某財団法人の学生さんへ

次のようなコメントをいただいた。

一言。
メディアに出て、それを張り付けて喜んでいるのはちょっと…良い印象を受けません。
小松さん、勝川先生は机上。
それに反対する先生方は現場。
一学生から見るとこんな印象を受けます。

現状認識の違いは、活動しているフィールドの違いでは?
勝川先生のおっしゃることは理解できるですが、漁村文化などといった視点を欠いているのではないでしょうか?
現状、現場、漁村で暮らす人々の生活を無視した、机上の政策論争のように思います。
互いを非難し否定しあっているなんて、ばかみたいです。学生でももう少しまともに話し合えるのではないですか?
今後は現状認識を確認していくというお話があったようなので、そういうところから協力して水産業のためになる政策が生み出されることを期待しております。

ご迷惑なら削除してください

会場にきた人なら、おわかりだろうが、勉強会に学生はほとんどいなかった。
少数の学生はいずれも、顔を見知った人間ばかり。
「小松さん、勝川先生」って、何で話をしていない小松さんが出てくるのだろうか。
どうも不自然に思ってIPを調べてみた、某財団法人からのアクセスでした。
月給80万円のご高齢の学生さんですね。
ネットには匿名性はありませんので、
職場からの書き込みは100%身元が割れると考えてください。
当ブログへの書き込みは匿名でもかまいませんので、
次からは学生などと名乗らずに、ある水産庁OBとでも名乗ってください。

内容については、真摯に受け止めるべき点もあると思うので、返事を書きます。

机上の空論だというなら、どのあたりが非現実的かを示してください。
また、漁村文化、現状、現場、漁村で暮らす人々の生活を考慮するとどうなるのでしょうか。
漁業者が喜ぶから、好きなだけ獲らせてあげましょうでは、
資源は減少し、値崩れによって利益は出ません。
それを30年続けてきて、漁業は悪くなるだけではありませんか。

>現状、現場、漁村で暮らす人々の生活を無視した、机上の政策論争のように思います。
>互いを非難し否定しあっているなんて、ばかみたいです。
>学生でももう少しまともに話し合えるのではないですか?

この指摘はもっともだと思います。本当に馬鹿みたいです。
漁業者、加工業者に話を聴くと、「行政官も研究者も漁業の現場のことは何もわかっていない」と言います。
現場から離れたもの同士が、互いを非難し否定しあっても仕方がありませんね。

また、私だって、最初から、水産庁の批判をしていたわけではありません。
今と同じようなことを、何年もソフトに主張してきました。でも、何も変わりませんでした。
数人の鼻がきく行政官が「言い訳」の準備をしただけです。
北海道の日本海側のスケトウダラが減少し、全く歯止めがかかっていません。
ニシンに続き、スケトウダラも崩壊したら、北海道の日本海側は危機的な状況になります。
マイワシは史上最低水準でなお強い漁獲にさらされているし、
サバの回復の芽をつみ、日本市場はノルウェーサバに席巻されています。
漁業者も、行政も、研究者も、徐々に変化をしていますが、現状ではあまりにも遅すぎます。
こういう状況で私に残された選択肢は外圧となり、変わらざるを得ない状況を作ることのみでした。

水産という閉鎖社会のなかで、一研究者が、役所や業界団体を批判するのは、容易なことではありません。
おもしろ半分にできることではなく、将来のキャリアを投げ出す覚悟でやってきました。
欧米のように、行政官が研究者の意見を尊重していれば、こんなことはしないですんだのです。
批判される側にはおもしろくないと思いますが、仕方がないことです。

ただ、予想以上に発言の影響が大きくなってしまったので、様々な弊害も出てきています。
私の目的は、漁業を破壊することではなく、漁業を改善することですので、
今後は方向転換を図っていこうと考えています。

>今後は現状認識を確認していくというお話があったようなので、
>そういうところから協力して水産業のためになる政策が生み出されることを期待しております。

「水産業のためになる政策が生み出されること」というのは、全く同感です。
そのためには、漁業者、行政官、研究者が、漁業の問題点やその対策を、
自由に議論をできる場ができるとよいですね。

現実に苦しんでいる漁業関係者がたくさんいます。
どうやったら、漁業の危機的状況を打開できるかという観点から、アドバイスをいただければ、
取り入れられるところは取り入れて、真摯に対応していきたいと思います。

あと、メディア利用ですが、個別漁獲枠の説明にはテレビの動画が一番わかりやすいので使いました。
ただ、最後の水産庁の部分は余計でしたね。配慮を欠いていたかもしれません。

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某財団法人の学生さんへ への4件のフィードバック

  1. 匿名あまえヒト のコメント:

    なんだよぉ・・・学生じゃ、なかったのか!(怒)

    現場を全く知らない、高給取りの天下りかぃ!

    おまぃら、たいがいにしろょ(怒怒怒)
    漁師を食い物にしやがって!!!

  2. 県職員 のコメント:

     現場にいると見えなくなること,言えなくなることが多くなると思います。
     一学生さんの言われる「反対される先生」が現場だとも思えません。
     天下りなんてものは正直早くなくすべきです。補助金貰っている財団法人などには天下りは禁止するとか,逆に天下った人がいる所には補助金出さないとか。
     「漁村文化」ってなんなんでしょうね。お祭り,自主的な取り決め,相互扶助?
     確かに漁村出身者が家業を継ぐことはあるでしょう。その一方で,儲けがでないところには跡継ぎも生まれません。
     漁業者がやっていることは,経済活動であり,そこでは効率性,合理性を求められてしかるべきです。
     私と同じような立場の人間も多くこのブログを読んでいます。今後も頑張って下さい。 
     
     
     
     

  3. うなたろう のコメント:

    こんばんは。某大学学生の(笑)うなたろうです。ジ●ジ●立ちしてますか?(謎

    いやはや、面白いコメントをされる方もいるものですね。私は一学生というカテゴリに入る人間で、かつ漁村文化には理解のある人間でもあると我ながら思っていますが、現状のままでは漁村文化も何もかも、行く末は「消滅」でしかないと思っています。
    これを防ぐためには、既得権とかもうそんなことはどうでもよくて、現実を見た議論が必要ですよね。

  4. 勝川 のコメント:

    県職員さん

    >確かに漁村出身者が家業を継ぐことはあるでしょう。
    >その一方で,儲けがでないところには跡継ぎも生まれません。

    漁村文化を理由に漁業の経済性がなくても良いと主張する人間は、
    この部分を無視しています。
    生活が成り立って、コミュニティーが維持できて初めて文化が成立するわけです。
    そもそも、漁業収入で生活していない人間は漁業者ではないでしょう。

    うなたろうさん、こんにちは、
    ●ョ●ョ立ちは、最近していませんねぇ。

    >既得権とかもうそんなことはどうでもよくて、
    とまではいきませんが、漁村が生き残るのが最優先で、
    その上で、残すべき既得権と、捨てるべき既得権を分けるべきでしょう。

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