勝川俊雄公式サイト
引っ越し難航中
- 2008-06-27 (金)
- 日記
月曜の朝いちばんに荷物の積み込みなのに、
全然、片付かないであります。
あらかた詰め終わったんだけど、細々したモノが残りまくりで、嫌になる。
サーバの引っ越し作業どころじゃないです。
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資源変動と流通加工の変化に対応した多獲性魚類の漁業生産のこれから
- 2008-06-24 (火)
- 研究
水産海洋の和文誌におもしろいシンポジウム記録があった。
東北ブロック水産海洋地域研究集会
資源変動と流通加工の変化に対応した多獲性魚類の漁業生産のこれから
水産海洋 72(2) 113-143, 2008
示唆に富む内容で、「聴きに行かなくて、残念だったな」と思った。
漁業をなんとかしたいという意志を持った人たちばかり、よく集めたと思う。
これ以上の人材は、国内にはあまりいないだろう。
逆にいうと、日本の漁業界の発想の限界が示されたということだ。
漁業が衰退していく中で、どう立ち回るかばかり議論していて、
漁業という産業の構造的な問題に誰も切り込まない。
なんの政策もなく、政局ばかり見ている政治家と同じ構図だ。
獲るところで終わりにせずに、加工・流通までつなげようという意図はすばらしい。
ただ、流通・加工に関しても、獲る側からの視点が強く、
最終的な消費者が頭に無いのは残念だ。
産業を考える起点は、魚を捕りたい漁業者ではなく、消費者であるべきだ。
日本の漁業を、消費者が求める魚を獲るための産業にしないといけない。
物事を考える方向が逆だと思う。
また、「経費削減で採算割れを防ごう」というのが主な関心のようだが、
この考えをいくら進めても、漁業の衰退を止めることはできないだろう。
日本近海の魚は、急激に減り続けている。
資源管理をしないで、今まで通り魚をとり続けようというのは非現実的だ。
補助金で省エネ漁船を新造し、瞬間的に採算を合わせたところで、
赤字に転落するのは時間の問題だろう。漁船を新造する費用が稼げるとは思えない。
今後も、今と同じだけ魚が捕れるように資源管理をしないと駄目だろう。
1)資源管理をしかりやる
2)マーケティングを徹底し、消費者が求める魚を持続的に安定供給する
この2つの視点から、利益が出るような漁業のあり方を考えないといけない。
漁業者が獲れるものを獲れるだけ獲ってくる現状を変えないといけない。
消費者無視の漁業の現状に手を入れず、漁船の構造を多少効率化したぐらいで、
漁業の方向は変わるはずがない。
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授業でした
- 2008-06-23 (月)
- 日記
今日は工学部で環境調和論の授業でした。
その後は、RIETIで丹羽さんの話を聞いています。
いろいろと勉強になります。
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異動のお知らせ
- 2008-06-20 (金)
- お知らせ
来月から、国立大学法人 三重大学 大学院生物資源学研究科の准教授になります。
というわけで、近いうちにこのサイトも引っ越します。
三重大学にサーバをおくか、それとも外部のサービスを使うか検討中です。
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日本の流通システム その6 地方で獲れた魚の行方
- 2008-06-19 (木)
- 流通・消費
地方でとれた魚は、こんな感じで流れていく。
地産地消
産地市場の魚は大部分は地元で消費される。
仲卸→地元の小売り(魚屋・料理屋)のつながりは、地方の方が都心部よりも太い。
しかし、地方経済の衰退、過疎化などで、今後細っていく可能性が高い
地産他消
産地市場から外に出て行く経路を地産他消と呼ぶことにしよう。
