現在の水産物の調査は、頭と内臓を抜いた可食部(人間が食べる部位)のヨウ素とセシウムを計測しています。「政府は、頭と内臓を取り除いて計測することで、値を故意に低くしている」という批判を随所で見かけます。本当にそうなのか、データで検証してみましょう。海産魚類の全体を計測した場合と、可食部(肉)のみを計測した場合で、セシウムの値(Bq/kg)に差が出るかを比較してみました。
頭、骨、内臓を取り除いて可食部のみにすると、セシウムの濃度は2割ほど上がります。セシウムが筋肉に広く分布することは、過去の知見からも明らかです。セシウムの密度が低い骨と内臓を取り除けば、かえってセシウムの濃度は上がるのです。インチキの測定法で、放射性物質の汚染を低く見せているということはありませんので、ご安心ください。
セシウムに関しては、今の計測法で良いのですが、ストロンチウムは骨に集中します。今後ストロンチウムを計るときには、骨ごと、丸のままで計測していただきたいと思います。

セシウムは内臓に溜まりやすいというデマもありましたが、内臓に溜まらないというのはいい情報ですね。
がん死のほとんどは内臓系で筋肉腫はほとんど無いですし、筋肉は代謝しやすいから生物学的半減期も短くなると。
データの出典をお教えいただけるとありがたいです。
『筋肉は他の部位に比べセシウム濃度が高くなる報告があるものの,その差は小さい。したがって,線量評価の目的においてはセシウムは全身均一分布と仮定する。』 http://bit.ly/jr1v8m
この資料についての見解は間違ってるってことで安心しました。
出典はこれでしたね。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.SelectMain?paraSelectKind=0&pageSID=1420204
失礼しました。
降下物はこれで調べたことがありましたが、水産物は今日初めて使いました。
『筋肉は他の部位に比べセシウム濃度が高くなる報告があるものの,その差は小さい。したがって,線量評価の目的においてはセシウムは全身均一分布と仮定する。』 http://bit.ly/jr1v8m
資料のモデルを見ると分かりますが、内蔵部分 (Small intestine、Large intestine) や、Urinary bladar content を分けて、その後その他の組織については全身均一分布するとして 2 つのコンパートメントを設定しています。ですので魚の頭、骨と別コンパートメントにした内臓を取り除いた際に値が 2 割程度変化しても、モデルの仮定と特に矛盾はしないのではないでしょうか。
また人と、魚/水産物では分布が大きく違う可能性も高いですので(分子によっては哺乳類ですら数倍程度違いがある場合もある)、2 つのデータに齟齬があるとは言えないと思います。
初めまして。いつも良記事を読ませて頂き、ありがとうございます。心配なことが出来たのでコメントさせて頂きました。
先日公開された福島県内の公共用水域の水質モニタリング調査における放射性物質濃度の測定結果において、川の底から最大でセシウム3万Bq/kgが検出されました。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/03/1306870_0603.pdf
降下したセシウムでさえこれだけの量が沈降していることを考えると、より比重の重いプルトニウムが汚染水に大量に含まれていた場合、あまり拡散せず沿岸の海底に集中的に沈み、底生生物から徐々に上がって行くのではないかと考えました。
回遊魚はこれからの季節、東北を北上するものが多いですよね。そうすると、これらの回遊魚が餌からプルトニウムを体内に取り込み、しかもセシウム主体の検査には引っ掛からず、特に秋以降は全国の食卓に、という危険性が出てくるのではないかと心配になったのです。
先生はいかがお考えでしょうか。もし機会があればコメント頂ければ幸いです。
Yuさんが出典を書かれていましたが、検索条件がわかりませんでした。
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