勝川俊雄公式サイト
検討会という茶番
- 2014-08-23 (土)
- 漁業改革
先日、水産庁の資源管理あり方検討会が開かれた。この手の検討会が開かれるのは実に6年ぶりである。6年前の検討会は、資源管理反対派を集めて、資源管理をしない言い訳を並べただけだった。今回も、俺以外はこれまでと同じメンバー。水産庁OBが大勢をしめる委員たちは、「日本の漁業管理はすばらしい」と自画自賛しているだけ。今年の3月から6月まで、密度が低い会議をたった6回しただけで、国の漁業政策の方針を決めようというのだから、乱暴な話である。
水産庁にとって、この手の会議は、財務省と政治家に予算をねだるための儀式である。議論の内容ではなく、会議をやったという既成事実が重要なのだ。会議の着地点(とりまとめ)は、あらかじめ決められている出来レースだ。その証拠に、俺以外の委員は、「日本の漁業は現状でうまくいっている」と言い張って、個別漁獲枠方式(IQ方式)の問題点を並べて反対していたのだけど、会議のとりまとめは「IQを試験的に導入して、実証試験をします」という結論になる。残念ながら、検討会の内容には、大した意味がないのである。
6年前と今とで、「はじめに結論ありきの出来レース」という部分は変わらないのだが、出来レースの着地点が大きく変わった。6年前は「公的機関は資源管理をやりません」という結論の出来レースだったのだけど、今回は「とりあえずIQを試験的にやります」という結論の出来レースだった。出来レースの出口が変わったのは、水産行政を取り巻く情勢が変わったからである。6年前は「資源管理はやらないけど、業界団体に配るから予算をちょうだい」という主張が通った。でも、今は、「資源管理やるから予算をちょうだい」と言わなければ通らなくなったのだ。世論の変化が、じわじわと効いてきている。
では、水産庁もついに資源管理をやる気になったのかというと、どうもそうではない感じ。検討会で何かが決まったからと言って、物事が前に進むとは限らない。下手をすれば、逆方向に走ることだって十分にあり得る。だから、何を言っているかではなく、実際に現場で何をやっているかを見極める必要があるのだ。
検討会で、大臣許可の巻き網漁業を対象にマサバ太平洋系群にIQを試験導入することになった。それ自体は良いことだと思うのだけど、漏れ聞いてくる話を総合するととてもやる気があるようには見えない。大型の巻き網船は5隻ぐらいで船団を組んで操業する。以前は太平洋にに100を超える船団が集まったのだが、たこの足食いのような乱獲レースでつぶし合いをした結果、現在は20程度の船団しか残っていない。今回のIQの実証試験では、規模が小さな2~3船団のみに個別の漁獲枠を導入する計画らしい。個別漁獲枠の目的は、早獲り競争の抑制することによって、魚の質を向上させて、操業コストを削減することである。ごく一部の漁船にだけ形式的な漁獲枠をいれても、早獲り競争は抑制できないのだから、IQの効果が期待できないのは自明だろう。「IQの実証試験をやったけれど、効果がないからやめます」というために実証試験をしているようなものである。実証試験といいつつも、その実態は「資源管理をやらないためのアリバイ作り」なのだ。仕事をしないことにかけては、実に有能な組織である。
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シーフードスマートTV ウナギ編・第1回
今、なにかと話題のウナギについて、情報を整理する必要があると考えて、築地の生田さん(Seafood Smart)と一緒にインタビュー取材を行いました。
なんと、8回連続で、1~4回目がウナギの専門家で、IUCNの専門委員のメンバーでもある海部健三さん(中央大学)、5~8回目が「うなぎ 地球環境を語る魚」の著者である井田徹治さん(共同通信)です。
とても濃厚な内容なのですが、まずは一回目を公開です!!
