水産学会奨励賞を受賞しました

水産学会の奨励賞という大変栄誉ある賞をいただきました。
やった! おめでとう、俺!

shoureishou.jpg

「水産資源の順応的管理に関する研究」というタイトルで、
受賞研究の発表をしてきた。
40分も時間をもらえるなんて、ありがたい話です。

今回の学会は会場係だから朝8時から夕方6時まで
スライド係をやったりタイムキーパーをやり、、
その間を縫って授賞式と受賞講演と言うことで、とにかく密度が高かった。
おじさんは、へろへろですよ。

会場係のおかげで、
普段は聴かないような発表をいろいろ聴けて、勉強になった。
沿岸環境について、いろいろと勉強できた。
ベントスは、全般的にやばいね。
移入種も、全然対策ができてないし。

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授業をすることになったよ

工学部の講義の中で1回だけ特別講義をすることになった。
二時間の講義が1回ぽっきりだけど、
栄えある授業デビュー。

IMPACTシンポジウムの俺の講演を聴いて、
是非、授業で話して欲しいとのこと。
頑張った分だけ、世界が広がるということを、
感じることが多い今日この頃です。

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水産学会春季大会の打ち合わせ

今日は、本郷で水産学会春季大会の打ち合わせ。
東大(本郷)が大会運営の分担なので、
海洋研も会場係などのお手伝いをすることになっている。
水産学会ぐらいの規模になると準備には、かなり手間暇がかかる。
今回は本郷が主催で、海洋研はお手伝いだからしゃれになるけど、
数年後には、海洋研に回ってくるんだよな。

今回の大会から、PCとプロジェクターを使うと言うことになり、
会場係もいろいろと心の準備が必要になる。
今時、パソコンとプロジェクターを使うのは当たり前で、
シンポジウムとかでは普通にやっていることなんだけど、
水産学会だからなぁ。
とんでもないトラブルが起きそうな気がして、ドキドキする。
水産学会のような大きくて歴史がある組織に、新しいやり方を導入するのはとても大変。
末端の会場係としても、大会の成功に尽力をしたい。

それはそうと、漁業補助金の原則禁止を米が正式提案だそうだ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007032200175
そろそろ秒読みかな。

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IMPACTシンポジウムで発表をしてきた

本郷の山上会館にて、発表完了。
シンポジウムの感じとしては、水産系と近いかも。背広率が高いところとか。
工学系の集まりで、フィードバック制御の話をするのは冷や汗ものだった。
無事に終わって良かった。

今回、話をしたIMPACTという組織のことは、まだ良くわかってないんだが、
どうやら工学系の海洋利用に関する集まりみたい。
世界の二酸化炭素の排出量の半分を深海に沈める話とかしている。
工学系はイケイケのノリノリですよ。
なんか、世界が違う。

水産とは無縁な世界で、漁業以外の海洋利用の計画が着々と進んでいる。
そもそも議論の場所に誰もいないのだから、水産系の意見が反映されようがない。
海洋基本法にも、水産庁はノータッチらしいし・・・
黙ってても海は漁業のものという時代ではないと思うが、大丈夫なのだろうか。

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今日もピンチです

明日の講演の準備がまだ終わらない。
通し練習が全然出来ていないとは、我ながらダメすぎ。
最近、発表準備に時間をとられすぎな感じがする。
かといって、発表の準備にかけた時間と質は比例するから、
手を抜くわけにもいかず・・・
いろいろと壁を感じる今日この頃だな。

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新水産基本計画原案がやっと出たようだ

ようやく、水産基本計画の訂正案が出てきたみたいです。http://www.jfa.maff.go.jp/release/19/022001-06.pdf

ある水産関係者さん、情報をありがとうございます。

いろいろと締め切りに追われているので、目を通すのは少し先になりそうです。
すでに、水産基本計画には全く期待していないのですが、
つっこみを入れるべきところには、
しっかりとつっこみを入れていきたいと思います。

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桂家

久々に「これは書かねば!」というラーメン屋に遭遇した。
どのくらい旨いかというと、
食べた翌日に再び食べに行ってしまうぐらい旨い。
ジャンルは家系。
海洋研近辺は、家系不毛地帯と呼ばれるぐらい、旨い家系が無かったのだ。
そこに、いきなりハイレベルな店が登場して、ビックリですよ。

家系と言えば、脂少なめ、麺堅めが俺的デフォルトなのだけど、
食券を出しても何も聞かれなかった。
これに関しては、食べて納得。
スープと麺のバランスが良いので、客が好みでいじる余地が無いからだ。
ま、それだけ店主も自分の味に自信があるということだろう。

