アジア麺&峰

最近、初対面の人から「ブログを読んでます!」と言われることが多くなった。
俺は相手ことを全く知らないのに、向こうは俺のラーメンの好みまで把握しているのだ。
ブログ経由で、個人情報が駄々漏れだ。インターネット恐るべし。

アジア麺
海洋研から、新宿にすすみ、新宿5丁目の駅よりやや手前にある。
美味しそうなスパイスの香りにつられて、トムヤン麺を注文してみた。
スープは普通のトムヤンクン。スパイシーだけど、余り辛くないので拍子抜け。
個人的には、もっと辛い方が良い。
冷麺風の麺がシコシコとして美味しい。
全体的にチープな感じだが、それはそれで屋台風でよい。
営業時間が夜のみなので、余り行く機会は無いのだが、
他のメニューも食べてみたいと思った。
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環七沿い。高円寺のそばにある。
東と山本が「峰は凄いから、絶対に食べに行ってください」と絶賛していた店。
今日はいろいろと忙しくて、昼抜きだったのが、ガツンと食べに行った。
つーか、これはやばいです。
どんぶりの中央の茶色のオブジェは全て角煮!
ちなみにどんぶりは普通の店の大盛りぐらいあると思う。
初めて二郎を食べたとき以来の衝撃だ。
先に肉を食べていたら麺がのびそうなので、
肉は後回しで、最初に麺を平らげる作戦でなんとか完食。

麺は豚骨ラーメンの麺が柔らかくなったような感じ。
スープは豚系だが、骨は余りつかっていないようで、あっさりとして臭みがない。
スープのスタイルは、第一旭と近い。
このラーメンは、肉好きにはたまらないだろう。
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北海道のブロック会議が無事終わりました

昨日、今日と資源評価票のブロック会議行われて、
資源評価票の原案が無事に承認されました。

俺が委員になってから、毎年荒れまくりだったのですが、今年は平和でした。
今年は、あんまりスムーズに進んだので、なんか気持ちが悪いぐらいです。
もしかして、これが普通の状態なのか?

俺が北海道に来た当初は、
「どうやって漁業者に納得してもらえるようなABCを出すか」が議論の中心であった。
時間をかけて粘った結果、ABCの本来の定義に乗っ取って、
人間の都合は抜きに生物の生産力からABCを決定できるようになった。
この変化は、高く評価をしても良いだろう。
ようやく科学的な資源評価ができる土壌が整ってきたようだ。
いろいろあったけど、良い方向に向かっていると思う。

まだ課題も多いが、評価票の中身は着実に進歩している。
水研と水試の連携もうまくいっているし、資源評価の体制は整ってきた。
しかし、資源評価が資源管理に反映されておらず、資源量は着実に低下している。
今年は、厳しい現実を反映して、ABCは厳しい数字になった。
これからTACを決める作業で、厳しい折衝が続くことだろう。
TACおよび漁獲量をABCに近づけるために、研究者としてもサポートをしていきたい。
数字を出して終わりではなく、その数字に現実的な意味を持たせないとダメだ。
できる範囲で、できることを続けていくことにしよう。

なにはともあれ、関係者の皆さん、お疲れ様でした。

釧路は快晴でした。気温は25度ぐらいで、少し蒸し暑かったです。
まあ、東京とは比較になりませんが・・・
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イカ釣りの船が沢山来ていました。
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ウホッ いい川!

移動日に時間の余裕があったので、
釧路の川を案内してもらいました。
ガイドは、サケのフィールドワークで世界をリードするDr.Kentaro Moritaです。

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この川では放流をしていないので、全て天然らしいです。
いやぁ、凄かった。
魚の生命力に圧倒されマスタ。

こういう自然を次世代に残したいものです。

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7/31の提言に関するコメント(その3)

(提言3)水産業の構造改革のため、水産予算の大胆かつ弾力的な組替えを断行せよ。

(1)予算執行上の優先順位が低い漁港整備などの公共事業予算から、漁業への新規参入の推進と漁船漁業の構造改革予算に大胆かつ弾力的に振り向ける。

(2)これまでバラバラで整備されてきた魚礁、漁場、漁港岸壁、荷さばき場の上屋などの海域と陸域の一体的整備を断行すべきである。公共、非公共、かつ事業主体としての都道府県と市町村などの垣根をとる。