地産他消は、高級魚と低級魚に二分化される。
高級魚は、地方よりも都市部の方が高い値段がつきやすいので、
築地などの大都市の消費者市場に送られる。
一方、地元でも買い手がつかないようなローソクサバなどは、
養殖の餌になったり、中国やアフリカに輸出される。
他産地消
一方で、地方の小売り店には、よそから入ってくる魚もある。
地方のスーパーマーケットにも世界中の魚が並んでいる。
石垣島のように、漁業が盛んで、輸送料が高い場所でも、
様々な魚が外部から入ってきている。
地域市場では、頭とシッポが輸出され、胴体の部分が地元で消費される。
地元で獲れない魚や、地元の生産が減少した魚は、外から入ってくる。
現在、増えているのが、低級魚の外国向け輸出と、外から入ってくる魚。
減っているのが、高級魚の地産他消と地産地消だろう。
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日本の流通システム その5 産地市場と消費地市場
- 2008-06-13 (金)
- その他
勝川さんが説明された「卸売市場」に関し、是非、「産地市場」と「消費地市場」に分けて整理されることをお勧めします。
このエントリーで言及された「卸売市場」とは、恐らく「消費地市場」についてであって、「市場外流通」の話も漁船が直に水揚げしている産地市場の現状とは別次元と思います。
産地市場で取引された水産物(主に鮮魚)は、そのまま小売店経由で消費者に流れるもの、消費地市場を通ってから小売店・消費者へと流れるもの、消費地市場から更に消費地市場に流れて同消費者へ流れるものなど、流通経路は想像以上に複雑です。また、養殖魚の流通は、一般の鮮魚とも経路が少し異なります
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2008/06/post_359.html#comments
ある水産関係者さんから、アドバイスをいただいたので、少し整理してみた。
地方卸売市場(産地市場)というのは、水揚げする場所に市場があるような感じ。
産地市場では、セリが今でも主役である。
産地の小売りに卸すよりも、中央卸売市場(消費地市場)の方が値がつくものは、そちらに送られる。
地方卸売市場には、地域の台所としての役割と、他の地域へ送る魚を選別する機能がある。
中央卸売市場(消費地市場)は、大都市に設置されている。
日本各地から集めてきた魚を、その都市の消費者に流すのが目的だ。
日本を代表する消費地市場の築地には、日本中、世界中から、魚が集まってくる。
前述のように、中央卸売市場では、セリ以外の取引が主流になっている。
昨日、築地で飲んできたのだが、9時半頃には市場は動き出していた。
そのときに聞いた話では、築地では商品は毎日2回転するらしい。
1回転目はスーパー用の商材で、市場としても利益はでない。
スーパーの鮮魚コーナーの8割は赤字だから、利益が出るはずがない。
2回転目は、おそらく仲卸の相対が主体なのだろう。
そして、2回転目の終わりにセリがある。
セリは築地の中心行事ではなく、1日の終わりの合図なのである。
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日本の流通システム その4 スーパーマーケット時代の漁業のあるべき姿
- 2008-06-12 (木)
- 流通・消費
スーパーマーケットの台頭は、日本の水産の構造を根本的に変えてしまった。
流通の主導権が漁業者から、小売りへと移行したのである。
魚屋時代
スーパーマーケットが台頭する前を魚屋時代と呼ぶことにしよう。 漁業者は、値段がつきそうなものは獲れるだけ獲って、市場に流す。
市場で魚の流れを決定する要は仲卸である。仲卸は、魚の目利きと小売店との密な関係によって、 小売店の需要にも多様性があり、四季折々の多様な魚を柔軟に吸収できた。 流通の末端には、様々な魚を柔軟に料理できる消費者がいた。 魚屋時代には、水産物の流通を規定していたのは漁業者であった。水産物の水揚げは、日々、ドラスティックに変動することを前提として、その変動に対応できるような柔軟な流通システムが構築されていた。多様な魚を多様なスタイルで消費する魚食文化が背景にはある。 |
