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高木委員 その4

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今回取り上げるサワラ回復計画については、一言いっておきたい。

資源回復計画第一号のサワラに関して、何とでも成功させようという水産庁の執念が感じられた。
水産庁も、県も、漁業者も、全ての関係者は出来る限りのことをやったと思う。
現状の枠組みで出来ることは全てやったと言っても過言ではない。
しかし、漁獲圧のコントロールには失敗して増加の芽を摘んでしまった。
サワラは自然増加の傾向にあり、回復の条件が整っていたにもかかわらず、だ。
水産庁の実力を計る試金石になると思い、密かに注目してきたのだが、
正直、ここまで漁業をコントロールできないとは思っていなかった。
俺もがっかりしたが、関係者はさぞかしがっかりしたことだろう。

計画としては、失敗に終わったけれど、
サワラ回復計画に関わった人たちは、ベストを尽くしたと思う。
けして、努力が足りなかったわけではない。
ただ結果は結果として、真摯に受け止めないといけないだろう。

関係者は現在の枠組みの中でベストを尽くした。
時の運も味方につけた。
しかし、資源管理は失敗した。
この結果が意味するのは、「現在の枠組みでは資源管理は不可能だ」ということだ。

今、2002年のサワラのように条件が整った資源は無いだろう。
また、サワラ以上に関係者の努力を集中させるのは不可能だろう。
現状では資源管理は無理だという結論せざるをえない。
繰り返すが、この失敗は、管理課、県職員、漁業者など管理に関わった人間の責任ではない。
資源管理とは、そもそも一部の関係者の自主的な努力で出来るものではない。
資源を守るための強制力が働かない限り、過剰漁獲は防止できないのだ。
過剰漁獲に強制的にブレーキをかけられるような法整備をした上で、
社会的コストを払って、資源管理を進める必要がある。

俺が問題視しているのは、サワラ回復計画が失敗したことではない。
失敗をうやむやにして、同じ失敗を繰り返そうとしていることが問題なのだ。
すでに自主管理が軌道に乗っているイカナゴを持ちだしたことからわかるように、
現状では資源回復は無理だということを、当事者は理解しているはずだ。
勝ち馬に便乗し、過去の失敗をうやむやにすればそれでよいのか?

「現状では資源管理は不可能である」というメッセージを
社会に伝えるのが、サワラ回復計画に携わったものの義務だと思う。
当事者が義務から逃げるつもりなら、代わりに私めが義務を果たしてみせましょうぞ。

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from 18 Mar. 2009

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