 上記(1)と(2)については、例えば特区制度も活用する。

(3)環境、資源、水産政策などに関する情報を積極的に国民に提供し、国民の理解と認識を高めるとともに、調理技術や水産物の持続性と品質に関する知識の普及などにより、魚食についての食育を促進させるための予算を重点的に確保する。

(1)
現在の予算配分が合理的だとは思わないが、予算配分の内容について議論をするよりも、
行政の役割を明確化するのが先だと思う。
そもそも「国民は水産行政に何を期待するのか」、「そのために幾ら支払うのか」を明確にすべきである。
逆に言うと、「役所は税金を幾らつかって、何を成し遂げるのか」を明確にする必要がある。
その上で、目標達成率を高めるように、予算の最適化をすべきである。

日本にとっての水産業の位置づけは、終戦直後と今とでは全く異なっている。
にもかかわらず、行政の役割について、ほとんど議論がされていない。
「自給率が低い」と騒いで税金をばらまく世論をつくる。
しかし、乱獲を放置しているから、漁業生産は落ちる一方である。
すると「クジラが食べてるから」とか「消費者の魚離れ」とか、外部要因のせいにする。
こういうことが繰り返して、産業規模に不相応な税金が投入され続けてきた。
あげくの果てが、自給率の低迷である。
現在の自給率を維持するために、いったい幾らの税金が投入されているのか。
また、その税金はどのようにつかわれて、どのような結果が得られたのか。
まずは、現在の税金の費用対効果を見直すことから始めるべきだろう。

俺が思うに、今必要な施策は、生物の生産力の範囲まで漁獲圧を下げることである。
つまり、今の疲弊した生物生産力の範囲で食っていける数まで、なんとかして漁業者を減らさないといけない。
確かに、魚は居ないし漁業者も減る中で、漁港整備などの公共事業ばかりしても漁業のためにならない。
その一方で、「漁業への新規参入の推進」、「漁船漁業の構造改革予算」に税金をつかう必要性がわからない。

参入よりもむしろ適正な規模まで漁業を縮小するのが先である。
非常に利益率が高い、新しいビジネスチャンスがあるなら、自己資金で始めるべきだろう。
漁船の老朽化も問題だろうが、 自力で設備の更新ができないような漁業を税金で存続させる意義がわからない。
採算のとれない漁業経営体を税金で支えても、利益は出ないし、資源を傷つけるだけであろう。

(2)
行政の様々なセクションが意思疎通を図るのも重要だが、その前段階に問題ありだろう。
例えば八戸の漁港にしても、漁業者の声が無視されていることが本質的な問題だろう。
地元のニーズを把握した上で、行政のセクション間の連携を強化してほしい。
「民が何を求めているか」を把握できていないのが

(3)
情報公開はとても大切。でも、情報公開への意識は低い。
どうやら、情報公開をプロモーションを混同しているようである。
イメージアップのために、都合が良い情報のみを公開するのがプロモーション。
情報公開とは、都合が良い情報も、都合が悪い情報も、きちんと開示することである。
外郭団体ではない、ひも付きではない、独立機関が必要だろうね。

(提言4)生産から最終消費までの一貫した協働的・相互補完的な流通構造(トータルサプライチェーン)を構築せよ。


(1)
わが国水産業は生産・加工・流通・販売・消費の各段階での制度や仕組みがほぼ無関係に構築されており、それぞれの部門が、自らの制度と機能にのみ配慮する部分最適をめざし、水産業の全体が、それぞれ相互補完し、かつ相乗効果を高める全体最適になっていない。このままでは、世界の大きな流れに立ち遅れるだけでなく、食料安全保障と魚食をまもる使命を果たし得なくなる。

(2)
また、世界の水産業は、水産物需要の増大への対応の一環として、「美味しい」、「安全・安心」に加え、「環境・資源の持続性との調和」がとれている水産物を価値あるものと位置付けようとしている。流通の改革に当たっては、このような水産物の新たな価値の創出を考慮しなければならない。