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水産業の苦境を打開するのに必要なのは、補助金では無く、資源管理
産経ビジネスに漁業の復興関連の記事があった。この記事から、日本の水産業が元気が無い理由が透けて見えるような気がしたので、整理してみようと思う。まずは記事に目を通して欲しい。
三陸の水産業者、苦境打開へ 世界に活路もアピール不足
三陸地方の水産業者が、海外展開に活路を見いだしている。東日本大震災から3年が過ぎても続く苦境を打開しようと、国や自治体も支援に乗り出した。だが、宮城県気仙沼市が5月に実施した欧州視察事業からは、国を挙げてのPR力不足や、衛生基準などを満たすハードルの高さが見えてきた
Sankei Biz 2014.6.21 07:10
「PR力不足」、「衛生基準の不備」、「人手不足」という問題があるのは確かなんだけど、「これらの他国では当たり前のようにできていることが、なぜ日本ではできないか」という根本的な問題を考えないといけない。これらの構造的な問題は、被災地だけのものでもないし、被災後に新たに発生したものでもない。そもそも漁獲規制が緩い日本では、価値が出る前に魚を獲り尽くしてしまうので、水産業では利益が出ない。だから、マーケティングや衛生管理などに投資ができないのである。乱獲された魚を高く買う先進国はないので、PR力や衛生基準の前に、持続性に取り組まなければならない。相手に買ってもらえる生産体制を作るのが先なのだ。
また、PR活動をやるなら、業界の自己負担が大原則だ。ノルウェーの場合は、ノルウェー水産物審議会がマーケティングをしている。日本でも、ノルウェー大使館と連携と獲りながら、活動をしている。その原資はすべて業界負担である。
前述の法律に基づき、ノルウェーの全ての水産物輸出業者は、NSC に登録し、賦課金を拠出することが義務付けられている。
NSC の財源は、各水産物の輸出ごとに徴収される賦課金である。賦課金は魚種に関係なく輸出額に対して一律 0.75%に設定されている。http://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_enkatu/pdf/h23_taisei_5norwey.pdf
業界が身銭をきっているから、NSCの活動は具体的な成果を常に問われている。組織防衛のために、必死になって、プロモーションをしている。日本の場合は、「初めに補助金ありき」である。他人の財布感覚で、タレントを呼んで、自己満足的なイベントをしておわり。広告代理店が儲けるだけで、後には何も残らない。
まとめるとこんなかんじ
○ これまでの水産物ブランド化事業→補助金で話題作り→効果が無い
○ ブランドを育てるために必要な要素
①差別化できる水産物の安定供給 → 資源管理・持続性認証
②適切なマーケティング → 受益者負担・専門組織
日本の水産物ブランド化の取り組み(補助金事業)はことごとく失敗してきた。ブランドを育てるために必要な要素が欠けているからである。水産物ブランド化の前提としては、差別化できる水産物を安定供給できる体制を整えないといけない。そのためにやるべきことは資源管理と持続性認証(水産エコラベル)である。水産エコラベルは、単価が高い欧米に魚を売る上でもはや必須と言える。①の条件と整えた上で、②適切なマーケティングを行う必要がある。そのための必要条件は、受益者負担とそのための専門組織をつくることだ。
人手不足の原因は、日本の水産業は利益が出ないから、安い賃金しか出せないことである。震災前から、日本の水産加工業は中国人研修生という安い労働力に依存していた。それでも利益が出ずに衰退の一途を辿っていた。ノルウェーは、人手不足で、賃金が高くても人があつまらないから、仕方なく設備投資をして省人化を進めている。日本とノルウェーでは、おかれた状況が違うのである。ノルウェーの近代的な加工設備を補助金で導入したところで、減価償却すら難しいだろう。今の日本がノルウェーから見習うべき点は、近代的な設備ではなく、そういう投資を可能にする前提としての資源管理なのだ。
地域の雇用という観点からは、日本に必要な施策は省人化では無く、水産業の黒字化であることは自明だろう。たとえば、こちらの動画(2:55~)はニュージーランドの離島の水産加工場である。ニュージーランド政府の厳しい漁獲規制のおかげで、水産業が利益を上げているために、機械化を進めなくても十分な賃金が支払われている。
これまでも、「あれが無い」、「これが無い」といって、補助金に依存してきた日本の水産業は衰退の一途を辿っている。海外に目を向ければ、資源管理をしっかりしている漁業国は軒並み利益を伸ばしている。水産業の苦境を打開するのに必要なのは、補助金では無く、資源管理なのである。
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世界の浮魚の資源管理に関するレビュー
環境NGO Sustainable Fisheries Partnershipによる、世界の浮魚資源の管理状態に関するレビュー。
