリースができるような、
      専門家の集団を育成する必要があると言うことです。
      国は頼りにならないので、業界が金を出して、
      いざというときに自分たちを守ってくれる組織を、
      作っておくべきだと思います。

  4. ednakano のコメント:

    そもそも世界の漁獲高のわずか3%程度しかとっていない日本に責任を転嫁すること自体が間違っている。また、日本は皮や身をはじめ実に有効にサメを使っている。
    ところが、市場の作業を公開すると残虐に見えるから、上手く利用しようという環境保護マフィアが画策する。サメの乱獲の張本人を差し置くあたり、まったくイギリスのメディアというヤツは、困ったものだ。この原因は香港在住のイギリス人が情報源である。以前から何度もやっており、この前はSUNに情報や写真を売った。
    香港のストリートで売られるフカヒレは、実は膨大な量であるが、ほとんどは台湾などが取ったもので、彼らはヒレだけとる漁を平気で行っていると思われる。
    データを示せば誰が本当の問題を起こしているのかは一目瞭然だ。
    これは第2の「ザ・コーヴ」ともいえる行為です。しっかり反論すべきでしょう。
    SUNのときは、統計データを示して沖、あまり反論は無かったと思います。

    • katukawa のコメント:

      中野さん、こんにちは。

      >そもそも世界の漁獲高のわずか3%程度しかとっていない
      >日本に責任を転嫁すること自体が間違っている。
      >また、日本は皮や身をはじめ実に有効にサメを使っている。

      この事実は日本人でも知らない人が多いですね。
      広報をしたいところです。

      >ところが、市場の作業を公開すると残虐に見えるから、
      >上手く利用しようという環境保護マフィアが画策する。

      画像を効果的に使われています。
      この点は、業界としても、対策が必要かと。

      >サメの乱獲の張本人を差し置くあたり、まったくイギリスのメディアというヤツは、
      >困ったものだ。この原因は香港在住のイギリス人が情報源である。
      >以前から何度もやっており、この前はSUNに情報や写真を売った。
      >香港のストリートで売られるフカヒレは、実は膨大な量であるが、
      >ほとんどは台湾などが取ったもので、
      >彼らはヒレだけとる漁を平気で行っていると思われる。
      >データを示せば誰が本当の問題を起こしているのかは一目瞭然だ。
      >これは第2の「ザ・コーヴ」ともいえる行為です。しっかり反論すべきでしょう。
      >SUNのときは、統計データを示して沖、あまり反論は無かったと思います。

      そういうデータがあるなら、ドンドン出していきましょう。
      タイムリーに反証データを出せれば、
      不正確な情報に基づくメディア戦略はやりづらくなるでしょう。

      一方で、持続性に関する指摘の中には、日本の業界が、
      真摯に対応しなくてはならない点も多いと思います。

  5. ednakano のコメント:

    そもそもが、クジラに始まり、マグロ、サメというのは、大きくて環境保護のシンポルとしてかっこいいわけです。環境保護団体というのは、大衆受けするネタを使わないと募金が集まらない。
    かのシーシェパード代表のポール・ワトソンの著書には、詐欺師の手口がたっぷり書かれており、彼はグリンピースの設立メンバーでもあるわけで、彼らの思想がよくわかります。免税を利用した募金ビジネスですから、きわめて非科学的で、牽強付会なこじつけ詩化してきません。また、国連の一部に入り込み、都合のいい様に仕切っている分野もあるようです。
    WWFとGPは深くつながっており、環境利権団体になりつつあるといえます。

    • katukawa のコメント:

      >そもそもが、クジラに始まり、マグロ、サメというのは、
      >大きくて環境保護のシンポルとしてかっこいいわけです。
      >環境保護団体というのは、大衆受けするネタを使わないと募金が集まらない。

      ポピュリズムに陥りやすいという側面はありますが、
      民意を無視する行政や企業に圧力をかける機能は有益だと思います。
      そこは、日本の社会に必要な要素だと思います。