(3)
特に、この場合において、
水産物トータルサプライチェーンを透明性・信頼性あるものとして構築するため、客観的・科学的な指標に基づく、関係者共通ルールとしての「水産物基礎情報」を導入し、これに依拠した情報の共有・公開を推進する。

(4)
現在は、水産物に関して統一的で規格化された情報がない。水産物基礎情報(注:「提言の補足説明」を参照)は、天然魚、養殖魚及び輸入魚(調整品や加工原料も含む。)ついて、①持続性、②品質(衛生)の情報を内容とする最小限の水産物を評価するための情報である。

(5)
これらの情報が、生産・加工・流通(消費地市場を経由しない市場外流通などの多様な流通形態を含む)・販売・消費の各段階でIT(情報技術)活用などにより、相互に共有されるとともに、広く国民にも提供される制度・仕組みを構築する。

(6)
今後、国民の資源の持続性、食の安全・安心への関心に応えていくには、多様な流通経路に対応するため、産地における漁業者および輸入業者の生産段階からの情報提供の義務化を法制度の整備(注:「提言の補足説明」を参照)により行う。

(7)
 このことにより、水産物流通の合理化・効率化、消費者の水産物の正しい選択などに貢献する。また、市場の透明性が高まるとともに、一部の水産物(例えば、ノリなど)の取引の透明性向上にも貢献する。さらには、日本だけでなく世界の市場において日本産水産物の評価を担保することにもつながる。

(8)
また、水産政策、経営、流通システム、養殖技術(例えば、種苗、飼料、防疫など)、資源評価などに関して、集中的に研究開発予算を投入する。

(9)
提言の確実な実行のため、水産業改革プロジェクトチームおよび監視委員会(オーバーサイト・コミッティー)を設置せよ。

(1)に関しては、全面的に賛成。
生産・加工・流通・販売・消費の各段階は、無関係というよりは敵対関係にある。
取引先の利益を削ることで、自らの利益を確保しようとする。
消費者が値段以外の判断基準を持たないので、小売りには強い価格圧力がかかる。
流通が魚を買いたたき、加工は安価な輸入品へと切り替える。
その結果、漁業の採算が悪化し、帳尻あわせのために獲りまくってしまう。
魚が獲れなくなれば、加工も流通も輸入にたよるしかにない。ここで買い負ければ、共倒れだ。
他人の利益を減らすことで自らの利益を確保しようと言う考えでは、産業が傾いてしまうのだ。
そのためには、資源→漁業→消費を全体としてとらえた上で、
漁業全体の利益を増やすためのビジョンを持たなくてはならない。

(2)に関しても、賛成。
日本の漁業は、非持続的な乱獲を放置している。だから、収益が悪化しているのである。
持続的に獲ってこそ、値段も上がるし、消費者も安心して食べられる。
すでに先進国では「環境・資源の持続性との調和」が高い価値として認識されている。
一方で、日本人は、値段と供給の安定にしか関心がないようである。
ヨーロッパウナギにしても、マグロにしても、値上がりの心配ばかりで、
自分たちが被持続的に食べ尽くしたことに対する道義的な責任は感じないようである。
「環境・資源の持続性との調和」について、情報をもっと流す必要があるだろう。

(3)トータルサプライチェーンって、いまいち良くわからない。
日本語で簡単に表現すると、どういう意味なのだろう?
俺は流通に関する知識が少ないから、この部分は???です。

(4-7)その魚がどこでどうやって捕られたのか。その魚は持続的に漁獲されているのか。
そういう情報を消費者が得ることは重要である。
回転寿司で「関サバ」が安く食べられる現状では、業者のモラルには期待できない。
きちんとした企画で「水産物基礎情報」を行政が準備するのはとても大切。
現在、消費者が価格しか気にしていないのは、それ以外の情報が無いからだ。
きちんと情報を提示すれば、それを基準に選択を変える消費者も出てくるだろう。

(8)養殖技術(例えば、種苗、飼料、防疫など)に関しては、すでに研究開発予算が過剰だと思う。
水産政策に関しては、予算をつけても内容が伴うかは疑問。
むしろ、漁業に関係する様々な立場の人に発言の場を準備した方がよい。
そのためのたたき台として、高木委員の提言が機能してくれた良いのですが・・・
自称「漁業者の味方」の研究者が反論を準備しているらしいので、楽しみにしています。
メンツ的に、内容にはあまり期待できないかな。

