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車の衝突安全の格付け制度

  • 2008-01-30 (水) 7:42
  • 研究
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車のリスク管理は、食品のリスク管理よりは上手くいっている。
例えば、自動車の衝突安全性能では、
テストの内容とその結果を見ることができる。

http://www.nasva.go.jp/mamoru/car/clash/list.html

車の安全には幅があり、高級車ほど安全である場合が多い。
安全はただではないことがわかる。
しかし、安全性が低い車が、必ずしも不人気というわけではない。
安全性が低いことを織り込み済みで、軽自動車を選ぶ場合もあるだろう。
安全をどの程度重視するかは個人の問題である。
重要なことは、消費者にリスクが見えること。
消費者がリスクを理解した上で、合理的な判断を下すことである。

もちろん、この格付けシステムが完璧だと言うつもりはないが、
車のリスク管理の方が食品のリスク管理よりはうまくいっているだろう。
このような差が生じた最大の要因は、
消費者が自動車のゼロリスクは無理だとわかっていることだろう。
ゼロリスクが無理だとわかれば、
消費者は、絶対に安全な車を要求する代わりにリスクをコントロールしようとする。
もし、消費者が「車は皆同じ程度に安全だ」と考えて、
値段だけをみて車を買うならば、
生産者は安全性を犠牲にしたコストカットを余儀なくされるだろう。
安全に対価を払おうという消費者がいるから、
生産者はコストをかけて安全な車をつくることができる。
製品のリスクを伝えることは、消費者、生産者の双方に利益がある。

 

Comments:3

ある水産関係者 08-01-31 (木) 20:11

まあー、お上(大本営、道庁)がお上だから仕方ないのかな。一億総偽装? 中国のことは馬鹿に出来ませんね!
↓↓
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/73416.html?_nva=27

県職員 08-02-01 (金) 9:01

中国餃子事件は,安全は金で買う時代というのをまさに象徴していますね。日本では生産者の顔が見えると言うことで直売所が増えていますが,市場に出荷しない人は野菜の残留農薬チェックを受けないという話しを聞いたことあります。消費者が賢くならないといけません。

勝川 08-02-01 (金) 16:50

ある水産関係者さん

>スケソウの漁獲量を渡島支庁に実際より千六百トン余り少なく報告していた

そもそも、取り締まる側がやる気がないからなぁ。
叩けば、幾らでも埃が出てきそうで、恐ろしいですね。

県職員さん
この手の事故は、いつか起こると思っていました。
冷凍食品に関しては、消費者に自衛の手段は無いですね。
冷凍餃子に関しては、どの課程で毒物が混入したかが不明ですので、
調査の進展を見守りたいと思います。

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