- 比較的良く管理された漁業に由来する漁獲は、全体の66.5%であった。
- 33%の資源は適切に管理されていないが、資源が実際に減少しているのは17.8%であった。
- 非常に良く管理されているのは8%で、それらは北東大西洋の資源であった。
- 小型浮魚類は、海洋生態のなかで、一次生産のエネルギーを高次捕食者に送るカギである。減らしすぎないように、予防的な措置をとる必要があるだろう。
漁業の持続性を定量化するは、かなり一般的に行われている。また、最近は、「評価・格付け」をするだけではなく、漁業管理の改善を支援するプロジェクト(Fisheries Improvement Projects, FIPs)も盛んになりつつある。持続性の認証を得るにはどこが足りないかを評価した上で、それを改善していこうという試みである。東京オリンピックまでに、国際的なエコラベル認証を得た水産物を増やすことが急務である。日本の漁業を、世界的な基準で持続性の評価をした上で、FIPsを活用し、持続性の酢単ダーを高めていく必要があるだろう。
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プライムニュース でウナギについて議論をしました
プライムニュースに出演して、ウナギについて議論をしました。
6月17日(火)
『ニホンウナギ絶滅危機 捕獲量取り戻すには 魚食文化どう守る 』
12日、国際自然保護連合(IUCN)はニホンウナギを絶滅の恐れがある絶滅危惧種に指定した。IUCNの判断には法的拘束力がないため、ウナギの捕獲がただちに禁止されることはないが、ワシントン条約で規制対象を決める際の根拠となることから、今後、輸出などの規制につながる可能性がある。
縄文時代の遺跡からもウナギの骨が発掘されるなど、古くから日本人が親しんでいたウナギ。伝統的な食文化を守るためには必要なこととは。
横山農水政務官らを迎え、ウナギ捕獲の現状から日本の食文化まで多角的に議論する。
- ゲスト
- 横山信一 農水政務官
勝川俊雄 三重大学生産資源学部准教授
生田與克 NPO法人魚食文化の会理事長
あと10日間はハイライト動画をウェブで視聴できます。
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テレビ愛知 「激論!コロシアム」に出演します。本日19:30~です。
テレビ愛知 「激論!コロシアム」に出演します。本日19:30~です。
ゲストが知っている人ばっかりだぞ(笑
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(テレビ愛知)「マグロ、ウナギだけじゃない!ニッポンの海から” 魚” が消える!?」
詳細
番組内容
日本の食卓に欠かせない食材、魚。実はいま日本の魚が危機的な状況を迎えている。1980年代をピークに水揚げ量は減り続け、このままいけば日本で魚が取れなくなる日が来る可能性も。原因は乱獲。稚魚や幼魚を根こそぎ取りまくり、マグロをはじめ、ウナギ、マイワシ、サバ、サンマなどが絶滅の危機に瀕している。また輸入魚も和食の世界的なブームを受け輸入量が年々減少している。
番組内容2
しかし国は補助金をばらまくだけの場当たり的な政策しかやらず、漁業関係者は既得権をたてに資源保護に消極的。このままでは日本の伝統文化” 魚食” が消滅してしまう可能性も。はたしてニッポンの魚食の未来は?
出演者
【メインコメンテーター】
石原良純
【司会】
堀潤
春香クリスティーン
【レギュラー論客】
北野誠(タレント)
細川昌彦(中部大学教授)
出演者2
【ゲスト】
山田正彦( 元農水大臣)
麻木久仁子( タレント)
勝川俊雄( 三重大学准教授)
生田よしかつ( 魚食文化の会理事)
コンセプト
ここは勇者の戦場。三つのオキテがある。
1.ニュースを知ったかぶりするべからず!
2.世間に流され、善悪を判断するべからず!
3.飛び交う意見を他人事と思うべからず!
関連情報
【番組HP】
http://www.tv-aichi.co.jp/gekiron/
【公式Facebook】
https://www.facebook.com/gekiron
【公式ツイッター】
gekicolo_tva
#gekicolo
番組概要
日本、そして愛知に住む私たちが今、直面している問題は何なのか。私たちはどう考えていくべきなのか。時事討論型エンターテインメント番組「激論!コロシアム」では、外交、内政問題から天皇論まで、視聴者が今、気になっている話題を取り上げ、当事者や有識者が議論を深めます。ニュースの裏側にある「何故、そうなったのか」を徹底して解明し、ここでしか聞けない少し危ない話も提供していきます。
ニコ生でも!
【ニコ生公式チャンネル】
http://ch.nicovideo.jp/gekiron
ニコ生「堀潤のウソは許さん!」
番組放送当日の昼に堀潤&春香クリスティーンが、スタジオからお送りする時事放談!気になる最新の話題から、当日夜の番組に参戦するゲストの噂話、さらにはテレビ局の舞台裏も極秘レポート!時にゲスト論客が乱入し、収拾つかないことに!?
