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NZのITQは資源管理として機能していない? その2

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1b)  and give fishermen the right to catch as many fish as they want?

No, that would be a disaster.  But our system where too often the catch limits simply follow the decline of fish stocks, rather than controlling it, is just not adequate.  Further, our system gives no incentive for fishers to find less damaging ways of fishing.

From an economic point of view, the problem remains for long lived, low productivity species that the rate of growth of the biomass and its value continues to be less than the interest rate or available return from mining the resource and investing the proceeds in other industries.  This is a discount rate v net rate of increase in the capital value of the resource problem.

A problem with the NZ system is that the industry now has so much clout, so many unrecovered resource rents, that they bully officials, use money and other techniques to pressure politicians ( and possibly others) and so the setting of catch limits is influenced heavily their way.

1b) 漁業者に自由に魚を捕る権利を与えるべきでしょうか?

絶対に反対です。破滅が待っているでしょう。しかし、NZの漁獲枠は、資源の減少に追従して減少する場合が多く、資源をコントロールしているとはいえず、現状では不十分です。さらに、NZの資源管理システムは、漁業者が環境への負荷の少ない漁法を開発する動機付けがありません。

経済的な観点から言うと、寿命が長く、生産力が低い種、すなわち、バイオマスの増加率が割引率よりも低い種では問題があります。魚を獲れるだけ獲って、その利益を他の産業に投資した方が、経済的になるでしょう。これは、割引率と資源の固定資本の成長率の問題です。

業界の発言力が資源使用料が大きくなったため、金やその他の方法で政治家(おそらくそれ以外も)に圧力を与えています。業界の意向によって漁獲枠が大きく影響されるというのがNZの資源管理システムの問題です。

NZはサブプライムまで経済成長率が7%程度あったので、割引率を考慮する必要はあるでしょうね。オレンジラフィーのような深海性の種では特に問題だと思われます。

“unrecovered resource rents”の訳はすこし迷いました。NZでは資源利用代金(resource rent)のことをCost Recovery(資源回復コスト)という名目で徴収している。Cathさんは、資源が回復していないことから、unrecovered resource rents (全然回復しない利用料)と揶揄したものと考えました。

日本語訳はオマケです。丁寧に訳している暇などないので、あしからず。
英語がわかる人は原文を読んで下さい。
訳について問題があればコメント欄で指摘してください。

Comments:1

ある水産関係者 08-12-18 (木) 22:03

「検査対象漁船数3,808隻中、小型イカ釣り漁船が何と3,100隻」の根拠は、大本営HPの例の懇談会第6回開催分(資料1)11頁に、各魚種毎の大臣管理漁業の操業隻数として、しっかりと明記してあります(他の資料にも同表の掲載あり)。あからさまにこんな表を掲載し、白々しく「約440億円必要」と訴え、「IQ・ITQは多額のコストが必要だから適切ではない」と結論づけるあたり、我々国民もバカにされたものです。まあ、それをそのまま大見出しをつけて報道するマスコミもマスコミですけど…(マスコミと言っても同じ穴の業界紙くらいかな-)。

 小型イカ釣り漁船は19トンと書きましたが、正確には5~30トン。20トン以上の船は少ないため、ほとんどは19トン以下で、おそらく10トン未満が大半です。そんな小さな船にどうやって乗船検査員を乗せるつもりでしょうか。

 普通に考えれば「スルメイカ」をIQ・ITQ管理から外すだけで運用コストは大幅に削減可能でしょう。そもそも「スルメイカ」は最初からTAC管理に馴染まないとの意見も多かったし…。他の6魚種をIQ・ITQ管理の対象にするだけでも、漁業の構造改革は飛躍的に進むと思います。

 一方、仮に「スルメイカ」をIQ・ITQ管理の対象にする場合でも、イカ釣り漁船は混獲も少なく洋上投棄の可能性は低いため、まず検査乗船は不要と思います。さらに、虚偽の漁獲報告対策も検査乗船など必要なく、陸上検査でチェックすれば十分です。

 その陸上検査にしても、何も全船全航海について検査する必要など全くありません。厳格な抜き打ち検査を真面目にやれば十分で、「検査官人件費×3名×597港=約140億円」といった大本営の不正水増し請求は国家的詐欺と言っても良いでしょう。この上、事務所等の経費がかかると要求するに至っては開いた口が塞がりません。
 サンマ漁業にしてもズワイガニ、イカ釣り漁業にしても通年(一年中)の漁期があるわけではありません。NZと同じく200人程度を機動的に出張させ、厳格な抜き打ち検査を実行すれば、597港に一年中事務所を構えて3人ずつ職員を貼り付ける体制など全くのナンセンス。要は、やり方次第ですが、こういう中学生でも考えつきそうな案が出てこないあたり全くやる気のない証拠ですね。
 尤も、「事故米事件」の前科もあり、大本営に取締りをまかせるのはドブに大金を捨てる以上に不適切と思います。海上保安庁など別の組織にやらせる必要があるでしょう。

 大本営HPの同じところに、突っ込みどころ満載の例の懇談会の取りまとめが掲載されました。IQ・ITQのほか、”ADC(?)”など言いたいことは山のようにありますが、まずは勝川さんに口火を切っていただきたいと思います。

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