(9)に関しても、基本的に賛成ですが、役所がつくった委員ではつっこみ能力に限界がありそう。
水研センターだって、独法化したけれど、発言の自由は減る一方みたいだし。

ネット上に公開された文書を追っていくだけで、政策に関してはいろいろわかります。
専門的な知識を持った個人が、地道につっこみを入れ続けていくことが重要でしょう。
ということで、自分としては、今後もつっこみを入れ続けようと思います。

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7/31の提言に関するコメント(その2)

(提言2) 水産業の再生・自立のための構造改革をスピード感をもって直ちに実行せよ。

 このため、

1.漁業協同組合員の資格要件とされる従業員数や漁船規模などを見直し、漁業協同組合などへの投資や技術移転を容易にし、地域社会の活性化を図るべきである。

地域内の水産加工業、卸売業、仲買人、小売業、外食産業などや、地域に投資、技術移転する大手水産会社等を、組合員とする資格を与える。
また、漁業協同組合などの経営内容を広く情報開示する仕組みを構築すべきである。

漁協の閉鎖性が生産力を下げる一因になっているという認識のようだが、正直、漁協のことはよく知らないので、何とも言えない。
いろいろと問題を抱えている部分も多そうだし、経営内容を公開するのは、漁業者のためにもなるだろう。

2.併せて、漁業のみならず、養殖業や定置網漁業への参入障壁を基本的に撤廃し、参入をオープン化すべきである。意欲と能力がある個人または法人が、透明性のあるルールのもとで、漁業協同組合と同等の条件で養殖業および定置網漁業などを営めるようにすべきである。

漁業法(昭和24年法律)および水産業協同組合法(昭和23年法律)など漁業関係諸制度を抜本的に改革し、透明性のあるルールのもとで、例えば特区制度の活用も含め、生産段階における新規参入による漁業権および漁場の適切な利用を促進して、沿岸漁業を広く流通、加工、販売関係者および漁業への投資に意欲のある者に開かれたものとすべきである。

「参入をオープン化する」というのは非常にリスキーである。はっきり言って、止めた方がよいと思う。
すでに過剰な漁獲圧がかかるなかで、利益を出せるのは「より乱獲力のある経営体」である。
参入の自由化を進めれば、乱獲によって短期的利益をだし、資源が枯渇すれば余所に移るような
「 焼き畑漁業」を促進することになるだろう。

参入の自由化よりも、漁業をするための資格が必要だと思う。
自由参入で新たな経営体を増やすよりも、 乱獲をしなければ利益を出せない経営体を減らすことが先決だろう。
まずは、資源に優しい漁業で 利益を出せる経営体のみ残すことだ。
参入のハードルを下げるのは、経営体の淘汰が進んでからでよい。

3.休漁と減船による漁獲努力量の削減、漁船の近代化と継続的な新船建造、雇用対策の支援などを総合的に包括した中長期的な戦略政策を樹立すべきである。

漁船漁業については、漁船の減少、老朽化が進み、生産力の低下が著しい。一方で、資源の悪化・枯渇状態の中で過剰な漁獲が続いている。
そのため、単なる新船の建造は漁獲能力の増大につながりかねないため、漁業の再生・自立のための構造改革は、(1)休漁、(2)減船、(3)操業の継続(漁船の近代化及び小型化)と大きく分け、これらをパッケージとして推進し、例えば特区制度の活用も含め、科学的根拠に基づき3~5か年計画を樹立して、資源の回復と経営の改善を図る。

併せて、個別漁業者ごとに漁獲する数量の上限を定め、不必要な漁業活動を排除し、資源の乱獲を防止して、市場ニーズにあった水産物を供給するため、個別漁獲割当(IQ)制度または譲渡可能個別漁獲割当(ITQ)制度を導入する。

また、資源量が膨大な魚種、例えばサンマ(300~800万トン)などについては、その効率的かつ持続的な利用を図り、水産加工業、養殖業の振興と水産物貿易の発展に寄与させる。