制作テレビ愛知
http://www.tv-aichi.co.jp/ps/epgpg/guest/prog/?ECODE=20140614193000
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日本メディアはIUCNのウナギレッドリスト掲載をどう報じたか
- 2014-06-13 (金)
- ウナギ
日経新聞 2014/6/12 21:53
ニホンウナギ、外食・小売りに波紋 絶滅危惧種に
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ120HQ_S4A610C1TI0000/
世界の科学者で組織する国際自然保護連合(IUCN、スイス)が、絶滅の恐れがある野生動物を指定する「レッドリスト」にニホンウナギを加えた波紋が、外食業者などの間で広がっている。野生動物の国際取引を規制するワシントン条約が保護対策の参考にしており、将来、輸入が制限される可能性がある。ここ数年、卸値の上昇で消費者離れが進んでおり、一段の高値を招きかねない決定に困惑している。
資源の問題には触れず、規制のせいで市場が縮小し、業者が困惑しているという内容。ウナギ市場の縮小というグラフがあるが、日本のウナギ市場が縮小しているのは規制をしているからでは無く、無規制に獲って食べてきたから資源が無くなっているのである。
ワシントン条約に記載されても輸出国の許可があれば取引はできる。ただ制限がかかれば流通量の減少や値上がりなどの影響が考えられる。
という記述を言い換えると、「政府が認めない密漁ウナギなくなると、流通が減りと値上がりするぞ」と言うこと。取材先は、回転ずしのくらコーポレーション、「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングス、ゼンショーホールディングス。回転寿司業界が、目先のウナギの値段にしか関心が無いと言うことがよくわかります。
読売新聞 2014年06月12日 12時59分
ニホンウナギ、絶滅危惧種に…2年後規制の恐れ
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140612-OYT1T50074.html?from=ytop_ylist
レッドリストに法的拘束力はなく、直ちに捕獲や消費が制限されることはないが、今後、国際取引の規制につながれば、日本の食卓に影響が出る可能性がある。IUCNのレッドリストは世界で最も権威があるとされ、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約で対象種を検討する際の重要な判断材料になる。次回の締約国会議は2016年。林農相は12日、報道陣に「資源管理を加速させたい」と語った。
専門家が絶滅の心配をしている一方で、読売新聞は漁獲規制の心配をしています。どこまでも無規制が続くのが一番怖いと思うのですが。「資源管理を加速させたい」という国の姿勢がせめてもの救いです。
産経 2014.6.12 12:17
「厳しい時代来るかも」 養殖産地の愛知、静岡
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140612/scn14061212170001-n1.htm
国際自然保護連合(IUCN)が12日、レッドリストでニホンウナギを絶滅危惧種に分類したことに、ウナギ産地として知られる愛知、静岡両県の関係者から影響を懸念する声が相次いだ。
レッドリストよりも、絶滅危惧に指定されてるまでウナギを食べつくした日本の消費の非持続性を懸念すべきだと思います。
ウナギを使った名古屋名物ひつまぶしの老舗「錦三丁目いば昇」(名古屋市中区)の店主、木村知正さん(72)は「ある程度は規制の議論が高まっても仕方がない。日本には中国産が大量に出回っているが、安く買える状況は変わらざるを得ない」と語った。
こういう人がいるというのがわずかな救いです。「ウナギが無ければ別の物を売れば良い」という回転寿司と違い、老舗のうなぎ屋は、ウナギが無くなれば死活問題です。資源の問題についても考えざるを得ないのでしょう。
朝日新聞 2014年6月13日05時29分
「年数回のぜいたくが…」 ニホンウナギが絶滅危惧種に
http://www.asahi.com/articles/ASG6D6S2XG6DULBJ01R.html?iref=com_alist_6_04
評価に携わった中央大の海部健三助教(保全生態学)は「もっと早く掲載されてもおかしくなかった。保全しなければいけない、という方向につながっていくことを望む」と話した。
ウナギ稚魚の国内漁獲量は半世紀前は年200トン以上あったが、2012年までの3年間、年3~6トンと過去最低水準が続き、13年はさらに減少。今年は5年ぶりに回復しているが「過去に比べると低水準で引き続き右肩下がりで減少している」(水産庁)という。
資源の問題にフォーカスした記事。海部さんは、ウナギ資源の専門家なので、このテーマの取材に適切な人物といえる。あと、水産庁が「今年は増えただけで、引き続き右肩下がり」という認識を一貫して示しているのが、興味深い。数年前まで、「ウナギは減っていないので規制は不要」と言っていたのだけど。水産庁の水産資源の持続性に対する態度が、ここ2年ぐらいで変わってきているように思う。
毎日新聞 2014年06月12日
ニホンウナギ:国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定
http://mainichi.jp/feature/news/20140612k0000e040155000c.html
危機をもたらした要因として、生息地の損失▽乱獲▽回遊ルートの障害と汚染▽海流変化−−を列挙。ニホンウナギの減少が、東南アジアを原産地とするビカーラウナギなど異種のウナギの取引増加を招いているとし、ビカーラウナギも準絶滅危惧種に指定した。
