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魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ

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水産業改革高木委員会緊急提言

「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」
http://www.nikkeicho.or.jp/Chosa/new_report/takagifish070202_top.html

これは良いことが書いてあった。
当ブログの主張とかぶる部分も多い。
誰が書いたのか知らないが、
これほど良識的な提言がでてくるとは、ある意味驚き。

是非、目を通してください。
ズバリ、必読。

Comments:4

今回は匿名で 07-02-05 (月) 16:31

深読みすると、全漁連と大水の縄張り争いのようにも見えてきます。
極端な解釈ですが、今まで沿岸(漁家の部)と遠洋沖合(企業体の部)はうまく棲み分けが出来ていたのに「遠洋沖合が駄目になったから沿岸(養殖・定置)を解放しろ」みたいな。
少々政治的な匂いが…。

ある水産関係者 07-02-05 (月) 22:43

高木レポートは「斬新なアイデア」という視点で評価できます。
今回の高木レポートは私も大変興味深く読みました(斜め読みですが・・・)。
勝川さんと同様、賛同できる点も多々ありました。一方、匿名さんと同様、疑問点も幾つかありました。ここでは、その疑問点(気になった点)のみについて取り急ぎコメントします。参考にしていただければ幸いです。

 1.遊魚という言葉が全く出てこない!
 このことは、このレポートが国民の目線に立っていないこと、水産資源の利用実態を理解していないことを示す致命的欠点と思います。国民と遊魚、漁業者と遊魚の関係は、今後の日本の漁業や漁村のあり方を考える上で無視できない問題と思います。沿岸漁業者が、収入を得るのに、漁業で5万円稼ぐのと、釣り船として5万円稼ぐのでは、どちらが現実的でしょうか(資源の有効利用の観点からも)。今後の国民と遊魚との付き合い方についても提言するべきである。

 2.資源悪化を漁業の責任のみにしている?
 果たしてその通りだろうか?私は、工業開発や海岸の護岸工事による産卵場所の喪失、それに遊魚を含め、漁業以外の要因も多数関係していると思う。何故それらについて指摘しないのだろうか?(とても「海洋環境」という言葉のみで片付けられないと思うが・・・)

 3.養殖向けの餌の問題は?
 レポートが全般的に養殖業の解放に力点が置かれているように見えるが、ノルウェーや豪州のように、養殖振興で沿岸漁業の復活を考える際に餌の問題を理解しているのだろうか? 私は、近々別の場でこの問題に詳しく触れる予定だが、限られた餌魚(魚粉原料を含む)の資源量から、現在の給餌養殖に関する世界的な成長率やBRICSの畜産需要の増加曲線を見れば、そんな話は簡単に口に出来ないと考えるが・・・。

 4.サンマ資源は本当に期待できるか?
 この話は、底引き漁業者、巻き網漁業者の重大関心事である。サンマの資源評価を中部太平洋まで拡大した結果、数百万トンオーダーの資源の存在が明らかになった由だが、その利用の可能性についてはまずは水研センター等の試験操業で確認する必要がある(それに着手しないのは怠慢?)。しかしながら、こんなレポートから小さい扱いながらサンマの個別具体的な話が出てくるところなど、匿名さんが察する通り、このレポートから政治の匂いがチラホラする大きなポイントである。

 5.50億円の話をまともに評価して良いの?
 周知の通り、50億円の漁業構造改革予算は、金銭的な補助が主体で、制度改革(法制改革)は一切含まれていません。従って、既存の漁業者を対象に、既存の制度の中で補助金制度を新たに設けたに等しく、果たして、水産庁のシナリオ通りの構造改革が実現するかどうか、私は疑問に思っています。このレポートでは、金銭の多少の問題は指摘する一方で、制度改革の骨組みを欠いている点については全く触れていない。果たしてこれで良いのだろうか?

 続きは、機会があればと言うことで、see you!

 

勝川 07-02-07 (水) 15:27

今回は匿名で、さん
「全体としてまともなことが書いてあるけれど、
定置と養殖への新規参入促進は無いだろう」と疑問に思っていました。
努力量が過剰にならないように抑制した上で、
漁業者の利用責任を明確にすることが急務です。
どう考えても、参入障壁を減らす必要性はないのです。
政治的な背景を説明していただいたおかげで、
違和感の正体がわかりました。
このレポートの中で違和感を感じた部分は、
なわばり争いと考えると、全て納得いきます。

政治的な色が薄い部分に関しては、力作だと思います。
過剰漁獲の説明にしても、マサバやキチジの例はわかりやすい。

ある水産関係者さん
1.遊魚に関しては、議論自体が少なすぎですね。
限られた資源の生産性を有効利用するための一つの選択肢です。
漁業とどういう風に住み分けるかも含めて、
しっかりと議論をしていく必要があると思います。

2.沿岸の資源に関しては、開発の影響が大きいと思います。
それを差し引いても、獲りすぎな漁業が殆どでしょう。
マサバ、マイワシ、スケトウダラなど沖合性の資源も軒並み減っています。
親まで獲り尽くすような漁業をしている以上、言い訳に聞こえます。

3.養殖について
ノリやホタテのように定着性で、給餌の必要がない種はともかく、
魚の場合は、環境的にも、収量的にも明らかに限界があり、
獲る漁業の代替にはなり得ないでしょう。

