- 2006-09-15 (金) 11:51
- 研究
水産基本計画がいかに荒唐無稽かを見てみよう。
現行の水産基本計画の検証(18年2月)
http://www.jfa.maff.go.jp/sinseisaku/keikaku_19/doc/180223_4.pdf
の中に、下のような図がある。
この図で注目して欲しいのは、目標値だ。
平成11年以降、コンスタントに増やしていく予定だったらしい。
現在は、資源の生産力以上の漁獲圧がかかっている。
このような漁業の現実を考えれば、
いきなり漁獲量を増やすという目標が非現実的なことは明白だ。
水産基本計画の正体は、乱獲促進計画に他ならない。
水産基本計画は乱獲促進計画であることの証明
1.現在の漁獲量は資源の生産力を上回っている
2.現状で漁獲量を増やしたら、資源の減少を加速させる
3.漁獲量を増やすという基本計画は、乱獲を促進させて、資源の崩壊を早める。
水産基本計画は、3行で論破できてしまいました。
「資源が低迷しているときにどうしますか?」→「漁獲量を増やします」
この解答があり得ないことは、自明だろう。
このあり得ない解答が、水産基本計画の本質なのだ。
水産資源学とか以前に、常識の問題だろう。
水産基本計画はどう見ても非現実的であり、「計画」と呼べるレベルに達していない。
日本は、漁業大国で、水産物消費大国で、GNPが世界2位の先進国。
その国の漁業政策の大黒柱が、このレベルというのは由々しき事態ですぞ。
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