評価した専門家グループのマシュー・ゴロック委員長は発表文で「ニホンウナギの状況は非常に懸念される。ウナギ類の保全に向けて優先的に取り組まなければならない」と指摘した。
ウナギ資源の危機的状況と、異種ウナギの準絶滅危惧種指定を紹介する良記事。「ニホンウナギがヤバい」というのは国内外の専門家の共通認識です(ごく一部例外もいますが)。
神奈川新聞 2014.06.13 03:00:00
ニホンウナギ 絶滅危惧種に 消費見直し資源回復を 専門家「踏み込んだ判断」
http://www.kanaloco.jp/article/72938/cms_id/86006
「ニホンウナギだけではなく世界のさまざまなウナギに関し、IUCNは資源保護の観点から踏み込んだ判断をしてくれた」。北里大海洋生命科学部(相模原市南区)でウナギの研究を行う吉永龍起講師(42)は、今回のレッドリストへの分類をそう評価し、「消費の見直しだけでなく、資源回復へ積極的な取り組みを」と訴える。
ウナギ資源の保護の必要性を提言し続ける東アジア鰻資源協議会も、今回のIUCNの分類を支持した。ただ、「レッドリストも、国際取引を規制するワシントン条約も、実効性はない」と吉永講師。「これからもウナギを食べ続けるには、もはや消費のあり方を見直すより、資源回復のために何ができるかを考えるべき」と訴え、こう強調した。「今のままでは、本当にニホンウナギは絶滅する」。
長年ウナギの研究をしてきた吉永さんの危機感が伝わってくる良記事。
ニホンウナギ:絶滅危惧種指定 柳川組合長捕れなくなる?
毎日新聞 2014年06月12日 11時44分(最終更新 06月12日 12時28分)
http://mainichi.jp/feature/news/20140612k0000e040194000c.html
「国際自然保護連合」(IUCN、本部・スイス)が12日、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定したことに対し、ウナギ料理店や消費者からはウナギが食べられなくなったり、価格高騰につながったりすることへの不安の声が上がった。
柳川うなぎ料理組合の組合長(69)は「世界的な絶滅危惧種になれば、クジラのように『絶対捕ってはいけない』というようになってしまうのでは」と心配する。
ワシントン条約は貿易規制であり、国内での捕獲・利用を規制する物ではありません。かりにワシントン条約で最も厳しい規制がかかったとしても、国内消費には影響が無いのです。本当に心配なら、少しは勉強をしたらどうでしょうか。不勉強な人の言説をそのまま掲載すると読者をミスリードしかねません。
東京新聞 2014年6月12日 夕刊
ニホンウナギ 国際絶滅危惧種に 乱獲・環境悪化に警鐘
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014061202000263.html
今回、専門家グループが危機度を評価した結果、日本の天然産成魚の漁獲高が三十年前の十分の一に激減していることや、稚魚のシラスウナギの乱獲、工事による湖沼、河川での生息地の消失などが絶滅の危機に追いやっているとした。
水産庁の担当者は「今夏の土用の丑(うし)に供されるニホンウナギは、昨年に取引されたシラスウナギの成魚。値下げに直結するのは難しいのでは」と分析。「昨年から一時的に回復したからといって、ニホンウナギの成育環境が依然として厳しい状態に変わりはない」と指摘している。
資源の危機的状況やその原因についてきちんと整理されている。取材先は水産庁。
毎日新聞 2014年06月12日 11時20分
ニホンウナギ:絶滅危惧種指定 日本は世界の消費の7割
http://mainichi.jp/feature/news/20140612k0000e040186000c.html
水産資源に詳しい勝川俊雄三重大准教授(水産学)は「短期的な需給にばかり目を奪われ、持続的な資源管理の視点を欠いてきた」と指摘する。
IUCNは、ニホンウナギ激減の要因には乱獲のほかにも河川・沿岸開発、海流変化などが複合して関係していると指摘する。伝統的な食文化を守るためにも、国内の漁獲規制はもちろん、国際的な管理の仕組み作りに積極的に関与することが日本に求められている。
「食」との向き合い方の再考と国際的な管理の枠組みの必要性を指摘する記事。取材先は、水産資源に詳しい勝川さん。
まとめ
取材先と典型的なコメントをまとめるとこんな感じ
- チェーン店 「規制されると高くなって困る」
- 専門店「困ったけど、規制は仕方が無い」
- ウナギ専門家「ウナギ資源、まじヤバい。保全のための強力な取り組みが必要」
- 水産庁「資源は長期減少傾向で、危機的な状況」
どこに取材するかで、どういう記事になるかが決まるような感じですね。売ってなんぼの、大量消費が招いた悲劇という気がします。
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ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである
- 2014-06-11 (水)
- ウナギ
ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約で規制される可能性が高まってきた。日本のメディアは、「ウナギの値段が高くなる」と危機感を煽っているのだが、本当にそうだろうか。そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が拡大し、日本人が食べ尽くしてしまったからである。つまり、無規制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・食文化の存続には、何らかの規制が必要なのは明白である。
ワシントン条約でウナギが食べられなくなるのか?