スーパーマーケット時代
スーパーマーケット時代になると、流通の主導権はスーパーへと移る。まず、スーパーが魚売り場の陳列棚のデザインを決定する。 「どういう魚を、いくらで、どれぐらい売るか」を予め決めてしまうのだ。 スーパーマーケットの魚売り場には季節感が希薄である。その代わり、いつでも定番商品は並べられている。
店頭価格からさかのぼった原価で、必要な魚を手に入れるために、仕入れ担当者が奔走する。 仕入れ先は、多岐にわたる。スーパーは、安定供給を何よりも重視する。当然あるはずの魚がないと、買い物客から苦情が来るし、欠品が続けば、客足にも響くからだ。魚価安により、ほとんどのスーパーは、魚売り場では利益を出していない。にもかかわらず、鮮魚コーナーが全てのスーパーにあるのは、客寄せである。 |
俺自身は、魚屋を好む人間である。
去年までは、保育園のお迎えの前に魚屋に寄るのが日課だった。
魚屋の品揃えは日々変動するので、「今日は何があるかな?」という楽しみがある。
また、品物を吟味して買うのも楽しいし、夕食後にはその日の自分の判断の結果が出る。
日々の楽しみを提供してくれた魚屋は、今年に入って廃業をしてしまった。
老夫婦でやっていた魚屋で、女将さんの具合が悪そうだったから、仕方がない。
その後は、スーパーで魚を買っているが、魚を選ぶ楽しみが減ってしまって残念だ。
ほかの魚屋もあるにはあるが、鮮魚が強いスーパーに品揃えでも品質でも負けている。
ちょっと、あれでは買う気がしない。
個人的には魚屋の衰退は残念だと思うが、
時代の流れがスーパーに傾いているのは明らかである。
漁業者もスーパーマーケット時代に適応した魚のとり方をすべきである。
スーパーマーケット時代の漁業のあり方
スーパーマーケットにとっては、欠品が一番痛いので、
コストも重要だが、それ以上に安定供給を重視する。
一定以上の品質の魚を安定供給できれば、高く売れるだろう。
逆に水揚げされるかわからない、水揚げされても数がそろわない。
従来の「獲れるものを手当たり次第に」という水揚げスタイルでは、
どこまでも、安く買いたたかれてしまうだろう。
下のグラフは毎度おなじみ、日本と欧州のサバの水揚げ年齢の違いである。
日本の漁業者はサバが沸くたびに0歳、1歳という未成魚を乱獲し、資源を低迷させてきた。
こういうとりかたでは、品質は悪いし、量も安定しないので、日本の市場からは相手にされない。
そこで、日本のサバは、中国・アフリカにたたき売りだ。
一方、欧州は大型個体を安定的に水揚げしている。
こういうとりかたをすれば、魚価は確実に上がるのだ。
日本の漁業者は、魚が捕れるようになると、皆で競って水揚げをして、相場を壊す。
サバに限らず多くの漁業で、このような愚かな行為が繰り返されている。
魚の量も質も安定しないので、魚価が上がらないのは全くの自業自得といえるだろう。
計画的・安定的な魚の供給には、ABCを遵守した個別漁獲枠制度がよい。
個別に漁獲枠を配分することで、早獲り競争を緩和することができる。
自然の生産力の範囲に漁獲を抑えることで、資源状態を良好に保つことができる。
この2つの条件が満たされて、初めて、漁業者は計画的・安定的に魚を捕ることができるのだ。
ノルウェーの漁業者が海に魚を取りに行くのは、倉庫に在庫を取りに行くのと近い感覚だ。
まじめに資源管理をしているから、魚は当然そこに存在する。
また、個別枠なので、自分の都合がよい時期に取りに行けばよい。
ノルウェーのサバは日本人には脂肪が強すぎる。
成熟が進んで脂肪分が卵巣・精巣に吸収されると、徐々に日本人好みの味になる。
成熟と体脂肪率をにらんで、日本市場でもっとも高く売れるタイミングで漁を行うのだ。
ノルウェー的な操業形態に切り替えて、スーパーの需要に応えることができれば、