      >免税を利用した募金ビジネスですから、きわめて非科学的で、
      >牽強付会なこじつけ詩化してきません。また、国連の一部に入り込み、
      >都合のいい様に仕切っている分野もあるようです。

      IUCNも、良くわからないことになってますね。
      「Blue sharkは減っているという証拠がないけど、
      とりあえず、NTにしておきました」というのだから、驚きました。

      >WWFとGPは深くつながっており、環境利権団体になりつつあるといえます。

      保護団体のネットワークは、すごいですよね。

      保護団体の中には、地道な活動で、支持を広げている団体もあります。
      十把一絡げに、全否定をすべきでは無いと思います。
      大切なことは、反論すべき所は、反論をすることと、
      保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。

  6. 田向 のコメント:

    >海外の人が聞いたら、のけぞりますよ。
    のけぞって構わないではないですか(笑)
    サメ資源がどの程度減っているのか現状は、市場の売り買いの記録から分かると判明しただけでも前進でしょうし、なるべくコストをかけずに調査をしていく姿勢と保護をかける水準についてデータの解析は必要と考えることは間違っていないと思いますよ。
    外国の枠の付け方がどうなのか分かりませんが(以前聞いた事がありますが答えはなかったと思います)全て海外が常識(正しい)とは限りません。

    >データに関しても、データの多くは非公開だし、
    >データが正しいかどうかを関係者以外は確認できない
    >という問題があります。

    県の出している水産漁獲データは公開されてます。
    サメが水産資源として活用されているところについては少なくとも分かります。

    >メディアと認めていただけるのは光栄ですが、
    >このブログのコメント欄の影響力など無いに等しいです

    そう書いたら元も子もないではないですか。
    ご自身も情報発信をしたくてこのサイトを公開されているわけでしょう(笑)。
    私はこの場を借りて発言することに意味はあると考えています。

    >保護団体の中には、地道な活動で、支持を広げている団体もあります。
    >十把一絡げに、全否定をすべきでは無いと思います。
    >大切なことは、反論すべき所は、反論をすることと、
    >保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。

    同様に全肯定もすべきではありません。
    根拠のない理屈をメディアに流すことが格好いいと思う人が増えたら私はいやですね。

    保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。

    >保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。
    論点すり替えが多く自己主張のみで、話し合いにならない場合が多いですよ。
    良識的な団体はどことお考えなのか教えていただきたい。

  7. katukawa のコメント:

    >>海外の人が聞いたら、のけぞりますよ。

    >のけぞって構わないではないですか(笑)

    国際資源を利用する以上、国際社会が納得できるような持続性への配慮が必要です。
    持続性への責任を、国際水準で果たさないというのなら、
    日本の水準の方が適切だということを示してください。
    それができなければ、叩かれても仕方がないと思います。

    >サメ資源がどの程度減っているのか現状は、市場の売り買いの記録から
    >分かると判明しただけでも前進でしょうし、なるべくコストをかけずに
    >調査をしていく姿勢と保護をかける水準についてデータの解析は必要と
    >考えることは間違っていないと思いますよ。
    >外国の枠の付け方がどうなのか分かりませんが(以前聞いた事がありま
    >すが答えはなかったと思います)全て海外が常識(正しい)とは限りません。

    データをとるのが悪いと言っているわけではないです。
    「今のデータのとりかたでは、信用できない」と言っているのです。
    ロシアの賄賂で問題になっているスケトウダラは、国際漁業です。
    水産庁の職員が水揚げに立ち会って、漁獲量を計測していたことになっていました。
    でも、実態は「漁獲枠など無視して、獲れるだけ獲った」だったわけです。
    もっとも厳格に漁獲量をチェックしていた北洋スケソですら、こうなのですから、
    誰もチェックをしていないサメの統計は、どうして信用できるのですか。

