セリを経由する日本の伝統的な流通システムは制度疲労をしている。
セリを通らずに流通する新しい経路が急速に広がり、現在は主流になっている。
流通システムが多様化する様子を見てみよう。
増加する市場外流通
市場を通る魚の割合が急速に減少している。
市場外流通と言われる新しい取引形態が急増しているのだ。
市場外流通が広まる背景としては、末端の消費者の鮮魚購入先が、
魚屋からスーパーマーケットへと変化したことが大きい。
スーパーマーケットは独自の情報網と大口の消費者ならではの購買力で、
生産者と直接取引をすることができる。
結果として、市場を通らない取引が伸びているのだ。
多様化する市場内流通
市場を経由する割合が減少するのと並行して、
市場の中でもセリを通る従来のルートが衰退している。
下の図は中央卸売市場におけるセリ・入札取引の割合(金額ベース)である。
すでに8割近い魚がセリや入札を経ないで取引されているのだ。
特筆すべきは鮮魚のセリ・入札取引の割合の減少だろう。
15年の間に60%から、38%へと低下している。
もっともセリが効果的と思われる鮮魚で、セリ・入札離れが起きているのだ。
塩干加工、冷凍などは日持ちするため、もともとセリの割合が低いのだが、こちらも減少傾向だ。
伝統的なセリに代わって、市場内流通の主流となっているのが、
荷受と直接交渉をして、売買契約をする「相対」と呼ばれる取引方法だ。
相対で荷受と取引できるのは、仲卸と買参人である。
買参人は、荷受と直接取引に参加できる資格である。
買参人は、仲卸のように場内に店舗を持たずに、
スーパーなどの量販店や水産専門商社向けに大口の買い付けを行う。
仲卸のめがねにかなわなかった魚を、買参人が大量にやすく買いたたき、
スーパーで薄利多売をするという構図だ。
魚の質にこだわるなら魚屋で、
そこそこの質の魚を安く買いたいならスーパーということになる。
まとめ
日本の水産物の流通をまとめると次のようになる。

水産物の流通システムは、緩やかに一定方向に変化を続けている。
このような変化を引き起こしたのは、消費者の行動の変化である。

http://www.maff.go.jp/hakusyo/sui/h16/html/fb.1.2.5.htm
消費者は、魚屋ではなく、スーパーマーケットで魚を買うようになった。
購買スタイルの変化と並行して、魚の流通も大きく変化してきた。
おそらく、今後も現在のトレンドは続いていくだろう。

