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日本の魚を【比較的】安全に食べるための私案

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注意: 水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきことの補足ですので、必ず元記事を読んでください

ツイッター等の反応を見ていると、元記事を読んで、日本の水産物は食べられないと結論づける人が多かったようですが、「ゼロリスクではないから、水産物は一切食べない」というのは、もったいない話です。日本はすでに放射性物質の汚染が起こってしまった以上、絶対の安全・安心はありません。情報を集めて、危険な部分を上手に避けて、リスクコントロールをする必要があります。最終的に、どうするかは各自が考えて決めることです。専門家はそのための材料は提供できますが、結論を出すことはできません。こちらの記事では、あえて結論は書きませんでした。ただ、必要以上に怖がっている人が多そうなので、参考までに自分がどうする予定かを書きます。もちろん、参考にするかどうかの判断は、くれぐれも自己責任でお願いします。真似をしたからといって、責任は持てませんよ。

潜在的なリスクは、海域によって三段階に区分できる

まず、理解しておいてほしいことは、海域によってリスクが全然違うということです。日本の水産物すべてを一緒くたにして、安全か危険かを判断するのはナンセンス。私的は、こんな感じで捉えています(理由はここ)。

危険度A: 福島原発周辺:底土汚染の可能性 → 汚染が長期化が懸念される(数年~数十年)
危険度B: 福島周辺の県:汚染水通り道 → 汚染水通過後、安全確認 → 海は広いので、数ヶ月~1年でたぶん収束と思う
危険度C: 八戸以北、千葉以南:現状では問題なさそう。魚の移動が有ったとしても、生態系全体が汚染されるようなことはないと思う。

許容するリスク水準の設定

つぎに許容できるリスクの水準を決めます。自分の場合は、子作りをする予定もないし、長生きをしたいとも思わないので、多少の被弾は覚悟で、うまい魚を食いまくります。一方、子供の被曝は取り返しがつかないので、できるだけ予防的に処置したいと思います。

自分が食べる場合

中年&子作り予定無しなので、危険度Cの魚は気にせず食べます。といっても、現状では、危険度A, Bの魚はほとんど流通していないので、普通に買い物してもそれほど目にする機会は無いです。

汚染水の通過経路を外れた魚は、現状では汚染の確率は低いです。移動があるから、確率はゼロではないけど、交通事故みたいなもの。また、汚染されているとしても、数百ベクレル程度だろうから、少しぐらい食べても、大人なら発がんリスクがほんの少し上がるだけ(この根拠は時間があれば、後日書きます)。特に長生きしたいとも思わないので、気にしない。むしろ、神経質になったり、魚を食べずにバランスの偏った食生活を送る方が、健康に悪いと思います。

子供に食べさせる場合

子供の健康リスクはわからない部分も多いし、短期的にはヨウ素、長期的にはストロンチウムが心配なので、予防的に避けます。

1.茨城・福島・宮城→放射能流出終了後、安全が確認されるまで徹底して避けます
2.6月ぐらいまでは、大気経由のヨウ素が心配なので、念のため関東の浮魚は避けます
3.生態系全体の汚染状況が把握できるまでは、日本海の魚、神奈川以西の定住魚(プランクトン食ならなお安心)、輸入魚、イカを中心のシフト。

「水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと 」を更新しました

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生態系での放射性物質の循環について加筆しました。

http://katukawa.com/?page_id=4304

特集:水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと

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特集として、水産物の放射能汚染に関連する情報をまとめることにしました。随時更新予定です。

http://katukawa.com/?page_id=4304

JAMSTEC福島沖海洋シミュレーションの結果

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お待ちかねのJAMSTECのシミュレーション結果が出ました。詳しくは文科省のサイトをご覧下さい。

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304938.htm

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/12/1304939_0412.pdf

大まかな動きは、以前に福島の汚染された海水はどこに行く?で考察した通りだとおもいますが、実際に計算をして、図が出てくるとイメージがつかみやすいですね。

シミュレーションの仮定

排出される水の放射能濃度に関する仮定はこんな感じ。東電とJAMSTECの海水サンプリングの値を使っています。4月12日以降は、排出が停止したと仮定しています。指数は、排水基準値の何倍の濃度かということ。