 養殖業を、水産物の付加価値を高め、国民ニーズに応える産業として位置づける。

資源が枯渇しているのは、自然の生産力にくらべて、人間の漁獲力が高いためである。
このミスマッチをたださない限り、どこまでも資源は減少する。
船を更新するだけの利益が出ていない漁業を対象に、税金で新たに船を造る必要はないだろう。

「多く獲るための技術」と「高く売るための技術」は違うのだが、
日本の漁業関係者は、「多く獲るための技術」ばかりを導入したがる。
ミニ船団化は、依り少人数で今までと同じ量を獲るための技術である。
これは、より多く獲るための技術であり、今よりも資源が低水準になっても今のペースでとり続けるための技術である。
乱獲競争で有利かもしれないが、資源の減少に拍車をかける危険性がある。

例えば、ノルウェーもサバを巻き網で漁獲するが、、
魚体を傷つけないようにポンプで水揚げをした後、鮮度を保つために船上で急速冷凍をする。
日本の巻き網は「より早く、より多く獲る」ことに特化して、単価を上げるための工夫がない。
単価を上げるよりもむしろ、量を増やすことで利益を出そうとする。
結果として、資源のダメージの割に利益はでない。

では日本にノルウェーの漁船をもってくればよいかというと、そういう問題でもない。
日本では、値段が上がる前に獲りきられてしまうので、せっかくのポンプも船上冷凍設備も宝の持ち腐れであろう。
資源管理によって、適切な大きさの魚が安定供給できてはじめて、高く売るための技術が必要になる。
残念ながら、日本の漁業はその段階まで到達していないのだ。

今の日本漁業には、船を造るよりも、船を減らす方が大切なのだ。
(1)どう見ても採算がとれない経営体→減船
(2)多く獲れるけれど、利益率が低い漁業→資源が低水準なら休漁
(3)漁獲効率は低くとも、単価が高い漁業→操業の継続

採算がとれない経営体を減らすための手段としてITQを導入すべきである。

資源状態が良好なサンマの効率的な利用をはかるのは重要だ。
しかし、サンマは短命で、加入が不安定な、非常に先がが読みづらい資源である。
資源状態が悪化した場合にも対応できるような投資をしないといけない。
マイワシの場合は、高水準期に努力量を増やしすぎた結果、資源量が低水準になっても漁獲にブレーキがかからない。
投資が不良債権化しないように、短期的な減価償却を見込むべきだろう

養殖業に関しては、現在でも投資の価値が無い事業が数多く進行している。
ここの事業の支出と収入のバランスを精査した上で、残す事業と辞める事業を明確にすること。

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豊進丸事件のまとめ&続報

ある水産関係者さんの解説で、背景がよくわかりました。
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/08/post_176.htmlのコメント欄を読んでください。
自分でも文書に目を通してみました。その中で、一番まとまっているのはこの文書かな。
http://www.itlos.org/news/press_release/2007/press_release_112_en.pdf

裁判の内容の要約
(日)乗組員を速やかに解放しなさい→(露)最初から拘束してないけど、なにか?
(日)違法操業の保釈金が不当に高い→(判決)1億2千万円から四千八百万円に減額

7月中旬に、船長も船員も拘束されているわけではないことが判明。
拘束されていない事実がわかった後は、日本もそのことは全く言及しなくなります。
裁判の争点は、「日本の違法操業に対してロシアが提示した保釈金が妥当かどうか」です。
要するに、日本漁業者が違法操業をした罰金を値切るための裁判ということですね。
裁判所の文書を見ると、「人道」ではなく、銭の話ばかりです。

気になる違法操業の実態
20トンのベニザケを漁獲し、船上加工していた。
漁獲記録にはシロザケと記載した。
ベニザケの上にシロザケを載せて、隠していた。

魚種の虚偽報告による典型的な違法操業(IUU)ですな。
完全にクロでしょう。この点に関して日本側も争う気はないようです。

この船はベニザケの漁獲枠を101.8トンもっていた。
漁場に着いて一週間で捕まったので、この時点では漁獲枠を上回っていないのです。
ただ、シロザケの漁獲枠をベニザケで埋める気満々で、
最初から計画的に虚偽の記載をしていたと考えられるのが妥当。
「漁獲報告書の虚偽に対する妥当な保釈金はいくらなのか?」が裁判の争点です。
で、裁判所の判決は4600万円ということです。