ワシントン条約には、付属書I、II、IIIがある。
付属書Iは本当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴリラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁止。ということで、ここにカテゴライズされると、輸入ウナギは食べられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属書Iに掲載されるとは考えづらい。ニホンウナギが掲載されるとしたら付属書IIだろう。ヨーロッパウナギも付属書IIだ。ワシントン条約の付属書IIに掲載されると、輸出には輸出国の許可書が必要になる。逆に言うと、輸出国政府の許可書があれば、自由に貿易できるのだ。
(参考)貿易手続きに対する詳しい情報
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/import_11/04A-010911
(参考)付属書に掲載されている動物の一覧表はこちら
http://www.trafficj.org/aboutcites/appendix_animals.pdf
付属書IIに掲載されても、輸出国政府が、正当に捕獲されたと認定して、輸出許可書を発行すれば輸出できる。フランスはシラスウナギの捕獲を行っているし、今でも輸出している。それらが中国を経由して、日本に大量に入ってきている。ワシントン条約で規制されると、ヨーロッパウナギが食べられなくなると煽ったメディアの報道は不正確だったのだ。
(参考)中国経由で日本が輸入するヨーロッパウナギ
http://togetter.com/li/536088
付属書IIの効果は、政府が許可しない密漁品の貿易を抑制することである。河口に集まるシラスウナギは、素人でも捕獲ができる。その上、単価が高いので、ブラックマーケットが形成されやすい。付属書IIに掲載されたら、違法に漁獲されたシラスウナギは出荷しづらくなる。つまり、各国政府が連携をして、密漁を予防しやすくなるのである。ワシントン条約付属書IIに掲載されれば、日本に入ってくる違法漁獲ウナギは大幅に減るだろう。それによって、一時的に価格は上がるかもしれない。違法操業が減ることで、ウナギ資源の保全が大きく前進するなら、長い目で見ればそっちの方が良いに決まっている。「値段が高くなるからワシントン条約付属書IIに反対」という主張は、「違法漁獲されたウナギを安く食べられればそれで良い」といっているようなものである。
ワシントン条約付属書IIに効果はあるか
ニホンウナギ資源の存続にとって、付属書IIの規制は無いよりはあった方がよいのだけど、その実効性は漁獲国の政府が十分な規制をするかどうかにかかっている。輸出国政府がバンバン輸出許可書を発行した場合、ワシントン条約付属書IIは意味が無くなる。日本・中国・台湾は、「余所がやらないなら、うちもやらない」といって、単独で実効性のある厳しい規制を導入することはないだろう。現状では付属書IIの影響は極めて限定的だろう。ワシントン条約付属書IIが意味を持つには、日中台で連携してウナギ資源を管理するための枠組みが必要である。
今後、国際的な資源管理の枠組みをつくらなければならないのだが、仮に枠組みが出来たとしても、漁獲規制に強制力が伴わなければ、単なる努力目標で終わる。現状では、強制力をもった貿易規制の枠組みは、ワシントン条約ぐらいしかないので、これを活用しない手は無い。
ワシントン条約付属書IIへの掲載がきっかけとなり、日中台で資源管理の枠組み作りが進めば良いと思う。そして、ワシントン条約を利用して、違法漁獲を押さえ込み、持続的な漁業を実現していくのが、ウナギ資源・食文化が存続するためのわずかな希望である。逆に、今回、ワシントン条約に掲載されずに、各国が問題の先送りを選択したばあい、ニホンウナギは取り返しの付かない事態になりかねない。
ワシントン条約で規制の網がかけられるかどうかは、ウナギ資源の未来に重大な意味をもつ。我々日本人が、今考えるべきことは、今年の土用の丑にウナギの値段が上がるか下がるかでは無く、鰻丼というすばらしい食文化を支えてきたウナギ資源をどうやって救うことが出来るかである。日本のマスメディアには、ワシントン条約の意味を理解した上で、ウナギ資源・食文化の持続性に対して責任のある記事を書いて欲しいと切に願う。
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ウナギに関する日本メディアの報道
- 2014-06-10 (火)
- ウナギ
つい最近まで、「ウナギ豊漁→安くなる」と楽観的な報道を繰り返していた日本メディアなのですが、IUCNの日本ウナギをレッドリストに掲載するかもしれないという情報で、「規制されると値段が高くなる」という論調に逆転しました。目先の価格以外に考えることは無いのでしょうか。
朝日新聞デジタル 2014年6月10日08時01分 神田明美
ニホンウナギ、絶滅危惧種指定へ 国際取引制限の恐れ