結果

4/8の時点で、こんな感じで広がっている。北東に流れた後、徐々に南下する。


4/15の予想図はこんな感じ。放射性物質は茨城沖を南下し、黒潮にぶつかると一気に東に移動する。東に移動した後は希釈で濃度が急激に薄まるので、すぐに検出出来なくなる。


一ヶ月後はこんな感じ。ヨウ素は半減期4回分なので、総量が1/16に減少するので、福島沖以外は、みえなくなる。一方、半減期が長いセシウムは、しばらく検出出来る。生物の体内に取り込まれたヨウ素も、総量が減るので、少なくなるだろう。一方、セシウムは、長期的な影響が残る可能性がある。

結論

1)千葉以南はリスクが小さい。茨城以北はしばらく注意。
現在は黒潮が房総半島に接岸しているので、汚染水は犬吠崎から南下できない
千葉以南の魚は安全と考えた銚子市場の判断は海洋学的に見ても妥当

2)汚染水の流出が止まれば、ヨウ素の影響は1ヶ月後には激減する
ヨウ素は子供への影響が大きいので、子供がいる家庭は、汚染水の流出が終わってしばらくは様子を見ると安心

海に放出された放射性物質の行方を考える

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海に廃棄された放射性物質には、大きく2つの経路が考えられます。

1)外向きの海流に取り込まれて、遠ざかっていく
2)沿岸流に取り込まれ、沿岸沿いをじわじわ広がる

1)外向きの海流

放射性物質を含む海水が、外向きの海流に取り込まれると、太平洋の真ん中へと流されていきます。その過程で周りの海水と混ざって、どんどん薄まっていきます。この外側の流れに相当する部分を、JAMSTECが、30Km沖合で計測しています。30km離れた時点で、すでに排水の基準値を下回っているので、このまま移流・拡散していくと、いずれは生物に影響がない(軽微な)濃度まで薄まるでしょう。それに希釈に要する時間は、拡散係数と初期濃度によって決まります。

2)沿岸流

放射性物質を含む海水が、外側の流れに乗らずに、沿岸を滞留する場合、沿岸をゆっくりと移動します。排水が続けば、放射性物質は、じわじわと周りにしみ出していきます。この場合、沈降した放射性物質が底質にトラップされたり、海草類に取り込まれたりして、汚染が長期化する可能性があります。また、周りの海水と温度が違う水塊を形成した場合には、長期間濃度を維持したまま、移動する可能性もあります。

まとめ

現状では、海の生態系にどの程度の影響があるかは不明です。ます、廃棄された放射性物質の総量がわかりません。また、廃棄された放射性物質のうち、どの程度が沿岸に留まり、どの程度が沖合に流出したかもわかっていません。

まずは、流出を止めることです。流出さえ止まれば、外洋の放射性物質が薄まって、検出できなくなるのは時間の問題でしょう。一方、沿岸域は、汚染が長期化する可能性があります。どの程度の範囲が汚染されたかは現状ではわかりません。

イギリスのセラフィールドの核兵器再生工場から、大量の放射性物質が海に廃棄されました。これらの放射性物質は今も土壌からも、魚や貝からも検出されています。こう言ったことが、福島沿岸でも起こっているかどうかを調べるために、流出が止まった後に、大規模な沿岸生態系の調査が必要です。

放射性セシウムの海洋汚染が人体に及ぼす影響を数理モデルで試算してみた

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福島原発から、放射性のセシウムが海水に漏れ出しています。その濃度は、基準値の350倍にも達しているようです。このまま放射性物質の漏洩が続くと、魚が汚染されて、それを食べた人間が被曝する危険性があります。汚染された魚を食べ続けると、どの程度の被曝を受けるのかを、単純なモデルで、乱暴に計算してみました。

データ・モデル

パラメータの値や、計算内容は、このワークシートを参照して下さい。

魚のセシウム137の生物学的半減期 50[日](ソース
1日経過後のセシウムの残留率:0.5^(1/50)=0.986
毎日、1.4%ぐらいのセシウムが、体の外に出て行く。