ラーメン600円、1.5玉の中盛りが700円、2玉の大盛りが800円。
ラーメン(並)ノリ大盛りの700円コースを選んでみた。

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まず、スープが良い。
脂は、一般的な家系よりも少なめ。
豚骨の味はしっかりと出ているが、臭みがない。
ミルキーかつシルキーで、パワーがありつつも、雑味が無く上品な仕上がり。
しっかりとした味であるが、しつこさを感じさせないバランスの良さ。
このスープは、かなり丁寧に作られているに違いない。

そして、麺はちょっと堅めで、コシがある。
小麦粉の風味を感じる良質な麺だ。
何より、スープに合う。

チャーシューも旨い。
柔らかいロース肉に、ほのかに焦げの香り。

唯一残念なのは、ほうれん草。
それほど良いほうれん草ではないし、冷た過ぎる。
多少なりとも暖めておいてくれれば、最高の一杯だったのに、少し残念。

場所は、方南町から、環七を高円寺方面に少し進んだ左側にある。
営業時間は18:00-4:00です。
ぽっぽっ屋亡きあと、こってり系が手薄になっていたところに、
ぽっぽっ屋の穴を埋めてあまりあるラーメン屋の登場で、かなり嬉しい。

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コッドの崩壊も環境変動が原因?

北西大西洋のコッド(以下コッド)の崩壊を乱獲の事例としていろんな場所で紹介してきたので、
俺の話を聴いた人も多いだろう。
先日、水産系の新聞に「コッドの崩壊の原因は乱獲ではなく、海洋環境だ」という記事がでて、
「なんだ、勝川の言ってることと、全然違うじゃないか」と一部で話題になっていたらしい。
そういうことは、本人に直接言ってくれればいいのに・・・

この話はすっかり忘れていたんだが、先ほどそれらしきページを見つけてピンと来た。
http://blog.livedoor.jp/kamewa/archives/50768923.html
たぶん、この記事のことでしょう。

サイエンスの最近の号を探してみると、それっぽいものがありましたよ!
OCEANS: Climate Drives Sea Change
    Charles H. Greene and Andrew J. Pershing
    Science 23 February 2007: 1084-1085.

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/315/5815/1084

北極から低温・低塩分の水が流入して、
北西大西洋の生態系に影響を及ぼしたっていうそのものずばりの内容。
ほかに類似する論文は無いのでビンゴだと思う。

この論文を読んでびっくり。
コッドの崩壊が海洋環境のせいだなんて一言も書いていない。
北極水が最初にコッドの生息域に来たのが1991年。
その年に、わずかに残ったコッド資源を漁業で一掃してしまったわけで、
時系列的にもコッドの崩壊を北極水のせいにするのはどう考えても無理だ。

この論文の内容をフランクに要約するとこんな感じ。

北西大西洋の生態系はこんな感じに遷移した。コッドが減ったら、残りの奴らが皆増えたのだ。
生態系の図だよん
コッドが減ったのは乱獲でファイナルアンサーなんだけど、
10年以上禁漁をしても資源量が回復しないのは北極水の影響かもよ?(根拠は書いてない)
あと、Frankたちが、生態系の変化を全部コッドのせいにしているけど、そいつはどうかな。
直接捕食されるエビやカニが増えたのは、たぶんコッドの減少が原因だろうけど、
植物プランクトンや動物プランクトンの増加は北極水の影響が大きいかもよ?
つまり、コッドの乱獲でエビが増えて、北極水のおかげで植物プランクトンが増えたってわけ。
上からは乱獲、下からは北極水で、この生態系がこれからどうなるかは見物ですぜ、旦那。

2ページの短い論文だから、サイエンスにアクセスできる人は読んでほしい。
わかりやすいので、あっという間に読めるはずだ。

これをどう読めば「地球温暖化が”犯人”~大西洋のマダラ枯渇」という記事になるのか全くわからない。
別の論文かもしれないと思って、目次をみたけど他にそれらしい論文はないし。
納得がいかないので、水産経済新聞に、「サイエンス」の論文の正体を問い合わせ中です。
(問い合わせたところビンゴでした。4/25 追記