    また、日本では、たったの7魚種しか漁獲枠が無いのですが、それすら持続性を
    無視した過剰な枠が設定されているし、取り締まりは無いも同然です。
    こういう中で、仮にサメの資源状態が悪くなったとして、適切な漁獲圧削減措置が
    執られる可能性はほとんど無いと思います。ミナミマグロは漁獲枠を設定しても、
    実際には倍近く獲っていたわけです。
    サメの場合、同じことが起こらないと、なぜ言えるのですか。

    漁獲枠設定ですが、MSY水準を維持するように漁獲枠を設定するというのが基本です。
    国連海洋法条約にも書かれているのだから、そうするのが筋です。
    情報がない場合は、過去の実績ベースで設定している例もあります。

    海外がすべて正しいと言っているつもりはありません。
    先進国の中で、日本のように漁業を衰退させている国は少数派です。
    全く機能していない日本のやり方をゴリ押ししても説得力はありません。
    海外の成功事例から、謙虚に学ぶ姿勢も必要ではないでしょうか。

    >県の出している水産漁獲データは公開されてます。
    >サメが水産資源として活用されているところについては少なくとも分かります。

    最低限、サイズ組成が無ければ、資源評価には使えないです。
    現に、資源評価では使われていませんね。

    >>メディアと認めていただけるのは光栄ですが、
    >>このブログのコメント欄の影響力など無いに等しいです

    >そう書いたら元も子もないではないですか。
    >ご自身も情報発信をしたくてこのサイトを公開されているわけでしょう(笑)。
    >私はこの場を借りて発言することに意味はあると考えています。

    このブログはあくまで国内向けとしてやっています。
    GuardianやSUNの読者でここを読むような人間はいません。
    彼らに反論をしたいのであれば、海外に向けて、
    影響力のある形で発信していく必要があります。
    だから、
    >素早く、英語で、持続的利用を軸に、
    >データを使って科学的な反論をするのが望ましいのですが、
    と書いたわけです。
    メディアにも、用途があるというだけの話であって、
    別に嘲笑されるようなことではないと思うのですが。

    >>保護団体の中には、地道な活動で、支持を広げている団体もあります。
    >>十把一絡げに、全否定をすべきでは無いと思います。
    >>大切なことは、反論すべき所は、反論をすることと、
    >>保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。

    >同様に全肯定もすべきではありません。
    >根拠のない理屈をメディアに流すことが格好いいと
    >思う人が増えたら私はいやですね。

    べつに全肯定などしていませんけど・・・

    日本の漁業者だって、持続性を無視して、獲りたい放題をしておきながら、
    「日本の漁業者は意識が高い」という嘘をメディアに流して、
    一般人を騙してきたのだから、保護団体ばかりを責められないかと。

    >>保護団体の中に、理解者・味方を作ることかと。

    >論点すり替えが多く自己主張のみで、
    >話し合いにならない場合が多いですよ。
    >良識的な団体はどことお考えなのか教えていただきたい。

    保護団体というのは、一枚岩ではありません。中にはいろいろな人がいる。
    コミュニケーション可能な人は、GPにだって、WWFにだっています。
    また、シーシェパードのような強引な団体を、支持しない人も多いです。

    日本の漁業者にもいろいろな人がいます。
    「獲れるだけ獲って、後のことは知らない」という人もいれば、
    「子の代、孫の代まで、資源を残したい」という人もいるわけです。

    私は、保護団体、漁業関係者を問わず、持続的な漁業という目的を共有できる人と、
    協力関係を築いていくつもりです。

    今までのように、「海のことは漁業者以外は口出しするな」では、
    日本の漁業に先は無いと思います。

  8. 田向 のコメント:

    私は嘲笑なんかしていません。

    過激な保護団体のやり方が嫌いなのです。

  9. I.Sakaguchi のコメント:

    シーフードサミットでは大変お世話になりました。日本人がほとんどいなかったというのは重要なポイントで、国際的なNGOと日本の専門家、消費者、政策決定者、漁業者の間のコミュニケーションをとっていく必要があると感じています。

    震災後どたばたしており、今年度から国際漁業資源ガバナンス(RMFOsの比較分析)に関する科研費プロジェクト(5年)を始めることになりましたので、いろいろと教えていただければ幸いです。