日本の漁業にも新しいビジネスチャンスが生まれるはずだ。
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日本の流通システム その3 多様化する水産物流通
- 2008-06-11 (水)
- 流通・消費
セリを経由する日本の伝統的な流通システムは制度疲労をしている。
セリを通らずに流通する新しい経路が急速に広がり、現在は主流になっている。
流通システムが多様化する様子を見てみよう。
増加する市場外流通
市場を通る魚の割合が急速に減少している。
市場外流通と言われる新しい取引形態が急増しているのだ。
市場外流通が広まる背景としては、末端の消費者の鮮魚購入先が、
魚屋からスーパーマーケットへと変化したことが大きい。
スーパーマーケットは独自の情報網と大口の消費者ならではの購買力で、
生産者と直接取引をすることができる。
結果として、市場を通らない取引が伸びているのだ。
多様化する市場内流通
市場を経由する割合が減少するのと並行して、
市場の中でもセリを通る従来のルートが衰退している。
下の図は中央卸売市場におけるセリ・入札取引の割合(金額ベース)である。
すでに8割近い魚がセリや入札を経ないで取引されているのだ。
特筆すべきは鮮魚のセリ・入札取引の割合の減少だろう。
15年の間に60%から、38%へと低下している。
もっともセリが効果的と思われる鮮魚で、セリ・入札離れが起きているのだ。
塩干加工、冷凍などは日持ちするため、もともとセリの割合が低いのだが、こちらも減少傾向だ。
伝統的なセリに代わって、市場内流通の主流となっているのが、
荷受と直接交渉をして、売買契約をする「相対」と呼ばれる取引方法だ。
相対で荷受と取引できるのは、仲卸と買参人である。
買参人は、荷受と直接取引に参加できる資格である。
買参人は、仲卸のように場内に店舗を持たずに、
スーパーなどの量販店や水産専門商社向けに大口の買い付けを行う。
仲卸のめがねにかなわなかった魚を、買参人が大量にやすく買いたたき、
スーパーで薄利多売をするという構図だ。
魚の質にこだわるなら魚屋で、
そこそこの質の魚を安く買いたいならスーパーということになる。
まとめ
日本の水産物の流通をまとめると次のようになる。
水産物の流通システムは、緩やかに一定方向に変化を続けている。
このような変化を引き起こしたのは、消費者の行動の変化である。
http://www.maff.go.jp/hakusyo/sui/h16/html/fb.1.2.5.htm
消費者は、魚屋ではなく、スーパーマーケットで魚を買うようになった。
購買スタイルの変化と並行して、魚の流通も大きく変化してきた。
おそらく、今後も現在のトレンドは続いていくだろう。
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日本の流通システム その2
- 2008-06-10 (火)
- 流通・消費
荷主(漁業者)と荷受(せり人)の間は比較的自由度がある。
荷受けは千客万来。売れたら手数料が自動的に入るので、流通量が多い方がよい。
荷主は魚を高く売ってくれそうな荷受けを選ぶ。
ひとたび荷受けに入ると後の流れでは、自由度はない。
セリ場は、排他的な閉鎖空間である。
せり人、仲卸は、ほぼ毎日同じ作業を繰り返す顔見知りである。
仲卸はセリのライバルであると同時に、仲間でもある。
お得意の小売りが必要としている商材が不足してしまった場合など、
他の仲卸から融通をしてもらうような相互扶助の関係がある。
仲卸はせり人の特徴を把握している。
どういう順序で魚を出すか。サンプルとして良い魚を選ぶか、無作為で出すかなど。
せり人の特徴も考慮に入れた上で、値段をつけるのである。
閉鎖社会の繰り返しゲームの結果、セリ場の相場観は共有されていく。
その結果、セリ場では買い手がつかなくて買いたたかれることはあっても、
魚が法外な値段で高く売れることはまず無いだろう。
