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日経調の新年会に行ってきたよ

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髙木委員つながりで日経調の新年会のお知らせが届きました。
場違いなことは承知ですが、滅多にない機会なので参加してきた。
髙木委員に呼ばれたときはあまり時間がなかったので、
委員の皆さんとゆっくり話ができて、大変有益でした。
皆さんの水産魂に触れて、「俺も頑張らねば」と
気持ちが引き締まりました。
髙木委員提言はあれだけ大きな影響力を与えたわけですから、
今後も、漁業を良くしようという志を同じくする人間が、
協力して新しい方向性を打ち出していく必要があります。

みなと新聞の連載は、読んでいただいているようです。
とくに先日書いたものは、好評でした。
(記事は、後日、アップしますね)
あと、当ブログも読んでいただけているみたいですね。
コメント欄が好評でしたので、今後もびしびし書いてください。

水産業は、衰退産業ではありません。
水産物に対する需要は高いけれど、
それを満たせるような製品を供給できていないのです。
魚を調理する人は減りましたが、
魚を食べている量は減っていません。
外食や中食で以前よりも高い単価を払って魚を食べているのです。
これはビジネスチャンスです。
国内の素性の確かな原料を使って、
国内の信頼できる加工業者が加工をすれば、
多少高くても、俺は買います。
そういう消費者は少なからずいるはずです。

ただ、国内の水産物は乱獲で低迷しているので、
質量ともに供給が安定しません。
せっかくのビジネスチャンスも乱獲で台無しです。
例えば、マサバをみればよくわかります。
少し増えると、獲って獲って獲りまくるから、
ある年にまとめて小さいのが獲れても、
翌年はほぼ獲れなくなる。
そういう獲り方をしている限り、
後方の加工・小売り・消費は安定せず、
まともな値段はつかないでしょう。
今の獲り方だと、日本の消費者には見向きもされず、
中国やアフリカに投げ売りすることしかできない。
乱獲をする漁業者とそれを放置する行政の責任です。

資源を良い状態に保って、高く売れるサイズを安定的に供給すれば、
国産魚をつかった加工品を商業ベースで生産できます。
そうなれば、浜値も上がるだろうし、
消費者も日本のおいしい魚を食べられる。
加工・小売りの経営の安定にも役立ちます。
水産業の安定は、水産資源の安定からです。
そのために、水産資源の専門家としてできることは山のようにあります。
今年も忙しくなりそうです。

Comments:2

業界紙速報 08-02-04 (月) 17:25

きょうのみなと第一面です。(記事は、多少切り貼りしています。)

またもTAC超過 マイワシ 小型巻網で大幅増、1割超
 水産庁「見直しを検討」

07年のマイワシのTACは6万トン。うち大臣管理分が4万3000トンで、大中型巻網はTAC枠の85%に当たる3万7000トンを漁獲した。残りの1万7000トンは都道府県知事管理分に相当するが、小中型巻網の漁獲が宮崎、鹿児島で大幅に増え、年間漁獲量は速報値で6万6000トンとなり、少なくともTACの約1割に当たる6000トンを超過。速報値のため、最大で2割を超える可能性もある。
大中型巻網の消化率は85%にとどまったが、前年の漁獲実績が漁獲枠の目安となる知事管理分が大幅に増えた。マイワシは、各道府県が管理計画で「採捕の数量が前年の採捕実績程度となるようにすることが必要」と定め、前年実績が一定の目安となっており、知事管理分の枠のあいまいさが、TAC超過につながった格好だ。
水産庁の資源管理部TAC班はマイワシの資源管理について「TACを超過する前に各道府県に指導し、各道府県もマイワシを専獲しないように指導を行った」と説明。ただ、消化率は9月に89%まで達し、10月末時点で100%を超えた。このため、TAC超過回避へ、配分ではあらかじめ留保分を余分に用意し、漁獲がまとまっている地域に追加配分するなどの措置を求める声も強い。
水産庁は「ウルメやカタクチを獲るなかで(マイワシが)交じる量が多かったようだ。混獲と専獲を分けるのは難しい」とTAC超過の要因を挙げ、「TACの範囲内に収めるようなTACのあり方について、見直しを検討する必要がある」との見解を示している。

この記事には都道府県知事管理漁業の07年マイワシ漁獲量の表(11、12月は速報値)が載っており、これによると長崎5,041.5トン(前年比2,374%)、鹿児島1,981.1トン(同2,834%)、合計で29,702.6トン(同161%)となっており、知事管理分でみると12,700トン余り超過しています。また、記事のなかでは「宮崎、鹿児島で大幅に増え」としていますが、表では長崎と鹿児島が前年比25倍(!?)ということになっています。手早く確認しようと思っても、水産庁のH/Pにはこれらの数字が見当たらないので、裏を取ることができません。資源管理の部屋にTAC設定関連情報を謳っている項目があるのだから、TACと漁獲実績の推移のDATAくらい載せてくれればいいんだけど。水産庁見解の最後の物言いがわからないところですが、TACのあり方について見直しを検討するというのであれば、もっと徹底した情報開示を行ってほしいものです。

勝川 08-02-06 (水) 15:42

いつもながら、素早い報告をありがとうございます。

>もっと徹底した情報開示を行ってほしいものです。

本当にわかりづらいですよね。
私もかなりの時間をロスしてきました。
ネット上の有用な情報については、ここにまとめてあります。
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/hiki/?%A5%CD%A5%C3%A5%C8%BE%E5%A4%CE%BE%F0%CA%F3

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