    ICCAT, KOBEなどにオブザーバー参加していく必要があるのですが、UNEP系の国際機関と異なり、オブザーバー参加を厳しく制限していることが研究遂行に大きな障害となっています。特に発言権があるわけでもないオブザーバーを厳しく制限しようとしていることで、RMFOのガバナンスにあまり期待できないことが分かります。情報を隠さなければならない事情があるのでしょうから・・・。

    ちなみに「欧米の過激なNGO」とか「感情的なNGO」とか言うのはWWFやグリーンピースには当てはまりません。シーシェパードやIFAW、AWIとその他の団体を区別しないように日本では報道が流されているようです。

    WWFは財界や王室との結びつきが強く、過激な行動は全くとりません。むしろその保守性が他のNGOから批判されているほどです。日本のWWFも捕鯨の永続的禁止に対する異論をHPで公表したこともあります。昨年度のICCATの会議に参加し、グリーンピースが条約主催のシティーツアーのバスにSave the Bluefin Tunaのシールをべたべた貼ったり、セーヌ川のクルーズを妨害したりしたことはあり、金を払って参加している善良な市民としては迷惑千万であったこともありましたが、クロマグロの乱獲をICCATが放置してきたのは誰もが認める長年の事実ですので、かれらの活動がおかしいとは全く言えません。

    グリーンピースは不法侵入など法に反することはするのですが、非暴力主義は貫いており、破壊活動や暴力活動は一切していません。そこがシーシェパードと違うところです。捕鯨の問題についてはグリーンピースの日本支部の少なくとも昔のスタッフは伝統的な沿岸捕鯨は認められるべきであると考えていますが、本部でその意見が受け入れられていないようです。捕鯨の再開を認めると言うことは世論の動向を考えるとなかなか厳しいようです。その勇気がWWFやグリーンピース(本部)に求められるところです。

    ちなみに89年の南太平洋大規模流し網漁業の禁止決議、91年の世界的な禁止決議(いずれも国連総会)の経緯を最近分析しています。これも感情的なNGOの反漁業キャンペーンの一例としてよく登場しますが、事実として国連総会にて日本の立場を支持する国が日本以外に1国として存在せず(捕鯨問題で日本を支持していた島嶼諸国ですら!)、捕鯨問題では水産庁に協力していた外務省も全く協力しなかったのです。外務省も甚大な混獲が伴う生態系を破壊する漁業であると認識していたわけです。自らをdefenseするすべがなかったため、日本は強い反対から賛成(共同提案者)に最後は立場を変えていたのです。

    常識的的に考えと30kmから80kmの長さの流し網でたくさんの漁船が操業すれば広い太平洋と言えども他国から懸念がもたれるのは当たり前であり、それを資源に悪影響を与えているという証拠がないからと言って日本(と台湾)がとり続けてよいと考えるのは乱暴な議論だったと感じます。これは挙証責任の問題になるのですが、日本の姿勢は長年、とる側には(持続性の)挙証責任はないという姿勢をとり続けているようです。それでは国内資源も国際資源もまともに管理できなくて当たり前です。資源は漁業者のためにあるのではなく、本来それを食べる消費者のためにあり、その消費者の利益に資する限りにおいて漁業者は資源の利用が認められていると言うぐらいの謙虚さがほしいところです。どう考えても乱獲で魚が食べられなくなるのはおかしく、魚愛好家として大いなる不満を感じます。

    歴史をひもとくと、WWI前の北太平洋アザラシ猟の崩壊、WWII後の鯨資源の崩壊、200海里体制後のタラ資源(ドーナッツホール)の崩壊、地中海のクロマグロ資源の崩壊と日本が(国際規制を求める声を無視して)国際漁業資源の破壊者であり続けたことは事実です。被害者意識を強く持っているようですが、視野狭窄に見えます。我々はきちんと管理しているから心配いりませんと言えるような体制を敷くのが筋ではないでしょうか。そういう意識を持って政府も漁業者も取り組んでほしいものです。

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