仲卸と小売りの関係も閉鎖的である。
仲卸は、取引先(飲食店や小売店)の需要をきめ細かく把握した上で、
専門知識を活かして、適切な魚を適切な値段で供給する。
これにより、取引先のカラーに合った、きめ細かなサービスができるという利点がある。
逆に、価格においても、内容においても、売買の硬直性を招く怖れがある。
水揚げは、天候や市況や人為的な不確定要因で日々変動するのだが、
日本の伝統的流通システムは、水揚げの変動を柔軟に吸収し、
鮮魚を素早くに小売りまで流すことができる。
このシステムは閉鎖的な人間関係で結ばれているのが特徴だ。
逆に言うと、顔見知り以外が参加することはまず不可能なシステムである。
日本の流通システム
地産地消を前提とした、鮮魚マーケットに特化している
排他的・固定的な商関係を前提
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日本の流通システム (せり、仲卸)
- 2008-06-06 (金)
- 流通・消費
ノルウェー漁業と日本漁業は好対照だと思う。
特に流通も含めた全体のシステムとして、比較をするとおもしろい。
当サイトの読者の中には日本の流通システムについて不勉強な人も多いだろう。
水産資源学なんてやってても、流通には縁が無いからね。
比較の前段階として日本の水産物流通システムについてまとめてみよう。
日本で伝統的に行われていたのは、市場でのセリだ。
これこそが、日本的なシステムと言えるだろう。
まず、漁業者が海で魚を獲ってくる。
魚を市場(いちば)に集めるのが荷受である。荷受には専属のセリ人がいて、市場でせりを開催する。
市場で荷受から品物を買うには資格が必要である。この資格をもっているのが、仲卸(仲買人)である。
仲卸は消費者に直接販売をしない。 |
地方卸売市場で実際にセリの現場を見てみよう。
ここは関係者以外立ち入り禁止なのだが、場長さんにお願いをして、
セリの邪魔をしないという条件で見学させてもらった。
港に隣接した市場に、毎朝、魚が集まってくる。
集められた魚は発泡スチロールの箱に並べられる。
セリが始まってしまえば、一瞬で値段が決まるので、
セリが始まる前に仲卸は入念に魚の品定めをする。
無言で魚をなめるようにチェックする仲卸は、まさに「プロ」という感じです。
品定めのために、セリの数時間前から、魚を展示しておくことになる。
これがセリの風景です。
オレンジの帽子がセリ人で、水色の帽子が仲卸です。
セリ人が独特の調子で商品の説明をすると、仲卸が指で値段をつける。
もっとも高い値段をつけた仲卸が落札することになる。
あっというまに、大量の箱が処理されていきます。
築地の場合は、仲卸が場内に店舗を持っており、そこに小売店から魚を買いに来る。
この市場には仲卸の店舗らしきものが無かったので、
落札された魚を仲卸が小売店へと配達するのかな。
伝統的流通システムまとめ
伝統的な水産物の流通システムは上のようになっている。
市場に上がってくる質も量も不安定な鮮魚を、
多種多様なニーズを抱える小売店へと適切に流すための洗練されたシステムである。
このシステムで中心的な役割を果たすのが、高度に専門化した仲卸である。
荷受は、落札額が高くなるようにセリの順番を工夫したりもするが、
最終的な値段は仲卸が決める。
仲卸は魚の目利きでなければつとまらない。
それと同時に、仲卸は顧客である小売店・飲食店のニーズを正確に把握しておく必要がある。
競り人と仲卸は顔見知りである。毎日の取引を通じて、相場を熟知している。
仲卸と小売りとは専属契約のような関係にある。
専門知識と人間的なつながりによって、
顧客のニーズに合ったきめ細かいサービスを提供するのが仲卸の強みである。
仲卸が介在することによって、質・量ともに日々変動する水揚げ物を効率的に消費者まで流すことが可能なる。
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