http://www.asahi.com/articles/ASG695FDYG69ULBJ01C.html
かば焼きで日本人になじみ深いニホンウナギについて、国際自然保護連合(IUCN)は、12日に発表する、生物の絶滅危機に関する情報を紹介する「レッドリスト」改訂版に掲載する方針を固めた。絶滅危惧種として指定する見通し。売買や食べることの禁止に直結するわけではないが今後、国際取引の制限などにつながる可能性が高まる。
下図のようなウナギ漁獲量が激減しているグラフを掲載しながら、資源の枯渇ではなく、国際取引制限を心配しているのが不思議な感じですね。
日本経済新聞 電子版 2014/6/6 23:38
ニホンウナギが絶滅危惧種に? 指定なら価格上昇も 国際自然保護連合、12日公表
ニホンウナギが絶滅の恐れがある野生生物に指定される可能性が出てきた。世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN)が12日に公表するレッドリストの最新版で、ニホンウナギが絶滅危惧種として追加されそうだからだ。指定されれば国際的な輸出入の規制につながる可能性もあり、ウナギの卸業者からは取引価格の上昇を懸念する声も出ている。
時事通信
ウナギ稚魚、養殖量回復=「丑の日」値下げは不透明
ニホンウナギの稚魚シラスウナギの養殖量が回復している。日本をはじめ、中国、韓国など周辺国・地域も好漁で、輸入分も含めた養殖池への「池入れ量」は前年の約1.8倍。取引価格も大幅に下落した。ただ、消費がピークを迎える7月29日の「土用の丑(うし)の日」に、ウナギが値下がりするかどうかは不透明だ。
また、水産庁は「直ちに資源量が回復したと判断するべきではない」として資源管理を徹底する構え。うなぎ料理店でも「(値段の判断は)もう1年様子を見てから」との声も上がる。
漁獲が激減しているのに、取り上げるのは目先の価格のことばかり。これでは、ウナギが無くなるのは仕方が無いことだと思います。
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ノルウェーの小規模漁村の高齢化の話
先週、19歳の若者から、手紙が届いた。漁村で生まれ育った彼は、子供の頃から祖父・父の後を継いで漁業をするのが夢だったという。高校を出たら漁業を継ぐつもりだったが、「漁業には先が無いから」と両親に反対され、大学に通っているそうだ。漁業の夢を捨てきれずに、自分でいろいろ調べた結果、俺の本に出会い、「資源管理をすれば、自分も漁業で生活できるようになるかを知りたい」という手紙を書いたのである。この手紙を読んで、俺は申し訳ない気持ちで一杯になった。我々日本の大人たちが、構造的な問題から逃避してきた結果として、若者の夢が奪われているのである。もし、彼がノルウェーに生まれていたら、何も悩むこと無く、漁業を継いで豊かな生活を送ることができたはずだ。日本とノルウェーで、なぜこのような差が生じるのだろうか。
ノルウェーの小規模漁村の現状
先週、ノルウェーの漁業副大臣が来日したのに併せて、日本・ノルウェーマリンセミナー2014というイベントが開催された。ノルウェー大使館から「ノルウェーの研究者が俺とディスカッションしたがっているので、セミナーに参加して欲しい」という依頼があって、参加した。俺と話をしたがっていたのは、ノルウェー北部のロフォーテンに本拠地をおくSALTという研究機関のKjerstiさん。こちらのサイトのセンターポジションの女性です。午前中の全体のセッションでの彼女の講演がとてもおもしろかった。
ノルウェーの北部には無数のフィヨルドがあり、そこには小規模な沿岸コミュニティーが多数存在する。
基幹産業は漁業。6人ぐらいの小さな漁船でタラを獲る漁業が主流。養殖業も大切なビジネスであり、観光業も伸びている。
漁業生産は延びているが、漁師の数は減っている。高齢化が進んでいる。その原因は、高等教育がひろまったことである。大学で学んだ専門的な知識を活かせる職場が、漁村には無い。そこで、研究者や政策決定に関わりたい若者は、都市に移動してしまう。「漁村から都市へ」というの人の流れを逆転したい。若くて教育を受けた人たちに魅力がある職を漁村につくりたい。ということで、ノルウェー政府は、国の多くの機関を都市の外に出した。補助金では無く、仕事を造るためである。
彼女がつとめている(というか創立者みたいだけど)SALTという機関では、海洋資源の価値を産むような利用法を作り出して、沿岸コミュニティーの活性化を目指しているそうだ。
「日本と共通する話題かもしれない」と途中まで思っていたのだけど、Kjerstiさんが出した図をみて、ずっこけてしまった。
この図はノルウェーの小規模漁村の漁業者の年齢組成だそうだ。10代から70代まで10歳ごとに棒グラフで示してある。1990年代には20代、30代が一番多かったけど、最近は40代が一番多くなっているんだって。これで高齢化ですか・・・
日本の漁業全体の年齢組成はこんな感じ(漁業センサス2008)。
ノルウェーよ!!これが本当の高齢化だ(ドヤ!
