シンポジウム雑感 その1

シンポジウムはお疲れ様でした。

OMなんてマニアックなネタだから、
発表者+20人ぐらいと踏んでいたのに、
参加者が大勢でビックリしました。

「日本でもOMへの関心がこんなに高まっていたのか!」
と感動したのですが、
実は、昨日行われた秘密会議のついでに皆さん出席と言うことでした(笑
まあ、そうでしょうね。

シンポジウムは「不確実性への挑戦」というタイトル。
「数値シミュレーションを活用して、
不確実性に頑健な資源管理システムを構築しましょう」
というのが主題で、そういう演題が並んでいた。
資源評価の担当者達は、ことあるごとに北巻や行政官から、
「資源評価はあてにならん」「また、予測が外れた」などと、
いぢめられているので、かなり切実な問題なのだろう。

ただ、俺に言わせれば、不確実性なんて優先順位が低い話であって、
不確実性の前に考えるべき事は山ほど有ると思う。
実際のところ、漁業者も行政も不確実性なんてどうでも良いと思っている。
研究者が業界の都合の悪い数字を出してきたときに、
それを無視する口実として、不確実性を持ち出しているだけだろう。

(続く)

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シンポジウム雑感 その1 への3件のフィードバック

  1. 匿名甘えヒト のコメント:

    OMって、イメージ的だけど・・・

    たとえば、腕の良い大工さんなんかは、メジャーで、チョコチョコっと測って、結構複雑な形の木材製品を作ったりする。

    OMって、それができないから、とりあえず、色々なコトを試してみて、なんとか当てはめようとする・・・そこには本質的な問題は棚上げにして・・・とりあえず、できればいいじゃん、意味分かんなくたって♪

    って、イメージなのかな。。。

    生態的な証拠は得られない。
    でも、「管理」はしなければならない。
    だから、「適当」なシミュレーションを用いて、そこに使うパラメーターは「任意」に変化させて、現実に一番近いモノを創作する。

    職人が、培った技術で隙間のない柱と柱の接合部分を作るのに対して、OMは、試行錯誤を繰り返しながら、最終的には、同じ結果を生み出そうとするのに似ているのかな?

    そんな、イメージで良いのですか?

    もし、そうだったら、コレって、現場に理解してもらうのって、かなり難しいかも・・・
    「理解できないヤツが悪い」と言い切るのは簡単だけど・・・科学者のエゴだな・・・まぁ、そんなことはないだろうけど・・・現場に導入するのには、かなり苦労しそうですね。

    TAC魚種みたいな、利害関係がでっかくて、政治家先生をも動かせるような漁業じゃなくて、手始めに、手のひらにのるような、沿岸の定着種あたりから実績を作ったらどーなんでしょうかねぇ・・・

  2. 県職員 のコメント:

    たとえば、腕の良い大工さんなんかは、メジャーで、チョコチョコっと測って、結構複雑な形の木材製品を作ったりする。

    →作れる人はいるのでしょうか?
    誰も作れないから,苦労してるのではないでしょうか。沿岸の定着種でも,孵化後,加入までの初期減耗などは?でしょうし。どこかで何かのパラメーターを与えない限り,資源計算は出来ないのでは。

  3. 勝川 のコメント:

    匿名甘えヒトさん

    >OMって、イメージ的だけど・・・
    >たとえば、腕の良い大工さんなんかは、メジャーで、チョコチョコっと測って、
    >結構複雑な形の木材製品を作ったりする。

    モデル作りはまさにそんな感じですね。
    科学と言うより、職人芸です。
    でもって、職人さんによって、出来てくるモデルが全然違う(笑

    >生態的な証拠は得られない。
    >でも、「管理」はしなければならない。
    >だから、「適当」なシミュレーションを用いて、
    >そこに使うパラメーターは「任意」に変化させて、現実に一番近いモノを創作する。

    一番近いモノがわかれば苦労はしないのですよ。
    思いつく範囲で候補を増やした上で、
    どういう管理が妥当かをシミュレーションで見ていくのです。

    基本的には、減ったときには適切に守れて、
    増えたときには漁獲の妨げにならないで、
    その上漁獲量の変動が少ない獲り方が望ましいですね。

    まあ、それぞれトレードオフですから、
    何を犠牲にするかは社会的価値観の問題です。

    県職員さん

    >どこかで何かのパラメーターを与えない限り,資源計算は出来ないのでは。

    その通りなのです。でも、どのパラメータが正解かはだれにもわからない。
    だから、広範囲のパラメータの値に対して、
    上手くいくような獲り方をシミュレーションで探そうということです。

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