虚偽の記載はしたけれども、漁獲枠をはみ出してないということで、
情状酌量をされてこの金額です。
漁期終盤に、実際に漁獲枠を超過してから捕まったら、もっと高くなりそう。
外国のEEZで違法操業をすると高くつきますね

国際裁判所はこういう判決なんだが、
コレとはべつにロシアの国内法でも裁かれるみたいですね。
ロシアの証言では、保釈金とは無関係に、
船員は帰国できるはずなんだけど、どういうことだろう?
引きつづき、ウォッチを続けたい。

http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20070814/6550.html

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特集「マイワシ資源の変動と利用」

7月の水産学会誌の巻末に、特集「マイワシ資源の変動と利用」が掲載されました。
この特集は大変な難産で、企画の段階から苦労しました。
苦労した甲斐があって、良いものができました。
執筆者の皆様に、暑く御礼を申し上げます。
まだ、読んでいない方は、是非、目を通してください。

「長期的な環境変動の影響で、マイワシ獲らなくても減る」というのが通説であり、
俺も最初はその通説を鵜呑みにしていた。
データは公開されていなかったので、しょうがないんだけど。
最近になって、資源評価票が公開されるようになって、データをみてビックリ。
獲らなくてもへるどころか、生産力はかなり高いじゃないか。

マイワシは主に海洋環境との関係から、研究が進められてきた。
日本で最も研究が進んでいる資源かもしれない。
しかし、マイワシの研究において、漁業の影響は無視されてきた。
「マイワシの資源量が減っているのは、環境要因が原因である」という前提にたって、
減少を海洋環境で説明しようとしているのだ。

日本近海のマイワシは、海洋環境と漁業という2つの要因の影響を強く受けている。
2つの要因を組み合わせないと変動の全体像は見えてこないはずだ。
年間の漁獲率が50%近いのに、漁業の影響を無視して、動態を説明できるはずがない。
環境と漁業の両面からマイワシの変動を理解する必要があるだろう。
そのための最初の一歩として、この特集を企画したのです。

「第Ⅰ部.マイワシの資源動態」では、研究者にレビューを書いてもらった。

Ⅰ-1.マイワシ資源の増加過程
         黒田一紀(元東海区水研)
Ⅰ-2.マイワシ資源減少過程の2つの局面
         渡邊良朗(東大海洋研)
Ⅰ-3.気候変動からマイワシ資源変動に至る
生物過程  髙須賀明典(水研セ中央水研)
Ⅰ-4.マイワシ資源への漁獲の影響
         勝川俊雄(東大海洋研)

漁海況研究のパイオニアの黒田一紀さんに、70年代のマイワシ増加期の状況をまとめていただいた。
次に、詳細なフィールドワークで、89-91のマイワシの減少要因をつきとめた渡邊先生に当時の状況をまとめていただいた。
それから、新進気鋭の若手研究者の高須賀君に、海洋環境とマイワシの変動に関する研究を新しいところまでフォローしてもらう。
そして、俺がマイワシの資源への漁獲の影響をまとめる。

第1部を読めば、マイワシの歴史と研究の現状が俯瞰できてしまう。
実に隙のない構成だ。

「第Ⅱ部.マイワシ漁業の展望」では、
今後のマイワシ漁業および資源管理はどうあるべきかを関係者に書いてもらった。
行政、研究者、漁業団体、加工業者など、幅広い人選を心がけた。
みんなが好き勝手なことを言っていて、全くまとまっていないのが良くわかる。
かみ合わない部分も含めて、意見の多様性を楽しんでください。

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今年は平和になりそうだ

管理課のTAC班の人事が大幅に変更されていた。
実に素早い対応である。
今回の担当者とはコミュニケーションがとれそうな感触を得た。
去年のブロック会議のような事はないだろうと、ほっと一安心です。

研究者と行政の関係もかなり改善されると思う。
行政は科学的なアセスメントを施策に反映するように努め、
我々は施策を科学的にサポートする。
そういう行政と研究者の本来あるべき関係に近づいて行けたら良いですね。

 

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今日は、内部検討会です

今日は、スケトウダラの内部検討会です。
内容は非公開なので詳しくは書けません。
今年のブロック会議は、もめないで済むと良いのですね。
去年同様、声の大きさで勝負するなら負ける気はしませんが・・・