生物濃縮係数  50(環境の50倍まで濃縮される)(ソース
体に取り込む量は、海水のセシウム濃度X  [Bq/L]に比例すると仮定し、その係数をdとする。魚の体内のセシウムの濃度が、環境濃度Xの50倍になったときに、摂取量と排出量が釣り合うことになる。よって、次式から、dを求めることができる。

体内に取り込む量=排出する量
d*X=(1-0.986)*50*X
d=(1-0.986)*50=0.688

n日目の魚の汚染F(n) [Bq/L]は、次の式で表現できる。

F(n+1)=F(n)*0.986+d*X(n)
F(0)=0

日本人は、平均すると1日にちに82.3gの水産物を食べる(ソース)ので、魚を食べることによる人間の被曝量 H(n) [Bq]は次式になる。

H(n)=0.0823*F(n)

Cs137の内部被曝[Bq]をすっかりおなじみのシーベルトに換算することができるようだ。Bq/SVの変換係数は1.3*10^-8(ソース)なので、1日の被曝量をSVに換算すると次のようになる。(注意:内部被曝と外部被曝は、単純に変換できないという意見もあるようです)

dSV(n)=1.3*10^-8*H(n)

シミュレーション

汚染シナリオ:最初の1年は1000Bq/Lの環境。1年過ぎたら、水が綺麗になる。

魚の汚染

魚の汚染は最初は早いが、汚染が進むにつれて、増加が鈍り、環境の50倍程度の濃度に収束する。汚染が収まった後は、50日に半分の割合で減少していく。

人間の被曝量

5万Bq/kgの魚が、市場にでる可能性はまず無いと思うけれど、汚染された海域の魚を何も考えずに食べ続けるた場合の被曝量を試算してみた。一年半後にはほぼ頭打ちになり、だいたい20mSV程度の被曝になる。もちろん、汚染の濃度や期間が変われば、この数値は大きく変わってくるので、あくまで参考ですよ。「このパラメータやシナリオでは甘い」という人は、エクセル形式でダウンロードして、いろいろいじってみて下さい。

ちなみに、国の基準値の500Bq/kgの魚を、平均的な日本人の摂取量だけ食べつづけると、0.2mSV/yearの被曝になります。

被曝量の安全性は、こういった情報を参考にして、判断してください。
http://www.bbc.co.uk/news/health-12722435

パラメータやモデルに間違いがありましたら、コメント等で指摘していただけると助かります。

4/3追記

誤解無きように書いておきますと、このモデルは、将来の影響を予言するのが目的ではありません。今後の海の汚染がどの程度まで進むかは、現状では全くわかりません。

計算の結果としてでてくる値よりも、むしろ、定性的な挙動に着目してください。海水の汚染が終わってから、何年も魚の汚染が高止まりすることはありません。一度汚染された海域の魚は、半永久的に食べられないという訳ではないのです。一方で、「セシウムは魚に蓄積されないので、汚染にさらされても問題が無い」というのも誤りであることがわかります。ひとたびレベルが上がれば、数ヶ月は影響が残ります。汚染が収まって半年経ってから、魚を食べ始めれば、水産物経由の被曝はかなりの部分防げます。そういうことを感覚的にイメージする道具として、使ってもらえると、ありがたいです。

2号機タービン建屋地下階溜まり水

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2号機の汚水のCs137の濃度:3.0*10^6 Bq/cm3 = 3.0*10^9Bq/L = 3.0*10^12Bq/ton
汚水の量
:6000 ton
Cs137の総量:18000TBq = 1.8*10^16Bq

IAEAのレポートによると、チェルノブイリ事故で放出された137Csの総量は、0.085EBq。これは85000TBqに相当する。単純に計算すると、2号機の汚染水には、チェルノブイリの21%の137Csが存在することになる。にわかには信じられないような量の放射性物質が、冷却容器から漏れ出していることになる。

http://www.iaea.org/Publications/Booklets/Chernobyl/chernobyl.pdf
The total release of radioactive substances was about 14 EBq(EBq=10^18Bq), including 1.8 EBq of iodine-131, 0.085 EBq of 137Cs, 0.01 EBq of 90 Sr and 0.003 EBq of plutonium radioisotopes. The noble gases contributed about 50% of the total release.