ノルウェー政府は、現状を打開するために、沿岸地域に若者にとって魅力的な職業を作るべく努力をしているそうだ。ノルウェーの小規模漁業の人たちの収入はどれぐらいなのか、Kjerstiさんに直接聞いてみた。そうしたら、「小規模漁業者の収入を調べてみたら、私たち研究者よりも高かった」だって。漁業を継げば生活は十分に成り立つんだけど、それでも都会を目指す若者がいるから、徐々に若者が減っているということだ。
一方、日本は新規就業者が無い状態を何十年も放置した結果、高齢化も行き着くところまでいってしまった。「50代が若手」というのが日本の漁村の現状だ。漁村には跡継ぎがいない高齢者ばかりになって、限界集落化が進行している。日本の場合は、ノルウェーと違って、沿岸漁業の生産性が低すぎて、生計が成り立たないという根本的な問題がある。沿岸漁業が補助金で支えられている状況では、新規就業者が増えるはずが無い。
日本とノルウェーの小規模漁村の違い
日本とノルウェーの小規模漁村の現状を整理すると次のようになる。
まず、漁業で生活が出来るかどうかが大きな違い。ノルウェーでは漁業で生活できるので、漁業への新規加入がある。ノルウェー政府は、都市部にある必要が無い政府機関をどんどん地方に移転しているそうである。問題が顕在化する前に、対策を講じているのだ。一方、日本の漁村には、漁業で生計が成り立たないし、漁業以外の雇用がない。漁村は縮小再生産どころか、限界集落化→消滅へとむかっている。日本の置かれている状況はノルウェーとは根本的に違う。
両国の政府の対応の違いも興味深い。ノルウェーでも、今の状態が何十年か続けば、漁村の活力が失われていくだろう。ノルウェー政府は、高齢化の悪影響が顕在化する前に、魅力的な雇用の創出という根本的な対策を打ち出した。雇用政策は一朝一夕で結果がでるものではないので、取り組むなら早いほうが良い。一方、日本は何十年も漁村に雇用が無い状態を放置したままだ。高齢化が進むのは、「厳しい仕事を嫌がる軟弱な若者が悪い」と責任転嫁をして、補助金で高齢漁業者を保護する対処療法を続けてきた。当然の結果として、超高齢化が進み、方向転換をする体力も残っていない。日本という国は、どうして構造的な問題に取り組むのがこうも苦手なのだろうか。
日本の小規模漁村が存続するには、普通に生活できるような水準まで、小規模漁業の生産性を改善するのが急務である。そうすれば、小規模漁業にも新しい人が参入できる。「漁業の生産性を上げるには、資源管理以外の選択肢は無い」というのがノルウェー人の共通認識である。日本も、ノルウェーを手本にして、資源管理を導入すべきである。漁業以外に魅力的な雇用をどう作るかを考えるのは、そこから先の課題だろう。「早くノルウェーに追いついて、共通する問題に対して,一緒に取り組めるようになると良いな」と思ったよ。
Kjerstiさんから、北部の小規模漁村地域のロフォーテンに来るようにお誘いを受けた。ノルウェーの小規模漁村をじっくりと見てこようと思う。タラの資源はものすごい豊富で、港から200mぐらい行った湾の中が漁場なんだって。でもって、釣り糸を垂らすと2秒ぐらいで、40cmぐらいのタラが入れ食いで獲れるそうだ。そりゃ、利益も出るだろう。いやはや、日本では信じられないような話なのだけど、実際にこの目で見てこようとおもう。
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from 18 Mar. 2009