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漁獲が産卵に与える影響評価

  • 2007-02-19 (月) 17:51
  • 研究
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減少前(1976-1988)、減少後(1992-2004)にわけて、それぞれの漁獲の影響を考えてみた。
漁獲開始(0歳)から、それぞれの年齢の産卵期までの生残率を計算すると下のようになる。
赤が漁獲がない場合、青が88年以前の漁獲圧、緑が1992年以降の漁獲圧の元での生残率である。
5+は5歳以降の生残率の合計値となる。
5歳、6歳、7歳、8歳・・・・と足していくので、
5+の生残率は漁獲圧が低い場合には4歳を上回る場合もある。

iwashix01.png

1992年以降の年齢別の体重と成熟率は以下の通りになる。

iwashix02.png

iwashix03.png

この体重と成熟率の元での漁獲の影響を評価しよう。

産卵量が体重に比例すると仮定すると、
加入個体が2歳で産む卵の量は、
2歳までの生残率×2歳魚の体重×2歳の成熟率
に比例すると考えることが出来る。

それぞれの漁獲パターンの元での加入個体の産卵量(SPR)は以下の通りとなる。

iwashix04.png

上の図の年齢別SPRを足し合わせることで、
それぞれの漁獲圧の元での加入個体あたりの生涯産卵量を計算できる。

SPR(g) 補償RPS(尾数/親魚Kg)
漁獲無し 169 5.9(=1000/169)
減少前(1976-1988) 93 10.8
減少後(1992-2004) 48 20.7


漁獲が無い場合に、加入個体は生涯に169gの親として産卵に参加できる。
1kgの親を作り出すためには、1000/169=5.9尾の加入が必要になる。
ということは、1kgの親から5.9尾以上の加入があれば、資源は減らないことになる。
このように資源を維持していくために最低限必要な卵の生残率を補償RPSと呼ぶ。

漁獲強度が高まると、SPRは減少し、それに反比例して補償RPSは上昇する。
88年以前のSPRは93gであったところが、90年代以降は48gに半減してしまった。
その結果、88年以前は10.8だった補償RPSは、92年以降は20.7に上昇した。

おまけ:作図に使った数値

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