おまけ 最後のカラムの全訳
 商業漁獲の対象となる魚類・甲殻類の個体群は、1990年以降大きな変化を示した。特に重要な変化は90年代最初のコッドの崩壊である。この資源崩壊の主要因は乱獲だと考えられているが、カナダのMaritime州(Newfoundland and Labrador)で10年も漁業を停止しても資源が回復しないのは、北極由来の冷たい水が資源の回復を邪魔しているのかもしれない。90年以降、コッド以外の魚類・甲殻類の資源量は増加している。ズワイガニやエビが増加したのは、コッドによる捕食圧の減少によるものだいう説明はとても妥当に見える。生態系のレジームシフトの論文の中で、Frankらは底魚、底生甲殻類、動物プランクトン、植物プランクトンの変動について報告している。彼らはそれらの変動をコッドの乱獲に起因する食物連鎖で説明しようとした。餌生物のいくつかは、コッドの捕食圧が弱まったために増加したのだろう。しかし、特に食物連鎖の下位に位置する植物プランクトンや動物プランクトンの増加をどの程度までコッドの捕食圧の減少で説明できるかは明らかではない。コッドが崩壊していなくても、1990年代の北西大西洋に物理環境の変動に起因するボトムアップのレジームシフトが起こったと我々は考えている。北西大西洋の大陸棚生態系は、物理環境によるボトムアップの外圧と、捕食者の乱獲によるトップダウンの外圧に晒されている。これらの生態系の命運を予測することが、21世紀の海洋学の重要な使命である。 

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3/8 ミニシンポ雑感

今回はごったにのような内容で、
ふたを開けてみるまで、どんな人がどのくらい来るのかわからなかった。
こういう会は企画をする側はいろいろと大変なんだよね。お疲れ様です。

俺のお題は、「水研センターをしかってほしい」というものだったが、
大学もかなりピンチなので、自分のことを棚に上げて水研をしかれるような立場にはない。
ということで、水産資源学全般の現状の問題点や将来の見通しなどを、
厳しい視点で分析し、これから進むべき道を示すことにした。
なかなか言えないことを言うには勇気がいるもの。
でも、誰かが話をしないといけない。

重たい内容を堅苦しいフォーマットで話すと、息苦しくなるので、
表現を軽めにすることでバランスをとろうとおもったのだが、それが裏目。
しゃれがわかる身内を前提に、軽いフォーマットで準備していったら、
学会発表みたいな場所だったんだな。
参加者10人程度で、知っている人ばかりという話だったのに・・・
知らない人も多いし、なんか年齢層も高いし。
準備してしたスライドでは、不埒な上に不真面目のレッテルまで貼られそうなので、
会場であわててパワーポイントファイルと修正することになった。
話す順番が最後だったから、修正が間に合って良かった。
まあ、ぎりぎりなのはいつものことなんだけどね。
(学生には準備を早めにするように常に言っているのは、君と僕の秘密だ!)

内輪話やダイレクトすぎる部分をカットしたんだけど、
正直、話しづらかったね。ネタがことごとく滑ったし。
   ,.-─-、
   / /_wゝ-∠l
   ヾ___ノ,. - >
   /|/(ヽY__ノミ
  .{   rイ  ノ
パトラッシュ、寒かったろう? 僕もとっても寒いんだ・・・

話しづらいからといって、腰砕けにならずに、
言いたいことは全部言ってきた。
内容についてはこのブログでもふれたいんだけど、
パワーポイントファイルをそのままアップするのは諸般の事情で無理ですね。
どういう形式にするかはちょっと考え中。

今回の会をきっかけに、資源系の研究者で集まる会を立ち上げることになった。
岡村さんの案だと、岡村さん、北門さん、俺あたりが世話人になって、
会場をローテーションで回していくらしい。
俺としては、気楽に、誰もが思いつきを口にできるような会がいいと思う。
水産系のあつまりって、どこも雰囲気が堅くて、肩がこるんだよね。
どんな素人質問でもできるような場所があってもいいかなと。
そうすると、顔が見える範囲の規模というのが条件になる。
このシンポジウムは50人ぐらい来ていて、
参加者が自由に議論をするには規模が大きすぎるだろう。
あの雰囲気だと、言いたいことが言える人は限られてしまうからね。

懇親会で話を詰めようということだったんだけど、
俺は飲んでばかりで結局どうなったのか理解していなかったりする。
とりあえず、第一回は6月ぐらいに開催される予定みたいです。
細かい内容が決まったら、ここでも告知します。

非常に有意義な会だったと思います。
参加者の皆様、お疲れ様でした。

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資源評価票の詳細版がアップされました

ついに資源評価票の詳細版がアップされました!
12月には完成していたものが、なぜかアップされず、
いろいろと妄想をたくましくしていたのですが、
ただ単に印刷所の作業の都合で、ウェブ版のアップも遅れていたらしいです。

まあ、何はともあれ、公開されて良かったです。
丹念に読み込んで、おもしろいネタがあったら取り上げますね。

ダウンロードはこちらより
http://abchan.job.affrc.go.jp/digests18/index.html

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