このブログで紹介した、ドイツの研究機関の楽観的な見通しは、日本政府が初期に発表した「軽微な漏洩」を前提にしているので、高濃度の汚染水が大量に出ることは想定外だろう。この濃度になると、希釈で薄まるにも時間がかかる。渦に取り込まれた場合、数ヶ月と言ったスケールで濃度 が維持される可能性もある。この汚染水が大量に流出した場合の影響は計り知れない。なんとしても、環境への流出を食い止めて欲しい。

水産物に関連する放射能測定データの所在

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JAMSTEC白鳳丸の沖合30kmの計測データ(文科省)

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304148.htm

東京電力の沿岸海水データ

福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第七報)

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032704-j.html

福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第6報)

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032602-j.html

水産物の調査(水産庁)

福島県内での原発事故にかかる我が国水産物の検査(輸出業者の方へ)

水産物(マサバ等)の放射能検査結果について

水産物(キンメダイ)の放射能検査結果について

農林水産庁のポータルサイト

福島第1原子力発電所事故による農畜水産物等への影響

文科省の福島沖(30km)の海洋調査の結果がでました

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文科省の福島沖の海水の調査結果が出ました。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/24/1304149_0324.pdf

調査は、沖合30kmの8定点で行われ、それぞれ次のような値が出ています。

ヨウ素-131

今回計測された放射性ヨウ素-131は、24.9-76.8Bq/Lでした。国の排水の安全基準値40Bq/Lより高い値が3点で観測されました。東京の金町浄水場のヨウ素が210Bq/kgですから、半分以下の水準です。東電が計測した排水口付近の値は、5066Bq/Lですから、二桁ほど薄まっています。また、ヨウ素-131は半減期が8日と短いので、この程度の濃度で推移するならば、大規模、長期的な汚染の心配はなさそうです。

セシウム-137

福島沖30kmの8定点のセシウムは11.2-24.1Bq/Lでした。国の安全基準(90Bq/L)を大きく下回っています。こちらも東電が計測した排水口付近の値(1484Bq/L)よりも二桁ほど値が小さくなっています。半減期が30年と長いセシウム137の値が基準値以下に希釈されていることは、朗報と言えるでしょう。

今回の調査結果は、ドイツのチューネン研究所の「福島から、海洋に入った放射性物質は、短い期間で検出できないレベルに希釈される」という予想に合致します。沖合に流出する放射性物質の濃度が、現在の水準にとどまれば、外洋に長期的な汚染をもたらすことはなさそうです。1回の調査で、判断を下すのは早計ですから、今後の経過を注意深く見守りたいとおもいます。

英国のセラフィールド再生工場周辺の生物の放射能汚染

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http://www.sellafieldsites.com/UserFiles/File/Monitoring%20Our%20Environment%202008.pdf

セラフィールド再生工場が、放射性物質を海洋に流した後の周辺の生物の放射性物質の値が時系列で示されている。1974年にCs137を4000TBq放出したら、1975年に15km内のタラから、600Bq/KのCs137が検出された。

Cs137の放出量と、魚のCs137の含有量は1年遅れで、良く対応している。再生工場から海への放出量を増やせばすぐに増えるし、放出量を減らせばすぐに減る。1980年代に入ると工場の放出量が減少し、1986年以降は非常に低い水準になった。生物の放射性物質含有量も速やかに減少し、1986年以降は、日本の基準値500Bq/kgを上回る値は出ていない。

放出が多かった1970年代中頃は、種によって、蓄積量に大きな違いがある。タマキビガイは、タラの1/3ぐらい。甲殻類はタラの1/20ぐらいの水準であるのに対し、アマノリはRu106を12000Bq/K(湿重量)に達している。

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from 18 Mar. 2009

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