4.サンマについて
サンマの資源研究は近年著しく進んできました。
現在、沖合に豊富な資源があるのは確実なようです。
ただ、サンマは豊漁貧乏状態ですから、
現状で漁獲量を増やしても国内消費は伸びないでしょう。
また、輸出を増やすにしても、船上冷凍などの設備投資が必要になります。
サンマは短命で、将来予測が難しい資源ですから、
減価償却が長い計画は立てづらいという問題があります。
サンマ漁業をみていると、
資源を守ればそれで良いという訳ではないんだなぁと痛感します。
やはり、経済的な側面も取り込んで、
資源管理・資源利用を考えていく必要がありますね。

ある水産関係者 07-02-07 (水) 22:12

高木レポートに関し、勝川さんのコメントを拝見し、頭の体操のつもりで若干補足のコメントを書きました。何かの参考になれば幸いです。

 1.海域によっても事情は異なりますが、資源悪化の大きな(最大の)要因が漁業であることは同感です。また、漁業以外の原因は、海洋環境の変化を除けば概ね
沿岸域のみに限定されると思います。ただし、このレポートは経済界からの発信のせいか、漁業以外の原因に蓋を被せたような違和感の存在を感じます。レポートの文脈から沿岸漁業(含む、養殖業)の振興が一つの柱のようですから、資源を回復させるために漁業の縮小以外に何が必要(重要)かも冷静に考える必要があると思います。

 2.サンマについては、確かに、食用需要を現状以上に増加させることは非現実的と思います。昨年サンマの輸出が増加したとの報道がありましたが、高々2.6万トンの水準であり、日本の漁獲量(25万㌧程度)やABC(100万トン以上)と比較してもサケの輸出のように大量とまではいきません。
 しかしながら、サンマも魚粉原料や養殖餌向けの非食用需要としては、引く手あまたの状態にあると考えて間違いないでしょう。特に、昨年来、逼迫している魚粉対策として、サンマが大量に供給可能となれば大きな救いの神になるかも知れません。もっとも、仮に、ABCの余剰分50万㌧で、それを原料に魚粉を生産することが出来たとしても、世界の魚粉需要の1~2%程度の量にしかなりません。また、勝川さんの指摘通り、サンマが1~2年魚であるため、資源の将来見通しが困難で、陸上及び海上で必要となる大規模な設備投資や設備の転用に踏み切るのも難しいといった問題があります。
 従いまして、現時点でサンマに過大な期待をかけるのも如何なものかと思いますが、漁業の可能性を試験する価値は十分あると考えます。ただし、このようなレポートにおいて「サンマなど豊富な水産資源の活用」などと提言されると、本当は減らさないといけない○○漁船や△△漁船の存続(?)や延命に利用され、他の資源にも悪影響を誘発すると言った弊害の方が気になります。要は、やり方の問題ですが・・・。

 3.昨年9月にFAOが出したレポートによると、現在、世界の全漁獲物9500万㌧のうち、6000万㌧の魚介類が食用として消費され、更に、4550万㌧の養殖魚介類が食用消費されているが(合計1億550万㌧)、2030年には更に4000万㌧の魚介類が必要になる旨予想されています。その一方で、4000万㌧の供給の可能性は養殖によってのみ可能性があるものの、養殖に必要な餌(魚粉)の確保が困難なため、現時点ではその見通しは困難との指摘をしています。
 そもそも魚類の養殖には餌となる魚が5~10倍程度必要なため、資源が減少して魚を食用向けに振り向ける数量が逼迫するような状況下では、養殖(給餌)を積極的に振興させる政策は如何なものかと思います。当然、餌となる魚を確
保するために、一層の過剰漁獲の進行が心配されます。もっとも、餌料の代替原料が存在すれば問題ないわけですが、その技術水準は残念ながら実用レベルにほど遠
い感じがします。
 このレポートでは養殖の振興も大きな柱ですが、養殖の振興を考える前に、まずは歴史的な逼迫状態にある餌の需給バランスに目を向けると共に、餌の代替原料の
開発に対する提言にも踏み込んでもらいたい思いがしました。

 4.コメントついでに定置漁業への参入障壁撤廃についても一言。ここでいう定置漁業とは具体的に何を指すでしょうか? 私は、輸出振興との関連もあり、多分、最も収益性が高いサケ定置を想定しているような気がします。もしそうであれば、サケ定置は周知の通り、人工孵化放流で成り立っているため、新たに参入するとなれば、当然、放流尾数の増加を考える必要が発生します。環境収容力の問題や天然サケマスとの競合などから、現在でも人工孵化放流に対する世界の風当たりは決して好意的とは思えません。このような観点から、このレポートで意図している定置漁業の種類には大変興味があります。

 業界紙によりますと、このレポートに対し水産庁が非公式ながら自らの正当性を主張する反論を行ったようです。このレポートを書いた委員会の長は農水省の元最高幹部であり、委員の中には捕鯨問題で有名な元水産庁幹部も含まれるやに聞きます。つまり、このレポートの存在は、水産業の構造改革を巡り政府(水産庁)関係者内でも意見が分かれ、比較的良識的な意見は残念ながら政府の外側にしかないことを物語っているように思います。
長くなりましたのでこの辺で、 see you!

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