そういえば、今のブログに移行したのが、
ちょうど去年の内部検討会の頃だったわけですが、
密度が濃い一年でした。
情報発信と社会貢献の方面でがんばった反面、
研究活動が少しおろそかになってしまったのが反省点。
そろそろ引き籠もって、論文を書こうと思ったら、マイワシの期中改訂だし。
参った。

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豊進丸拿捕 ロシアに乗組員解放命令

先月、ロシアに拿捕された日本漁業者の返還を求める裁判を日本政府が提起しました。
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/07/post_162.htmlのコメントを参照)
判決が出たみたいなので、経緯をまとめてみました。


6月3日
「漁業規則違反で拿捕」 ロシア・メディア報じる
http://202.239.162.254/national/update/0603/TKY200706030079.html
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20070604/5155.html

申告はシロザケとし、実際にはより高価なベニザケを船倉に隠していたことなどによる漁業規則違反が容疑。同当局によると、ロシアのEEZ内で同船を検査したところ、ベニザケの違法な漁獲量は約14トンに上った。これを含め、半加工品の形で船内に保管していた違法な漁獲量は全体で約20トンに上るという。

7月5日
国際裁判所に提訴へ 豊進丸拿捕で政府、乗組員の解放要求
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20070706/5792.html

国連海洋法条約は拿捕された船舶・乗組員は「保証金が支払われた場合、速やかに釈放される」と規定。しかし、ロシア側は具体的な保証金額も示さないまま、操業違反事件として取り調べる方針。外務省幹部は「国際法のルールを守らない対応だ。裁判に勝つ自信はある」と強調する。

http://www.jfa.maff.go.jp/release/19/070602.pdf
http://www.itlos.org/start2_en.html

8月6日
豊進丸拿捕 ロシアに乗組員解放命令
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2007080702039242.html

ロシア側の要求の四割減に当たる保証金一千万ルーブル(約四千八百万円)を船主が支払うことで日本側の求めに応じるようロシア側に命じる判決を下した。保証金の支払い後、乗組員らは解放される見通し。ロシア側が提示した保証金額の合理性が争われた裁判は、金額が大幅に圧縮されたことで実質的に日本の勝訴となった。

 同裁判に併せ、昨年十一月に拿捕された北海道の漁船「第53富丸」についても、日本は船体の返還を求めて提訴していたが、同裁判所は六日、すでにロシア側の没収手続きが完了しているとして訴えを退けた。

池田水産は、日本側の訴えが基本的に受け入れられたと評価。「ロシア側は手続きの引き延ばしをせず、速やかに解放してほしい」と話した。一方で、一千万ルーブルの保証金の支払い命令には「漁獲量の帳面を付け間違えただけで、密漁したわけではない」と反発。「密漁船でなくても、拿捕すれば保証金を取れる“お墨付き”をロシア側がもらったようなものだ」と憤った。


ある水産関係者さんの読み通り、「乗組員の早期釈放」は勝ち取りました。
保釈金は、池田水産が払うようです。
違法操業の保釈金が5千万というのは、日本側は想定の範囲だったのでしょうか?
第53富丸は船体が戻ってこないわけだし、「実質的に日本の勝訴」とは、ほど遠いように思うのですが。

しかし、池田水産のコメントはあんまりですね。
シロザケとベニザケは相場が全然違うんだから、間違えるはずがない。
そもそも北洋サケ・マス漁は、「違反しなければ採算に合わない漁業」らしいですが・・・
http://www.asahi-net.or.jp/~DU7K-MCZK/japan/200008.htm

「採算を合わせるためなら違法もやむなし」というのが、日本の一般的な漁業者の感覚だろう。
大中まきなんて、サバの漁獲量が6万トンもTACを超過しても、
水産庁からサバ類を目的とする操業の自主的な停止を求められるだけで、
実質的には、何のお咎めもなしでした。
これで、ルールを守れという方が無茶でしょう。
日本は、IUUに優しい国ですね (^o^

日本の海上保安庁が韓国漁船を拿捕した場合、保釈金はいくらになるんだろう?
相場を知っている人がいたら、教えてください。

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